GHS分類結果

名称:4-アミノ-3-メチル-6-フェニル-1,2,4-トリアジン-5(4H)-オン(別名メタミトロン)
CAS番号:41394-05-2

結果:
物質ID: 20A2276
分類実施者: 厚生労働省・環境省
分類実施年度: 平成20年度
使用マニュアル: 政府向けGHS分類ガイダンス(H20.9.5版)

物理化学的危険性
危険有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起語 危険有害性情報 注意書き 分類根拠・問題点
1 爆発物 分類できない - - - - 隣接した窒素原子を含むが、データがなく分類できない。
2 可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む) 分類対象外 - - - - GHSの定義における固体である。
3 エアゾール 分類対象外 - - - - エアゾール製品でない。
4 支燃性/酸化性ガス 分類対象外 - - - - GHSの定義における固体である。
5 高圧ガス 分類対象外 - - - - GHSの定義における固体である。
6 引火性液体 分類対象外 - - - - GHSの定義における固体である。
7 可燃性固体 分類できない - - - - データなし。
8 自己反応性化学品 分類できない - - - - 隣接した窒素原子を含むが、データがなく分類できない。
9 自然発火性液体 分類対象外 - - - - GHSの定義における固体である。
10 自然発火性固体 分類できない - - - - データなし。
11 自己発熱性化学品 分類できない - - - - データなし。
12 水反応可燃性化学品 分類対象外 - - - - 金属又は半金属(B, Si, P, Ge, As, Se, Sn, Sb, Te, Bi, Po, At)を含んでいない。
13 酸化性液体 分類対象外 - - - - GHSの定義における固体である。
14 酸化性固体 分類対象外 - - - - 酸素を含む有機化合物であるが、この酸素が炭素、水素以外の元素と化学結合していない。
15 有機過酸化物 分類対象外 - - - - 分子内に-O-O-構造を含まない有機化合物である。
16 金属腐食性物質 分類できない - - - - 固体状の物質に適した試験方法が確立していない。

健康に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起語 危険有害性情報 注意書き 分類根拠・問題点
1 急性毒性(経口) 区分4 警告 H302: 飲み込むと有害 P301+P312: 飲み込んだ場合:気分が悪いときは医師に連絡すること。
P264: 取扱後は...よく洗うこと。
P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。
P330: 口をすすぐこと。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
ラットのLD50値 2000 mg/kg 体重(IUCLID(2000))、1447 mg/kg 体重(RTECS(1997))に基づき、区分4とした。EU分類ではR22であり、区分3または4に相当する。
1 急性毒性(経皮) 区分外 - - - - ラットにおけるLD50値 >4000 mg/kg 体重(IUCLID(2000))、>500 mg/kg 体重(RTECS(1997))に基づき、区分外とした。国連分類基準の区分5に該当するかどうかは不明である。
1 急性毒性(吸入:ガス) 分類対象外 - - - - GHSの定義における固体である。
1 急性毒性(吸入:蒸気) 分類できない - - - - データなし。
1 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) 分類できない - - - - ラットのLC50値>0.331 mg/L(IUCLID(2000))が得られたが、飽和蒸気圧は7.0×10^-8 mg/Lであり「粉塵・ミスト」であると考えられ、区分2〜区分外のどれに該当するのか判断できないため、分類できないとした。
2 皮膚腐食性/刺激性 区分外 - - - - ヒトにおいて、10人のボランティアに500 mgの本物質を前腕の皮膚に24時間貼り付けたところ、何の反応も示されなかった(IUCLID(2000))との記載がある。ウサギを用いた試験においても、「刺激性なし」である(IUCLID(2000))ことから、区分外とした。
3 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 区分外 - - - - ウサギを用いた試験において、「刺激性なし」(IUCLID(2000))であることから区分外とした。
4 呼吸器感作性 分類できない - - - - データなし。
4 皮膚感作性 分類できない - - - - モルモットのMaximization testにおいて、「感作性なし」(IUCLID(2000))とあるが、感作された動物の比率などの詳しい記載が無く、他の試験データも無いため、分類できないとした。
5 生殖細胞変異原性 分類できない - - - - データなし。
6 発がん性 分類できない - - - - ラットを用いた2年間経口投与試験において、発がん性はみられない(IUCLID(2000))。マウスを用いた87週間経口投与試験においても発がん性はみられない(IUCLID(2000))が、どちらの試験も詳しい試験内容の記載が無く、データ不足により分類できないとした。
7 生殖毒性 分類できない - - - - ラットを用いた3世代生殖毒性試験において、投与量300ppm(換算値15 mg/kg 体重/日)では繁殖成績と子への影響はみられない(IUCLID(2000))との記載があるが、100ppm(換算値 5 mg/kg 体重/日)、1000ppm(換算値 50 mg/kg 体重/日)についての記載は無い。ラットを用いた催奇形性試験とウサギを用いた催奇形性試験においては、いずれも投与量100 mg/kg 体重/日で、初期の胚毒性または催奇形性の影響は示されないとの記載のみ(いずれもIUCLID(2000))である。以上のことから、試験内容の詳しい記載が無く、データ不足により分類できないとした。
8 特定標的臓器毒性(単回暴露) 分類できない - - - - データなし。
9 特定標的臓器毒性(反復暴露) 分類できない - - - - 本物質の製剤を製造している労働者の健康診断において、健康上の問題はみられない(IUCLID(2000))。また、本物質の製剤を3年間使用した農業労働者(313箇所の農園)のアンケート調査でも、本物質による悪影響はみられず、臨床試験は本物質による特定の影響が知られていないため行われなかった(IUCLID(2000))との記載がある。動物試験においては、ラット、マウス、イヌのそれぞれの経口試験、ウサギの経皮試験、ラットの吸入試験(いずれもIUCLID(2000))があるが、毒性症状、標的臓器に関する記載が全く無い。よって、以上の結果より、データ不足により分類できないとした。
10 吸引性呼吸器有害性 分類できない - - - - データなし。

環境に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起語 危険有害性情報 注意書き 分類根拠・問題点
11 水生環境有害性(急性) 区分2 - - H401: 水生生物に毒性 P273: 環境への放出を避けること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
水生植物(コウキクサ)の7日間EC50=1.7 mg/L(ECOTOX, 2008)から区分2とした。
11 水生環境有害性(長期間) 区分2 - H411: 長期継続的影響によって水生生物に毒性 P273: 環境への放出を避けること。
P391: 漏出物を回収すること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
急性毒性区分2であり、急速分解性がない(SRC: BioWin V4.10)ことから区分2とした。


分類結果の利用に関する注意事項:
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 本分類結果は、分類ガイダンス等のマニュアルで定められている情報源と判定方法に基づくものであり、あくまでもSDSやラベル作成の際の参考として公表しているものです。他の文献や試験結果等を根拠として、本内容と異なる分類結果でSDSやラベルを作成することを妨げるものではありません。

参考情報:
使用マニュアル

解説・用語集(エクセルファイル)

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