GHS分類結果

名称:一硝酸イソソルビド
CAS番号:16051-77-7

結果:
物質ID: 07-D38
分類実施者: 厚生労働省、環境省
分類実施年度: 平成19年度
使用マニュアル: GHS分類マニュアル(H18.2.10版)
技術上の指針(H17.12.6版)

物理化学的危険性
危険有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起語 危険有害性情報 注意書き 分類根拠・問題点
1 爆発物 区分外 - - - - 爆発性に関連する原子団(Nitrates)を含むが、UN3251 クラス 4.1 容器等級IIIに分類され、クラス1またはクラス 4.1 容器等級Iには分類されていないので、区分外とした。
2 可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む) 分類対象外 - - - - 固体である。
3 エアゾール 分類対象外 - - - - エアゾール製品でない。
4 支燃性/酸化性ガス 分類対象外 - - - - 固体である。
5 高圧ガス 分類対象外 - - - - 固体である。
6 引火性液体 分類対象外 - - - - 固体である。
7 可燃性固体 区分2 警告 H228: 可燃性固体 P370+P378: 火災の場合:消火するために...を使用すること。
P210: 熱/火花/裸火/高温のもののような着火源から遠ざけること。−禁煙。
P240: 容器を接地すること/アースをとること。
P241: 防爆型の電気機器/換気装置/照明機器/...機器を使用すること。
P280: 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。
国連危険物輸送勧告 クラス 4.1 容器等級IIIに分類(UN 3251)されているので、可燃性固体 区分2とした。
8 自己反応性化学品 タイプG - - - - 爆発性に関連する原子団(Nitrates)を含むが、UN3251 クラス 4.1 容器等級IIIに分類され、クラス 4.1 容器等級Iには分類されていないので、タイプGとした。
9 自然発火性液体 分類対象外 - - - - 固体である。
10 自然発火性固体 分類できない - - - - データなし。
11 自己発熱性化学品 分類できない - - - - データなし。
12 水反応可燃性化学品 分類対象外 - - - - 金属または半金属(B, Si, P, Ge, As, Se, Sn, Sb, Te, Bi, Po, At)を含んでいない。
13 酸化性液体 分類対象外 - - - - 固体である。
14 酸化性固体 分類できない - - - - データなし。
15 有機過酸化物 分類対象外 - - - - 分子内に-O-O-構造を含まない。
16 金属腐食性物質 分類できない - - - - データなし。

健康に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起語 危険有害性情報 注意書き 分類根拠・問題点
1 急性毒性(経口) 区分5 - 警告 H303: 飲み込むと有害のおそれ P312: 気分が悪いときは医師に連絡すること。 ラットでのLD50:2010mg/kg(RTECS(Access on Aug 2007))に基づき区分5とした。
1 急性毒性(経皮) 分類できない - - - - データなし。
1 急性毒性(吸入:ガス) 分類対象外 - - - - 固体である。
1 急性毒性(吸入:蒸気) 分類できない - - - - データなし。
1 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) 分類できない - - - - データなし。
2 皮膚腐食性/刺激性 分類できない - - - - データなし。
3 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 分類できない - - - - データなし。
4 呼吸器感作性 分類できない - - - - データなし。
4 皮膚感作性 分類できない - - - - データなし。
5 生殖細胞変異原性 区分外 - - - - HSDB(2005)に、Ames試験およびマウスリンパ腫由来培養細胞を用いた突然変異試験、ヒトリンパ球を用いた染色体異常試験、in vivoでのマウスを用いた小核試験のいずれも陰性であることから、区分外とした。
6 発がん性 分類できない - - - - HSDB(2005)に、ラットでの混餌投与による発がん性試験(試験開始から6か月間は900mg/kg/day、その後雄は121週目まで、雌は137週目まで500mg/kg/day)では、発がんの証拠はなかったとの記述があるが、データ不足のため、分類できないとした。
7 生殖毒性 分類できない - - - - HSDB(2005)に、ラットでの交配前投与試験およびラット・ウサギでの胎児器官形成期投与試験ではいずれも化合物投与による影響は認められなかったとの記述がある。また、ラットでの妊娠末期・授乳期投与試験では高用量(750mg/kg/day)でのみ胎児の生存率、生後の発育に影響が認められ、無影響量は300mg/kg/dayであったとの記述はあるが、母体毒性の有無および生殖毒性の詳細が不明のため、分類できないとした。
8 特定標的臓器毒性(単回暴露) 区分1(循環器、中枢神経系、消化管、肝臓、皮膚) 危険 H370: 臓器の障害(循環器、中枢神経系、消化管、肝臓、皮膚) P307+P311: 暴露した場合:医師に連絡すること。
P260: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。
P264: 取扱後は...よく洗うこと。
P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。
P321: 特別な処置が必要である(このラベルの...を見よ)。
P405: 施錠して保管すること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
本物質には血管拡張作用があり、狭心症治療薬として臨床適用される。本物質の経口剤(錠剤)の臨床試験における主な副作用(頻度0.1%以上)として、めまい・ふらつき、動悸などの循環器症状、頭痛、頭重感、全身倦怠感、などの精神神経症状、発疹、掻痒感などの過敏症状、腹痛、嘔気、食欲不振などの消化器症状、GOT・GPT・LDHの上昇のほか、γGTPの上昇を伴う黄疸など肝臓への影響およびCPK、BUN、クレアチニンの上昇などが報告されている(「日本医薬品集、医療薬、2007年版」1083-1084、じほう(2006)、(独)医薬品医療機器総合機構HP/医薬品関連情報/医療用医薬品の添付文書情報(2007))ことから、区分1(循環器、中枢神経系、消化管、肝臓、皮膚)とした。
9 特定標的臓器毒性(反復暴露) 分類できない - - - - ラットでの3カ月間反復経口投与試験におけるTDLo値は500mg/kg/day、無影響量は125mg/kg/dayであるとの記述(小西光二ら、応用薬理, 30, 1079-1111, 1985)があり、無影響量は区分2のガイダンス値上限を上回ることから、区分外と判断された。 一方、ヒトでの反復投与による副作用に関するデータはないが、反復投与により本剤または他の硝酸・亜硝酸エステル系薬剤に対し、耐薬性を生じ、作用が減弱することがある、との記述(「日本医薬品集、医療薬、2007年版」1083-1084、じほう(2006)、(独)医薬品医療機器総合機構HP/医薬品関連情報/医療用医薬品の添付文書情報(2007))があることから、反復投与によっても単回投与と同様の副作用が発現する可能性が高いと考えられるが、データ不足のため分類できないとした。
10 吸引性呼吸器有害性 分類できない - - - - データなし。

環境に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起語 危険有害性情報 注意書き 分類根拠・問題点
11 水生環境有害性(急性) 分類できない - - - - データなし。
11 水生環境有害性(長期間) 分類できない - - - - データなし。


分類結果の利用に関する注意事項:
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 本分類結果は、分類ガイダンス等のマニュアルで定められている情報源と判定方法に基づくものであり、あくまでもSDSやラベル作成の際の参考として公表しているものです。他の文献や試験結果等を根拠として、本内容と異なる分類結果でSDSやラベルを作成することを妨げるものではありません。

参考情報:
使用マニュアル

解説・用語集(エクセルファイル)

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厚生労働省モデルSDS

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