GHS分類結果

名称:酸素
CAS番号:7782-44-7

結果:
物質ID: 20A2244
分類実施者: 厚生労働省、環境省
分類実施年度: 平成20年度
使用マニュアル: 政府向けGHS分類ガイダンス(H20.9.5版)

物理化学的危険性
危険有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起語 危険有害性情報 注意書き 分類根拠・問題点
1 爆発物 分類対象外 - - - - GHSの定義におけるガスである。
2 可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む) 区分外 - - - - 不燃性のガスである(Ullmanns(E)(6th, 2003))。
3 エアゾール 分類対象外 - - - - エアゾール製品でない。
4 支燃性/酸化性ガス 区分1 危険 H270: 発火又は火災助長のおそれ:酸化性物質 P370+P376: 火災の場合:安全に対処できるならば漏洩を止めること。
P220: 衣類/.../可燃物から遠ざけること。
P244: 減圧バルブにはグリース及び油を使用しないこと。
P403: 換気の良い場所で保管すること。
UNRTDG の危険物リスト第3および第4欄で区分2.2(5.1)とされている。
5 高圧ガス 圧縮ガス 警告 H280: 高圧ガス:熱すると爆発のおそれ P410+P403: 日光から遮断し、換気の良い場所で保管すること。 標準気圧で沸点-182.96℃(Ullmanns(E)(6th, 2003)vol.14)により、20℃では完全にガス化し、臨界温度は-118.95℃(Merck(14th, 2006))であり、-50℃以下である。
6 引火性液体 分類対象外 - - - - GHSの定義によるガスである。
7 可燃性固体 分類対象外 - - - - GHSの定義によるガスである。
8 自己反応性化学品 分類対象外 - - - - GHSの定義によるガスである。
9 自然発火性液体 分類対象外 - - - - GHSの定義によるガスである。
10 自然発火性固体 分類対象外 - - - - GHSの定義によるガスである。
11 自己発熱性化学品 分類対象外 - - - - GHSの定義によるガスである。
12 水反応可燃性化学品 分類対象外 - - - - GHSの定義によるガスである。
13 酸化性液体 分類対象外 - - - - GHSの定義によるガスである。
14 酸化性固体 分類対象外 - - - - GHSの定義によるガスである。
15 有機過酸化物 分類対象外 - - - - GHSの定義によるガスである。
16 金属腐食性物質 分類できない - - - - 気体状の物質に適した試験方法が確立していない。

健康に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起語 危険有害性情報 注意書き 分類根拠・問題点
1 急性毒性(経口) 分類できない - - - - データなし。
1 急性毒性(経皮) 分類できない - - - - データなし。
1 急性毒性(吸入:ガス) 区分外 - - - - ヒトが常時吸入している。
1 急性毒性(吸入:蒸気) 分類対象外 - - - - GHSの定義におけるガスである。
1 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) 分類対象外 - - - - GHSの定義におけるガスである。
2 皮膚腐食性/刺激性 分類できない - - - - データなし。
3 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 分類できない - - - - データなし。
4 呼吸器感作性 分類できない - - - - データなし。
4 皮膚感作性 分類できない - - - - データなし。
5 生殖細胞変異原性 分類できない - - - - in vivo試験の結果がなく分類できない。なお、ヒトリンパ球を用いた染色体異常試験、CHO、CHL細胞を用いた染色体異常試験、CHL細胞を用いた突然変異試験で陽性の結果が得られているが、いずれも高濃度のばく露である。
6 発がん性 分類できない - - - - データなし。
7 生殖毒性 区分2 警告 H361: 生殖能又は胎児への悪影響のおそれの疑い P308+P313: 暴露又は暴露の懸念がある場合:医師の診断/手当てを受けること。
P201: 使用前に取扱説明書を入手すること。
P202: 全ての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。
P281: 指定された個人用保護具を使用すること。
P405: 施錠して保管すること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
ハムスター及びウサギにおける器官形成期の高圧酸素暴露試験で、高濃度の酸素を吸入させたハムスターにおいて、臍ヘルニア、脳脱出、脊椎披裂、肢欠損が見られ(Birth Defects (3rd, 2000))、ウサギにおいては、融解吸収、奇形、眼球欠損、多発する胎仔死、低発生率の未熟児(Birth Defects (3rd, 2000))が認められていることから区分2とした。なお、親動物の性機能および生殖能に関するデータはない。
8 特定標的臓器毒性(単回暴露) 区分3(気道刺激性) 警告 H335: 呼吸器への刺激のおそれ(気道刺激性) P304+P340: 吸入した場合:空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。
P403+P233: 換気の良い場所で保管すること。容器を密閉しておくこと。
P261: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーの吸入を避けること。
P271: 屋外又は換気の良い場所でのみ使用すること。
P312: 気分が悪いときは医師に連絡すること。
P405: 施錠して保管すること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
ラットに100%濃度の酸素をばく露すると24時間で気管支と血管の収縮が見られ(PATTY (5th, 2001))、ウサギに100%濃度の酸素をばく露すると24時間〜96時間において肺容積の減少、リン脂質の減少(表面活性物質)、肺水腫が認められ(PATTY (5th, 2001))、ラットに95%濃度の酸素をばく露すると12時間で表面活性物質の減少が認められているが(PATTY (5th, 2001))、いずれもガイダンスの範囲を超える用量で見られている。ヒトにおいては95%濃度の酸素をばく露して4時間以内に発咳が認められており(PATTY (5th, 2001))、また、90〜95%濃度の酸素をばく露すると3時間以内に発咳が認められている(HSDB(2007))ことから、区分3(気道刺激性)とした。なお高圧酸素との関連が指摘されているものとして、視力の喪失、視野狭窄などがある(PATTY (5th, 2001))。
9 特定標的臓器毒性(反復暴露) 分類できない - - - - データなし。
10 吸引性呼吸器有害性 分類できない - - - - データなし。

環境に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起語 危険有害性情報 注意書き 分類根拠・問題点
11 水生環境有害性(急性) 分類できない - - - - データなし。
11 水生環境有害性(長期間) 分類できない - - - - データなし。


分類結果の利用に関する注意事項:
 政府による分類結果は、GHSに基づくSDSやラベル作成の際に自由に引用および複写を行うことができます。ただし、引用および複写をした上で作成されたSDS・ラベルの内容に対する責任は、SDS・ラベル作成者にあることにご留意ください。
 本分類結果は、分類ガイダンス等のマニュアルで定められている情報源と判定方法に基づくものであり、あくまでもSDSやラベル作成の際の参考として公表しているものです。他の文献や試験結果等を根拠として、本内容と異なる分類結果でSDSやラベルを作成することを妨げるものではありません。

参考情報:
使用マニュアル

解説・用語集(エクセルファイル)

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