名称:四酸化二窒素
CAS番号:10544-72-6
物質ID: | 20A2252 |
分類実施者: | 厚生労働省・環境省 |
分類実施年度: | 平成20年度 |
使用マニュアル: | 政府向けGHS分類ガイダンス(H20.9.5版) |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 爆発物 | 分類対象外 | - | - | - | - | 輸送危険物としてはガス扱い(UN1067)で、火薬類ではない。 |
2 | 可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む) | 区分外 | - | - | - | - | 不燃性(ホンメル(1996);Weiss(1986))である。 |
3 | エアゾール | 分類対象外 | - | - | - | - | エアゾール製品でない。 |
4 | 支燃性/酸化性ガス | 区分1 | 危険 | H270: 発火又は火災助長のおそれ:酸化性物質 |
P370+P376: 火災の場合:安全に対処できるならば漏洩を止めること。 P220: 衣類/.../可燃物から遠ざけること。 P244: 減圧バルブにはグリース及び油を使用しないこと。 P403: 換気の良い場所で保管すること。 |
ISO-10156-2に「Nitrogen dioxide」として記載されている。 | |
5 | 高圧ガス | 低圧液化ガス | 警告 | H280: 高圧ガス:熱すると爆発のおそれ | P410+P403: 日光から遮断し、換気の良い場所で保管すること。 | 臨界温度158℃ | |
6 | 引火性液体 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHS定義のガスである。なお、不燃性(ホンメル(1996);Weiss(1986))である。 |
7 | 可燃性固体 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHS定義のガスである。 |
8 | 自己反応性化学品 | 分類対象外 | - | - | - | - | 輸送危険物としてはガス扱い(UN1067)で、自己反応性化学品ではない。 |
9 | 自然発火性液体 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHS定義のガスである。なお、不燃性であり(ERG(2008);ホンメル(1996))、常温の空気と接触しても自然発火しない。 |
10 | 自然発火性固体 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHS定義のガスである。 |
11 | 自己発熱性化学品 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHS定義のガスである。 |
12 | 水反応可燃性化学品 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHS定義のガスである。 |
13 | 酸化性液体 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHS定義のガスである。 |
14 | 酸化性固体 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHS定義のガスである。 |
15 | 有機過酸化物 | 分類対象外 | - | - | - | - | 無機化合物である。 |
16 | 金属腐食性物質 | 分類できない | - | - | - | - | 気体に適した試験方法が確立していない。 |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
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1 | 急性毒性(経口) | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
1 | 急性毒性(経皮) | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
1 | 急性毒性(吸入:ガス) | 分類できない | - | - | - | - | ラットのLC50値29ppmV、マウスLC50値50.1ppmV、ウサギLC50値84.3ppmV(RTECS(2008))があるが投与時間が不明でデータ不足。 |
1 | 急性毒性(吸入:蒸気) | 分類対象外 | - | - | - | - | GHS定義のガスである。 |
1 | 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) | 分類対象外 | - | - | - | - | GHS定義のガスである。 |
2 | 皮膚腐食性/刺激性 | 区分1 | 危険 | H314: 重篤な皮膚の薬傷及び眼の損傷 |
P301+P330+P331: 飲み込んだ場合:口をすすぐこと。無理に吐かせないこと。 P303+P361+P353: 皮膚(又は髪)に付着した場合:直ちに汚染された衣類を全て脱ぐこと/取り除くこと。皮膚を流水/シャワーで洗うこと。 P305+P351+P338: 眼に入った場合:水で数分間注意深く洗うこと。次にコンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。 P304+P340: 吸入した場合:空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。 P260: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。 P264: 取扱後は...よく洗うこと。 P280: 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。 P310: 直ちに医師に連絡すること。 P321: 特別な処置が必要である(このラベルの...を見よ)。 P363: 汚染された衣類を再使用する場合には洗濯をすること。 P405: 施錠して保管すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
ヒトへの毒性で皮膚腐食性(HSDB(2002))の報告があり、EU分類はC; R34であることから区分1とした。 | |
3 | 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 | 区分1 | 危険 | H318: 重篤な眼の損傷 |
P305+P351+P338: 眼に入った場合:水で数分間注意深く洗うこと。次にコンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。 P280: 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。 P310: 直ちに医師に連絡すること。 |
EU分類C; R34であり、皮膚腐食性物質(HSDB2002))なので区分1とした。 | |
4 | 呼吸器感作性 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
4 | 皮膚感作性 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
5 | 生殖細胞変異原性 | 区分2 | 警告 | H341: 遺伝性疾患のおそれの疑い |
P308+P313: 暴露又は暴露の懸念がある場合:医師の診断/手当てを受けること。 P201: 使用前に取扱説明書を入手すること。 P202: 全ての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。 P281: 指定された個人用保護具を使用すること。 P405: 施錠して保管すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
マウスの精母細胞を用いたin vivo染色体異常試験(生殖細胞in vivo変異原性試験)で陰性であり(EHC 188(1997))、ラット肺細胞のin vivo染色体異常試験(体細胞in vivo変異原性試験)やマウス肺細胞のin vivo DNA損傷試験(体細胞in vivo遺伝毒性試験)では陽性(EHC 188(1997))で、生殖細胞in vivo遺伝毒性試験のデータは無いので区分2とした。なお、Ames試験やChinese hamster細胞を用いたin vitro変異原性試験でも陽性結果が得られている(EHC 188(1997))。これら毒性試験データは、N2O4がNO2の二量体で大気圧下NO2と平衡化しており容易にNO2に解離するため(EHC 188(1997))、NO2による試験結果である。 | |
6 | 発がん性 | 分類できない | - | - | - | - | NO2暴露が発がん性に直接に影響すると判断できる十分な情報がない。毒性試験データは、N2O4がNO2の二量体で大気圧下NO2と平衡化しており容易にNO2に解離するため(EHC 188(1997))、NO2による試験結果である。 |
7 | 生殖毒性 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
8 | 特定標的臓器毒性(単回暴露) | 区分2(呼吸器) | 警告 | H371: 臓器の障害のおそれ(呼吸器) |
P309+P311: 暴露したとき、又は気分が悪いとき:医師に連絡すること。 P260: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。 P264: 取扱後は...よく洗うこと。 P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。 P405: 施錠して保管すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
NO2の急性暴露に伴う職業性肺疾患SILO-FILLERS' DISEASEの事例(HSDB(2002))やヒトの鼻刺激・気管支痙攣・閉塞性細気管支炎・肺線維症などの諸症状(HSDB(2002))、また、50ppm、60分暴露による亜急性肺障害を伴う肺浮腫の示唆(HSDB(2002))などヒトへの毒性情報より区分2(呼吸器)とした。なお、ラット・マウス・ウサギにおける肺浮腫などの呼吸器系の症状の記載がある(RTECS(2008))。これら報告は、N2O4がNO2の二量体で大気圧下NO2と平衡化しており容易にNO2に解離するため(EHC 188(1997))、NO2による影響に基づいている。 | |
9 | 特定標的臓器毒性(反復暴露) | 区分1(呼吸器) | 危険 | H372: 長期にわたる、又は反復暴露による臓器の障害(呼吸器) |
P260: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。 P264: 取扱後は...よく洗うこと。 P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。 P314: 気分が悪いときは、医師の診断/手当てを受けること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
ウサギに24時間、3ヶ月から4ヶ月(>90日)の吸入試験で、投与量8または12ppmで肺気腫の報告があり(EHC 188(1997))、この用量は補正ガイダンス値区分1(≦12.5 ppm)に該当する。また、職業性肺疾患の"SILO-FILLERS' DISEASE"の事例(HSDB(2002))やヒトの鼻刺激・気管支痙攣・閉塞性細気管支炎・肺線維症などの諸症状の報告(HSDB(2002))から区分1(呼吸器)と判断した。これら報告は、N2O4がNO2の二量体で大気圧下NO2と平衡化しており容易にNO2に解離するため(EHC 188(1997))、NO2による影響に基づいている。 | |
10 | 吸引性呼吸器有害性 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHS定義のガスである。 |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
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11 | 水生環境有害性(急性) | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
11 | 水生環境有害性(長期間) | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
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