名称:N‐(トリクロロメチルチオ)フタルイミド(別名ホルペット)
CAS番号:133-07-3
物質ID: | 20A2195 |
分類実施者: | 厚生労働省・環境省 |
分類実施年度: | 平成20年度 |
使用マニュアル: | 政府向けGHS分類ガイダンス(H20.9.5版) |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
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1 | 爆発物 | 分類対象外 | - | - | - | - | 爆発性に関わる原子団を含んでいない。 |
2 | 可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む) | 分類対象外 | - | - | - | - | 固体である。 |
3 | エアゾール | 分類対象外 | - | - | - | - | エアゾール製品でない。 |
4 | 支燃性/酸化性ガス | 分類対象外 | - | - | - | - | 固体である。 |
5 | 高圧ガス | 分類対象外 | - | - | - | - | 固体である。 |
6 | 引火性液体 | 分類対象外 | - | - | - | - | 固体である。 |
7 | 可燃性固体 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
8 | 自己反応性化学品 | 分類対象外 | - | - | - | - | 爆発性に関わる原子団、および自己反応性に関連する原子団を含んでいない。 |
9 | 自然発火性液体 | 分類対象外 | - | - | - | - | 固体である。 |
10 | 自然発火性固体 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
11 | 自己発熱性化学品 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
12 | 水反応可燃性化学品 | 分類対象外 | - | - | - | - | 金属又は半金属(B, Si, P, Ge, As, Se, Sn, Sb, Te, Bi, Po, At)を含んでいない。 |
13 | 酸化性液体 | 分類対象外 | - | - | - | - | 固体である。 |
14 | 酸化性固体 | 分類対象外 | - | - | - | - | フッ素を含まず、塩素および酸素を含むが、これらが炭素以外の元素と化学結合していない。 |
15 | 有機過酸化物 | 分類対象外 | - | - | - | - | 分子内に-O-O-構造を含まない有機化合物である。 |
16 | 金属腐食性物質 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
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1 | 急性毒性(経口) | 区分外 | - | - | - | - | ラットにおけるLD50値 5000mg/kg 以上(JMPR(No.897, 1995))および10000mg/kg 以上(PATTY(5th, 2001))に基づき、区分外とした。 |
1 | 急性毒性(経皮) | 区分外 | - | - | - | - | ウサギにおけるLD50値 22600mg/kg(PATTY(5th, 2001))に基づき、区分外とした。 |
1 | 急性毒性(吸入:ガス) | 分類対象外 | - | - | - | - | 固体である。 |
1 | 急性毒性(吸入:蒸気) | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
1 | 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) | 区分2 | 危険 | H330: 吸入すると生命に危険 |
P304+P340: 吸入した場合:空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。 P403+P233: 換気の良い場所で保管すること。容器を密閉しておくこと。 P260: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。 P271: 屋外又は換気の良い場所でのみ使用すること。 P284: 呼吸用保護具を着用すること。 P310: 直ちに医師に連絡すること。 P320: 特別な処置が緊急に必要である(このラベルの...を見よ)。 P405: 施錠して保管すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
ラットのLC50値 0.39mg/L/4h(JMPR(No. 897, 1995))より区分2とした。ラット2試験においてLC50値(4h)雄0.39mg/l, 雌0.43mg/l(JMPR(No. 897, 1995)), LC50値(2h):>5.0mg/l(PATTY(5th, 2001))が得られた。本物質の飽和蒸気圧濃度(換算値)は0.02ppmである。得られたLC50値は、飽和蒸気圧を超えているため蒸気ではなく、ダストの基準で分類した。 | |
2 | 皮膚腐食性/刺激性 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
3 | 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
4 | 呼吸器感作性 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
4 | 皮膚感作性 | 区分1 | 警告 | H317: アレルギー性皮膚反応を起こすおそれ |
P302+P352: 皮膚に付着した場合:多量の水と石鹸で洗うこと。 P333+P313: 皮膚刺激又は発疹が生じた場合:医師の診断/手当てを受けること。 P261: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーの吸入を避けること。 P272: 汚染された作業衣は作業場から出さないこと。 P280: 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。 P321: 特別な処置が必要である(このラベルの...を見よ)。 P363: 汚染された衣類を再使用する場合には洗濯をすること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
モルモットを用いた試験(Maximization test)(JMPR(No. 897, 1995))において、動物の30%以上(18/20匹)に広範性の発赤がみられ、「strong sensitizer」の評価結果があることから、区分1とした。 | |
5 | 生殖細胞変異原性 | 区分外 | - | - | - | - | in vivo変異原性試験(ラット骨髄細胞を用いる小核試験)の陰性結果(JMPR(No. 897, 1995))に基づき、区分外とした。なお、in vitro試験のエームス試験、CHO細胞を用いた染色体異常試験において陽性、チャイニーズハムスター肺由来線維芽細胞によるhprt 遺伝子座位遺伝子突然変異にて陰性結果を示した(JMPR(No. 897, 1995))。 |
6 | 発がん性 | 区分2 | 警告 | H351: 発がんのおそれの疑い |
P308+P313: 暴露又は暴露の懸念がある場合:医師の診断/手当てを受けること。 P201: 使用前に取扱説明書を入手すること。 P202: 全ての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。 P281: 指定された個人用保護具を使用すること。 P405: 施錠して保管すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
ラット(Charles River Crl:CD(SD)BR, Fischer 344)を用いた試験(JMPR(No.897, 1995))において発がん性はみられていない。マウス(CD-1)を用いた2試験(JMPR(No. 897, 1995))においては、十二指腸線腫、十二指腸腫癌および胃に良性乳頭腫がみられた。十二指腸にみられた腫瘍は、十二指腸閉塞によってフォルペットが滞留し引き起こった間接的影響であると記述あるが、主に消化器系における腫瘍発現が複数の試験でみられ、またUS EPA(IRIS(2002))でB2としていることから、区分2とした。 | |
7 | 生殖毒性 | 区分2 | 警告 | H361: 生殖能又は胎児への悪影響のおそれの疑い |
P308+P313: 暴露又は暴露の懸念がある場合:医師の診断/手当てを受けること。 P201: 使用前に取扱説明書を入手すること。 P202: 全ての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。 P281: 指定された個人用保護具を使用すること。 P405: 施錠して保管すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
ラットを用いた催奇形性試験(JMRP(No. 897, 1995))において、親動物に一般毒性が示された用量で生殖毒性(着床損失、母動物の体重増加抑制、子宮重量の減少、用量相関性のある骨化の遅延)がみられ、ウサギを用いた催奇形性試験で、親動物に毒性が示された用量で、脳水腫、骨、消化器、肺に奇形が見られた(JMPR(No.897, 1995))ことから区分2とした。 | |
8 | 特定標的臓器毒性(単回暴露) | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
9 | 特定標的臓器毒性(反復暴露) | 分類できない | - | - | - | - | ラットを用いた13週間経口投与試験(24-72mg/L)(JMPR(No.897, 1995))において、血漿総たんぱくおよびアルブミンの減少、近位消化管に刺激性、非顆粒型消化管粘膜に過角化、胃表皮の肥厚がみられたことから、区分2(胃、腸、血液)とした。ラットの12週間混餌試験(0.01, 0.32, 1%(90日補正; 5, 160, 500mg/kg bw/day))において、肝臓、腎臓、副腎、腸、肺、生殖腺に異常は認められず(JMPR(No.897, 1995))、ラットの13週間混餌試験(0, 0.03, 0.1, 0.3, 1.0%)においてはNOAEL 300mg/kg bw/dayであり、血液、肝臓の酵素、腎臓機能および内臓重量に異常が見られていない(JMPR(No.897, 1995))ことから経口経路では区分外に該当するが、他の経路ではデータがなく分類できないとした。なお、その他ラットおよびイヌを用いた試験は、ガイダンス値範囲外での試験であるため分類根拠として採用しなかった。 |
10 | 吸引性呼吸器有害性 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
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11 | 水生環境有害性(急性) | 区分1 | 警告 | H400: 水生生物に非常に強い毒性 |
P273: 環境への放出を避けること。 P391: 漏出物を回収すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
魚類(ニジマス)の96時間LC50=0.015 mg/L(ECOTOX, 2008)から区分1とした。 | |
11 | 水生環境有害性(長期間) | 区分1 | 警告 | H410: 長期継続的影響によって水生生物に非常に強い毒性 |
P273: 環境への放出を避けること。 P391: 漏出物を回収すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
急性毒性区分1であり、急速分解性がない(SRC: BioWin V4.10)ことから区分1とした。 |
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