GHS分類結果

名称:ヘキサフルオロプロペン
CAS番号:116-15-4

結果:
物質ID: 20A2104
分類実施者: 厚生労働省・環境省
分類実施年度: 平成20年度
使用マニュアル: 政府向けGHS分類ガイダンス(H20.9.5版)

物理化学的危険性
危険有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起語 危険有害性情報 注意書き 分類根拠・問題点
1 爆発物 分類対象外 - - - - GHSの定義におけるガスである。
2 可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む) 区分外 - - - - 不燃性(IMDG(2006)vol.2)である。
3 エアゾール 分類対象外 - - - - エアゾール製品でない。
4 支燃性/酸化性ガス 区分外 - - - - ISO5145:2004で、「グループ1」(Non-flammable, non-toxic gases)に属している。
5 高圧ガス 低圧液化ガス 警告 H280: 高圧ガス:熱すると爆発のおそれ P410+P403: 日光から遮断し、換気の良い場所で保管すること。 標準気圧で沸点-156.2℃(Ullmanns(E)(6th, 2003)vol.14)により、20℃では完全にガス化し、臨界温度は86.2℃であり(Ullmanns(E)(6th, 2003)vol.14)65℃を超える。
6 引火性液体 分類対象外 - - - - GHSの定義におけるガスである。
7 可燃性固体 分類対象外 - - - - GHSの定義におけるガスである。
8 自己反応性化学品 分類対象外 - - - - GHSの定義におけるガスである。
9 自然発火性液体 分類対象外 - - - - GHSの定義におけるガスである。
10 自然発火性固体 分類対象外 - - - - GHSの定義におけるガスである。
11 自己発熱性化学品 分類対象外 - - - - GHSの定義におけるガスである。
12 水反応可燃性化学品 分類対象外 - - - - GHSの定義におけるガスである。
13 酸化性液体 分類対象外 - - - - GHSの定義におけるガスである。
14 酸化性固体 分類対象外 - - - - GHSの定義におけるガスである。
15 有機過酸化物 分類対象外 - - - - GHSの定義におけるガスである。
16 金属腐食性物質 分類できない - - - - 気体状の物質に適した試験方法が確立していない。

健康に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起語 危険有害性情報 注意書き 分類根拠・問題点
1 急性毒性(経口) 分類できない - - - - データなし。
1 急性毒性(経皮) 分類できない - - - - データなし。
1 急性毒性(吸入:ガス) 区分4 警告 H332: 吸入すると有害 P304+P340: 吸入した場合:空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。
P261: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーの吸入を避けること。
P271: 屋外又は換気の良い場所でのみ使用すること。
P312: 気分が悪いときは医師に連絡すること。
ラットLC50の4時間のデータが4件(>1200, 1830, 2800, 3060 ppm)見出され(ECETOC JACC 48(2005))、1件は区分3〜区分外、1件は区分3、2件は区分4であることから区分4とした。
1 急性毒性(吸入:蒸気) 分類対象外 - - - - GHSの定義におけるガスである。
1 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) 分類対象外 - - - - GHSの定義におけるガスである。
2 皮膚腐食性/刺激性 分類できない - - - - データなし。
3 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 分類できない - - - - データなし。
4 呼吸器感作性 分類できない - - - - データなし。
4 皮膚感作性 分類できない - - - - データなし。
5 生殖細胞変異原性 区分外 - - - - ラットを用いた吸入ばく露による優性致死試験(生殖細胞in vivo経世代変異原性試験)、およびマウスに吸入ばく露後の骨髄細胞を用いた小核試験(体細胞in vivo変異原性試験)のいずれも陰性結果(ECETOC JACC 48(2005))に基づき区分外とした。なお、ラットに吸入ばく露後の肝細胞を用いた不定期DNA合成試験(体細胞in vivo遺伝毒性性試験)で陰性(ECETOC JACC 48(2005))、さらにin vitroの試験ではエームス試験で陰性であったが、CHO細胞を用いた染色体異常試験が陽性結果を示した(ECETOC JACC 48(2005))。
6 発がん性 分類できない - - - - データなし。
7 生殖毒性 分類できない - - - - データなし。
8 特定標的臓器毒性(単回暴露) 区分1(腎臓) 危険 H370: 臓器の障害(腎臓) P307+P311: 暴露した場合:医師に連絡すること。
P260: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。
P264: 取扱後は...よく洗うこと。
P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。
P321: 特別な処置が必要である(このラベルの...を見よ)。
P405: 施錠して保管すること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
4時間吸入ばく露後、ラットで320 ppm以上で腎臓の尿細管上皮の壊死と再生、また、マウス、モルモットおよびウサギでは1000 ppm以上でネフローゼが観察され(ECETOC JACC 48(2005)、ACGIH(2007))、それらの影響がガイダンス値範囲区分1に相当する濃度まで認められたことから区分1(腎臓)とした。なお、致死量あるいは致死量に近い高濃度では、肺のうっ血および浮腫、さらに抑制、協調運動消失、間代痙攣などの中枢神経症状も報告されている(ECETOC JACC 48(2005))。
9 特定標的臓器毒性(反復暴露) 区分1(腎臓) 危険 H372: 長期にわたる、又は反復暴露による臓器の障害(腎臓) P260: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。
P264: 取扱後は...よく洗うこと。
P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。
P314: 気分が悪いときは、医師の診断/手当てを受けること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
マウスに90日(1日6時間)吸入ばく露により50 ppm以上で、組織学的に腎臓の病変(皮質内層の尿細管再生、尿細管上皮細胞の巨細胞化、尿細管上皮の壊死)が観察され((ECETOC JACC(2005)))、また、ラットに14日(1日6時間)吸入ばく露した試験では、200 ppm(90日補正値:31.1 ppm)で皮質内層の尿細管変性を特徴とするネフローゼを示した((ECETOC JACC(2005)))。以上のマウスおよびラットとも腎臓への影響がガイダンス値区分1に相当する濃度で認められたことから区分1(腎臓)とした。
10 吸引性呼吸器有害性 分類対象外 - - - - GHSの定義におけるガスである。

環境に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起語 危険有害性情報 注意書き 分類根拠・問題点
11 水生環境有害性(急性) 分類できない - - - - データなし。
11 水生環境有害性(長期間) 分類できない - - - - データなし。


分類結果の利用に関する注意事項:
 政府による分類結果は、GHSに基づくSDSやラベル作成の際に自由に引用および複写を行うことができます。ただし、引用および複写をした上で作成されたSDS・ラベルの内容に対する責任は、SDS・ラベル作成者にあることにご留意ください。
 本分類結果は、分類ガイダンス等のマニュアルで定められている情報源と判定方法に基づくものであり、あくまでもSDSやラベル作成の際の参考として公表しているものです。他の文献や試験結果等を根拠として、本内容と異なる分類結果でSDSやラベルを作成することを妨げるものではありません。

参考情報:
使用マニュアル

解説・用語集(エクセルファイル)

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厚生労働省モデルSDS

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