GHS分類結果

名称:パラアルデヒド
CAS番号:123-63-7

結果:
物質ID: 20A2189
分類実施者: 厚生労働省・環境省
分類実施年度: 平成20年度
使用マニュアル: 政府向けGHS分類ガイダンス(H20.9.5版)

物理化学的危険性
危険有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起語 危険有害性情報 注意書き 分類根拠・問題点
1 爆発物 分類対象外 - - - - 爆発性に関する原子団を含まない。
2 可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む) 分類対象外 - - - - GHSの定義における液体である。
3 エアゾール 分類対象外 - - - - エアゾール製品ではない。
4 支燃性/酸化性ガス 分類対象外 - - - - GHSの定義における液体である。
5 高圧ガス 分類対象外 - - - - GHSの定義における液体である。
6 引火性液体 区分3 警告 H226: 引火性液体及び蒸気 P303+P361+P353: 皮膚(又は髪)に付着した場合:直ちに汚染された衣類を全て脱ぐこと/取り除くこと。皮膚を流水/シャワーで洗うこと。
P370+P378: 火災の場合:消火するために...を使用すること。
P403+P235: 換気の良い場所で保管すること。涼しいところに置くこと。
P210: 熱/火花/裸火/高温のもののような着火源から遠ざけること。−禁煙。
P233: 容器を密閉しておくこと。
P240: 容器を接地すること/アースをとること。
P241: 防爆型の電気機器/換気装置/照明機器/...機器を使用すること。
P242: 火花を発生させない工具を使用すること。
P243: 静電気放電に対する予防措置を講ずること。
P280: 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
引火点36℃(Lide(88th, 2008)p.16-21)から「区分3」とした。なお、UNRTDG 3IIIに分類されている。
7 可燃性固体 分類対象外 - - - - GHS定義における液体である。
8 自己反応性化学品 分類対象外 - - - - 爆発性に関わる原子団及び自己反応性に関わる原子団を含まない物質である。
9 自然発火性液体 区分外 - - - - 発火点が238 ℃(Lide(88th, 2008))で70℃超である。
10 自然発火性固体 分類対象外 - - - - GHS定義における液体である。
11 自己発熱性化学品 分類できない - - - - 液体状の物質に適した試験方法が確立していない。
12 水反応可燃性化学品 分類対象外 - - - - 金属又は半金属(B, Si, P, Ge, As, Se, Sn, Sb, Te, Bi, Po, At)を含んでいない。
13 酸化性液体 分類対象外 - - - - 酸素を含んでいるがこれらの元素が炭素あるいは水素とのみ結合している有機化合物である。
14 酸化性固体 分類対象外 - - - - GHS定義における液体である。
15 有機過酸化物 分類対象外 - - - - 分子内に-O-O-構造を含まない有機化合物である。
16 金属腐食性物質 分類できない - - - - データなし。

健康に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起語 危険有害性情報 注意書き 分類根拠・問題点
1 急性毒性(経口) 分類できない - - - - ラットのLD50値1530mg/kg(RTECS(2006))、マウスのLD50値2750 mg/kg(RTECS(2006))、ウサギのLD50値3304 mg/(RTECS(2006))などのデータがあり危険性の高いデータを採用するとJIS分類基準の区分4に該当するが、リスト3のデータであり分類できないとした。
1 急性毒性(経皮) 分類できない - - - - ウサギLD50値14.1ml(14000mg/kg)(RTECS(2006):Union Carbide Data Sheet.))は区分外に該当するが、区分外にするにはリスト3のデータであり他にデータがないので分類できないとした。
1 急性毒性(吸入:ガス) 分類対象外 - - - - GHSの定義における液体である。
1 急性毒性(吸入:蒸気) 分類できない - - - - ラットに40000ppm(21.6mg/L)の用量で4時間ばく露しても死亡が見られないとある(RTECS(2006))ことより区分外に該当するが、区分外にするにはリスト3のデータであり他にデータがないので分類できないとした。なお、飽和蒸気圧濃度は198.95mg/Lであるであるのでほとんどミストを含まない蒸気で試験されたと考えられることより気体のカットオフ値を用いて評価した。
1 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) 分類できない - - - - データなし。
2 皮膚腐食性/刺激性 区分2 警告 H315: 皮膚刺激 P302+P352: 皮膚に付着した場合:多量の水と石鹸で洗うこと。
P332+P313: 皮膚刺激が生じた場合:医師の診断/手当てを受けること。
P264: 取扱後は...よく洗うこと。
P280: 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。
P321: 特別な処置が必要である(このラベルの...を見よ)。
P362: 汚染された衣類を脱ぎ、再使用する場合には洗濯をすること。
ウサギを用いた試験において、中等度の刺激性を示し(RTECS(2006))、また、溶液は皮膚及び眼に刺激性との記載より(HSDB(1986))より区分2とした。
3 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 区分2A 警告 H319: 強い眼刺激 P305+P351+P338: 眼に入った場合:水で数分間注意深く洗うこと。次にコンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。
P337+P313: 眼の刺激が続く場合:医師の診断/手当てを受けること。
P264: 取扱後は...よく洗うこと。
P280: 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。
ウサギを用いたドレイズ試験で重度の刺激性を示し(RTECS(2006))、また、溶液は皮膚及び眼に刺激性との記載(HSDB(1986))より区分2Aとした。
4 呼吸器感作性 分類できない - - - - データなし。
4 皮膚感作性 分類できない - - - - データなし。
5 生殖細胞変異原性 分類できない - - - - in vivo変異原性試験のデータがなく、複数指標のin vitro変異原性試験データもないことから分類できない。なお、エームス試験(in vitro変異原性試験)の結果は陽性である(NTP DB(access on 11. 2008))。
6 発がん性 分類できない - - - - データなし。
7 生殖毒性 分類できない - - - - ラットを用いた発生毒性試験で催奇形性は認められていないが(Birth Defects(3rd, 2000))、親の性機能、生殖能に関するデータがなく分類できない。
8 特定標的臓器毒性(単回暴露) 区分1(中枢神経系) 危険 H370: 臓器の障害(中枢神経系) P307+P311: 暴露した場合:医師に連絡すること。
P260: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。
P264: 取扱後は...よく洗うこと。
P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。
P321: 特別な処置が必要である(このラベルの...を見よ)。
P405: 施錠して保管すること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
アルコール依存症治療薬の臨床適用量で縮瞳、嗜眠、睡眠(PATTY vol.5(5th, 2001))とあることより区分1(中枢神経系)とした。
9 特定標的臓器毒性(反復暴露) 区分1(中枢神経系、肝臓、腎臓) 危険 H372: 長期にわたる、又は反復暴露による臓器の障害(中枢神経系、肝臓、腎臓) P260: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。
P264: 取扱後は...よく洗うこと。
P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。
P314: 気分が悪いときは、医師の診断/手当てを受けること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
ヒトの慢性症状として内臓疾患、渇き、るいそう、筋力低下、手、舌の振せん、精神錯乱、幻覚が認められ、臨床適用を続けると肝炎、ネフローゼを生じるとの記述(PATTY vol.5(5th, 2001))より区分1(中枢神経系、肝臓、腎臓)とした。
10 吸引性呼吸器有害性 分類できない - - - - データなし。

環境に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起語 危険有害性情報 注意書き 分類根拠・問題点
11 水生環境有害性(急性) 分類できない - - - - データなし。
11 水生環境有害性(長期間) 分類できない - - - - データなし。


分類結果の利用に関する注意事項:
 政府による分類結果は、GHSに基づくSDSやラベル作成の際に自由に引用および複写を行うことができます。ただし、引用および複写をした上で作成されたSDS・ラベルの内容に対する責任は、SDS・ラベル作成者にあることにご留意ください。
 本分類結果は、分類ガイダンス等のマニュアルで定められている情報源と判定方法に基づくものであり、あくまでもSDSやラベル作成の際の参考として公表しているものです。他の文献や試験結果等を根拠として、本内容と異なる分類結果でSDSやラベルを作成することを妨げるものではありません。

参考情報:
使用マニュアル

解説・用語集(エクセルファイル)

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厚生労働省モデルSDS

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