名称:(RS)‐アルファ‐シアノ‐4‐フルオロ‐3‐フェノキシベンジル=(1RS)‐シス‐トランス‐3‐(2,2‐ジクロロビニル)‐2,2‐ジメチルシクロプロパンカルボキシラート(別名シフルトリン)
CAS番号:68359-37-5
物質ID: | 20A2296 |
分類実施者: | 厚生労働省、環境省 |
分類実施年度: | 平成20年度 |
使用マニュアル: | 政府向けGHS分類ガイダンス(H20.9.5版) |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 爆発物 | 分類対象外 | - | - | - | - | 爆発性に関わる原子団を含んでいない。 |
2 | 可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む) | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における固体である。 |
3 | エアゾール | 分類対象外 | - | - | - | - | エアゾール製品でない。 |
4 | 支燃性/酸化性ガス | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における固体である。 |
5 | 高圧ガス | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における固体である。 |
6 | 引火性液体 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における固体である。 |
7 | 可燃性固体 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
8 | 自己反応性化学品 | 分類できない | - | - | - | - | 不飽和結合を含むがデータなく分類できない。 |
9 | 自然発火性液体 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における固体である。 |
10 | 自然発火性固体 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
11 | 自己発熱性化学品 | 分類できない | - | - | - | - | 融点140℃以下の固体状の物質に適した試験方法が確立していない。 |
12 | 水反応可燃性化学品 | 分類対象外 | - | - | - | - | 金属又は半金属(B, Si, P, Ge, As, Se, Sn, Sb, Te, Bi, Po, At)を含んでいない。 |
13 | 酸化性液体 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における固体である。 |
14 | 酸化性固体 | 分類対象外 | - | - | - | - | フッ素、塩素及び酸素を含む有機化合物であるが、これらの元素が炭素、水素以外の元素と化学結合していない。 |
15 | 有機過酸化物 | 分類対象外 | - | - | - | - | 分子内に-O-O-構造を含まない有機化合物である。 |
16 | 金属腐食性物質 | 分類できない | - | - | - | - | 固体状物質に適した試験方法が確立していない。 |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 急性毒性(経口) | 区分4 | 警告 | H302: 飲み込むと有害 |
P301+P312: 飲み込んだ場合:気分が悪いときは医師に連絡すること。 P264: 取扱後は...よく洗うこと。 P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。 P330: 口をすすぐこと。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
ラットを用いた経口投与試験のLD50値は、得られた14件(1271, 869, 1189, 590, 795, 926, 499, 505, 254, 396, 16.2, 500-1000, 155, 160 mg/kg bw)(JECFA No. 891(1997))、(DFGOT vol. 23(2003))のデータのうち、9件が区分4(300 | |
1 | 急性毒性(経皮) | 区分外 | - | - | - | - | ラットLD50値=>5000 mg/kg (JECFA No. 891 (1997))に基づき、JIS分類基準の区分外(国連分類基準の区分5)とした。 |
1 | 急性毒性(吸入:ガス) | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における固体である。 |
1 | 急性毒性(吸入:蒸気) | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
1 | 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) | 区分2 | 危険 | H330: 吸入すると生命に危険 |
P304+P340: 吸入した場合:空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。 P403+P233: 換気の良い場所で保管すること。容器を密閉しておくこと。 P260: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。 P271: 屋外又は換気の良い場所でのみ使用すること。 P284: 呼吸用保護具を着用すること。 P310: 直ちに医師に連絡すること。 P320: 特別な処置が緊急に必要である(このラベルの...を見よ)。 P405: 施錠して保管すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
ラットLC50値で、区分4相当(1.089 mg/L)が1個、区分3相当(0.575 mg/L)が1個、区分2-3相当(0.469-0.592 mg/L; 0.2-0.735 mg/L))が2個、区分2相当(0.405; 0.49 mg/L)が2個(DFGOT vol. 23(2003))(JECFA No. 891(1997))であることから, 数が多く毒性が強いデータを採用し、区分2とした。なお、EU分類にてR26/28(区分1または区分2), R23(区分2)(EU-Annex I(Access on Feb. 2009))である。 | |
2 | 皮膚腐食性/刺激性 | 区分外 | - | - | - | - | ウサギを用いた2件の試験において刺激性なし(not irritating)との報告(DFGOT vol. 23(2003))に基づき区分外とした。 |
3 | 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 | 区分2 | 警告 | H319: 強い眼刺激 |
P305+P351+P338: 眼に入った場合:水で数分間注意深く洗うこと。次にコンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。 P337+P313: 眼の刺激が続く場合:医師の診断/手当てを受けること。 P264: 取扱後は...よく洗うこと。 P280: 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。 |
ウサギ2件の試験結果で、いずれも一次刺激性(DFGOT vol. 23(2003))との記述に基づき区分2とした。 | |
4 | 呼吸器感作性 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
4 | 皮膚感作性 | 区分外 | - | - | - | - | モルモットを用いた2件のMaximization 試験(DFGOT vol. 23(2003))では、いずれも皮膚感作性を否定していることから、区分外とした。 |
5 | 生殖細胞変異原性 | 分類できない | - | - | - | - | データ不足により分類できない。なお、経口投与によるマウス優性致死試験及び経口投与によるマウス骨髄細胞染色体異常試験において陰性とする報告があるが、試験に不備があるため採用できないとの注記がある(JECFA No. 891(1997))ことから不採用とした。なお、in vitro変異原性試験:エームステスト、CHO細胞を用いる突然変異試験、CHL細胞を用いる染色体異常試験、ヒトリンパ球を用いる染色体異常試験の結果は陰性である(JECFA No. 891(1997)、DFGOT vol. 23(2003))。 |
6 | 発がん性 | 区分外 | - | - | - | - | ラットを用いた2年間の経口投与試験、マウスを用いた23ヶ月、18ヶ月間の経口投与試験において腫瘍の発生率の上昇は認められていない(DFGOT vol. 23(2003))ことから区分外とした。 |
7 | 生殖毒性 | 区分2 | 警告 | H361: 生殖能又は胎児への悪影響のおそれの疑い |
P308+P313: 暴露又は暴露の懸念がある場合:医師の診断/手当てを受けること。 P201: 使用前に取扱説明書を入手すること。 P202: 全ての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。 P281: 指定された個人用保護具を使用すること。 P405: 施錠して保管すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
OECD-TG414に準拠した経口投与によるウサギを用いた発生毒性試験において(JECFA No. 891(1997)、HSDB(2008))、母獣に体重増加抑制が認められる投与量(60 and 180 mg/kg bw per day)においてより胚吸収が生じているため、区分2とした。 | |
8 | 特定標的臓器毒性(単回暴露) | 区分1(神経系) | 危険 | H370: 臓器の障害(神経系) |
P307+P311: 暴露した場合:医師に連絡すること。 P260: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。 P264: 取扱後は...よく洗うこと。 P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。 P321: 特別な処置が必要である(このラベルの...を見よ)。 P405: 施錠して保管すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
ラットに0.405 mg/L/4hの吸入暴露(OETD TG 403)で、舞踏アテトーゼ様の動作の持続、チアノーゼ、呼吸困難を伴う不規則呼吸、異常発声、閉眼状態での伏臥あるいは側臥が観察されている(DFGOT vol. 23(2007))ことから、区分1(神経系)とした。なお、げっ歯類(ラット、マウス)の経口暴露によるLD50値は291〜1271 mg/kgであり、舞踏アテトーゼ様の兆候、不穏、流涎、運動機能低下、運動失調、足取り不調、呼吸数の減少、呼吸困難と無気力が報告されている(DFGOT vol. 23(2007))。 | |
9 | 特定標的臓器毒性(反復暴露) | 区分1(神経系) | 危険 | H372: 長期にわたる、又は反復暴露による臓器の障害(神経系) |
P260: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。 P264: 取扱後は...よく洗うこと。 P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。 P314: 気分が悪いときは、医師の診断/手当てを受けること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
ラットによる4週間の強制経口投与試験で80mg/kg bw/day(90日換算値:27mg/kg bw/day=区分2相当)で無関心、運動失調、脱毛、呼吸困難の症状が、1ヶ月間の経口投与試験(混餌)で歩行異常、流涎、緊張、坐骨神経組織の変性が観察されたが、投与終了で回復した(JECFA No. 891(1997))。3ヶ月間の混餌による経口試験では1000mg/kg投与群(11mg/kg/day=区分2相当)のラット20匹中雄5匹と雌3匹が坐骨神経の変性が見られたが、8匹中1匹が投与後に回復し(JECFA No. 891(1997))、500m/kg投与群(雄:38.9, 雌42.9mg/kg bw/day=区分2相当)で一時的な歩行不全と体重減少(DFGOT vol.23(2007))が見られた。また、ラットを用いた吸入試験で、3週間では250 μg/L(90日換算値:0.06mg/L)で乱れた毛並み、ぎこちない足取り、流涎、投与期間中の体重減少(MPR "Summary of toxicological evaluations"(2006)及びNo.763(1987))、13週間では 20 μg/L(0.02mg/L=区分1相当)で非特異的な行動異常、3.0, 20 μg/L(0.003mg/L及び0.02mg/L=区分1相当)でさまざまな器官の重量減少(JMPR "Summary of toxicological evaluations"(2006)及びNo.763(1987))、4週間では6.0 mg/m3(90日換算値:0.002mg/L=区分1相当)で雄のラットに体重減少、一時的な反射または動作緩慢、体温低下、白血球数と胸腺重量の低下、尿酸の増加、46.6 mg/m3(90日換算値:0.016 mg/L=区分1相当)で暴露後に立毛、異常活動と動作緩慢(DFGOT vol.23(2007))が見られたが、いずれも顕微鏡検査で投与による損傷はなく(JMPR "Summary of toxicological evaluations"(2006)及びNo.763(1987))、病理組織学的所見はない(DFGOT vol.23(2007))。以上のデータよりガイダンスの区分1の用量で神経系への影響が見られる事から区分1(神経系)とした。 | |
10 | 吸引性呼吸器有害性 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|
11 | 水生環境有害性(急性) | 区分1 | 警告 | H400: 水生生物に非常に強い毒性 |
P273: 環境への放出を避けること。 P391: 漏出物を回収すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
甲殻類(オオミジンコ)の48時間EC50=0.000025 mg/L(AQUIRE, 2008)から区分1とした。 | |
11 | 水生環境有害性(長期間) | 区分1 | 警告 | H410: 長期継続的影響によって水生生物に非常に強い毒性 |
P273: 環境への放出を避けること。 P391: 漏出物を回収すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
急性毒性区分1であり、急速分解性がない(BIOWIN)ことから、区分1とした。 |
政府による分類結果は、GHSに基づくSDSやラベル作成の際に自由に引用および複写を行うことができます。ただし、引用および複写をした上で作成されたSDS・ラベルの内容に対する責任は、SDS・ラベル作成者にあることにご留意ください。 本分類結果は、分類ガイダンス等のマニュアルで定められている情報源と判定方法に基づくものであり、あくまでもSDSやラベル作成の際の参考として公表しているものです。他の文献や試験結果等を根拠として、本内容と異なる分類結果でSDSやラベルを作成することを妨げるものではありません。 |
使用マニュアル |
|
解説・用語集(エクセルファイル) |
|
厚生労働省モデルラベル |
職場のあんぜんサイトへ |
厚生労働省モデルSDS |
職場のあんぜんサイトへ |