GHS分類結果

名称:安息香酸ベンジル
CAS番号:120-51-4

結果:
物質ID: 20A2182
分類実施者: 厚生労働省・環境省
分類実施年度: 平成20年度
使用マニュアル: 政府向けGHS分類ガイダンス(H20.9.5版)

物理化学的危険性
危険有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起語 危険有害性情報 注意書き 分類根拠・問題点
1 爆発物 分類対象外 - - - - 爆発性に関わる原子団を含んでいない。
2 可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む) 分類対象外 - - - - GHS定義における固体である。
3 エアゾール 分類対象外 - - - - エアゾール製品でない。
4 支燃性/酸化性ガス 分類対象外 - - - - GHS定義における固体である。
5 高圧ガス 分類対象外 - - - - GHS定義における固体である。
6 引火性液体 分類対象外 - - - - GHS定義における固体である。
7 可燃性固体 分類できない - - - - データなし。
8 自己反応性化学品 分類対象外 - - - - 爆発性に関わる原子団、あるいは自己反応性に関連する原子団を含んでいない。
9 自然発火性液体 分類対象外 - - - - GHS定義における固体である。
10 自然発火性固体 区分外 - - - - 発火点が480℃(Chapman(Ver. 16:1, 2008)、(HSDB(2003)、(NEPA(13th, 2006))で、70℃を越えている。
11 自己発熱性化学品 分類できない - - - - 融点が140℃以下の固体に適した試験方法が確立していない。
12 水反応可燃性化学品 分類対象外 - - - - 金属又は半金属(B, Si, P, Ge, As, Se, Sn, Sb, Te, Bi, Po, At)を含んでいない。
13 酸化性液体 分類対象外 - - - - GHS定義における固体である。
14 酸化性固体 分類対象外 - - - - フッ素及び塩素を含まず、酸素を含む有機化合物であるが、この酸素が炭素、水素以外の元素と化学結合していない。
15 有機過酸化物 分類対象外 - - - - 分子内に-O-O-構造を含まない有機化合物である。
16 金属腐食性物質 分類できない - - - - データなし。

健康に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起語 危険有害性情報 注意書き 分類根拠・問題点
1 急性毒性(経口) 区分4 警告 H302: 飲み込むと有害 P301+P312: 飲み込んだ場合:気分が悪いときは医師に連絡すること。
P264: 取扱後は...よく洗うこと。
P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。
P330: 口をすすぐこと。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
ラットLD50値 1900mg/kg、2800mg/kg(JECFA Evaluation(2001))、1880mg/kg(PATTY(5th, 2001))のうち2つが区分4に該当することから、区分4とした。
1 急性毒性(経皮) 区分外 - - - - ラットのLD50値=4.46g/kg(PATTY(5th, 2001))、ウサギのLD50値=4g/kg(PATTY(5th, 2001))は区分外に該当する。
1 急性毒性(吸入:ガス) 分類対象外 - - - - GHSの定義における固体である。
1 急性毒性(吸入:蒸気) 分類できない - - - - データなし。
1 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) 分類できない - - - - データなし。
2 皮膚腐食性/刺激性 区分外 - - - - ウサギのDraize試験において4時間適用の3日間の刺激性の平均スコア値が0-1.58(ECETOC TR 66(1995))であることから、区分外とした。
3 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 分類できない - - - - データなし。
4 呼吸器感作性 分類できない - - - - データなし。
4 皮膚感作性 分類できない - - - - モルモットのMaximization試験のうち2つは感作性なしで1つは弱い感作性(IUCLID(2000))とされている、また、ヒトの試験(Maximization test)でも感作性なし、または陽性反応なし(IUCLID(2000))の結果である。リスト2のデータであることから区分外とせずに分類できないとした。
5 生殖細胞変異原性 分類できない - - - - in vivo試験の結果がなく、複数指標のin vitro変異原性試験の結果もないことから分類できない。なお、Ames試験(in vitro変異原性試験)は陰性である(JECFA Evaluation(2001))。
6 発がん性 分類できない - - - - データなし。
7 生殖毒性 分類できない - - - - ラットの器官形成期の経口ばく露(PATTY(5th, 2001)(Birth Defects(3rd, 2000)及びマウスの器官形成期の経口ばく露(Birth Defects(3rd, 2000))で仔の発生に影響は認められていない。しかし、親動物の性機能及び生殖能に関するデータがなく分類できない。
8 特定標的臓器毒性(単回暴露) 分類できない - - - - 本物質を含む回線虫の駆除薬の2ヶ月齢児に対する影響としてけいれん症状(PATTY(5th, 2001))及び、他に血圧低下作用(PATTY(5th, 2001))のデータがあるが、症例のみの記載であることから情報不足で分類できない。
9 特定標的臓器毒性(反復暴露) 分類できない - - - - ウサギの90日間の経皮試験で精巣の萎縮、腎炎、脳炎が認められ(IUCLID(2000))、他のウサギの90日間の経皮試験で精巣の萎縮、腎臓障害、白血球の増加が認められ(IUCLID(2000))ているが、ばく露量の情報が不明確であり、データ不足により分類できない。
10 吸引性呼吸器有害性 分類できない - - - - データなし。

環境に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起語 危険有害性情報 注意書き 分類根拠・問題点
11 水生環境有害性(急性) 区分2 - - H401: 水生生物に毒性 P273: 環境への放出を避けること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
甲殻類(ヨコエビ科の一種)での96h-LC50=4.8mg/L(AQUIRE, 2008)であることから、区分2とした。
11 水生環境有害性(長期間) 区分外 - - - - 急性分類は区分2であるが、急速分解性があり(良分解性:28日でのBOD分解度=90%(既存化学物質安全性点検データ, 1996))、生物濃縮性が低いと推測される(LogPow=3.97(PHYSPROP Database, 2008))ことから、区分外とした。


分類結果の利用に関する注意事項:
 政府による分類結果は、GHSに基づくSDSやラベル作成の際に自由に引用および複写を行うことができます。ただし、引用および複写をした上で作成されたSDS・ラベルの内容に対する責任は、SDS・ラベル作成者にあることにご留意ください。
 本分類結果は、分類ガイダンス等のマニュアルで定められている情報源と判定方法に基づくものであり、あくまでもSDSやラベル作成の際の参考として公表しているものです。他の文献や試験結果等を根拠として、本内容と異なる分類結果でSDSやラベルを作成することを妨げるものではありません。

参考情報:
使用マニュアル

解説・用語集(エクセルファイル)

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厚生労働省モデルSDS

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