名称:ビス(1-メチル-1-フェニルエチル)=ペルオキシド
CAS番号:80-43-3
物質ID: | 1-330 |
分類実施者: | 経済産業省、環境省 |
分類実施年度: | 平成20年度 |
使用マニュアル: | 政府向けGHS分類ガイダンス(H20.9.5版) |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
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1 | 爆発物 | 区分外 | - | - | - | - | 化学構造にパーオキサイド基を含むが、酸素収支の計算値は-266であるので区分外とした。 |
2 | 可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む) | 分類対象外 | - | - | - | - | 固体である。 |
3 | エアゾール | 分類対象外 | - | - | - | - | エアゾール製品でない。 |
4 | 支燃性/酸化性ガス | 分類対象外 | - | - | - | - | 固体である。 |
5 | 高圧ガス | 分類対象外 | - | - | - | - | 固体である。 |
6 | 引火性液体 | 分類対象外 | - | - | - | - | 固体である。 |
7 | 可燃性固体 | 分類できない | - | - | - | - | データがなく分類できない。 |
8 | 自己反応性化学品 | 分類対象外 | - | - | - | - | 有機過酸化物である。 |
9 | 自然発火性液体 | 分類対象外 | - | - | - | - | 固体である。 |
10 | 自然発火性固体 | 区分外 | - | - | - | - | 常温の空気と接触しても自然発火しない(発火点380℃(IUCLID,2000))。 |
11 | 自己発熱性化学品 | 分類できない | - | - | - | - | 試験温度の140℃において、液体または気体となる物質に適した試験方法が確立していない。 |
12 | 水反応可燃性化学品 | 分類対象外 | - | - | - | - | 金属または半金属(B, Si, P, Ge, As, Se, Sn, Sb, Te, Bi, Po, At)を含まない。 |
13 | 酸化性液体 | 分類対象外 | - | - | - | - | 固体である。 |
14 | 酸化性固体 | 分類できない | - | - | - | - | 分子内に-O-O-構造を含む有機化合物であるが、データがなく分類できない。 |
15 | 有機過酸化物 | タイプF | 警告 | H242: 熱すると火災のおそれ |
P411+P235: ...℃以下の温度で保管すること。涼しいところに置くこと。 P210: 熱/火花/裸火/高温のもののような着火源から遠ざけること。−禁煙。 P220: 衣類/.../可燃物から遠ざけること。 P234: 他の容器に移し替えないこと。 P280: 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。 P410: 日光から遮断すること。 P420: 他の物質から離して保管すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
国連危険物輸送勧告がクラス・区分: 5.2(国連番号3110(ICSC, 1999))。 | |
16 | 金属腐食性物質 | 分類できない | - | - | - | - | 固体状の物質に適した試験方法が確立していない。 |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
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1 | 急性毒性(経口) | 区分外 | - | - | - | - | ラットを用いた急性経口毒性試験(OECD TG 401、GLP)のLD50値>2,000 mg/kg(厚労省報告(Access on September 2008))から、区分外とした。 |
1 | 急性毒性(経皮) | 分類できない | - | - | - | - | データがないので分類できない。 |
1 | 急性毒性(吸入:ガス) | 分類対象外 | - | - | - | - | GHS定義上の固体であるため、ガスでの吸入は想定されず、分類対象外とした。 |
1 | 急性毒性(吸入:蒸気) | 分類できない | - | - | - | - | データがないので分類できない。 |
1 | 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) | 分類できない | - | - | - | - | 固体なので粉塵基準を適用する。ラットの6時間LCLo値>0.09 mg/L(4時間換算値>0.14 mg/L)(DFGOT vol.3(1992)、PATTY(5th, 2001))から、区分を特定できないので分類できない。 |
2 | 皮膚腐食性/刺激性 | 区分外 | - | - | - | - | ヒトのパッチテストについて、「slight」な刺激性(DFGOT vol.3(1992))との記述、200人のボランティアに対するパッチテストで「slight」な刺激性(PATTY(5th, 2001))との記述がある。またラットに対して「mild」な刺激性(PATTY(5th, 2001))との記述があり、国連GHS皮膚刺激性区分3に相当すると思われるが、国内では不採用区分につき、区分外とした。EU分類はXi; R36/38である(EU-Annex I)。 |
3 | 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 | 区分2B | - | 警告 | H320: 眼刺激 |
P305+P351+P338: 眼に入った場合:水で数分間注意深く洗うこと。次にコンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。 P337+P313: 眼の刺激が続く場合:医師の診断/手当てを受けること。 P264: 取扱後は...よく洗うこと。 |
ウサギに対する「mild」な眼刺激性(DFGOT vol.3(1992))との記述と、「50%溶液の滴下でmildな結膜炎を生じた」(PATTY(5th, 2001))旨の記述から、区分2Bとした。EU分類はXi; R36/38である(EU-Annex I)。 |
4 | 呼吸器感作性 | 分類できない | - | - | - | - | データがないので分類できない。 |
4 | 皮膚感作性 | 区分外 | - | - | - | - | ヒトについては、「200人のボランティアに対するパッチテストでslightな刺激性を示したが、皮膚感作性は示さなかった」(PATTY(5th, 2001))旨の記述がある。また、動物数は不明だがモルモットを用いた皮内注入試験について「感作性なし」(PATTY(5th, 2001))との記述がある。以上から、区分外とした。 |
5 | 生殖細胞変異原性 | 分類できない | - | - | - | - | in vitro変異原性試験(細菌を用いた復帰変異試験(OECD TG 471、GLP)、チャイニーズハムスター培養細胞(CHL/IU)を用いた染色体異常試験(OECD TG 473、GLP))でともに「陰性」(厚労省報告(Access on September 2008))だが、in vivo試験のデータがないので分類できない。 |
6 | 発がん性 | 分類できない | - | - | - | - | 主要な国際的評価機関による評価がなされていないので、分類できない。List1の情報源にデータはない。 なお、HSDB(2002)には、「マウス経皮投与試験により種ーの有機過酸化物の腫瘍プロモーション活性を比較したところ、本物質は中程度」である旨の記述がある。 |
7 | 生殖毒性 | 分類できない | - | - | - | - | データがないので分類できない。 |
8 | 特定標的臓器毒性(単回暴露) | 区分3(気道刺激性) | 警告 | H335: 呼吸器への刺激のおそれ(気道刺激性) |
P304+P340: 吸入した場合:空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。 P403+P233: 換気の良い場所で保管すること。容器を密閉しておくこと。 P261: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーの吸入を避けること。 P271: 屋外又は換気の良い場所でのみ使用すること。 P312: 気分が悪いときは医師に連絡すること。 P405: 施錠して保管すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
ラットを用いた単回経口投与試験で「影響なし」(厚労省報告(Access on September 2008))との記述がある。一方、ICSC(1999)の短期暴露の影響の項には「気道を刺激する」との記述があるので、区分3(気道刺激性)とした。この他、ウサギ鼻孔への滴下試験で、「暴露1時間以内では鼻粘膜のslightな炎症を生じた」(PATTY(5th, 2001))旨の記述があるが、規格外の試験方法による影響なので採用しない。 | |
9 | 特定標的臓器毒性(反復暴露) | 区分1(鼻粘膜) | 危険 | H372: 長期にわたる、又は反復暴露による臓器の障害(鼻粘膜) |
P260: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。 P264: 取扱後は...よく洗うこと。 P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。 P314: 気分が悪いときは、医師の診断/手当てを受けること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
ヒトについて、18人の作業者の本物質への暴露影響として「鼻粘膜の変化」(DFGOT vol.3(1992)、PATTY(5th, 2001))の記述がある。動物について、ラットを用いた28日間反復経口投与試験(Guideline for 28-Day Repeated Dose Toxicity Test in Mammalian Species(Chemical Substances Control Law of Japan)、GLP)で「肝細胞の肥大と変性」(厚労省報告(Access on September 2008))との記述があるが、変性の詳細に関する記述はない。モルモットを用いた反復吸入暴露試験で「鼻粘膜の化生と線毛の消失」(DFGOT vol.3(1992))との記述動物に対する鼻粘膜への影響は区分1のガイダンス値の範囲内で見られたが、肝臓への影響は区分2のガイダンス値の範囲外で見られた。以上より、区分1(鼻粘膜)とした。 | |
10 | 吸引性呼吸器有害性 | 分類できない | - | - | - | - | データがないので分類できない。 |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
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11 | 水生環境有害性(急性) | 区分1 | 警告 | H400: 水生生物に非常に強い毒性 |
P273: 環境への放出を避けること。 P391: 漏出物を回収すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
甲殻類(オオミジンコ)の48時間EC50 = 0.26 mg/L(環境庁生態影響試験, 1999)から区分1とした。 | |
11 | 水生環境有害性(長期間) | 区分1 | 警告 | H410: 長期継続的影響によって水生生物に非常に強い毒性 |
P273: 環境への放出を避けること。 P391: 漏出物を回収すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
急性毒性区分1であり、急速分解性がない(難分解性;4週間標準法でBODによる分解度:0%(既存点検, 1985))ことから、区分1とした。 |
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