GHS分類結果

名称:1-エトキシ-2-プロパノール
CAS番号:1569-02-4

結果:
物質ID: 20A2131
分類実施者: 厚生労働省・環境省
分類実施年度: 平成20年度
使用マニュアル: 政府向けGHS分類ガイダンス(H20.9.5版)

物理化学的危険性
危険有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起語 危険有害性情報 注意書き 分類根拠・問題点
1 爆発物 分類対象外 - - - - 爆発性に関する原子団を含まない。
2 可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む) 分類対象外 - - - - GHS分類における液体である。
3 エアゾール 分類対象外 - - - - エアゾール製品ではない。
4 支燃性/酸化性ガス 分類対象外 - - - - GHS分類における液体である。
5 高圧ガス 分類対象外 - - - - GHS分類における液体である。
6 引火性液体 区分3 警告 H226: 引火性液体及び蒸気 P303+P361+P353: 皮膚(又は髪)に付着した場合:直ちに汚染された衣類を全て脱ぐこと/取り除くこと。皮膚を流水/シャワーで洗うこと。
P370+P378: 火災の場合:消火するために...を使用すること。
P403+P235: 換気の良い場所で保管すること。涼しいところに置くこと。
P210: 熱/火花/裸火/高温のもののような着火源から遠ざけること。−禁煙。
P233: 容器を密閉しておくこと。
P240: 容器を接地すること/アースをとること。
P241: 防爆型の電気機器/換気装置/照明機器/...機器を使用すること。
P242: 火花を発生させない工具を使用すること。
P243: 静電気放電に対する予防措置を講ずること。
P280: 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
UNRTDG 3III、引火点は43 ℃(closed cup)(IUCLID(2000))で>=23℃及び<=60℃である。
7 可燃性固体 分類対象外 - - - - GHS分類における液体である。
8 自己反応性化学品 分類対象外 - - - - 爆発性に関わる原子団及び自己反応性に関わる原子団を含まない物質である。
9 自然発火性液体 区分外 - - - - 発火点225℃(IUCLID(2000))で70℃超である。
10 自然発火性固体 分類対象外 - - - - GHS分類における液体である。
11 自己発熱性化学品 分類できない - - - - 液体状の物質に適した試験方法が確立していない。
12 水反応可燃性化学品 分類対象外 - - - - 金属又は半金属(B, Si, P, Ge, As, Se, Sn, Sb, Te, Bi, Po, At)を含んでいない。
13 酸化性液体 分類対象外 - - - - 酸素を含んでいるがこの元素が炭素とのみ結合している有機物質である。
14 酸化性固体 分類対象外 - - - - GHS分類における液体である。
15 有機過酸化物 分類対象外 - - - - 分子内に-O-O-構造を含まない有機化合物である。
16 金属腐食性物質 分類できない - - - - データなし。

健康に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起語 危険有害性情報 注意書き 分類根拠・問題点
1 急性毒性(経口) 区分外 - - - - ラットLD50 >5000 mg/kg(ECETOC TR095 vol.1,2(2005))より区分外とした。
1 急性毒性(経皮) 区分外 - - - - ウサギLD50=9ml/kg(8100 mg/kg)(ECETOC TR095 vol.1,2(2005))より区分外とした。
1 急性毒性(吸入:ガス) 分類対象外 - - - - GHS定義で液体である。
1 急性毒性(吸入:蒸気) 分類できない - - - - ラット9590mg/L/4h(2213ppm)でも死亡なし(ECETOC TR095 vol.1,2(2005))のデータがあるがこのデータからは分類できない。なお、飽和蒸気濃度=5100ppmであることからほとんどミストを含まない蒸気で試験されたと考えられる。
1 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) 区分外 - - - - ラット43mg/L(10000ppm)で死亡がみられない(ECETOC TR095 vol.1,2(2005))ことから区分外とした。なお、飽和蒸気濃度=21mg/L/4h(5100ppm)であることからミストで試験されたと考えられる。
2 皮膚腐食性/刺激性 区分外 - - - - ウサギを用いた試験でドレイズスコア1.63で軽度の刺激性(ECETOC TR095 vol.1,2(2005))およびわずかな刺激性(IUCLID(2000))とされていることからJIS分類分類基準の区分外(国連分類では区分3)とした。
3 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 区分2B - 警告 H320: 眼刺激 P305+P351+P338: 眼に入った場合:水で数分間注意深く洗うこと。次にコンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。
P337+P313: 眼の刺激が続く場合:医師の診断/手当てを受けること。
P264: 取扱後は...よく洗うこと。
ウサギを用いた試験で結膜への刺激性、ウサギ角膜への作用が認められるが重度ではなく観察期間7日以内に回復する「Mild」(ECETOC TR095 vol.1,2(2005))また、ウサギを用いたDraize testでは刺激性なしおよび中等度の刺激性とされている(IUCLID(2000))。List1のECETOCの評価から区分2Bとした。
4 呼吸器感作性 分類できない - - - - データなし。
4 皮膚感作性 分類できない - - - - データなし。
5 生殖細胞変異原性 分類できない - - - - in vivo試験のデータがなく、複数指標のin vitro変異原性試験陽性の結果もないことから分類できない。なお、Ames testおよび培養ヒトリンパ球を用いた染色体異常試験(いずれもin vivo変異原性試験)の結果はすべて陰性(ECETOC TR095 vol.1,2(2005))である。
6 発がん性 分類できない - - - - データなし。
7 生殖毒性 分類できない - - - - ラット、ウサギの器官形成期に吸入ばく露した試験で親動物の体重抑制の認められる用量で仔に対する悪影響を及ぼさないというデータがあるが(ECETOC TR095 vol.2(2005)、親の性機能、生殖能に関するデータがなくデータ不足で分類できないとした。
8 特定標的臓器毒性(単回暴露) 区分3(麻酔作用、気道刺激性) 警告 H336: 眠気又はめまいのおそれ(麻酔作用、気道刺激性)
H335: 呼吸器への刺激のおそれ(麻酔作用、気道刺激性)
P304+P340: 吸入した場合:空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。
P403+P233: 換気の良い場所で保管すること。容器を密閉しておくこと。
P261: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーの吸入を避けること。
P271: 屋外又は換気の良い場所でのみ使用すること。
P312: 気分が悪いときは医師に連絡すること。
P405: 施錠して保管すること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
マウス、モルモット、ウサギの7000ppm、1時間吸入ばく露(換算値:7.46mg/L/4h)で、眼および呼吸器に刺激性を示し、2時間ではさらに強く示し(PATTY(5th(2001))、ラットの10000ppm、4時間吸入ばく露(換算値:42.6mg/L/4h)の生存動物で眼および鼻への著しい刺激、ばく露終了時には麻酔作用が見られている(PATTY(5th(2001))。一方、ラットの経口投与においてはガイダンスの区分2を超える5000mg/kg以上の用量で麻酔作用、が認められていることから区分3(麻酔作用、気道刺激性)とした。なお、ウサギの吸入ばく露でガイダンスの区分2の用量でタンパク尿、血尿、ラットの経口投与試験の区分2を超える用量で腎臓への影響と記載されているが(PATTY(5th(2001))、腎臓への影響はガイダンスの用量範囲では軽微な影響と考えられたため、評価しなかった。
9 特定標的臓器毒性(反復暴露) 分類できない - - - - ラットを用いた13週間吸入ばく露試験(6時間/日・5日/週、用量:100, 300, 2000 ppm(0.426, 1.266, 8.36 mg/L)において8.36 mg/Lで肝重量の変化以外に影響は認められず、影響の認められない用量をガイダンス値の区分外に相当する1.266mg/Lとしている(ECETOC TR064(1995))ことより区分外(吸入)に相当するが、他経路での情報がなく分類できないとした。
10 吸引性呼吸器有害性 分類できない - - - - データなし。

環境に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起語 危険有害性情報 注意書き 分類根拠・問題点
11 水生環境有害性(急性) 分類できない - - - - データ不足のため分類できない。
11 水生環境有害性(長期間) 分類できない - - - - データ不足のため分類できない。


分類結果の利用に関する注意事項:
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 本分類結果は、分類ガイダンス等のマニュアルで定められている情報源と判定方法に基づくものであり、あくまでもSDSやラベル作成の際の参考として公表しているものです。他の文献や試験結果等を根拠として、本内容と異なる分類結果でSDSやラベルを作成することを妨げるものではありません。

参考情報:
使用マニュアル

解説・用語集(エクセルファイル)

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厚生労働省モデルSDS

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