GHS分類結果

名称:5‐アミノ‐4‐クロロ‐2‐フェニルピリダジン‐3(2H)‐オン(別名クロリダゾン)
CAS番号:1698-60-8

結果:
物質ID: 20A2222
分類実施者: 厚生労働省、環境省
分類実施年度: 平成20年度
使用マニュアル: 政府向けGHS分類ガイダンス(H20.9.5版)

物理化学的危険性
危険有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起語 危険有害性情報 注意書き 分類根拠・問題点
1 爆発物 分類対象外 - - - - 爆発性に関わる原子団を含んでいない。
2 可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む) 分類対象外 - - - - 固体である。
3 エアゾール 分類対象外 - - - - エアゾール製品でない。
4 支燃性/酸化性ガス 分類対象外 - - - - 固体である。
5 高圧ガス 分類対象外 - - - - 固体である。
6 引火性液体 分類対象外 - - - - 固体である。
7 可燃性固体 分類できない - - - - データなし。
8 自己反応性化学品 分類対象外 - - - - 爆発性に関わる原子団、および自己反応性に関連する原子団を含んでいない。
9 自然発火性液体 分類対象外 - - - - 固体である。
10 自然発火性固体 分類できない - - - - データなし。
11 自己発熱性化学品 分類できない - - - - データなし。
12 水反応可燃性化学品 分類対象外 - - - - 金属又は半金属(B, Si, P, Ge, As, Se, Sn, Sb, Te, Bi, Po, At)を含んでいない。
13 酸化性液体 分類対象外 - - - - 固体である。
14 酸化性固体 分類対象外 - - - - フッ素を含まず、塩素及び酸素を含む有機化合物であるが、これらが炭素、水素以外の元素と化学結合していない。
15 有機過酸化物 分類対象外 - - - - 分子内に-O-O-構造を含まない有機化合物である。
16 金属腐食性物質 分類できない - - - - データなし。

健康に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起語 危険有害性情報 注意書き 分類根拠・問題点
1 急性毒性(経口) 区分外 - - - - ラットにおけるLD50値 647, 1210, 1000-1470, 1459, 3000, 3030, 3400, 3600, 4200, mg/kg bw(IUCLID(2000))であり、区分4が4例、区分外が5例である。以上の結果から、JIS分類基準の区分外(国連分類基準の区分5)とした。
1 急性毒性(経皮) 区分外 - - - - ラットにおけるLD50値 >2500, >5000mg/kg およびウサギにおけるLD50値 >4000mg/kg(IUCLID(2000))に基づき、区分外(国連分類基準は区分5または区分外)とした。
1 急性毒性(吸入:ガス) 分類対象外 - - - - 固体である。
1 急性毒性(吸入:蒸気) 分類できない - - - - ラットのLC50値>0.15 mg/L/4hおよび>0.25mg/L/4h(IUCLID(2000))は、飽和蒸気圧濃度0.598mg/L以下で蒸気である。0.25mg/Lは製剤濃度であり本物質0.16mg/Lに相当する。以上、>0.15mg/L(換算値17ppm)および>0.16mg/L(換算値18ppm)からは区分が特定できず分類できないとした。
1 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) 区分外 - - - - ラットのLC50値>30.8mg/L/4h(IUCLID(2000))は、飽和蒸気圧濃度0.598mg/L以上でありミストである。以上の結果から区分外とした。
2 皮膚腐食性/刺激性 分類できない - - - - ウサギにおいて、評価結果「刺激性なし」が3例、「僅かな刺激性(slightly irritating)」が4例認められた(IUCLID(2000))。その他に詳細な情報が得られず、データ不足で分類できないとした。
3 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 区分外 - - - - ウサギにおいて、評価結果「刺激性なし」が4例あり、「僅かな刺激性(slightly irritating)」が1例である(IUCLID(2000))。刺激性の認められなかったウサギ2試験のおいては、1および24時間後に発赤が見られたが8日後には回復、または6日目に僅かな角膜充血が見られ4から5日後には回復と記述がある。症状は軽微であり、評価結果「刺激性なし」であることから区分外とした。
4 呼吸器感作性 分類できない - - - - データなし。
4 皮膚感作性 区分外 - - - - モルモット(Maximization試験:OECD406, GLP対応)において、評価結果「感作性なし」であり(IUCLID(2000))、ヒトのパッチテストにおいてもアレルギー性は確認されていない(IUCLID(2000))ため、区分外とした。なお、EUにてR43(区分1相当)に分類されている(EU-Annex I(access on 12. 2008))。
5 生殖細胞変異原性 区分外 - - - - マウスを用いたin vivo試験(優性致死、小核試験)で陰性である(IUCLID(2000))ことから、区分外とした。in vitroでは、エームス試験、不定期DNA合成試験で陰性結果が得られている。
6 発がん性 区分外 - - - - ラット(SD)を用いた103-109週間経口投与試験(150-4050ppm)およびマウス(CFLP)を用いた81-96週間経口投与試験(160-20000ppm)(IUCLID(2000))、マウス(B6C3F1/CrlBr)を用いた混餌試験(0-5000ppm)およびラット混餌試験(0-1000ppm)において、発がん性は認められていない(IUCLID(2000))ことから区分外とした。
7 生殖毒性 区分外 - - - - ラットによる3世代試験(150-1350ppm)にて、生殖毒性(交尾、妊娠率、妊娠期間、litter parameters)および催奇形性は認められない(IUCLID(2000))。ラット(OECD414, GLP対応: 0-250mg/kg bw)およびウサギ(OECD414, GLP対応: 55-495mg/kg bw)の催奇形性試験では、母獣毒性の見られる用量群で催奇形性、胚毒性および胎児毒性は認められない(IUCLID(2000))。その他、マウス(FDAガイドライン, 5000-10000ppm)(IUCLID(2000)およびラット(0-1600ppm)(HSDB(2007))においても、生殖毒性および発生毒性がみとめられていないことから区分外とした。
8 特定標的臓器毒性(単回暴露) 分類できない - - - - ラット、マウス、ネコ、モルモットを用いた強制経口投与(intragastrical)試験において、2-4 ml(比重換算値3.08-6.16mg(PM(14th, 2006))投与群で、反射興奮性、運動障害、強直性痙攣、低血圧、体温低下が見られるが(IUCLID(2000))、固体物質で投与量が容積で記載されていること、体重あたりの用量が得られないこと、また得られた情報は、この強制経口投与試験の1データのみで分類できないとした。
9 特定標的臓器毒性(反復暴露) 分類できない - - - - ラットを用いた35日間混餌試験(300-19200ppm、90日換算 9.7-622 mg/kg bw)において、全投与群で肝臓絶対および相対重量の増加、臨床化学項目(グルコース減少、ビリルビン増加など)の影響しかみられなかった(IUCLID (2000))。また、イヌを用いた3ヶ月間混餌試験(100-10000ppm, 2.4-326.6mg/kg)においても臓器重量と臨床化学項目の変化が326.6mg/kgだけにみられたことから(IUCLID (2000))区分外(経口)に相当するが、他経路の情報がなく分類できないとした。
10 吸引性呼吸器有害性 分類できない - - - - データなし。

環境に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起語 危険有害性情報 注意書き 分類根拠・問題点
11 水生環境有害性(急性) 区分1 警告 H400: 水生生物に非常に強い毒性 P273: 環境への放出を避けること。
P391: 漏出物を回収すること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
藻類(Pseudokirchneriella subcapitata)の72時間EC50=0.6 mg/L(IUCLID, 2000)から区分1とした。
11 水生環境有害性(長期間) 区分1 警告 H410: 長期継続的影響によって水生生物に非常に強い毒性 P273: 環境への放出を避けること。
P391: 漏出物を回収すること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
急性毒性区分1であり、急速分解性が無い(SRC: BioWin V4.10)ことから区分1とした。


分類結果の利用に関する注意事項:
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 本分類結果は、分類ガイダンス等のマニュアルで定められている情報源と判定方法に基づくものであり、あくまでもSDSやラベル作成の際の参考として公表しているものです。他の文献や試験結果等を根拠として、本内容と異なる分類結果でSDSやラベルを作成することを妨げるものではありません。

参考情報:
使用マニュアル

解説・用語集(エクセルファイル)

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厚生労働省モデルSDS

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