GHS分類結果

名称:2,2-ジブロモ-2-シアノアセトアミド
CAS番号:10222-01-2

結果:
物質ID: 1-210
分類実施者: 経済産業省、環境省
分類実施年度: 平成20年度
使用マニュアル: 政府向けGHS分類ガイダンス(H20.9.5版)

物理化学的危険性
危険有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起語 危険有害性情報 注意書き 分類根拠・問題点
1 爆発物 分類対象外 - - - - 爆発性に関わる原子団を含まない。
2 可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む) 分類対象外 - - - - 固体である。
3 エアゾール 分類対象外 - - - - エアゾール製品でない。
4 支燃性/酸化性ガス 分類対象外 - - - - 固体である。
5 高圧ガス 分類対象外 - - - - 固体である。
6 引火性液体 分類対象外 - - - - 固体である。
7 可燃性固体 区分外 - - - - 不燃性(HSDB,2002)。
8 自己反応性化学品 分類対象外 - - - - 爆発性、あるいは自己反応性に関わる原子団を含まない。
9 自然発火性液体 分類対象外 - - - - 固体である。
10 自然発火性固体 区分外 - - - - 不燃性(HSDB,2002)。
11 自己発熱性化学品 区分外 - - - - 不燃性(HSDB,2002)。
12 水反応可燃性化学品 分類対象外 - - - - 金属または半金属(B, Si, P, Ge, As, Se, Sn, Sb, Te, Bi, Po, At)を含まない。
13 酸化性液体 分類対象外 - - - - 固体である。
14 酸化性固体 分類対象外 - - - - フッ素および塩素を含まず、酸素を含む有機化合物であるが、この酸素が炭素、水素以外の元素と化学結合していない。
15 有機過酸化物 分類対象外 - - - - 分子内に-O-O-構造を含まない有機化合物。
16 金属腐食性物質 分類できない - - - - 固体状の物質に適した試験方法が確立していない。

健康に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起語 危険有害性情報 注意書き 分類根拠・問題点
1 急性毒性(経口) 区分3 危険 H301: 飲み込むと有毒 P301+P310: 飲み込んだ場合:直ちに医師に連絡すること。
P264: 取扱後は...よく洗うこと。
P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。
P321: 特別な処置が必要である(このラベルの...を見よ)。
P330: 口をすすぐこと。
P405: 施錠して保管すること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
ラットを用いた経口投与試験のLD50値235 mg/kg(雄)、178 mg/kg(雌)(HSDB(2002))から、区分3とした。
1 急性毒性(経皮) 区分外 - - - - 雄ウサギを用いた経皮投与試験のLD50値 >2 g/kg(2,000 mg/kg)(HSDB(2002))から、区分外とした。
1 急性毒性(吸入:ガス) 分類対象外 - - - - GHS定義上の固体であるため、ガスでの吸入は想定されず、分類対象外とした。
1 急性毒性(吸入:蒸気) 分類できない - - - - データがないので分類できない。
1 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) 区分2 危険 H330: 吸入すると生命に危険 P304+P340: 吸入した場合:空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。
P403+P233: 換気の良い場所で保管すること。容器を密閉しておくこと。
P260: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。
P271: 屋外又は換気の良い場所でのみ使用すること。
P284: 呼吸用保護具を着用すること。
P310: 直ちに医師に連絡すること。
P320: 特別な処置が緊急に必要である(このラベルの...を見よ)。
P405: 施錠して保管すること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
本物質の飽和蒸気圧濃度(25℃)は1.18 ppm(0.01 mg/L)である。ラットを用いた4時間吸入暴露試験のLC50値0.32 mg/L(HSDB(2008))は飽和蒸気圧濃度より大きいので、粉塵基準を適用し、区分2とした。
2 皮膚腐食性/刺激性 区分2 警告 H315: 皮膚刺激 P302+P352: 皮膚に付着した場合:多量の水と石鹸で洗うこと。
P332+P313: 皮膚刺激が生じた場合:医師の診断/手当てを受けること。
P264: 取扱後は...よく洗うこと。
P280: 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。
P321: 特別な処置が必要である(このラベルの...を見よ)。
P362: 汚染された衣類を脱ぎ、再使用する場合には洗濯をすること。
ウサギを用いた4時間皮膚刺激性試験で、「0.5 gの投与で落屑を伴う紅斑や浮腫が認められた」(HSDB(2008))旨の記述があり、引用文献(USEPA; Reregistration Eligibility Decision Document)には、「moderate to severe」との記述がある。また、ウサギを用いた標準Draize試験で「Severe」(RTECS(2008))の記述がある。以上より、区分2とした。
3 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 区分1 危険 H318: 重篤な眼の損傷 P305+P351+P338: 眼に入った場合:水で数分間注意深く洗うこと。次にコンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。
P280: 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。
P310: 直ちに医師に連絡すること。
ウサギを用いた眼刺激性試験で、「角膜に対してsevereな損傷があり、回復性がなく、corrosiveである」(HSDB(2002))旨、記述されている。また、ウサギを用いた標準Draize試験で、「Severe」(RTECS(2008))と記述されている。以上から区分1とした。
4 呼吸器感作性 分類できない - - - - データがないので分類できない。
4 皮膚感作性 分類できない - - - - モルモットを用いた皮膚感作性試験において「本物質はweak sensitizerである」(HSDB(2002))旨、記述されているが、陽性を示した動物数が不明であるため分類できない。
5 生殖細胞変異原性 分類できない - - - - データがないので分類できない。
6 発がん性 分類できない - - - - 主要な国際的評価機関による評価がなされておらず、データもないので分類できない。
7 生殖毒性 分類できない - - - - 妊娠7-19日のウサギを用いた経口投与による発生毒性試験で、「母動物に一般毒性が発現しない用量で、数匹の胎児の骨格要素に骨化遅延がみられた」(HSDB(2008))旨、記述されている。影響は「骨化遅延」のみである。List2の情報源であり、雌雄の生殖機能に関するデータもないので分類できない。
8 特定標的臓器毒性(単回暴露) 分類できない - - - - データがないので分類できない。
9 特定標的臓器毒性(反復暴露) 区分2(全身毒性) 警告 H373: 長期にわたる、又は反復暴露による臓器の障害のおそれ(全身毒性) P260: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。
P314: 気分が悪いときは、医師の診断/手当てを受けること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
ラットを用いた90日間経口投与試験で、区分2のガイダンス値の範囲内で、「呼吸困難があり、それらの動物には体重減少がみとめられ、何匹かは死亡した」(HSDB(2002))旨の記述がある。臓器が特定できないので、区分2(全身毒性)とした。 なお、ラットを用いた90日間経皮投与試験で、区分2のガイダンス値の範囲外で、「雄でトリグリセライドレベルの減少、雌でアルカリホスファターゼ及び塩素イオンの上昇がコレステロールの減少とともにみられた」(HSDB(2002))旨の記述がある。
10 吸引性呼吸器有害性 分類できない - - - - データがないので分類できない。

環境に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起語 危険有害性情報 注意書き 分類根拠・問題点
11 水生環境有害性(急性) 区分1 警告 H400: 水生生物に非常に強い毒性 P273: 環境への放出を避けること。
P391: 漏出物を回収すること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
甲殻類(Mysid)の96時間LC50 = 0.72mg/L(AQUIRE, 2008)から区分1とした。
11 水生環境有害性(長期間) 区分1 警告 H410: 長期継続的影響によって水生生物に非常に強い毒性 P273: 環境への放出を避けること。
P391: 漏出物を回収すること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
急性毒性区分1であり、急速分解性がない(難分解、BODによる分解度:0%(既存点検, 2008)ことから区分1とした。


分類結果の利用に関する注意事項:
 政府による分類結果は、GHSに基づくSDSやラベル作成の際に自由に引用および複写を行うことができます。ただし、引用および複写をした上で作成されたSDS・ラベルの内容に対する責任は、SDS・ラベル作成者にあることにご留意ください。
 本分類結果は、分類ガイダンス等のマニュアルで定められている情報源と判定方法に基づくものであり、あくまでもSDSやラベル作成の際の参考として公表しているものです。他の文献や試験結果等を根拠として、本内容と異なる分類結果でSDSやラベルを作成することを妨げるものではありません。

参考情報:
使用マニュアル

解説・用語集(エクセルファイル)

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厚生労働省モデルSDS

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