GHS分類結果

名称:2‐(4‐クロロ‐2‐メチルフェノキシ)プロピオン酸(別名MCPP)
CAS番号:93-65-2

結果:
物質ID: 104-2
分類実施者: 厚生労働省・環境省
分類実施年度: 平成19年度
使用マニュアル: GHS分類マニュアル(H18.2.10版)
技術上の指針(H17.12.6版)

物理化学的危険性
危険有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起語 危険有害性情報 注意書き 分類根拠・問題点
1 爆発物 分類対象外 - - - - 爆発性に関する原子団を含まない。
2 可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む) 分類対象外 - - - - 固体である。
3 エアゾール 分類対象外 - - - - エアゾール製品でない。
4 支燃性/酸化性ガス 分類対象外 - - - - 固体である。
5 高圧ガス 分類対象外 - - - - 固体である。
6 引火性液体 分類対象外 - - - - 固体である。
7 可燃性固体 分類できない - - - - データなし。
8 自己反応性化学品 分類対象外 - - - - 爆発性または自己反応性に関する原子団を含まない。
9 自然発火性液体 分類対象外 - - - - 固体である。
10 自然発火性固体 分類できない - - - - データなし。
11 自己発熱性化学品 分類できない - - - - データなし。
12 水反応可燃性化学品 分類対象外 - - - - 金属または半金属(B, Si, P, Ge, As, Se, Sn, Sb, Te, Bi, Po, At)を含まない。
13 酸化性液体 分類対象外 - - - - 固体である。
14 酸化性固体 分類できない - - - - データ不足で分類できない。
15 有機過酸化物 分類対象外 - - - - -O-O-構造を含まない有機化合物である。
16 金属腐食性物質 分類できない - - - - データなし。

健康に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起語 危険有害性情報 注意書き 分類根拠・問題点
1 急性毒性(経口) 区分4 警告 H302: 飲み込むと有害 P301+P312: 飲み込んだ場合:気分が悪いときは医師に連絡すること。
P264: 取扱後は...よく洗うこと。
P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。
P330: 口をすすぐこと。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
MCPP(CAS: 93-65-2):ラット経口投与でLD50 = 1060 mg/kg(HSDB, 2003)より区分4に相当する。
1 急性毒性(経皮) 区分3 危険 H311: 皮膚に接触すると有毒 P302+P352: 皮膚に付着した場合:多量の水と石鹸で洗うこと。
P280: 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。
P312: 気分が悪いときは医師に連絡すること。
P322: 特別な処置が必要である(このラベルの...を見よ)。
P361: 汚染された衣類を直ちに全て脱ぐこと。
P363: 汚染された衣類を再使用する場合には洗濯をすること。
P405: 施錠して保管すること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
MCPP(CAS: 93-65-2):ウサギ経皮適用でLD50 = 900 mg/kgである(HSDB, 2003)より区分3に相当する。
1 急性毒性(吸入:ガス) 分類対象外 - - - - 固体であり、分類対象外とした。
1 急性毒性(吸入:蒸気) 分類できない - - - - MCPP(CAS: 93-65-2):データなし。
1 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) 区分外 - - - - MCPP(CAS: 93-65-2):ラットでLC50 > 12.5 mg/L(4時間)である(IUCLID, 2000)ことより区分外である。
2 皮膚腐食性/刺激性 分類できない - - - - MCPP(CAS: 93-65-2):皮膚刺激性あり(IUCLID, 2000)とのみあるが、詳細は不明であり、分類できない。
3 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 分類できない - - - - MCPP(CAS: 93-65-2):眼刺激性あり(IUCLID, 2000)とのみあるが、詳細は不明であり、分類できない。
4 呼吸器感作性 分類できない - - - - MCPP(CAS: 93-65-2):データなし。
4 皮膚感作性 分類できない - - - - MCPP(CAS: 93-65-2):モルモットを用いたOpen epicutaneous試験で陰性との報告がある(IUCLID, 2000)が、他にデータがなく、分類できない。
5 生殖細胞変異原性 分類できない - - - - MCPP(CAS: 93-65-2):データなし。
6 発がん性 区分2 警告 H351: 発がんのおそれの疑い P308+P313: 暴露又は暴露の懸念がある場合:医師の診断/手当てを受けること。
P201: 使用前に取扱説明書を入手すること。
P202: 全ての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。
P281: 指定された個人用保護具を使用すること。
P405: 施錠して保管すること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
IARC S7(1987)がchlorophenoxy herbicidesを2Bに評価していることから、区分2とした。
7 生殖毒性 分類できない - - - - MCPP(CAS: 93-65-2):ラットに対するMCPPの発生毒性試験で、母動物への影響がみられない用量で、母動物胎内での児致死率増加、児の体長低値、胸骨分節の化骨遅延がみられた(IRIS, 1990)との報告があるが、投与経路が不明であり、分類できない。
8 特定標的臓器毒性(単回暴露) 分類できない - - - - MCPP(CAS: 93-65-2):データなし。
9 特定標的臓器毒性(反復暴露) 分類できない - - - - MCPP(CAS: 93-65-2):ラットへの90日間混餌投与試験で、9 mg/kg以上の群に腎臓の絶対・相対重量増加がみられた(IRIS, 1990)との報告が得られているが、組織学的変化等の重篤な症状はみられておらず、このデータからのみでは分類できない。
10 吸引性呼吸器有害性 分類できない - - - - MCPP(CAS: 93-65-2):データなし。

環境に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起語 危険有害性情報 注意書き 分類根拠・問題点
11 水生環境有害性(急性) 分類できない - - - - データなし。
11 水生環境有害性(長期間) 分類できない - - - - データなし。


分類結果の利用に関する注意事項:
 政府による分類結果は、GHSに基づくSDSやラベル作成の際に自由に引用および複写を行うことができます。ただし、引用および複写をした上で作成されたSDS・ラベルの内容に対する責任は、SDS・ラベル作成者にあることにご留意ください。
 本分類結果は、分類ガイダンス等のマニュアルで定められている情報源と判定方法に基づくものであり、あくまでもSDSやラベル作成の際の参考として公表しているものです。他の文献や試験結果等を根拠として、本内容と異なる分類結果でSDSやラベルを作成することを妨げるものではありません。

参考情報:
使用マニュアル

解説・用語集(エクセルファイル)

厚生労働省モデルSDS

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