名称:2,6-ジメチルアニリン
CAS番号:87-62-7
物質ID: | 20A2144 |
分類実施者: | 厚生労働省・環境省 |
分類実施年度: | 平成20年度 |
使用マニュアル: | 政府向けGHS分類ガイダンス(H20.9.5版) |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
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1 | 爆発物 | 分類対象外 | - | - | - | - | 爆発性に関連する原子団を含んでいない。 |
2 | 可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む) | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における液体である。 |
3 | エアゾール | 分類対象外 | - | - | - | - | エアゾール製品ではない。 |
4 | 支燃性/酸化性ガス | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における液体である。 |
5 | 高圧ガス | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における液体である。 |
6 | 引火性液体 | 区分4 | - | 警告 | H227: 可燃性液体 |
P370+P378: 火災の場合:消火するために...を使用すること。 P403+P235: 換気の良い場所で保管すること。涼しいところに置くこと。 P210: 熱/火花/裸火/高温のもののような着火源から遠ざけること。−禁煙。 P280: 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
引火点91℃(ICSC(2007))より区分4とした。 |
7 | 可燃性固体 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における液体である。 |
8 | 自己反応性化学品 | 分類対象外 | - | - | - | - | 爆発性に関わる原子団を含んでいない。かつ自己反応性に関連する原子団を含んでいない。 |
9 | 自然発火性液体 | 区分外 | - | - | - | - | 発火点が490℃(IUCLID, 2000)で、70℃を越えている。 |
10 | 自然発火性固体 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における液体である。 |
11 | 自己発熱性化学品 | 分類できない | - | - | - | - | 液体状の物質に適した試験方法が確立していない。 |
12 | 水反応可燃性化学品 | 分類対象外 | - | - | - | - | 金属または半金属(B, Si, P, Ge, As, Se, Sn, Sb, Te, Bi, Po, At)を含んでいない。 |
13 | 酸化性液体 | 分類対象外 | - | - | - | - | フッ素および塩素を含まず、さらに酸素も含まない有機化合物である。 |
14 | 酸化性固体 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における液体である。 |
15 | 有機過酸化物 | 分類対象外 | - | - | - | - | -O-O-構造を含まない有機化合物である。 |
16 | 金属腐食性物質 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
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1 | 急性毒性(経口) | 区分4 | 警告 | H302: 飲み込むと有害 |
P301+P312: 飲み込んだ場合:気分が悪いときは医師に連絡すること。 P264: 取扱後は...よく洗うこと。 P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。 P330: 口をすすぐこと。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
ラットLD50値は1230mg/kg bw(DFGOT 21(2005)1(2003))、630、1550、840mg/kg bw(IARC 57(1993))、705-840 mg/kg(厚労省報告(2008))は区分4の範囲にあり区分4とした。 | |
1 | 急性毒性(経皮) | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
1 | 急性毒性(吸入:ガス) | 分類対象外 | - | - | - | - | GHS定義における液体である。 |
1 | 急性毒性(吸入:蒸気) | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
1 | 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
2 | 皮膚腐食性/刺激性 | 区分外 | - | - | - | - | ウサギを用いた試験(OECD TG 404)刺激性なし、わずかな刺激性(適用24〜72時間以内にわずかな紅斑)、刺激性(適用4〜72時間以内にわずかから〜明確な紅斑又はわずか〜重度の浮腫)とされているが、いずれも8日以内に回復すること(IUCLID(2000))、EU分類はXi:R37/38としていることからJIS分類基準の区分外(国連分類の区分3)とした。 |
3 | 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 | 区分2 | 警告 | H319: 強い眼刺激 |
P305+P351+P338: 眼に入った場合:水で数分間注意深く洗うこと。次にコンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。 P337+P313: 眼の刺激が続く場合:医師の診断/手当てを受けること。 P264: 取扱後は...よく洗うこと。 P280: 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。 |
ウサギを用いた試験(OECD TG 405)において4時間適用で刺激性なし、刺激性、中等度の刺激性とあるが、中等度の刺激性で結膜の発赤、わずかな虹彩の浮腫、角膜混濁は7日目に回復、または結膜の発赤、虹彩の深刻な浸潤は8日目に回復とあることから区分2とした。 | |
4 | 呼吸器感作性 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
4 | 皮膚感作性 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
5 | 生殖細胞変異原性 | 区分外 | - | - | - | - | マウスの精子細胞を用いる小核試験(DFGOT vol.19(2003))(生殖細胞in vivo変異原性試験)、マウスおよびラットを用いる骨髄を用いる細胞遺伝学的試験(厚生労働省(Access on Sep.2008))(体細胞in vivo変異原性試験)の陰性結果より区分外とした。なお、不定期DNA合成試験において陰性(体細胞in vivo遺伝毒性試験)、in vitro変異原性試験:Ames試験(厚労省報告(Access on Sep. 2008)),染色体異常試験(厚労省報告(Access on Sep. 2008))、マウスリンフォーマアッセイ(IUCLID(2000))で陽性の結果が得られている。 |
6 | 発がん性 | 区分2 | 警告 | H351: 発がんのおそれの疑い |
P308+P313: 暴露又は暴露の懸念がある場合:医師の診断/手当てを受けること。 P201: 使用前に取扱説明書を入手すること。 P202: 全ての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。 P281: 指定された個人用保護具を使用すること。 P405: 施錠して保管すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
IARCがGroup 2B(IARC vol.57(1993))に分類していることから区分2とした。 | |
7 | 生殖毒性 | 区分2 | 警告 | H361: 生殖能又は胎児への悪影響のおそれの疑い |
P308+P313: 暴露又は暴露の懸念がある場合:医師の診断/手当てを受けること。 P201: 使用前に取扱説明書を入手すること。 P202: 全ての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。 P281: 指定された個人用保護具を使用すること。 P405: 施錠して保管すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
ラットを用いた強制経口投与試験(OECD TG 422)で親動物に対して黄体数の低値傾向および着床数の有意な低値が認められ、同群の仔動物において総出産仔数の低値傾向および生児数の有意な低値が認められた(厚労省試験報告Access on Sep. 2008))ことから区分2とした。 | |
8 | 特定標的臓器毒性(単回暴露) | 区分1(血液)、区分2(神経系) |
危険 警告 |
H370: 臓器の障害(血液) H371: 臓器の障害のおそれ(神経系) |
P307+P311: 暴露した場合:医師に連絡すること。 P309+P311: 暴露したとき、又は気分が悪いとき:医師に連絡すること。 P260: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。 P264: 取扱後は...よく洗うこと。 P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。 P321: 特別な処置が必要である(このラベルの...を見よ)。 P405: 施錠して保管すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
ヒトにおいてリドカインの投与によりメトヘモグロビン血症を起こし、リドカインの代謝物が2.6-ジメチルアニリンであることから2.6-ジメチルアニリンの影響として記述されている(IARC vol.57(1993))また、高濃度ばく露でメトヘモグロビン血症起こすとの事(ICSC(2007))より区分1(血液)とした。なお、ラットを用いた強制経口投与試験で300 mg/kgでは、眼瞼下垂を伴った軽度な自発運動の低下が認められたが、投与後3時間以降には回復した。2000 mg/kgでは、投与後まもなく重度な自発運動の低下、横臥、歩行異常、筋弛緩および軽度な呼吸深大が認められ、投与後24時間以内に死亡した。死亡動物の膀胱内には赤色尿が認められ、腎臓、溶血などの血液毒性影響と考えられている(厚労省報告(Access on Sep. 2008))。また、ラットを用いた強制経口投与試験の620mg/kg 以上の用量で腎乳頭の赤化(NTP TR278(1990))、他のラットを用いた強制経口投与試験の生存動物で腎臓の斑状の変化が顕著とされ(NTP TR278(1990))、腎臓への影響が示唆されるが、いずれも明確な病理学的記述がなくデータ不足で分類できないとした。 | |
9 | 特定標的臓器毒性(反復暴露) | 区分2(血液、腎臓) | 警告 | H373: 長期にわたる、又は反復暴露による臓器の障害のおそれ(血液、腎臓) |
P260: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。 P314: 気分が悪いときは、医師の診断/手当てを受けること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
ラットを用いた経口投与試験(用量:2、10、50、250 mg/kg)のガイダンスの区分2に相当する250 mg/kg(90日換算:83mg/kg)の用量において、一過性の流涎、自発運動低下、眼瞼下垂、握力および自発運動量の減少、メトヘモグロビン濃度の増加、雄に赤血球数および血色素濃度の減少並びに網状赤血球数の増加が認められ、雌雄に肝臓の肝細胞肥大、腎臓の好塩基性尿細管の増加傾向および乳頭壊死が、雄に近位尿細管上皮の硝子滴増加および蛋白円柱増加、雌に尿細管のびまん性拡張、雌雄に脾臓のヘモジデリン沈着増加、雄に髄外造血の増加傾向が認められている(厚労省報告(Access on Sep. 2008))。また、ラットの13週間の強制経口投与試験(用量:20、40、80、160、310 mg/kg))のガイダンスの区分2の用量に相当する40 mg/kgの用量以上で体重増加の抑制、脳及び腎臓の相対重量増加、白血球減少、80 mg/kg/day以上でリンパ球濃度低下及び分葉核好中球濃度上昇が認められ、ガイダンスの区分外に相当する160 mg/kgの用量でヘモグロビン濃度低下、310 mg/kgの用量でヘマクリット値の低下が認められている(IUCLID(2000))。さらに、マウスを用いた13週間の強制経口投与試験(用量:20、40、80、160、310 mg/kg)において、ガイダンスの区分2を超える310mg/kgの用量で体重の減少、雄の肝臓の重量増加、鼻腔の変化が認められ、雌においてはガイダンスの区分2に相当する20mg/kgの用量で白血球の減少が認められている(IUCLID(2000))。以上のことから区分2(血液、腎臓)とした。 | |
10 | 吸引性呼吸器有害性 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
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11 | 水生環境有害性(急性) | 区分3 | - | - | H402: 水生生物に有害 |
P273: 環境への放出を避けること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
甲殻類(オオミジンコ)の48時間EC50=20 mg/L(環境省生態影響試験, 2002)から区分3とした。 |
11 | 水生環境有害性(長期間) | 区分外 | - | - | - | - | 急性毒性区分3であり、急速分解性がない(難分解性、BODによる分解度:0%(既存点検, 2002))が、甲殻類(オオミジンコ)の21日間NOEC=2.2mg/L(環境省生態影響試験, 2002)であることから区分外とした。 |
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