名称:ジエチレングリコールジメチルエーテル
CAS番号:111-96-6
物質ID: | 20A2044 |
分類実施者: | 厚生労働省・環境省 |
分類実施年度: | 平成20年度 |
使用マニュアル: | 政府向けGHS分類ガイダンス(H20.9.5版) |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 爆発物 | 分類対象外 | - | - | - | - | 爆発性に関わる原子団を含んでいない。 |
2 | 可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む) | 分類対象外 | - | - | - | - | GHS定義における液体である。 |
3 | エアゾール | 分類対象外 | - | - | - | - | エアゾール製品でない。 |
4 | 支燃性/酸化性ガス | 分類対象外 | - | - | - | - | GHS定義における液体である。 |
5 | 高圧ガス | 分類対象外 | - | - | - | - | GHS定義における液体である。 |
6 | 引火性液体 | 区分3 | 警告 | H226: 引火性液体及び蒸気 |
P303+P361+P353: 皮膚(又は髪)に付着した場合:直ちに汚染された衣類を全て脱ぐこと/取り除くこと。皮膚を流水/シャワーで洗うこと。 P370+P378: 火災の場合:消火するために...を使用すること。 P403+P235: 換気の良い場所で保管すること。涼しいところに置くこと。 P210: 熱/火花/裸火/高温のもののような着火源から遠ざけること。−禁煙。 P233: 容器を密閉しておくこと。 P240: 容器を接地すること/アースをとること。 P241: 防爆型の電気機器/換気装置/照明機器/...機器を使用すること。 P242: 火花を発生させない工具を使用すること。 P243: 静電気放電に対する予防措置を講ずること。 P280: 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
引火点56 ℃(closed cup)(溶剤ポケットブック(1994))より区分3(引火点23℃以上60℃以下)とした。 | |
7 | 可燃性固体 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHS定義における液体である。 |
8 | 自己反応性化学品 | 分類対象外 | - | - | - | - | 爆発性に関わる原子団、あるいは自己反応性に関連する原子団を含んでいない。 |
9 | 自然発火性液体 | 区分外 | - | - | - | - | 発火点が240 ℃(溶剤ポケットブック(1994))で、70℃を超えている。 |
10 | 自然発火性固体 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHS定義における液体である。 |
11 | 自己発熱性化学品 | 分類できない | - | - | - | - | 液体状の物質に適した試験方法が確立していない。 |
12 | 水反応可燃性化学品 | 分類対象外 | - | - | - | - | 金属又は半金属(B, Si, P, Ge, As, Se, Sn, Sb, Te, Bi, Po, At)を含んでいない。 |
13 | 酸化性液体 | 分類対象外 | - | - | - | - | フッ素及び塩素を含まず、酸素を含む有機化合物であるが、この酸素が炭素、水素以外の元素と化学結合していない。 |
14 | 酸化性固体 | 分類対象外 | - | - | - | - | フッ素及び塩素を含まず、酸素を含む有機化合物であるが、この酸素が炭素、水素以外の元素と化学結合していない。 |
15 | 有機過酸化物 | 分類対象外 | - | - | - | - | 分子内に-O-O-構造を含まない有機化合物である。 |
16 | 金属腐食性物質 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 急性毒性(経口) | 区分外 | - | - | - | - | LD50値5000mg/kg(ECETOC TR94(1995))、4760mg/kgbw(CICADS 41(2002))はJIS分類基準の区分外(国連分類基準の区分5)に該当する。 |
1 | 急性毒性(経皮) | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
1 | 急性毒性(吸入:ガス) | 分類対象外 | - | - | - | - | GHS定義における液体である。 |
1 | 急性毒性(吸入:蒸気) | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
1 | 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) | 区分外 | - | - | - | - | ラットLD50=24mg/L/4h(CICADS 41(2002))は区分外に該当する。なお、飽和蒸気濃度は21.4mg/Lであることから試験はミストで試験されたと考えられる。 |
2 | 皮膚腐食性/刺激性 | 区分外 | - | - | - | - | ウサギを用いた試験(US FDA TG)において、0.5mlの適用で24時間で軽度の刺激性(CICADs 41(2002))、他のウサギを用いた試験では刺激性なし(ECETOC TR94(1995))のデータから、軽微な刺激性を有すると判断しJIS分類基準の区分外(国連分類基準の区分3)とした。 |
3 | 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 | 区分2B | - | 警告 | H320: 眼刺激 |
P305+P351+P338: 眼に入った場合:水で数分間注意深く洗うこと。次にコンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。 P337+P313: 眼の刺激が続く場合:医師の診断/手当てを受けること。 P264: 取扱後は...よく洗うこと。 |
ウサギを用いた試験(US FDA TG)において0.1mLの適用で24時間で軽度の刺激性(CICADs 41(2002))、他のウサギを用いた試験で刺激性なし(ECETOC TR94(1995))のデータより軽微な刺激性を有すると判断し区分2Bとした。 |
4 | 呼吸器感作性 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
4 | 皮膚感作性 | 区分外 | - | - | - | - | モルモットを用いたBuehler testとAltenative footpad methoにおいて感作性なし(ECETOC TR95(2005);ECETOC TR95(2005))の結果に基づき区分外とした。 |
5 | 生殖細胞変異原性 | 区分外 | - | - | - | - | ラットの吸入ばく露による優性致死試験(in vivo経世代変異原性試験)で妊娠動物数の減少、着床前胚損失が見られているが、受精能の低下によるものとしている(CICADs No.41(2002))。また、ラットの吸入ばく露による骨髄細胞を用いる染色体異常試験(体細胞in vivo変異原性試験)で陰性である(CICADs No.41(2002))ことから区分外とした。なお、in vitro変異原性試験:エームス試験の結果は陰性(CICADs No.41(2002))である。 |
6 | 発がん性 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
7 | 生殖毒性 | 区分2 | 警告 | H361: 生殖能又は胎児への悪影響のおそれの疑い |
P308+P313: 暴露又は暴露の懸念がある場合:医師の診断/手当てを受けること。 P201: 使用前に取扱説明書を入手すること。 P202: 全ての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。 P281: 指定された個人用保護具を使用すること。 P405: 施錠して保管すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
ラット雄に吸入ばく露させた生殖毒性試験において受精率の減少が見られ(ECETOC TR No.17(1985))、ラットの器官形成期に吸入ばく露した発生毒性試験において、仔の奇形は低率であるが吸収胚の増加(400ppmで100%)が見られている(CICADs 41(2002))。また、マウスの器官形成期に経口投与した発生毒性試験において親動物の死亡が認められる用量で仔の指脚の奇形(ECETOC TR95(2005))、脳脱出、骨の奇形(Birth Defects(3rd, 2007))がみられ、さらにウサギを用いた生殖発生毒性試験において、親動物の毒性の見られる用量で胎仔吸収と仔の骨の奇形が見られる(CICADs 41(2002))ことから区分2とした。 | |
8 | 特定標的臓器毒性(単回暴露) | 分類できない | - | - | - | - | ラットの吸入暴露(10mg/L/7h)において不整呼吸などの症状が認められているが(CICADs 41(2002))、他にデータがなく分類できない。 |
9 | 特定標的臓器毒性(反復暴露) | 分類できない | - | - | - | - | ラットの2週間の吸入ばく露試験(0.614、2.06, 61.4 mg/L/6h)において、ガイダンスの区分2を超える61.4mg/L(90日換算値:9.6mg/L/6h)の用量で雌雄に骨髄、すい臓、胸腺、白血球、赤血球の変化が認められている(CICADs 41(2002))。また、ラットの3週間の吸入ばく露試験(1.12,、3.35 mg/L/6h)において、ガイダンスの区分2に相当する3.35mg/L(90日換算値:0.84mg/L)の用量で胸腺の萎縮と、副腎の鬱血が認められている(CICADs 41(2002))。いずれも、程度が不明であり、他にデータがないことからデータ不足で分類できない。なお、雄の精巣、精巣上体、精嚢、前立腺の重量減少が認められている(CICADs 41(2002))。 |
10 | 吸引性呼吸器有害性 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|
11 | 水生環境有害性(急性) | 区分外 | - | - | - | - | 甲殻類(オオミジンコ)48時間EC0が>1000 mg/L及び魚類(ゴールデンオルフェ)96時間LC0が>2000 mg/L(CICAD, 2002)であり、ともに100mg/L超であることから区分外とした。 |
11 | 水生環境有害性(長期間) | 区分外 | - | - | - | - | 難水溶性でなく(水溶解度:1000000 mg/L(SRC, 2005)、急性毒性が区分外であることから、区分外とした。 |
政府による分類結果は、GHSに基づくSDSやラベル作成の際に自由に引用および複写を行うことができます。ただし、引用および複写をした上で作成されたSDS・ラベルの内容に対する責任は、SDS・ラベル作成者にあることにご留意ください。 本分類結果は、分類ガイダンス等のマニュアルで定められている情報源と判定方法に基づくものであり、あくまでもSDSやラベル作成の際の参考として公表しているものです。他の文献や試験結果等を根拠として、本内容と異なる分類結果でSDSやラベルを作成することを妨げるものではありません。 |
使用マニュアル |
|
解説・用語集(エクセルファイル) |
|
厚生労働省モデルラベル |
職場のあんぜんサイトへ |
厚生労働省モデルSDS |
職場のあんぜんサイトへ |