GHS分類結果

名称:ビス(ジブチルジチオカルバミン酸)亜鉛
CAS番号:136-23-2

結果:
物質ID: 20A2197
分類実施者: 厚生労働省・環境省
分類実施年度: 平成20年度
使用マニュアル: 政府向けGHS分類ガイダンス(H20.9.5版)

物理化学的危険性
危険有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起語 危険有害性情報 注意書き 分類根拠・問題点
1 爆発物 分類対象外 - - - - 爆発性に関わる原子団を含んでいない。
2 可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む) 分類対象外 - - - - GHSの定義における固体である。
3 エアゾール 分類対象外 - - - - エアゾール製品でない。
4 支燃性/酸化性ガス 分類対象外 - - - - GHSの定義における固体である。
5 高圧ガス 分類対象外 - - - - GHSの定義における固体である。
6 引火性液体 分類対象外 - - - - GHSの定義における固体である。
7 可燃性固体 分類できない - - - - データなし。
8 自己反応性化学品 分類対象外 - - - - 爆発性に関わる原子団、および自己反応性に関連する原子団を含んでいない。
9 自然発火性液体 分類対象外 - - - - GHSの定義における固体である。
10 自然発火性固体 分類できない - - - - データなし。
11 自己発熱性化学品 分類できない - - - - 融点100〜138℃(Sax 11th,2004 ; Lide 88th,2008 ; IUCLID,2000)であり、融点が140℃以下の固体に適した試験方法が確立していない。
12 水反応可燃性化学品 区分外 - - - - 水溶解度0.0104 mg/L(25℃)(SRC, access on Nov.2008)があり、水に対して安定。
13 酸化性液体 分類対象外 - - - - GHSの定義における固体である。
14 酸化性固体 分類対象外 - - - - 酸素、フッ素または塩素を含まない有機化合物である。
15 有機過酸化物 分類対象外 - - - - 分子内に-O-O-構造を含まない有機化合物である。
16 金属腐食性物質 分類できない - - - - 固体状の物質に適した試験方法が確立していない。

健康に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起語 危険有害性情報 注意書き 分類根拠・問題点
1 急性毒性(経口) 区分外 - - - - ラットにおけるLD50値 5000 mg/kg 体重以上(OECD TG 401、GLP)(IUCLID,2000)に基づき、区分外とした。
1 急性毒性(経皮) 区分外 - - - - ウサギにおけるLD50値 2000 mg/kg 体重以上(OECD TG 402,GLP)(IUCLID,2000)に基づき、区分外(国連分類は区分5あるいは区分外)とした。
1 急性毒性(吸入:ガス) 分類対象外 - - - - GHSの定義における固体である。
1 急性毒性(吸入:蒸気) 分類できない - - - - データなし。
1 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) 分類できない - - - - データなし。
2 皮膚腐食性/刺激性 区分外 - - - - ヒトにおいて、20人による48時間パッチテストで反応がみられず(IUCLID,2000)、また、ウサギにおいてはDraize スコア値が0.1であり、皮膚への刺激は投与後3日目で治まった(HSDB,2006)、別のウサギの試験で刺激性なし(IUCLID, 2000)であることから区分外とした。なお、EU分類においては、R36/37/38で刺激性(EU-Annex I, access on Nov.2008)である。
3 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 区分外 - - - - FDAガイドラインによるウサギを用いた試験において、わずかに刺激性あり(IUCLID,2000)、ウサギでのドレイス試験でnot irritating(スコア0.3/110)(IUCLID,2000)とあることから区分外とした。なお、EU分類においては、R36/37/38で刺激性(EU-Annex I, access on Nov.2008)であることから区分2相当である。
4 呼吸器感作性 分類できない - - - - データなし。
4 皮膚感作性 分類できない - - - - 20人のボランティアによるパッチテストにおいて、最初の投与で陽性反応は無く、15回の反復投与とその後の再投与でも陽性反応がみられなかった(HSDB,2006)ことから区分外と考えられるが、EU分類においては、R43(EU-Annex I, access on Nov.2008)であることから区分1相当であり、判断の根拠となる情報が不十分のため分類できないとした。
5 生殖細胞変異原性 分類できない - - - - in vivoのデータがなく、in vitro変異原性試験(Ames試験(IUCLID,2000 ; HSDB,2006)、マウスリンフォーマ試験(HSDB,2006))の陰性結果のみで分類できないとした。
6 発がん性 分類できない - - - - マウスを用いた18ヶ月間試験(強制経口投与を21日間+混餌投与79週間または単回皮下投与+混餌投与79週間)において、試験物質の影響はなく、統計的に有意な腫瘍発生率の増加もなかった(IUCLID,2000)との記述から区分外と考えられるが、判断を行うに十分な情報が無く分類できないとした。
7 生殖毒性 分類できない - - - - 妊娠マウスを用いた皮下投与試験において、胚毒性や催奇形性はみられなかった(HSDB,2006)ことから区分外と考えられるが、親の生殖能力に関する情報が無いため分類できないとした。
8 特定標的臓器毒性(単回暴露) 分類できない - - - - EU分類においてR37(EU-Annex I, access on Nov.2008)が附されており区分3(気道刺激性)相当であるが、データが無いため分類できないとした。
9 特定標的臓器毒性(反復暴露) 分類できない - - - - ラットを用いた17週間反復経口投与試験において、2500ppm(換算値125 mg/kg 体重/日)で腎臓と肝臓の臓器重量増加がみられたのみで血液学的、血液生化学的、尿検査に変化は認められず(IUCLID,2000)、投与量がガイダンス値の区分外であるので、区分外であると考えられる。しかし、投与経路が経口のみで一種類(ラット)のデータしかなく、判断を行うに十分な情報が無いため分類できないとした。
10 吸引性呼吸器有害性 分類できない - - - - データなし。

環境に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起語 危険有害性情報 注意書き 分類根拠・問題点
11 水生環境有害性(急性) 区分1 警告 H400: 水生生物に非常に強い毒性 P273: 環境への放出を避けること。
P391: 漏出物を回収すること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
甲殻類(オオミジンコ)での48h-EC50=0.74mg/L(IUCLID 2000)であることから、区分1とした。
11 水生環境有害性(長期間) 区分1 警告 H410: 長期継続的影響によって水生生物に非常に強い毒性 P273: 環境への放出を避けること。
P391: 漏出物を回収すること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
急性毒性区分1であり、急速分解性がない(推定値:SRC: BioWin V4.10)ことから、区分1とした。


分類結果の利用に関する注意事項:
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 本分類結果は、分類ガイダンス等のマニュアルで定められている情報源と判定方法に基づくものであり、あくまでもSDSやラベル作成の際の参考として公表しているものです。他の文献や試験結果等を根拠として、本内容と異なる分類結果でSDSやラベルを作成することを妨げるものではありません。

参考情報:
使用マニュアル

解説・用語集(エクセルファイル)

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