GHS分類結果

名称:2-(1,3-チアゾール-4-イル)-1H-ベンゾイミダゾール
CAS番号:148-79-8

結果:
物質ID: 2-055
分類実施者: 経済産業省、環境省
分類実施年度: 平成20年度
使用マニュアル: 政府向けGHS分類ガイダンス(H20.9.5版)

物理化学的危険性
危険有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起語 危険有害性情報 注意書き 分類根拠・問題点
1 爆発物 分類対象外 - - - - 爆発性に関わる原子団を含まない。
2 可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む) 分類対象外 - - - - 固体である。
3 エアゾール 分類対象外 - - - - エアゾール製品でない。
4 支燃性/酸化性ガス 分類対象外 - - - - 固体である。
5 高圧ガス 分類対象外 - - - - 固体である。
6 引火性液体 分類対象外 - - - - 固体である。
7 可燃性固体 分類できない - - - - データがなく分類できない。
8 自己反応性化学品 分類対象外 - - - - 爆発性、あるいは自己反応性に関わる原子団を含まない。
9 自然発火性液体 分類対象外 - - - - 固体である。
10 自然発火性固体 分類できない - - - - データがなく分類できない。
11 自己発熱性化学品 分類できない - - - - データがなく分類できない。
12 水反応可燃性化学品 分類対象外 - - - - 金属または半金属(B, Si, P, Ge, As, Se, Sn, Sb, Te, Bi, Po, At)を含まない。
13 酸化性液体 分類対象外 - - - - 固体である。
14 酸化性固体 分類対象外 - - - - 酸素、フッ素または塩素を含まない有機化合物である。
15 有機過酸化物 分類対象外 - - - - 分子内に-O-O-構造を含まない有機化合物。
16 金属腐食性物質 分類できない - - - - 固体状の物質に適した試験方法が確立していない。

健康に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起語 危険有害性情報 注意書き 分類根拠・問題点
1 急性毒性(経口) 区分外 - - - - ラットを用いた経口投与試験(GLP)のLD50値4,700-5,100 mg/kg(JECFA(2001))から区分外とした。
1 急性毒性(経皮) 区分外 - - - - ウサギを用いた経皮投与試験のLD50値>2,000 mg/kg(JECFA(2001))から区分外とした。
1 急性毒性(吸入:ガス) 分類対象外 - - - - GHS定義上の固体であるため、ガスでの吸入は想定されず、分類対象外とした。
1 急性毒性(吸入:蒸気) 分類できない - - - - データがないので分類できない。
1 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) 分類できない - - - - 25℃での飽和蒸気圧濃度は 8.23×10-5 mg/m3 である。ラットを用いた4時間吸入暴露試験のLC50値>0.4 mg/L(JECFA(2001))は飽和蒸気圧濃度より大きいため、粉塵・ミスト基準を適用すると、区分を特定できないので分類できない。
2 皮膚腐食性/刺激性 分類できない - - - - データがないので分類できない。
3 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 分類できない - - - - データがないので分類できない。
4 呼吸器感作性 分類できない - - - - データがないので分類できない。
4 皮膚感作性 分類できない - - - - データ不足のため分類できない。
5 生殖細胞変異原性 分類できない - - - - in vitroの細菌を用いた変異原性試験で「陽性」(NTP DB(Access on October 2008))との記述があるが、in vivo試験のデータがないので、分類できない。
6 発がん性 分類できない - - - - HSDB(2003)に、「動物での多くの短期試験、長期試験のいずれにおいても発がん性の証拠はない」との記述があるが、主要な国際的評価機関による評価がなされていないので、分類できない。
7 生殖毒性 区分1B 危険 H360: 生殖能又は胎児への悪影響のおそれ P308+P313: 暴露又は暴露の懸念がある場合:医師の診断/手当てを受けること。
P201: 使用前に取扱説明書を入手すること。
P202: 全ての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。
P281: 指定された個人用保護具を使用すること。
P405: 施錠して保管すること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
JECFA(2001)に記述されているマウスを用いた試験の一次文献(Food. Chem. Toxicol. 22(1984))を入手して精査したところ、「母動物に体重増加抑制、肝臓・心臓・脾臓・腎臓の重量の増加がみられる用量で、胎児に有意な低体重、口蓋裂などの外表異常の有意な増加、生存胎児数の有意な減少、胎児吸収の有意な増加、椎弓の癒合、椎体の癒合などの骨格異常の有意な増加がみられた」旨の記述がある。以上より、区分1Bとした。
8 特定標的臓器毒性(単回暴露) 区分1(腎臓) 危険 H370: 臓器の障害(腎臓) P307+P311: 暴露した場合:医師に連絡すること。
P260: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。
P264: 取扱後は...よく洗うこと。
P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。
P321: 特別な処置が必要である(このラベルの...を見よ)。
P405: 施錠して保管すること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
マウスを用いた経口投与試験で「用量依存性の腎臓毒性を引き起こす。影響は本物質投与の2、3日後に最大となり、その後回復する」(JECFA(2001))旨の記述がある。これらの影響は区分1のガイダンス値の範囲内で見られたので、区分1(腎臓)とした。
9 特定標的臓器毒性(反復暴露) 区分2(腎臓、甲状腺、造血系) 警告 H373: 長期にわたる、又は反復暴露による臓器の障害のおそれ(腎臓、甲状腺、造血系) P260: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。
P314: 気分が悪いときは、医師の診断/手当てを受けること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
ラットを用いた13週間経口投与試験で、「甲状腺重量の増加、甲状腺濾胞細胞の肥大、骨髄の赤血球過形成、血小板数の増加」(JECFA(2001))を生じる旨の記述、イヌを用いた52週間経口投与試験で「脾臓の髄外造血亢進、雌で用量に依存した尿細管の空胞化、脾臓のヘモジデリン沈着の増加」(JECFA(2001))を生じる 旨の記述がある。これらの影響は区分2のガイダンス値の範囲内で見られたので、区分2(腎臓、甲状腺、造血系)とした。
10 吸引性呼吸器有害性 分類できない - - - - データがないので分類できない。

環境に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起語 危険有害性情報 注意書き 分類根拠・問題点
11 水生環境有害性(急性) 区分1 警告 H400: 水生生物に非常に強い毒性 P273: 環境への放出を避けること。
P391: 漏出物を回収すること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
甲殻類(オオミジンコ)の48時間EC50 = 0.31 mg/L(AQUIRE, 2008)から区分1とした。
11 水生環境有害性(長期間) 区分1 警告 H410: 長期継続的影響によって水生生物に非常に強い毒性 P273: 環境への放出を避けること。
P391: 漏出物を回収すること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
急性毒性区分1であり、急速分解性がない(BIOWIN)ことから、区分1とした。


分類結果の利用に関する注意事項:
 政府による分類結果は、GHSに基づくSDSやラベル作成の際に自由に引用および複写を行うことができます。ただし、引用および複写をした上で作成されたSDS・ラベルの内容に対する責任は、SDS・ラベル作成者にあることにご留意ください。
 本分類結果は、分類ガイダンス等のマニュアルで定められている情報源と判定方法に基づくものであり、あくまでもSDSやラベル作成の際の参考として公表しているものです。他の文献や試験結果等を根拠として、本内容と異なる分類結果でSDSやラベルを作成することを妨げるものではありません。

参考情報:
使用マニュアル

解説・用語集(エクセルファイル)

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