名称:1,3-ジフェニルグアニジン
CAS番号:102-06-7
物質ID: | 1-205 |
分類実施者: | 経済産業省、環境省 |
分類実施年度: | 平成20年度 |
使用マニュアル: | 政府向けGHS分類ガイダンス(H20.9.5版) |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 爆発物 | 分類対象外 | - | - | - | - | 爆発性に関わる原子団を含まない。 |
2 | 可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む) | 分類対象外 | - | - | - | - | 固体である。 |
3 | エアゾール | 分類対象外 | - | - | - | - | エアゾール製品でない。 |
4 | 支燃性/酸化性ガス | 分類対象外 | - | - | - | - | 固体である。 |
5 | 高圧ガス | 分類対象外 | - | - | - | - | 固体である。 |
6 | 引火性液体 | 分類対象外 | - | - | - | - | 固体である。 |
7 | 可燃性固体 | 分類できない | - | - | - | - | データがなく分類できない。 |
8 | 自己反応性化学品 | 分類対象外 | - | - | - | - | 爆発性、あるいは自己反応性に関わる原子団を含まない。 |
9 | 自然発火性液体 | 分類対象外 | - | - | - | - | 固体である。 |
10 | 自然発火性固体 | 分類できない | - | - | - | - | データがなく分類できない。 |
11 | 自己発熱性化学品 | 分類できない | - | - | - | - | データがなく分類できない。 |
12 | 水反応可燃性化学品 | 分類対象外 | - | - | - | - | 金属または半金属(B, Si, P, Ge, As, Se, Sn, Sb, Te, Bi, Po, At)を含まない。 |
13 | 酸化性液体 | 分類対象外 | - | - | - | - | 固体である。 |
14 | 酸化性固体 | 分類対象外 | - | - | - | - | 酸素、フッ素または塩素を含まない有機化合物である。 |
15 | 有機過酸化物 | 分類対象外 | - | - | - | - | 分子内に-O-O-構造を含まない有機化合物。 |
16 | 金属腐食性物質 | 分類できない | - | - | - | - | 固体状の物質に適した試験方法が確立していない。 |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 急性毒性(経口) | 区分3 | 危険 | H301: 飲み込むと有毒 |
P301+P310: 飲み込んだ場合:直ちに医師に連絡すること。 P264: 取扱後は...よく洗うこと。 P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。 P321: 特別な処置が必要である(このラベルの...を見よ)。 P330: 口をすすぐこと。 P405: 施錠して保管すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
ラットを用いた急性経口毒性試験(OECD TG 401、GLP)のLD50値 107 mg/kg(厚労省報告(Access on September 2008))から区分3とした。EU分類Xn; R22(EU-Annex I)は区分3〜4に相当する。 | |
1 | 急性毒性(経皮) | 区分外 | - | - | - | - | ウサギを用いた経皮投与試験(Directive 92/69/EEC,B.3、GLP)のLD50値 >2,000 mg/kg(SIDS(draft, 2002))から区分外とした。 |
1 | 急性毒性(吸入:ガス) | 分類対象外 | - | - | - | - | GHS定義上の固体であるため、ガスでの吸入は想定されず、分類対象外とした。 |
1 | 急性毒性(吸入:蒸気) | 分類できない | - | - | - | - | データがないので分類できない。 |
1 | 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) | 分類できない | - | - | - | - | データがないので分類できない。 |
2 | 皮膚腐食性/刺激性 | 区分外 | - | - | - | - | ウサギを用いた24時間皮膚刺激性試験(Draize Test)において「PII:0、皮膚刺激性はない」(SIDS(draft, 2002))と記述されている。また、ヒトへの影響について「皮膚刺激性なし」(HSDB(2005))との記述がある。以上から、区分外とした。EU分類Xi; R38(EU-Annex I)は区分2に相当する。 |
3 | 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 | 区分2 | 警告 | H319: 強い眼刺激 |
P305+P351+P338: 眼に入った場合:水で数分間注意深く洗うこと。次にコンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。 P337+P313: 眼の刺激が続く場合:医師の診断/手当てを受けること。 P264: 取扱後は...よく洗うこと。 P280: 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。 |
ウサギを用いた眼刺激性試験(Draize Test)において、20 mg の適用ではPII:20(最大110)であり7日間で回復、また、100 mg の適用ではPII:48(最大110)であり21日間で回復する(SIDS(draft, 2002))との記述から区分2とした。EU分類Xi; R36(EU-Annex I)は区分2に相当する。 | |
4 | 呼吸器感作性 | 分類できない | - | - | - | - | データがないので分類できない。 |
4 | 皮膚感作性 | 分類できない | - | - | - | - | ヒトについては、主にゴム接触皮膚炎患者への貼付試験において散発的に陽性が認められる例がある(SIDS(draft, 2002))。一方、動物については、モルモットを用いたMaximization 試験(OECD TG 406、GLP)で陰性であることから、「ヒトの陽性データは本物質の直接的影響というより交差反応に起因すると推察される」(SIDS(draft, 2002))と記述されている。最近の文献(Contact Derm. 54(2006))には、本物質を含む手術用手袋使用者においてヒト貼付試験で5人中4人が陽性となったが、被験者が少なく、結論は出せないと纏めている。以上のことから分類できない。 |
5 | 生殖細胞変異原性 | 区分外 | - | - | - | - | 体細胞in vivo変異原性試験のラット骨髄細胞を用いた染色体異常試験(OECD TG475、GLP)で陰性(SIDS-draft(2002))との記述から区分外とした。 なお、13週間混餌投与によるマウス末梢血を用いた小核試験では雄:陰性、雌:判断不可(NTP DB(Access on September 2008))であった。in vitro試験については、細菌を用いた復帰突然変異試験で弱陽性(NTP DB(Access on January2009))、細菌を用いる復帰変異試験(OECD TG471、GLP)で陰性、チャイニーズハムスター培養細胞を用いた染色体異常試験(OECD TG473、GLP)で陰性(厚労省報告(Access on September 2008))である。 |
6 | 発がん性 | 分類できない | - | - | - | - | マウスを用いた32週間及び21ヶ月混餌投与試験において腫瘍は見られないが、発がん性の判断には不十分なデータである(SIDS(draft, 2002))との記述があり、また、主要な国際的評価機関による評価がされていないので分類できない。 |
7 | 生殖毒性 | 区分2 | 警告 | H361: 生殖能又は胎児への悪影響のおそれの疑い |
P308+P313: 暴露又は暴露の懸念がある場合:医師の診断/手当てを受けること。 P201: 使用前に取扱説明書を入手すること。 P202: 全ての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。 P281: 指定された個人用保護具を使用すること。 P405: 施錠して保管すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
ラットを用いた妊娠6-15日の経口投与試験(EPA Health Effects TG 560/6-82-001、GLP)において、母動物の体重増加抑制が見られる用量で、胎児体重減少、着床後胚損失増加、骨化遅延の増加が見られる(SIDS(draft, 2002))との記述から区分2とした。EU分類はCat. 3; R62(EU-Annex I)であり、GHS区分2に相当する。 | |
8 | 特定標的臓器毒性(単回暴露) | 区分3(麻酔作用) | 警告 | H336: 眠気又はめまいのおそれ(麻酔作用) |
P304+P340: 吸入した場合:空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。 P403+P233: 換気の良い場所で保管すること。容器を密閉しておくこと。 P261: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーの吸入を避けること。 P271: 屋外又は換気の良い場所でのみ使用すること。 P312: 気分が悪いときは医師に連絡すること。 P405: 施錠して保管すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
ラットを用いた経口投与試験において、肝臓(暗色化)(SIDS(draft, 2002))が記述されているが、重大な臨床所見には該当せず採用しない。また、「作業環境で作業者に粘膜刺激性、胃や胆のうの症状、肝代謝阻害」(SIDS(draft, 2002))との記述があるが、「初期に行われた確証の乏しい研究」と評価されているので、これも採用しない。一方、ラットを用いて致死量を求めた急性経口毒性試験(OECD TG 401、GLP)において「雌雄ともにすべての被験物質投与群で投与直後から自発運動低下および側臥位または歩行異常が認められた」(厚労省報告(Access on March 2008))との記述があり、区分3(麻酔作用)とした。EU分類はXi; R36/37/38(EU-Annex I)である。 | |
9 | 特定標的臓器毒性(反復暴露) | 分類できない | - | - | - | - | ラットを用いた90日間反復経口投与試験(OECG TG408、GLP)において、臓器への一次的な影響はみられず、区分2のガイダンス値範囲内の用量でみられる体重増加抑制や区分2のガイダンス値範囲外の用量でみられる血液検査、臨床化学的検査、尿検査での対象群との差異は、本物質の食味低下に基づく摂餌量減少によるものである(SIDS(draft, 2002))との記述がある。体重増加抑制や摂餌量減少はGHS国連文書 3.9.2.8 に記載の(a)(それだけでは「重大な」毒性を示すものではない体重増加量、摂餌量のわずかな変化)に該当し、GHS分類を支持しない影響と考えられる。よってデータ不足から分類できない。 |
10 | 吸引性呼吸器有害性 | 分類できない | - | - | - | - | データがないので分類できない。 |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|
11 | 水生環境有害性(急性) | 区分2 | - | - | H401: 水生生物に毒性 |
P273: 環境への放出を避けること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
藻類(Pseudokirchneriella subcapitata)の72時間ErC50 = 7.6 mg/L(環境庁生態影響試験, 1998)から区分2とした。 |
11 | 水生環境有害性(長期間) | 区分2 | - | H411: 長期継続的影響によって水生生物に毒性 |
P273: 環境への放出を避けること。 P391: 漏出物を回収すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
急性毒性区分2であり、急速分解性がない(難分解性;2週間標準法でのBOD:0%(既存点検, 1977))ことから、区分2とした。 |
政府による分類結果は、GHSに基づくSDSやラベル作成の際に自由に引用および複写を行うことができます。ただし、引用および複写をした上で作成されたSDS・ラベルの内容に対する責任は、SDS・ラベル作成者にあることにご留意ください。 本分類結果は、分類ガイダンス等のマニュアルで定められている情報源と判定方法に基づくものであり、あくまでもSDSやラベル作成の際の参考として公表しているものです。他の文献や試験結果等を根拠として、本内容と異なる分類結果でSDSやラベルを作成することを妨げるものではありません。 |
使用マニュアル |
|
解説・用語集(エクセルファイル) |
|
厚生労働省モデルラベル |
職場のあんぜんサイトへ |
厚生労働省モデルSDS |
職場のあんぜんサイトへ |