GHS分類結果

名称:2-アミノ-4,6-ジニトロフェノール
CAS番号:96-91-3

結果:
物質ID: 07-D39
分類実施者: 厚生労働省、環境省
分類実施年度: 平成19年度
使用マニュアル: GHS分類マニュアル(H18.2.10版)
技術上の指針(H17.12.6版)

物理化学的危険性
危険有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起語 危険有害性情報 注意書き 分類根拠・問題点
1 爆発物 分類できない - - - - 純品は乾燥すると非常に激しく爆発する(Bretherick)ことが知られている。合成原料、分析試薬として用いられるもので火薬としての評価は不明であり、分類できないとした。 (20質量%以上の水で湿性としたもの国連危険物輸送勧告 クラス 4.1 容器等級I分類(UN3376)され、鈍性化火薬類に該当する。)
2 可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む) 分類対象外 - - - - GHSの定義による固体である。
3 エアゾール 分類対象外 - - - - エアゾール製品でない。
4 支燃性/酸化性ガス 分類対象外 - - - - GHSの定義による固体である。
5 高圧ガス 分類対象外 - - - - GHSの定義による固体である。
6 引火性液体 分類対象外 - - - - GHSの定義による固体である。
7 可燃性固体 区分1 危険 H228: 可燃性固体 P370+P378: 火災の場合:消火するために...を使用すること。
P210: 熱/火花/裸火/高温のもののような着火源から遠ざけること。−禁煙。
P240: 容器を接地すること/アースをとること。
P241: 防爆型の電気機器/換気装置/照明機器/...機器を使用すること。
P280: 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。
HSDB(2003)に「In contact with open frame in glass tube or beaker, ignite rapidly and burns relatively fast」という記述があるので、区分1とした。
8 自己反応性化学品 分類できない - - - - HSDB(2003)に「May explode when shocked or heated. A powerful explosive when dry」という記述があり、自己反応性化学品であるが、GHSの定義で、どのクラスに入るか不明であり、分類できないとした。
9 自然発火性液体 分類対象外 - - - - GHSの定義による固体である。
10 自然発火性固体 分類できない - - - - 融点168℃(Gangolli Vol.1(1st. 1992))、引火点210℃(Merck(14th, 2006))のデータがあるが、データ不足のため分類できないとした。
11 自己発熱性化学品 分類できない - - - - データなし。
12 水反応可燃性化学品 分類対象外 - - - - 金属または半金属(B, Si, P, Ge, As, Se, Sn, Sb, Te, Bi, Po, At)を含んでいない。
13 酸化性液体 分類対象外 - - - - GHSの定義による固体である。
14 酸化性固体 分類できない - - - - データなし。
15 有機過酸化物 分類対象外 - - - - 分子内に-O-O-構造を含まない。
16 金属腐食性物質 分類できない - - - - データなし。

健康に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起語 危険有害性情報 注意書き 分類根拠・問題点
1 急性毒性(経口) 分類できない - - - - データなし。 参考:ジニトロフェノールについての国のGHS分類では、ヒトの経口致死用量として3〜46mg/kg(ATSDR, 1995)、1〜3g(体重60kgと想定して17〜50mg/kg)(HSDB, 2003)との記載があることから、区分2となっている。
1 急性毒性(経皮) 分類できない - - - - データなし。 参考参照:ジニトロフェノールについての国のGHS分類でもデータなし。で分類できないになっている。
1 急性毒性(吸入:ガス) 分類対象外 - - - - GHSの定義による固体である。
1 急性毒性(吸入:蒸気) 分類できない - - - - データなし。
1 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) 分類できない - - - - データなし。 参考:類似物質のジニトロフェノールについての国のGHS分類でもデータなし。なお、HSDB(2003)には粉塵の吸入毒性が高いとの記載があり、ATSDR(1995)には40mg/m3におけるヒトの死亡報告がある(慢性暴露の可能性がある)。
2 皮膚腐食性/刺激性 分類できない - - - - データなし。
3 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 分類できない - - - - データなし。
4 呼吸器感作性 分類できない - - - - データなし。
4 皮膚感作性 分類できない - - - - データなし。
5 生殖細胞変異原性 分類できない - - - - NTP DB(2007)等でエームス試験が陽性であったが、他の変異原性に関する情報がないことからデータ不足により分類できない。
6 発がん性 分類できない - - - - データなし。
7 生殖毒性 分類できない - - - - データなし。
8 特定標的臓器毒性(単回暴露) 分類できない - - - - データなし。 参考:類似物質のジニトロフェノールについての国のGHS分類では、Priority 1文書のATSDR(1995)にヒトにおける全身毒性(細胞レベルでの代謝亢進による酸素消費増加、呼吸・脈拍の増加、体温上昇など)、神経系、血液系(白血球の減少)、眼(白内障)への影響の記載があり(それぞれPATTY(5th, 2001)、HSDB(2003)、HSFS(2003)にも同様の記載がある)、区分1(全身毒性、神経系、血液系、眼)となっている。また、Priority 2文書のHSDB(2003)およびHSFS(2003)にヒトにおける腎臓、肝臓への影響および気道刺激性の記載があり、区分2(腎臓、肝臓)、区分3(気道刺激性)となっている。
9 特定標的臓器毒性(反復暴露) 分類できない - - - - データなし。 参考:類似物質のジニトロフェノールについての国のGHS分類では、Priority 1文書のATSDR(1995)にヒトにおける全身毒性(細胞レベルでの代謝亢進による酸素消費増加、呼吸・脈拍の増加、体温上昇など)、神経系、血液系(白血球の減少)、眼(白内障)への影響、PATTY(5th, 2001)にヒトにおける4個の異性体(2,3-; 2,5-; 3,4-; 3,5-ジニトロフェノール)の腎臓および肝臓への影響の記載があり、区分1(全身毒性、神経系、血液系、眼、腎臓、肝臓)となっている。
10 吸引性呼吸器有害性 分類できない - - - - データなし。

環境に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起語 危険有害性情報 注意書き 分類根拠・問題点
11 水生環境有害性(急性) 区分3 - - H402: 水生生物に有害 P273: 環境への放出を避けること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
魚類(ニジマス)の96時間LC50=46.2 mg/L(AQUIRE, 2007)から、区分3とした。
11 水生環境有害性(長期間) 区分3 - - H412: 長期継続的影響によって水生生物に有害 P273: 環境への放出を避けること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
急性毒性が区分3、生物蓄積性が低いと推定されるものの(ニジマスを用いた濃縮度試験によるBCFが42(HSDB, 2007))、急速分解性がないと推定される(BIOWIN)ことから、区分3とした。


分類結果の利用に関する注意事項:
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 本分類結果は、分類ガイダンス等のマニュアルで定められている情報源と判定方法に基づくものであり、あくまでもSDSやラベル作成の際の参考として公表しているものです。他の文献や試験結果等を根拠として、本内容と異なる分類結果でSDSやラベルを作成することを妨げるものではありません。

参考情報:
使用マニュアル

解説・用語集(エクセルファイル)

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