GHS分類結果

名称:5,5‐ジメチルペルヒドロピリミジン‐2‐オン=4‐トリフルオロメチル‐アルファ‐(4‐トリフルオロメチルスチリル)シンナミリデンヒドラゾン(別名ヒドラメチルノン)
CAS番号:67485-29-4

結果:
物質ID: 20A2295
分類実施者: 厚生労働省・環境省
分類実施年度: 平成20年度
使用マニュアル: 政府向けGHS分類ガイダンス(H20.9.5版)

物理化学的危険性
危険有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起語 危険有害性情報 注意書き 分類根拠・問題点
1 爆発物 分類できない - - - - 爆発性に関する原子団(N-N)を含むがデータがない。
2 可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む) 分類対象外 - - - - GHS定義における固体である。
3 エアゾール 分類対象外 - - - - エアゾール製品でない。
4 支燃性/酸化性ガス 分類対象外 - - - - GHS定義における固体である。
5 高圧ガス 分類対象外 - - - - GHS定義における固体である。
6 引火性液体 分類対象外 - - - - GHS定義における固体である。
7 可燃性固体 分類できない - - - - データなし。
8 自己反応性化学品 分類できない - - - - 爆発性に関する原子団(N-N)を含むがデータがない。
9 自然発火性液体 分類対象外 - - - - GHS定義における固体である。
10 自然発火性固体 分類できない - - - - データなし。
11 自己発熱性化学品 分類できない - - - - データなし。
12 水反応可燃性化学品 分類対象外 - - - - 金属又は半金属(B, Si, P, Ge, As, Se, Sn, Sb, Te, Bi, Po, At)を含んでいない。
13 酸化性液体 分類対象外 - - - - GHS定義における固体である。
14 酸化性固体 分類対象外 - - - - 酸素および塩素を含まず、フッ素を含む有機化合物であるが、このフッ素は炭素、水素以外の元素と化学結合していない。
15 有機過酸化物 分類対象外 - - - - 分子内に-O-O-構造を含まない有機化合物である。
16 金属腐食性物質 分類できない - - - - 固体状の物質に適した試験方法が確立していない。

健康に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起語 危険有害性情報 注意書き 分類根拠・問題点
1 急性毒性(経口) 区分4 警告 H302: 飲み込むと有害 P301+P312: 飲み込んだ場合:気分が悪いときは医師に連絡すること。
P264: 取扱後は...よく洗うこと。
P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。
P330: 口をすすぐこと。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
ラットのLD50値が雄 1131mg/kg、雌 1300mg/kg(HSDB(2009))に基き、区分4とした。
1 急性毒性(経皮) 区分外 - - - - ウサギのLD50値が >5000mg/kg(HSDB(2009))に基き、区分外とした。
1 急性毒性(吸入:ガス) 分類対象外 - - - - GHSの定義における固体である。
1 急性毒性(吸入:蒸気) 分類できない - - - - データなし。
1 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) 区分外 - - - - ラットのLC50値は >5000mg/m3(換算値:>5mg/L)に基づき、JIS分類基準の区分外(国連分類規準の区分5または区分外)とした。(飽和蒸気圧濃度は5.39E-07mg/Lである。従って試験はミストで実施されたものと判断される。
2 皮膚腐食性/刺激性 区分外 - - - - ウサギを用いた試験で、刺激性なし(HSDB(2009))、皮膚刺激性はない(HSDB(2009))及びモルモットを用いた試験で、皮膚刺激性はない(HSDB(2009))のデータから、区分外とした。
3 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 区分2B - 警告 H320: 眼刺激 P305+P351+P338: 眼に入った場合:水で数分間注意深く洗うこと。次にコンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。
P337+P313: 眼の刺激が続く場合:医師の診断/手当てを受けること。
P264: 取扱後は...よく洗うこと。
ウサギを用いた試験で、具体的なスコア値の記述はないが角膜混濁、結膜発赤、結膜浮腫が発現し、7日間の観察期間で可逆的であり、中等度の角膜刺激と記載(HSDB(2009))されていること及びウサギを用いた試験で、可逆性の刺激(HSDB(2009))の情報から、区分2Bとした。
4 呼吸器感作性 分類できない - - - - データなし。
4 皮膚感作性 分類できない - - - - モルモットを用いた試験で、感作性なし(HSDB(2009))および皮膚感作性でない(HSDB(2009))の情報から、区分外に該当するが、リスト2のデータであることから分類できないとした。
5 生殖細胞変異原性 分類できない - - - - 生殖細胞および体細胞in vivo 試験のデータがなく分類できない。なお、in vitro のデータして、Ames試験(HSDB(2009))、CHO細胞を用いる染色体異常試験(HSDB(2009))で陰性の結果が得られている。
6 発がん性 分類できない - - - - マウスの76週の経口投与試験で、肺、胸部、気道に腫瘍、気管支原性がんの発現、腫瘍は自然発生的などの記述(RTECS(2007))があるが、この記述のみで被験物質の発がん性について判断するのは難しいこと、このデータ以外に適切な動物試験の情報がないため、分類できないとした。
7 生殖毒性 区分2 警告 H361: 生殖能又は胎児への悪影響のおそれの疑い P308+P313: 暴露又は暴露の懸念がある場合:医師の診断/手当てを受けること。
P201: 使用前に取扱説明書を入手すること。
P202: 全ての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。
P281: 指定された個人用保護具を使用すること。
P405: 施錠して保管すること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
ラットを用いた2世代経口投与試験(0, 25, 50 or 75 ppm)で雄の50 ppm 以上のばく露群に輸精管の変性が見られ、親の毒性は明らかでないが、F1の高用量群の雄に交尾の減少、F1の雌に妊娠、着床率の減少傾向が観察され、同腹の産仔数が減少した(HSDB(2009))。ラットの強制経口投与試験(0, 3, 10 or 30 mg/kg/day、days of 6-15 of gestation)で親に毒性示すばく露量(30mg/kg/day)で僅かな化骨遅延(不完全な上後頭骨)や未発達な肋骨発生の増加が見られた(HSDB(2009))。催奇性は明らかでないが、F1の雌に妊娠、着床率の減少傾向が観察され、同腹の産仔数が減少ししていることから区分2とした。
8 特定標的臓器毒性(単回暴露) 分類できない - - - - データなし。
9 特定標的臓器毒性(反復暴露) 区分2(精巣、腎臓、神経系) 警告 H373: 長期にわたる、又は反復暴露による臓器の障害のおそれ(精巣、腎臓、神経系) P260: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。
P314: 気分が悪いときは、医師の診断/手当てを受けること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
ラットを用いた28日間の経口投与試験(0, 50, 100, 200, 400 or 800 ppm)で200 ppm(18.7mg/kg/day : 90日補正値=5.81mg/kg/day)以上の雄の投与群に精巣への影響(精巣細管変性、巨細胞形成)が観察された。(HSDB(2009))が見られ、ラットを用いた91日経口投与試験(0, 25, 50, 100 or 200 ppm)で全ての投与群で用量に依存して精巣重量が減少し、100ppm(8.6mg/kg/day)以上のばく露群で精巣萎縮、200ppm(17.0mg/kg/day)のばく露で軽度の前立腺萎縮が見られている(HSDB(2009))。また、ラットの2年間の経口投与試験(0、25、50、100 and 200 ppm)で雌で50ppm 以上、雄で25ppm 以上の投与群に用量に依存して糸球体腎炎の発現、雄の50ppm以上ばく露で精巣萎縮の発現(100, 200ppmでは際立っていた)が観察された(HSDB(2009))。マウスの18ヶ月間の経口投与試験で(0, 25, 50, 100 and 200 ppm)で雌雄とも50ppm(換算値:7.5mg/kg/day)以上のばく露で慢性腎炎、腎臓にアミロイド沈着がみられ、雄の50ppm以上のばく露で精巣変性が発現した。また、イヌの91日間の経口投与試験で(0, 3, 6, or 12mg/kg/day)で雌雄の6及び12mg/kg/day のばく露群に振せん、ひきつけ、筋肉及び皮下脂肪の消耗が見られ、雄の6及び12mg/kg/day のばく露群に軽度〜中等度の精巣萎縮が観察されている(HSDB(2009))。ラット、マウスのガイダンスの区分1の用量で精巣、腎臓への影響が見られ、イヌいおいてはガイダンスの区分1の用量で振せん、ひきつけなどの神経系への影響が認められるがリスト2のデータあることから区分2(精巣、腎臓、神経系)とした。
10 吸引性呼吸器有害性 分類できない - - - - データなし。

環境に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起語 危険有害性情報 注意書き 分類根拠・問題点
11 水生環境有害性(急性) 区分1 警告 H400: 水生生物に非常に強い毒性 P273: 環境への放出を避けること。
P391: 漏出物を回収すること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
藻類(スケレトネマ)の72時間EC50=0.00018 mg/L(ECOTOX, 2008)から区分1とした。
11 水生環境有害性(長期間) 区分1 警告 H410: 長期継続的影響によって水生生物に非常に強い毒性 P273: 環境への放出を避けること。
P391: 漏出物を回収すること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
急性毒性区分1であり、急速分解性がない(SRC: BioWin V4.10)ことから区分1とした。


分類結果の利用に関する注意事項:
 政府による分類結果は、GHSに基づくSDSやラベル作成の際に自由に引用および複写を行うことができます。ただし、引用および複写をした上で作成されたSDS・ラベルの内容に対する責任は、SDS・ラベル作成者にあることにご留意ください。
 本分類結果は、分類ガイダンス等のマニュアルで定められている情報源と判定方法に基づくものであり、あくまでもSDSやラベル作成の際の参考として公表しているものです。他の文献や試験結果等を根拠として、本内容と異なる分類結果でSDSやラベルを作成することを妨げるものではありません。

参考情報:
使用マニュアル

解説・用語集(エクセルファイル)

厚生労働省モデルラベル

職場のあんぜんサイトへ

厚生労働省モデルSDS

職場のあんぜんサイトへ


GHS関連情報トップページに戻る