名称:臭素酸カリウム
CAS番号:7758-01-2
物質ID: | 1-235-1) |
分類実施者: | 経済産業省、環境省 |
分類実施年度: | 平成20年度 |
使用マニュアル: | 政府向けGHS分類ガイダンス(H20.9.5版) |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
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1 | 爆発物 | 区分外 | - | - | - | - | 爆発性に関する原子団(O-ハロゲン)を含むが、国連危険物輸送勧告がクラス・区分5.1で容器等級がII、国連番号1484(ICSC,2003)に分類されているので、区分外とした。 |
2 | 可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む) | 分類対象外 | - | - | - | - | 固体である。 |
3 | エアゾール | 分類対象外 | - | - | - | - | エアゾール製品でない。 |
4 | 支燃性/酸化性ガス | 分類対象外 | - | - | - | - | 固体である。 |
5 | 高圧ガス | 分類対象外 | - | - | - | - | 固体である。 |
6 | 引火性液体 | 分類対象外 | - | - | - | - | 固体である。 |
7 | 可燃性固体 | 区分外 | - | - | - | - | 国連危険物輸送勧告がクラス・区分5.1で容器等級がII、国連番号1484(ICSC,2003)に分類されているので、区分外とした。 |
8 | 自己反応性化学品 | 区分外 | - | - | - | - | 爆発性に関わる原子団(O-Br)を含むが、国連危険物輸送勧告がクラス・区分5.1で容器等級がII、国連番号1484(ICSC2003)に分類されているので、区分外とした。 |
9 | 自然発火性液体 | 分類対象外 | - | - | - | - | 固体である。 |
10 | 自然発火性固体 | 区分外 | - | - | - | - | 不燃性(ICSC(2003))。 |
11 | 自己発熱性化学品 | 区分外 | - | - | - | - | 不燃性(ICSC(2003))。 |
12 | 水反応可燃性化学品 | 分類対象外 | - | - | - | - | 金属または半金属(B, Si, P, Ge, As, Se, Sn, Sb, Te, Bi, Po, At)を含まない。 |
13 | 酸化性液体 | 分類対象外 | - | - | - | - | 固体である。 |
14 | 酸化性固体 | 区分2 | 危険 | H272: 火災助長のおそれ:酸化性物質 |
P370+P378: 火災の場合:消火するために...を使用すること。 P210: 熱/火花/裸火/高温のもののような着火源から遠ざけること。−禁煙。 P220: 衣類/.../可燃物から遠ざけること。 P221: 可燃物と混合を回避するために予防策をとること。 P280: 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
国連危険物輸送勧告がクラス・区分5.1で容器等級がII、国連番号1484(ICSC,2003)に分類されているので区分2とした。 | |
15 | 有機過酸化物 | 分類対象外 | - | - | - | - | 無機化合物。 |
16 | 金属腐食性物質 | 分類できない | - | - | - | - | 固体状の物質に適した試験方法が確立していない。 |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
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1 | 急性毒性(経口) | 区分4 | 警告 | H302: 飲み込むと有害 |
P301+P312: 飲み込んだ場合:気分が悪いときは医師に連絡すること。 P264: 取扱後は...よく洗うこと。 P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。 P330: 口をすすぐこと。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
ラットを用いた経口投与試験のLD50値400-500(495)mg/kg(IARC 73(1999)、JECFA(1992))、160-190 mg/kg((JECFA(1992))との記述がある。これらの値は同一引用文献(Environ. Health Perspect. 87(1990))からの情報で、「LD50値を統計処理した結果、雄:400(348-460)mg/kg、雌:495(446-549)mg/kgである」との記述から、区分4とした。 | |
1 | 急性毒性(経皮) | 分類できない | - | - | - | - | データがないので分類できない。 |
1 | 急性毒性(吸入:ガス) | 分類対象外 | - | - | - | - | GHS定義上の固体であるため、ガスでの吸入は想定されず、分類対象外とした。 |
1 | 急性毒性(吸入:蒸気) | 分類できない | - | - | - | - | データがないので分類できない。 |
1 | 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) | 分類できない | - | - | - | - | データがないので分類できない。 |
2 | 皮膚腐食性/刺激性 | 分類できない | - | - | - | - | 「Bromateの長期接触でウサギの表皮にやけどを起こすが、数日で回復する」(PATTY(5th, 2001))旨の記述があるが、4時間暴露時の情報がないため分類できない。 なお、ICSC(2006)の短期暴露の影響の項に「皮膚を刺激する」との記述がある。 |
3 | 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 | 区分2B | - | 警告 | H320: 眼刺激 |
P305+P351+P338: 眼に入った場合:水で数分間注意深く洗うこと。次にコンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。 P337+P313: 眼の刺激が続く場合:医師の診断/手当てを受けること。 P264: 取扱後は...よく洗うこと。 |
「Bromateはウサギの眼にmoderateな刺激性及びslightな角膜損傷を引き起こすが、数日で回復する」(PATTY 5th、(2001))旨の記述から、区分2Bとした。 なお、ICSC(2003)の短期暴露の影響の項に「眼を刺激する」との記述がある。 |
4 | 呼吸器感作性 | 分類できない | - | - | - | - | データがないので分類できない。 |
4 | 皮膚感作性 | 分類できない | - | - | - | - | データがないので分類できない。 |
5 | 生殖細胞変異原性 | 区分2 | 警告 | H341: 遺伝性疾患のおそれの疑い |
P308+P313: 暴露又は暴露の懸念がある場合:医師の診断/手当てを受けること。 P201: 使用前に取扱説明書を入手すること。 P202: 全ての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。 P281: 指定された個人用保護具を使用すること。 P405: 施錠して保管すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
体細胞in vivo変異原性試験(マウスの骨髄細胞及び赤血球を用いた小核試験、ラットの骨髄細胞を用いた染色体異常試験)でいずれも「陽性」(IARC 73(1999)、JECFA(1992)、IRIS(2001))との記述があるが、生殖細胞in vivo遺伝毒性試験の陽性結果はないので、区分2とした。 なお、IARC 73(1999)に体細胞in vivo遺伝毒性試験において、ラットの腎臓を用いたDNA損傷試験で「陽性」、ラットの肝臓を用いたDNA損傷試験で「弱い陽性〜陰性」(IARC 73(1999))、in vitro変異原性試験(CHL培養細胞を用いた染色体異常試験、ネズミチフス菌を用いた復帰突然変異試験)でいずれも「陽性」との記述がある。 | |
6 | 発がん性 | 区分2 | 警告 | H351: 発がんのおそれの疑い |
P308+P313: 暴露又は暴露の懸念がある場合:医師の診断/手当てを受けること。 P201: 使用前に取扱説明書を入手すること。 P202: 全ての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。 P281: 指定された個人用保護具を使用すること。 P405: 施錠して保管すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
IARCがグループ2B(IARC 73(2000))、EU分類がCarc. Cat. 2; R45(EU-Annex I)である。ガイダンスに従い、IARCの分類を優先して区分2とした。 なお、ACGIH(7th, 2001)に「BromateのEPA分類:L(経口)、B2」との記述がある。 | |
7 | 生殖毒性 | 分類できない | - | - | - | - | データがないので分類できない。 なお、類縁化合物である臭素酸ナトリウムは、雌雄ラットを用いた飲水投与による多世代生殖毒性試験結果から、GHS分類は区分外である。 |
8 | 特定標的臓器毒性(単回暴露) | 区分1(腎臓、中枢神経系、消化器系、血液系)、区分3(気道刺激性) |
危険 警告 |
H370: 臓器の障害(腎臓、中枢神経系、消化器系、血液系) H335: 呼吸器への刺激のおそれ(気道刺激性) |
P304+P340: 吸入した場合:空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。 P307+P311: 暴露した場合:医師に連絡すること。 P403+P233: 換気の良い場所で保管すること。容器を密閉しておくこと。 P260: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。 P261: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーの吸入を避けること。 P264: 取扱後は...よく洗うこと。 P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。 P271: 屋外又は換気の良い場所でのみ使用すること。 P312: 気分が悪いときは医師に連絡すること。 P321: 特別な処置が必要である(このラベルの...を見よ)。 P405: 施錠して保管すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
Bromateの中毒症状として、本物質を含む溶液を経口摂取したヒトで「貧血、溶血、腎臓障害及び難聴が見られた」(EHC 216(2000)、IRIS(2001)、JECFA(1992))旨の記述、「胃腸に対する刺激性影響として、嘔吐、腹痛、下痢が見られ、中枢神経系の影響として、嗜眠、眩暈、低血圧、緊張低下(hypotonicity)及び反射消失が見られた」(IRIS(2001)、JECFA(1992))旨の記述がある。また、ICSC(2003)の短期暴露の影響の項に「気道を刺激する。経口摂取すると、腎臓、中枢神経系に影響を与え、腎不全、呼吸抑制、難聴を生じることがある」との記述がある。以上より、区分1(腎臓、中枢神経系、消化器系、血液系)及び区分3(気道刺激性)とした。 | |
9 | 特定標的臓器毒性(反復暴露) | 分類できない | - | - | - | - | 雌雄ラットを用いた13週間飲水投与試験で「血液生化学所見で、GOT、GPT、LDH、ALP、BUN、血清ナトリウム、コリンエステラーゼの上昇が雌雄ラットに見られ、雄ラットに近位尿細管上皮細胞質内の小滴(droplet)、尿細管に広範囲の再生性変化が見られた」(IRIS(2001)、JECFA(1992))旨の記述がある。また、雄ラット及び雄マウスを用いた100週間飲水投与試験(IRIS(2001))で、マウスの所見として「高用量投与群に統計学的に有意な摂水量減少が見られた他、投与に関連した影響は見られなかった」旨の記述、ラットの所見として「尿路上皮過形成発生率が用量依存的に増加し、腎乳頭の鉱質沈着及び近位尿細管上皮内の好酸性小滴が見られた」旨の記述がある。雄ラットを用いた12週間飲水投与試験では「尿細管に見られる小滴(droplet)は硝子滴というよりはむしろ好酸性小体である」(EHC 216(2000)、JECFA(1992))と結論されている。腎臓の症状は、雄ラットにのみ見られており、α2uグロブリン腎症による影響と考えられる。他にデータがないため、分類できない。 なお、類縁化合物である臭素酸ナトリウムについては、雌雄マウスを用いた27週間及び43週間飲水投与試験で「腎臓所見として腎症、尿細管肥大が見られた」(NTP DB(Access on December 2008))旨の記述から腎臓を標的臓器として採用している。 |
10 | 吸引性呼吸器有害性 | 分類できない | - | - | - | - | データがないので分類できない。 |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
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11 | 水生環境有害性(急性) | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
11 | 水生環境有害性(長期間) | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
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