名称:2,4,5-トリクロロフェノール
CAS番号:95-95-4
物質ID: | 20A2025 |
分類実施者: | 厚生労働省、環境省 |
分類実施年度: | 平成20年度 |
使用マニュアル: | 政府向けGHS分類ガイダンス(H20.9.5版) |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
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1 | 爆発物 | 分類対象外 | - | - | - | - | 爆発性に関わる原子団を含んでいない。 |
2 | 可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む) | 分類対象外 | - | - | - | - | GHS定義による固体である。 |
3 | エアゾール | 分類対象外 | - | - | - | - | エアゾール製品でない。 |
4 | 支燃性/酸化性ガス | 分類対象外 | - | - | - | - | GHS定義による固体である。 |
5 | 高圧ガス | 分類対象外 | - | - | - | - | GHS定義による固体である。 |
6 | 引火性液体 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHS定義による固体である。 |
7 | 可燃性固体 | 区分外 | - | - | - | - | 「Not flammable」(Weiss,1986)との記述がある。 |
8 | 自己反応性化学品 | 分類対象外 | - | - | - | - | 爆発性に関わる原子団、あるいは自己反応性に関連する原子団を含んでいない。 |
9 | 自然発火性液体 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHS定義による固体である。 |
10 | 自然発火性固体 | 区分外 | - | - | - | - | 「Not flammable」(Weiss,1986)との記述がある。 |
11 | 自己発熱性化学品 | 区分外 | - | - | - | - | 「Not flammable」(Weiss,1986)との記述がある。 |
12 | 水反応可燃性化学品 | 分類対象外 | - | - | - | - | 金属又は半金属(B, Si, P, Ge, As, Se, Sn, Sb, Te, Bi, Po, At)を含んでいない。 |
13 | 酸化性液体 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHS定義による固体である。 |
14 | 酸化性固体 | 分類対象外 | - | - | - | - | フッ素及び酸素を含まず、塩素を含む有機化合物であるが、この塩素が炭素、水素以外の元素と化学結合していない。 |
15 | 有機過酸化物 | 分類対象外 | - | - | - | - | 分子内に-O-O-構造を含まない有機化合物である。 |
16 | 金属腐食性物質 | 分類できない | - | - | - | - | 固体状物質に適した試験方法が確立していない。 |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
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1 | 急性毒性(経口) | 区分外 | - | - | - | - | ラットLD50値が820 mg/kg(EHC 93, 1979)、2460-2960mg/kg (EHC 93,1979, DFGOT 12, 1999)、>2500mg/kg (DFGOT 12, 1999)、 2960 mg/kg (DFGOT 12, 1999, IARC 20,1979)であり、区分外(国連分類では区分5)とした。 |
1 | 急性毒性(経皮) | 分類できない | - | - | - | - | ラットLD50値1000 mg/kg 以上(DFGOT vol.12(1999))であり、区分できないため分類できない。 |
1 | 急性毒性(吸入:ガス) | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における固体である。 |
1 | 急性毒性(吸入:蒸気) | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
1 | 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
2 | 皮膚腐食性/刺激性 | 区分2 | 警告 | H315: 皮膚刺激 |
P302+P352: 皮膚に付着した場合:多量の水と石鹸で洗うこと。 P332+P313: 皮膚刺激が生じた場合:医師の診断/手当てを受けること。 P264: 取扱後は...よく洗うこと。 P280: 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。 P321: 特別な処置が必要である(このラベルの...を見よ)。 P362: 汚染された衣類を脱ぎ、再使用する場合には洗濯をすること。 |
ウサギを用いた試験で軽度〜重度の紅斑が観察され、軽微〜重度の刺激性と判定された(EHC(1999)、DFGOT vol.12(1999))。また、ヒトで紅斑、浮腫および重度の腐食がばく露量不明ながら1例報告されている(DFGOT vol.12(1999))。EUによるR36/38への分類(EU-Annex 1(access on 7, 2008))も勘案し、区分2とした。 | |
3 | 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 | 区分2A | 警告 | H319: 強い眼刺激 |
P305+P351+P338: 眼に入った場合:水で数分間注意深く洗うこと。次にコンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。 P337+P313: 眼の刺激が続く場合:医師の診断/手当てを受けること。 P264: 取扱後は...よく洗うこと。 P280: 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。 |
ウサギ眼に適用した試験で紅斑、浮腫、軽度の角膜混濁がみられ、紅斑、角膜混濁は7日後にも回復しなかった(DFGOT vol.12,1999)とあり、かつEU分類においてはR36/38であることから区分2Aとした。 | |
4 | 呼吸器感作性 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
4 | 皮膚感作性 | 分類できない | - | - | - | - | マウスの局所リンパ節増殖試験で観察された陽性反応はおそらく刺激によるもの(DFGOT vol.12(1999))とされ、ヒトでは200人の工場労働者に長期間適用によりで感作性はみられなかった(DFGOT vol.12,1999)と報告されているが、積極的に皮膚感作性を否定し得る結果ではないので分類できない。 |
5 | 生殖細胞変異原性 | 分類できない | - | - | - | - | 暴露を受けたヒトのリンパ球を用いた姉妹染色分体交換試験と染色体異常試験(IARC vol.71,1999、DFGOT vol.12,1999)が陰性であるが、ばく露用量が不明である(IARC vol.71,1999、DFGOT vol.12,1999)。他に判断する適切なin vivo変異原性試験のデータがなく分類できないとした。なお、in vitro変異原性試験において(エームス試験(IARC 71(1999))、CHO、CHL細胞を用いる染色体異常試験(IARC 71(1999)、DFGOT 19(1991))において陽性の結果が得られている。 |
6 | 発がん性 | 分類できない | - | - | - | - | 2,4,5-トリクロロフェノールを生産している工場において、ヒトにおいて発がん性がみられるが(IARC vol.71,1999、EHC,1989)、製造過程で他の物質を扱うことによりがんが発生したのか、本物質の影響で発生したのか判断できない(IARC vol.71,1999)としている。IARC(vol.71,1999)はポリクロロフェノール類の複合暴露でヒトに発がん性の限定的証拠、実験動物に対して2,4,5-トリクロロフェノールの発がん性の証拠が不十分としているため分類できないとした。 |
7 | 生殖毒性 | 区分2 | 警告 | H361: 生殖能又は胎児への悪影響のおそれの疑い |
P308+P313: 暴露又は暴露の懸念がある場合:医師の診断/手当てを受けること。 P201: 使用前に取扱説明書を入手すること。 P202: 全ての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。 P281: 指定された個人用保護具を使用すること。 P405: 施錠して保管すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
マウスを用いた試験(DFGOT,1999、HSDB,2003、BUA,1992)において、仔には軽度の出生前死亡率の増加との記述があり、EHC 93i(1989)に仔または胎仔への毒性影響との記述があることから区分2とした。 | |
8 | 特定標的臓器毒性(単回暴露) | 区分3(気道刺激性、麻酔作用) | 警告 |
H335: 呼吸器への刺激のおそれ(気道刺激性、麻酔作用) H336: 眠気又はめまいのおそれ(気道刺激性、麻酔作用) |
P304+P340: 吸入した場合:空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。 P403+P233: 換気の良い場所で保管すること。容器を密閉しておくこと。 P261: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーの吸入を避けること。 P271: 屋外又は換気の良い場所でのみ使用すること。 P312: 気分が悪いときは医師に連絡すること。 P405: 施錠して保管すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
ヒトにおいてクロルアクネの症例報告(EHC,1989)があるが、不純物として含まれる2,3,7,8-テトラクロロジベンゾ-p-ダイオキシンの影響にマスクされ、評価できない。ラット、マウス、ウサギ、モルモット、ネコを用いた試験(DFGOT vol.12,1999)においては、呼吸困難、麻酔作用と粘膜への刺激性とあり、区分3(気道刺激性、麻酔作用)とした。 | |
9 | 特定標的臓器毒性(反復暴露) | 分類できない | - | - | - | - | ヒトにおいてポルフィリン症、クロルアクネの症例報告があるが、不純物として含まれる2,3,7,8-テトラクロロジベンゾ-p-ダイオキシンの影響にマスクされ、評価できないとしている(DFGOT vol.12,1999)。 |
10 | 吸引性呼吸器有害性 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
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11 | 水生環境有害性(急性) | 区分1 | 警告 | H400: 水生生物に非常に強い毒性 |
P273: 環境への放出を避けること。 P391: 漏出物を回収すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
甲殻類(オオミジンコ)の48時間EC50が0.98 mg/L(環境省生態影響試験, 2002)から区分1とした。 | |
11 | 水生環境有害性(長期間) | 区分1 | 警告 | H410: 長期継続的影響によって水生生物に非常に強い毒性 |
P273: 環境への放出を避けること。 P391: 漏出物を回収すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
急性毒性区分1であり、急速分解性が無い(難分解性、BODによる分解度:0%(既存化学物質安全性点検データ, 1979))ことから区分1とした。 |
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