名称:N‐[3‐(1‐エチル‐1‐メチルプロピル)‐1,2‐オキサゾール‐5‐イル]‐2,6‐ジメトキシベンズアミド(別名イソキサベン)
CAS番号:82558-50-7
物質ID: | 20A2303 |
分類実施者: | 厚生労働省・環境省 |
分類実施年度: | 平成20年度 |
使用マニュアル: | 政府向けGHS分類ガイダンス(H20.9.5版) |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
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1 | 爆発物 | 区分外 | - | - | - | - | 爆発性に関わる原子団(N-O; 1,2-オキサゾール類)を有するが、酸素収支の計算値が-200以下(-212)であることから区分外とした。(C18H24N2O4 + 22O2 -> 18CO2 + 12H2O + N2; 酸素収支=-1600 * 44/332=-212) |
2 | 可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む) | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における固体である。 |
3 | エアゾール | 分類対象外 | - | - | - | - | エアゾール製品でない。 |
4 | 支燃性/酸化性ガス | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における固体である。 |
5 | 高圧ガス | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における固体である。 |
6 | 引火性液体 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における固体である。 |
7 | 可燃性固体 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
8 | 自己反応性化学品 | 分類できない | - | - | - | - | 爆発性に関わる原子団(N-O; 1,2-オキサゾール類)を有するがデータがなく分類できない。 |
9 | 自然発火性液体 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における固体である。 |
10 | 自然発火性固体 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
11 | 自己発熱性化学品 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
12 | 水反応可燃性化学品 | 区分外 | - | - | - | - | 水溶解度は0.001-0.002 mg/ml(25℃)(Merck(14th, 2006))で水に対して安定である。 |
13 | 酸化性液体 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における固体である。 |
14 | 酸化性固体 | 分類できない | - | - | - | - | フッ素及び塩素を含まず、酸素を含む有機化合物であり、この酸素が窒素と化学結合しているが、試験データがない。 |
15 | 有機過酸化物 | 分類対象外 | - | - | - | - | 分子内に-O-O-構造を含まない有機化合物である。 |
16 | 金属腐食性物質 | 分類できない | - | - | - | - | 固体状の物質に適した試験法が確立していない。 |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
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1 | 急性毒性(経口) | 区分外 | - | - | - | - | ラットのLD50値 >5000mg/kg(原体: 農業安全情報18号(1995))、>10000mg/kg(HSDB(2006))に基づき、区分外とした。 |
1 | 急性毒性(経皮) | 区分外 | - | - | - | - | ラットのLD50値 >2000mg/kg(原体: 農業安全情報18号(1995))、ウサギのLD50値 >2000mg/kg(HSDB 2006))に基づき、区分外(国連分類基準の区分5または区分外)とした。 |
1 | 急性毒性(吸入:ガス) | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における固体である。 |
1 | 急性毒性(吸入:蒸気) | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
1 | 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) | 分類できない | - | - | - | - | ラットのLC50値>1.99mg/L/1時間(4時間換算>0.5mg/L)(HSDB(2006)), >2.93mg/L(暴露時間不明)(農業安全情報18号(1995))は、飽和蒸気圧濃度(換算値7.5x10^-8mg/L: HSDB(2006))以上であるため、粉塵、ミストの基準によるが、区分1から区分5のいずれに当たるか判断できず分類できないとした。 |
2 | 皮膚腐食性/刺激性 | 区分2 | 警告 | H315: 皮膚刺激 |
P302+P352: 皮膚に付着した場合:多量の水と石鹸で洗うこと。 P332+P313: 皮膚刺激が生じた場合:医師の診断/手当てを受けること。 P264: 取扱後は...よく洗うこと。 P280: 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。 P321: 特別な処置が必要である(このラベルの...を見よ)。 P362: 汚染された衣類を脱ぎ、再使用する場合には洗濯をすること。 |
ウサギ塗布試験(50%製剤、4時間)において、全動物に紅斑、4匹に痂皮形成、1匹に軽度浮腫が認められた(農業安全情報18号(1995))ことから区分2とした。 | |
3 | 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 | 区分2B | - | 警告 | H320: 眼刺激 |
P305+P351+P338: 眼に入った場合:水で数分間注意深く洗うこと。次にコンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。 P337+P313: 眼の刺激が続く場合:医師の診断/手当てを受けること。 P264: 取扱後は...よく洗うこと。 |
ウサギ試験(50%製剤)において、全動物に角膜及び結膜の刺激性変化、6例中5例で虹彩の刺激性変化がみられ、全症状は処理後5日目までに回復した(農業安全情報18号(1995))。以上、刺激性が7日間以内で回復されたことから区分2Bとした。 |
4 | 呼吸器感作性 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
4 | 皮膚感作性 | 分類できない | - | - | - | - | モルモット(Buehler法; 50%製剤、週3日、2週間)において、感作性は認めらず(農業安全情報18号(1995))、動物種は不明だがBuehler法による試験結果においても感作性なし(HSDB 2006))であるがList 2のデータしかなく分類できないとした。 |
5 | 生殖細胞変異原性 | 区分2 | 警告 | H341: 遺伝性疾患のおそれの疑い |
P308+P313: 暴露又は暴露の懸念がある場合:医師の診断/手当てを受けること。 P201: 使用前に取扱説明書を入手すること。 P202: 全ての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。 P281: 指定された個人用保護具を使用すること。 P405: 施錠して保管すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
マウス雄を用いた小核試験(0-5000mg/kg)の800及び2000mg/kg群にて、多染色性赤血球のスコアが2000であり統計的に有意な増加を示し(HSDB(2006))、また、マウス雄を用いた小核試験(0 or 5000 mg/kg)において陽性結果(HSDB(2006))を示したことやマウス雄を用いた小核試験にて不明瞭な結果(IRIS(1993)を示したことなどから、体細胞を用いるin vivo変異原性試験の結果には相反するものがあるものの複数の陽性結果があり区分2とした。なお、in vivo遺伝毒性試験(エームス試験、CHO細胞を用いた染色体異常試験)で陰性の結果が得られている(IRIS(1993), HSDB(2006))。 | |
6 | 発がん性 | 区分外 | - | - | - | - | EPAにおいてCに分類されている(IRIS(1993))ことから区分外とした。なお、マウス(B6C3F1; 0-12500ppm, 2年間暴露)の雌雄高濃度群にて、肝細胞腺腫が統計的に有意な増加を示し、ラット(Fischer344; 0-12500ppm)の雄高濃度群にのみ、副腎髄質に良性の褐色細胞腫が認められている(IRIS(1993))。 |
7 | 生殖毒性 | 区分2 | 警告 | H361: 生殖能又は胎児への悪影響のおそれの疑い |
P308+P313: 暴露又は暴露の懸念がある場合:医師の診断/手当てを受けること。 P201: 使用前に取扱説明書を入手すること。 P202: 全ての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。 P281: 指定された個人用保護具を使用すること。 P405: 施錠して保管すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
ラットによる3世代試験(25, 125, 625mg/kg/day)にて、親動物の体重増加抑制が見られた用量で黄体数の減少、仔に小眼球症、無眼球症、脳ヘルニアおよび頭蓋顔面奇形(craniofacila malformations)が認められた(IRIS(1993))。ラット試験(300, 1000mg/kg/day)にて、親動物に体重増加抑制が見られた用量で着床前胚損失および再吸収の増加が認めれた(IRIS(1993))。ウサギの催奇形性試験(0-1000mg/kg/日)においては、1000mg/kg群にて流産1例、死亡5例が認められている(農業安全情報18号(1995))。ラット混餌試験(0, 40, 200, 1000mg/kg/day)においても仔に脳ヘルニアおよび小眼球症が認められている(HSDB(2006))。以上の結果、親動物での一般毒性が発現する用量で生殖毒性が認められたことから区分2とした。なお、ラットの催奇形性試験(0-1000mg/kg/日)にて一般および生殖毒性は見られず区分外に相当する結果が得られている(農業安全情報18号(1995))。 | |
8 | 特定標的臓器毒性(単回暴露) | 分類できない | - | - | - | - | ウサギによる経口試験(0-5000mg/kg)において全身症状(行動、体性神経系及び自律神経系)に異常は認められなかった(農業安全情報18号(1995):残留農薬研究所)。ラットによる強制経口試験(0, 5000mg/kg)において呼吸、血圧及び心電図に異常は認められなかった(農業安全情報18号(1995):残留農薬研究所)。以上の結果と評価結果「本物質の急性毒性は弱く普通物に相当した」の記述(農業安全情報18号(1995):残留農薬研究所)に基づき区分外(経口)に該当するが、他経路のデータがなくデータ不足で分類できないとした。 |
9 | 特定標的臓器毒性(反復暴露) | 分類できない | - | - | - | - | ラットにおける混餌試験(1年間, 10-1000mg/kg/day)の毒性下限濃度(LEL値)100mg/kg/day(90日補正400mg/kg/day)(IRIS(1993))、ラットによる混餌試験のLEL値1250ppm(90日補正250mg/kg/day)(IRIS(1993))、イヌによる混餌試験(90日間)のLEL値500mg/kg/day(IRIS(1993))、およびイヌによる混餌試験(3ヶ月間, 0-500mg/kg/日)において検体に起因する毒性症状は認められなかった(農業安全情報18号(1995))ことから、区分外(経口)に該当するが、他経路のデータがなくデータ不足で分類できないとした。なお、ラット混餌試験(3ヶ月間、0-12500ppm)にて肝細胞肥大が認められたが、ガイダンス値外(12500ppm; 換算値625mg/kg)のため分類根拠に採用しなかった。 |
10 | 吸引性呼吸器有害性 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
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11 | 水生環境有害性(急性) | 区分外 | - | - | - | - | 魚類、甲殻類で水溶解度までの濃度において急性毒性値得られていない(HSDB 2006, AQUIRE 2009)ことから、区分外とした。 |
11 | 水生環境有害性(長期間) | 区分外 | - | - | - | - | 難水溶性(水溶解度=1.4mg/L(PHYSPROP Database(2008))かつ、水溶解度までの濃度において急性毒性値得られていない(HSDB 2006, AQUIRE 2009)が、生物濃縮性が低いと推定される(LogPow=3.94(PHYSPROP Database(2008))ことから、区分外とした。 |
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