名称:次亜塩素酸ナトリウム
CAS番号:7681-52-9
物質ID: | 20A2243 |
分類実施者: | 厚生労働省・環境省 |
分類実施年度: | 平成20年度 |
使用マニュアル: | 政府向けGHS分類ガイダンス(H20.9.5版) |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
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1 | 爆発物 | 分類対象外 | - | - | - | - | 爆発性に関する原子団を含んでいない。 |
2 | 可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む) | 分類対象外 | - | - | - | - | 常温で液体である。 |
3 | エアゾール | 分類対象外 | - | - | - | - | エアゾール製品でない。 |
4 | 支燃性/酸化性ガス | 分類対象外 | - | - | - | - | 常温で液体である。 |
5 | 高圧ガス | 分類対象外 | - | - | - | - | 常温で液体である。 |
6 | 引火性液体 | 区分外 | - | - | - | - | 不燃性の液体(ホンメル(1996))である。 |
7 | 可燃性固体 | 分類対象外 | - | - | - | - | 常温で液体である。 |
8 | 自己反応性化学品 | 分類対象外 | - | - | - | - | 爆発性に関わる原子団、あるいは自己反応性に関連する原子団を含んでいない。 |
9 | 自然発火性液体 | 区分外 | - | - | - | - | 常温の空気と接触しても自然発火しない(ホンメル(1996))。 |
10 | 自然発火性固体 | 分類対象外 | - | - | - | - | 常温で液体である。 |
11 | 自己発熱性化学品 | 区分外 | - | - | - | - | 不燃性の液体である(ホンメル(1996))。 |
12 | 水反応可燃性化学品 | 分類対象外 | - | - | - | - | 金属又は半金属(B, Si, P, Ge, As, Se, Sn, Sb, Te, Bi, Po, At)を含んでいない。 |
13 | 酸化性液体 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
14 | 酸化性固体 | 分類対象外 | - | - | - | - | 常温で液体である。 |
15 | 有機過酸化物 | 分類対象外 | - | - | - | - | 無機化合物である。 |
16 | 金属腐食性物質 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
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1 | 急性毒性(経口) | 区分外 | - | - | - | - | ラットの試験でLD50値、8910 mg/kg bw(PATTY(5th, 2001)), >5000 mg/kg bw(IUCLID, 2000), 8200 mg/kg bw(IUCLID, 2000)はいずれも区分外に該当する。 |
1 | 急性毒性(経皮) | 区分外 | - | - | - | - | ウサギLD50>10000 mg/kg(IUCLID(2000))より区分外とした。 |
1 | 急性毒性(吸入:ガス) | 分類対象外 | - | - | - | - | 常温で液体である。 |
1 | 急性毒性(吸入:蒸気) | 分類できない | - | - | - | - | ラットLC50>10.5 mg/L(IUCLID, 2000)のデータがあるが曝露時間が不明であるため分類できない。なお、飽和蒸気圧濃度(75.1 mg/L)の90%より低い濃度であるため、ミストがほとんど混在しない蒸気で試験されたと考えられる。 |
1 | 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
2 | 皮膚腐食性/刺激性 | 区分1 | 危険 | H314: 重篤な皮膚の薬傷及び眼の損傷 |
P301+P330+P331: 飲み込んだ場合:口をすすぐこと。無理に吐かせないこと。 P303+P361+P353: 皮膚(又は髪)に付着した場合:直ちに汚染された衣類を全て脱ぐこと/取り除くこと。皮膚を流水/シャワーで洗うこと。 P305+P351+P338: 眼に入った場合:水で数分間注意深く洗うこと。次にコンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。 P304+P340: 吸入した場合:空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。 P260: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。 P264: 取扱後は...よく洗うこと。 P280: 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。 P310: 直ちに医師に連絡すること。 P321: 特別な処置が必要である(このラベルの...を見よ)。 P363: 汚染された衣類を再使用する場合には洗濯をすること。 P405: 施錠して保管すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
ウサギを用いた試験(OECD TG 404)において紅斑と浮腫の刺激性スコア(合計8点)は2%溶液が1.2、20%溶液が5.3、35%溶液が5.2、50%溶液が5.3(IUCLID,2000)であり、EU分類がR34(区分1B又は1C相当)(EU-Annex1, access on 8, 2008)であることから区分1とした。 | |
3 | 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 | 区分1 | 危険 | H318: 重篤な眼の損傷 |
P305+P351+P338: 眼に入った場合:水で数分間注意深く洗うこと。次にコンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。 P280: 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。 P310: 直ちに医師に連絡すること。 |
ウサギを用いたドレイズ試験において、5%溶液0.01mLまたは0.1mLを適用した場合のスコアは0.01mLで11/110、0.1mLで40/110であった(IUCLID(2000))。また別のウサギを用いたドレイズ試験において50%溶液の適用した場合、洗浄しない場合の21日目のスコアは48/110(4分後に洗浄した場合のスコアは27/110、21日目のスコアは0/110)で重度の刺激性とされ(IUCLID(2000))、皮膚刺激性/腐食性が区分1であることから区分1とした。 | |
4 | 呼吸器感作性 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
4 | 皮膚感作性 | 分類できない | - | - | - | - | モルモットを用いた皮膚感作性試験で感作性を示したが(2/10)、他の2つのモルモットを用いた試験では陰性の結果が得られている(いずれもIUCLID(2000))。一方、ボランティアを用いた感作性試験で陽性(4/10)、225名のアレルギー患者のPatch testにおいて陽性(1.3%)など、パッチテストで複数の陽性結果が得られているが(IUCLID(2000))いずれも結果は明確ではないことから分類できないとした。 |
5 | 生殖細胞変異原性 | 区分外 | - | - | - | - | マウスの骨髄細胞を用いた染色体異常試験、異数性試験(IARC(1991))において陰性、マウスの骨髄細胞を用いた複数の小核試験(IARC(1991); IUCLID(2000))、ラットを用いた小核試験で陰性の結果(IUCLID(2000))に基づき区分外とした。なお、in vitro 変異原性試験:エームス試験、染色体異常試験で陽性と陰性の結果が得られている(IARC(1991); IUCLID(2000))。 |
6 | 発がん性 | 区分外 | - | - | - | - | IARCがグループ3に分類していることより区分外とした。なお、ラットを用いた104週間の経口投与試験(飲水)(IARC(1991))、ラット2年間の経口投与試験(飲水)(IARC(1991))、及びマウスを用いた103週間の経口投与試験(飲水)(IARC,1991)の結果において、生存率及び腫瘍発生率は次亜塩素酸ナトリウム濃度に関わらず、対照群と有意差は認められていない。その他のマウスの経皮試験(IARC(1991); NTP TR. No. 392(1992); IUCLID(2000))においても発がん性は認められていない。 |
7 | 生殖毒性 | 区分外 | - | - | - | - | ラットを用いた経口投与による7世代繁殖試験において親動物の生殖能力に対する影響、胎仔に対する影響は見られていない(IARC(1991)。また、マウスおよびラットの経口投与による繁殖試験においても動物の生殖能力に対する影響、胎仔に対する影響は見られていない(IUCLID(2000))。さらにラットの経口投与による発生毒性試験の最高用量100mg/kgで仔の重量減少、骨変異の増加以外に影響は認められていない(IUCLID(2000)ことより区分外とした。 |
8 | 特定標的臓器毒性(単回暴露) | 区分2(消化器系)、区分3(気道刺激性) | 警告 |
H371: 臓器の障害のおそれ(消化器系) H335: 呼吸器への刺激のおそれ(気道刺激性) |
P304+P340: 吸入した場合:空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。 P309+P311: 暴露したとき、又は気分が悪いとき:医師に連絡すること。 P403+P233: 換気の良い場所で保管すること。容器を密閉しておくこと。 P260: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。 P261: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーの吸入を避けること。 P264: 取扱後は...よく洗うこと。 P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。 P271: 屋外又は換気の良い場所でのみ使用すること。 P312: 気分が悪いときは医師に連絡すること。 P405: 施錠して保管すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
ミストの吸入によって咳きと窒息を生じ、気道刺激と肺水腫を起こす可能性(HSDB(2003))と記載されていることから区分3(気道刺激性)とした。さらに、ヒトにおける漂白剤の誤摂取の複数の事例において腐食性に起因する食道、胃への影響(IUCLID(2000))、溶液の摂取による胃および腸の壊死を伴う出血性潰瘍が報告(IUCLID(2000))されていることから、区分2(消化器系)とした。 | |
9 | 特定標的臓器毒性(反復暴露) | 分類できない | - | - | - | - | ラットの飲水による6週間の試験(用量:20、40、80mg/L、90日換算:0.047、0.93、1.87mg/kg)において体重の変化、ラットの強制経口による14日間の試験(用量:8、40、200mg/kg、90日換算:0.22、6.67、33.3mg/kg)において腎臓の重量変化、ラットの飲水による14日間の試験(用量:625mg/L、90日間換算:4.86mg/kg)において飲水量の変化が認められた以外に有害な影響は認められていない(いずれもIARC(1991))。いずれもガイダンスの範囲内での毒性発現の有無が不明であることから分類できない。他にラットおよびマウスの経口投与試験が実施されているが、免疫学的パラメータの軽微な変化以外に記述がなく(IUCLID(2000);(RTECS(2008))いずれもデータ不足で分類できない。 |
10 | 吸引性呼吸器有害性 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
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11 | 水生環境有害性(急性) | 区分1 | 警告 | H400: 水生生物に非常に強い毒性 |
P273: 環境への放出を避けること。 P391: 漏出物を回収すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
甲殻類(ネコゼミジンコ属の一種)の24h-EC50=0.005mg/L(塩素濃度、EU-RAR 2006)であることから、区分1とした。 | |
11 | 水生環境有害性(長期間) | 区分1 | 警告 | H410: 長期継続的影響によって水生生物に非常に強い毒性 |
P273: 環境への放出を避けること。 P391: 漏出物を回収すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
急性毒性が区分1であり、無機物のため急速分解性は無いと考えられることから、区分1とした。 |
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