GHS分類結果

名称:N‐[4‐[[4‐(ジメチルアミノ)フェニル]フェニルメチレン]‐2,5‐シクロヘキサジエン‐1‐イリデン]‐N‐メチルメタンアミニウム・クロリド(別名マラカイトグリーン)
CAS番号:569-64-2

結果:
物質ID: 20A2119
分類実施者: 厚生労働省・環境省
分類実施年度: 平成20年度
使用マニュアル: 政府向けGHS分類ガイダンス(H20.9.5版)

物理化学的危険性
危険有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起語 危険有害性情報 注意書き 分類根拠・問題点
1 爆発物 分類対象外 - - - - 爆発性に関わる原子団を含んでいない。
2 可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む) 分類対象外 - - - - 固体である。
3 エアゾール 分類対象外 - - - - エアゾール製品でない。
4 支燃性/酸化性ガス 分類対象外 - - - - 固体である。
5 高圧ガス 分類対象外 - - - - 固体である。
6 引火性液体 分類対象外 - - - - 固体である。
7 可燃性固体 分類できない - - - - データなし。
8 自己反応性化学品 分類対象外 - - - - 爆発性に関わる原子団、および自己反応性に関連する原子団を含んでいない。
9 自然発火性液体 分類対象外 - - - - 固体である。
10 自然発火性固体 分類できない - - - - データなし。
11 自己発熱性化学品 分類できない - - - - データなし。
12 水反応可燃性化学品 分類対象外 - - - - 金属又は半金属(B, Si, P, Ge, As, Se, Sn, Sb, Te, Bi, Po, At)を含んでいない。
13 酸化性液体 分類対象外 - - - - 固体である。
14 酸化性固体 分類対象外 - - - - 酸素およびフッ素を含まず、塩素を含む有機物質でり、この塩素がイオン結合しているが、塩化物になり酸化性はない。
15 有機過酸化物 分類対象外 - - - - 分子内に-O-O-構造を含まない有機化合物である。
16 金属腐食性物質 分類できない - - - - データなし。

健康に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起語 危険有害性情報 注意書き 分類根拠・問題点
1 急性毒性(経口) 区分3 危険 H301: 飲み込むと有毒 P301+P310: 飲み込んだ場合:直ちに医師に連絡すること。
P264: 取扱後は...よく洗うこと。
P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。
P321: 特別な処置が必要である(このラベルの...を見よ)。
P330: 口をすすぐこと。
P405: 施錠して保管すること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
マウスにおけるLD50値 80mg/kg(HSDB, 2005)に基づき、区分3とした。
1 急性毒性(経皮) 分類できない - - - - データなし。
1 急性毒性(吸入:ガス) 分類対象外 - - - - 固体である。
1 急性毒性(吸入:蒸気) 分類できない - - - - データなし。
1 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) 分類できない - - - - データなし。
2 皮膚腐食性/刺激性 分類できない - - - - データなし。
3 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 区分1 危険 H318: 重篤な眼の損傷 P305+P351+P338: 眼に入った場合:水で数分間注意深く洗うこと。次にコンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。
P280: 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。
P310: 直ちに医師に連絡すること。
ヒトにおける眼損傷性の報告(NTP TOX.71, 2004)があり、ウサギにおいて、「結膜の浮腫、充血、化膿から角膜混濁、壊死、角膜腐肉班におよぶ重篤な損傷」の記述がある(HSDB ,2005)。EU分類においてもR41(区分1相当)である(EU-Annex I, access on 8. 2008)ことから、区分1とした。
4 呼吸器感作性 分類できない - - - - データなし。
4 皮膚感作性 分類できない - - - - データなし。
5 生殖細胞変異原性 区分外 - - - - ラットおよびマウスを用いた小核試験における陰性結果(NTP DB, access on 9. 2008)(NTP TR572, 2005)から区分外とした。
6 発がん性 分類できない - - - - ラットの雌を用いた混餌試験(0-600ppm, 2年間)において甲状腺、肝細胞及び乳腺に腫瘍がみられるが「不明瞭な証拠(equivocal)」とある(NTP(TR572, 2005))ため、分類できないとした。
7 生殖毒性 分類できない - - - - ラットの強制経口試験(器官形成期(critical period): 50 or 500 mg/kg)において、骨奇形(malformation)の発生率に異常は認められない(HSDB(2004))が、親の生殖能力に関するデータがなく、また1試験のみで他に情報が得られないことからデータ不足で分類できないとした。
8 特定標的臓器毒性(単回暴露) 分類できない - - - - データなし。
9 特定標的臓器毒性(反復暴露) 区分2(血液) 警告 H373: 長期にわたる、又は反復暴露による臓器の障害のおそれ(血液) P260: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。
P314: 気分が悪いときは、医師の診断/手当てを受けること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
ラットの混餌試験(28日間: 0-1200 ppm)(NTP TOX71(2004))において、雌1200ppm群(90日補正: 50mg/kg bw)で赤血球数、ヘモグロビン濃度およびヘマトクリット値の顕著な減少が認められた。マウスの混餌試験(28日間: 0-1200ppm)(NTP TOX71(2004))では、雌雄300ppm群(90日補正 21mg/kg bw)にて、赤血球、ヘマトクリットおよびヘモグロビン濃度の顕著な減少、網赤血球(reticulocyte)の顕著な増加がみられた。ラットおよびマウスで見られた血液変化およびこれら所見は貧血症状を示す「indicative of anemia」と記述があることから区分2(血液)とした。
10 吸引性呼吸器有害性 分類できない - - - - データなし。

環境に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起語 危険有害性情報 注意書き 分類根拠・問題点
11 水生環境有害性(急性) 区分1 警告 H400: 水生生物に非常に強い毒性 P273: 環境への放出を避けること。
P391: 漏出物を回収すること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
魚類(ブルーギル)の96時間LC50 = 0.0305 mg/L(AQUIRE, 2008)から、区分1とした。
11 水生環境有害性(長期間) 区分1 警告 H410: 長期継続的影響によって水生生物に非常に強い毒性 P273: 環境への放出を避けること。
P391: 漏出物を回収すること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
急性毒性区分1であり、急速分解性がない(難分解性、BODによる分解度:0.3%(既存点検, 1983))ことから、区分1とした。


分類結果の利用に関する注意事項:
 政府による分類結果は、GHSに基づくSDSやラベル作成の際に自由に引用および複写を行うことができます。ただし、引用および複写をした上で作成されたSDS・ラベルの内容に対する責任は、SDS・ラベル作成者にあることにご留意ください。
 本分類結果は、分類ガイダンス等のマニュアルで定められている情報源と判定方法に基づくものであり、あくまでもSDSやラベル作成の際の参考として公表しているものです。他の文献や試験結果等を根拠として、本内容と異なる分類結果でSDSやラベルを作成することを妨げるものではありません。

参考情報:
使用マニュアル

解説・用語集(エクセルファイル)

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