GHS分類結果

名称:4,4'-ビピリジル
CAS番号:553-26-4

結果:
物質ID: 2-075
分類実施者: 経済産業省、環境省
分類実施年度: 平成20年度
使用マニュアル: 政府向けGHS分類ガイダンス(H20.9.5版)

物理化学的危険性
危険有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起語 危険有害性情報 注意書き 分類根拠・問題点
1 爆発物 分類対象外 - - - - 爆発性に関わる原子団を含まない。
2 可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む) 分類対象外 - - - - 固体である。
3 エアゾール 分類対象外 - - - - エアゾール製品でない。
4 支燃性/酸化性ガス 分類対象外 - - - - 固体である。
5 高圧ガス 分類対象外 - - - - 固体である。
6 引火性液体 分類対象外 - - - - 固体である。
7 可燃性固体 区分外 - - - - 国連危険物輸送勧告がクラス・区分6.1、容器等級III(国連番号2811)。なお、このTDG分類は、Merck KGaA data from March 2009による、国連番号を根拠とした。
8 自己反応性化学品 分類対象外 - - - - 爆発性、あるいは自己反応性に関わる原子団を含まない。
9 自然発火性液体 分類対象外 - - - - 固体である。
10 自然発火性固体 区分外 - - - - 国連危険物輸送勧告がクラス・区分6.1、容器等級III(国連番号2811)。なお、このTDG分類は、Merck KGaA data from March 2009による、国連番号を根拠とした。
11 自己発熱性化学品 分類できない - - - - 試験温度の140℃において、液体または気体となる物質に適した試験方法が確立していない。
12 水反応可燃性化学品 分類対象外 - - - - 金属または半金属(B, Si, P, Ge, As, Se, Sn, Sb, Te, Bi, Po, At)を含まない。
13 酸化性液体 分類対象外 - - - - 固体である。
14 酸化性固体 分類対象外 - - - - 酸素、フッ素または塩素を含まない有機化合物である。
15 有機過酸化物 分類対象外 - - - - 分子内に-O-O-構造を含まない有機化合物。
16 金属腐食性物質 分類できない - - - - 固体状の物質に適した試験方法が確立していない。

健康に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起語 危険有害性情報 注意書き 分類根拠・問題点
1 急性毒性(経口) 区分3 危険 H301: 飲み込むと有毒 P301+P310: 飲み込んだ場合:直ちに医師に連絡すること。
P264: 取扱後は...よく洗うこと。
P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。
P321: 特別な処置が必要である(このラベルの...を見よ)。
P330: 口をすすぐこと。
P405: 施錠して保管すること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
ラットを用いた経口投与試験のLD50値 400 mg/kg、172 mg/kg(雌)-175 mg/kg(雄)(IUCLID(2000))より、低値を採用し、区分3とした。
1 急性毒性(経皮) 区分3 危険 H311: 皮膚に接触すると有毒 P302+P352: 皮膚に付着した場合:多量の水と石鹸で洗うこと。
P280: 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。
P312: 気分が悪いときは医師に連絡すること。
P322: 特別な処置が必要である(このラベルの...を見よ)。
P361: 汚染された衣類を直ちに全て脱ぐこと。
P363: 汚染された衣類を再使用する場合には洗濯をすること。
P405: 施錠して保管すること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
ラットを用いた経皮投与試験のLD50値 400-800 mg/kg(IUCLID(2000))から、区分3とした。
1 急性毒性(吸入:ガス) 分類対象外 - - - - GHS定義上の固体であるため、ガスでの吸入は想定されず、分類対象外とした。
1 急性毒性(吸入:蒸気) 分類できない - - - - データがないので分類できない。
1 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) 分類できない - - - - ラットを用いた4時間吸入暴露試験のLC50値は>0.16 mg/L(IUCLID(2000))との記述がある。本物質は飽和蒸気圧濃度0.013 mg/L(25℃)から、粉塵基準を適用したが、区分を特定できないので、分類できない。
2 皮膚腐食性/刺激性 分類できない - - - - List2の情報源に、ラットを用いた24時間皮膚刺激性試験で「not irritating」(IUCLID(2000))との記述があるが、詳細不明でこれ以外のデータもないので分類できない。
3 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 分類できない - - - - データがないので分類できない。
4 呼吸器感作性 分類できない - - - - データがないので分類できない。
4 皮膚感作性 分類できない - - - - モルモットを用いた皮膚感作性試験で「not sensitizing」(IUCLID(2000))との記述があるが、他にデータがないため、分類できない。
5 生殖細胞変異原性 分類できない - - - - in vivo試験のデータがないので、分類できない。 なお、in vitro変異原性試験(ネズミチフス菌を用いた復帰突然変異試験(GLP))で、「陰性」(IUCLID(2000))との記述がある。
6 発がん性 分類できない - - - - 主要な国際的評価機関による評価がなされておらず、データ不足のため分類できない。 なお、雌雄マウスを用いた104週間経皮投与試験(GLP)で「皮膚や他の組織に腫瘍は見られなかった」(IUCLID(2000))旨の記述がある。
7 生殖毒性 分類できない - - - - データがないので分類できない。
8 特定標的臓器毒性(単回暴露) 区分2(肺) 警告 H371: 臓器の障害のおそれ(肺) P309+P311: 暴露したとき、又は気分が悪いとき:医師に連絡すること。
P260: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。
P264: 取扱後は...よく洗うこと。
P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。
P405: 施錠して保管すること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
IUCLID(2000)の引用文献(J. Toxicol. Environ. Health. 10(1982))によると、ラットを用いた経口投与試験で「非致死用量(雌:100 mg/kg、雄:150 mg/kg)では、症状や病理所見の変化は認められず、認められた症状は傾眠のみであった。本物質の致死反応曲線は急勾配であり雌雄ラットの最小致死量はそれぞれ130 mg/kg、160 mg/kgである。死亡動物には肺出血、肺浮腫、肺胞内出血、無気肺、さらにうっ血が肺、腎臓及び脾臓に見られた」旨の記述がある。また、本物質のジメチル化化合物である農薬パラコートは、肺障害が特徴であることを勘案すると、本物質も肺が標的臓器と推定される。なお、これらの症状はガイダンス値から判断すると区分1相当であるが、List2のデータであって、判定基準1b 3)を満たさないため、本ガイダンスにしたがって区分2(肺)とした。
9 特定標的臓器毒性(反復暴露) 区分2(腎臓) 警告 H373: 長期にわたる、又は反復暴露による臓器の障害のおそれ(腎臓) P260: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。
P314: 気分が悪いときは、医師の診断/手当てを受けること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
雌雄ラットを用いた3ヶ月間経口投与試験(IUCLID(2000))の引用文献(J. Toxicol. Environ. Health. 10(1982))を調査したところ「結石及び腎硬化症(nephrosclerosis)が見られた」旨の記述がある。これら腎臓に対する影響が見られた用量は、ガイダンス値から判断すると区分1相当であるが、List2のデータであって、判定基準1b 3)を満たさないため、本ガイダンスにしたがって区分2(腎臓)とした。
10 吸引性呼吸器有害性 分類できない - - - - データがないので分類できない。

環境に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起語 危険有害性情報 注意書き 分類根拠・問題点
11 水生環境有害性(急性) 分類できない - - - - データ不足のため分類できない。
11 水生環境有害性(長期間) 分類できない - - - - データなし。


分類結果の利用に関する注意事項:
 政府による分類結果は、GHSに基づくSDSやラベル作成の際に自由に引用および複写を行うことができます。ただし、引用および複写をした上で作成されたSDS・ラベルの内容に対する責任は、SDS・ラベル作成者にあることにご留意ください。
 本分類結果は、分類ガイダンス等のマニュアルで定められている情報源と判定方法に基づくものであり、あくまでもSDSやラベル作成の際の参考として公表しているものです。他の文献や試験結果等を根拠として、本内容と異なる分類結果でSDSやラベルを作成することを妨げるものではありません。

参考情報:
使用マニュアル

解説・用語集(エクセルファイル)

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厚生労働省モデルSDS

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