GHS分類結果

名称:パウダーケーキ(2)[組成:ニトログリセリン/ニトロセルローズ/イソプロピルアルコール=60/23/17]
CAS番号:

結果:
物質ID: 07-D14-2
分類実施者: 厚生労働省・環境省
分類実施年度: 平成19年度
使用マニュアル: GHS分類マニュアル(H18.2.10版)
技術上の指針(H17.12.6版)

物理化学的危険性
危険有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起語 危険有害性情報 注意書き 分類根拠・問題点
1 爆発物 等級1.1 危険 H201: 爆発物:大量爆発危険性 P370+P380: 火災の場合:区域から退避させること。
P210: 熱/火花/裸火/高温のもののような着火源から遠ざけること。−禁煙。
P230: ...にて湿らせておくこと。
P240: 容器を接地すること/アースをとること。
P250: 粉砕/衝撃/.../摩擦のような取扱いをしないこと。
P280: 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。
P372: 火災の場合に爆発する危険性あり。
P374: 適当な距離から注意して消火すること。
P401: ...に保管すること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
UN0433 等級1.1に分類されている。
2 可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む) 分類対象外 - - - - 固体である。
3 エアゾール 分類対象外 - - - - エアゾール製品ではない。
4 支燃性/酸化性ガス 分類対象外 - - - - 固体である。
5 高圧ガス 分類対象外 - - - - 固体である。
6 引火性液体 分類対象外 - - - - 固体である。
7 可燃性固体 分類できない - - - - データなし。
8 自己反応性化学品 分類対象外 - - - - 火薬類に分類されているので定義から除外され、分類対象外とした。
9 自然発火性液体 分類対象外 - - - - 固体である。
10 自然発火性固体 分類できない - - - - データなし。
11 自己発熱性化学品 分類できない - - - - データなし。
12 水反応可燃性化学品 分類対象外 - - - - 金属または半金属を含んでいない。
13 酸化性液体 分類対象外 - - - - 固体である。
14 酸化性固体 分類できない - - - - データなし。
15 有機過酸化物 分類対象外 - - - - 分子内に-O-O-構造を含まない。
16 金属腐食性物質 分類できない - - - - データなし。

健康に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起語 危険有害性情報 注意書き 分類根拠・問題点
1 急性毒性(経口) 区分3 危険 H301: 飲み込むと有毒 P301+P310: 飲み込んだ場合:直ちに医師に連絡すること。
P264: 取扱後は...よく洗うこと。
P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。
P321: 特別な処置が必要である(このラベルの...を見よ)。
P330: 口をすすぐこと。
P405: 施錠して保管すること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
ニトログリセリンラットLD50値 100mg/kg(国分類)、イソプロピルアルコールLD50 3437mg/kg(国分類)より計算でえられた値127.3mg/kgから区分3とした。
1 急性毒性(経皮) 分類できない - - - - ニトログリセリン、データなく「分類できない」(国分類)、ニトロセルソースLD50>29200「区分外」(国分類)、およびイソプロピルアルコールLD50値4050mg/kgより、ニトログリセリンの「分類できない」を優先して分類できないとした。
1 急性毒性(吸入:ガス) 分類対象外 - - - - 固体である。
1 急性毒性(吸入:蒸気) 分類できない - - - - ニトログリセリンおよびニトロセルローズの区分「分類できない」より、分類できないとした。
1 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) 分類できない - - - - 全ての成分の区分「分類できない」より、分類できないとした。
2 皮膚腐食性/刺激性 分類できない - - - - ニトログリセリンおよびニトロセルローズの区分「分類できない」より、分類できないとした。
3 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 区分2A-2B 警告 H319: 強い眼刺激 P305+P351+P338: 眼に入った場合:水で数分間注意深く洗うこと。次にコンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。
P337+P313: 眼の刺激が続く場合:医師の診断/手当てを受けること。
P264: 取扱後は...よく洗うこと。
P280: 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。
ニトログリセリンおよびイソプロピルアルコールの区分2A-2Bよりカットオフ値の判断で区分2A-2Bとした。
4 呼吸器感作性 分類できない - - - - 全ての成分の区分「分類できない」より、分類できないとした。
4 皮膚感作性 区分1 警告 H317: アレルギー性皮膚反応を起こすおそれ P302+P352: 皮膚に付着した場合:多量の水と石鹸で洗うこと。
P333+P313: 皮膚刺激又は発疹が生じた場合:医師の診断/手当てを受けること。
P261: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーの吸入を避けること。
P272: 汚染された作業衣は作業場から出さないこと。
P280: 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。
P321: 特別な処置が必要である(このラベルの...を見よ)。
P363: 汚染された衣類を再使用する場合には洗濯をすること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
ニトログリセリンの区分1よりカットオフ値の判断で区分1とした。
5 生殖細胞変異原性 分類できない - - - - ニトロセルローズの区分「分類できない」より、分類できないとした。
6 発がん性 分類できない - - - - ニトログリセリンおよびニトロセルローズの区分「分類できない」より、分類できないとした。
7 生殖毒性 区分2 警告 H361: 生殖能又は胎児への悪影響のおそれの疑い P308+P313: 暴露又は暴露の懸念がある場合:医師の診断/手当てを受けること。
P201: 使用前に取扱説明書を入手すること。
P202: 全ての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。
P281: 指定された個人用保護具を使用すること。
P405: 施錠して保管すること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
ニトログリセリンおよびイソプロピルアルコールの区分2よりカットオフ値の判断で区分2とした。
8 特定標的臓器毒性(単回暴露) 区分1(心血管系、血液、中枢神経系、腎臓、全身の毒性)、区分3(気道刺激性) 危険
警告
H370: 臓器の障害(心血管系、血液、中枢神経系、腎臓、全身の毒性)
H335: 呼吸器への刺激のおそれ(気道刺激性)
P304+P340: 吸入した場合:空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。
P307+P311: 暴露した場合:医師に連絡すること。
P403+P233: 換気の良い場所で保管すること。容器を密閉しておくこと。
P260: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。
P261: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーの吸入を避けること。
P264: 取扱後は...よく洗うこと。
P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。
P271: 屋外又は換気の良い場所でのみ使用すること。
P312: 気分が悪いときは医師に連絡すること。
P321: 特別な処置が必要である(このラベルの...を見よ)。
P405: 施錠して保管すること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
ニトログリセリンの区分1(心血管系、血液)、イソプロピルアルコール区分1(中枢神経、腎臓、全身の毒性)よりカットオフ値の判断でグループ1(心血管系、血液、中枢神経、腎臓、全身の毒性)とした。 ニトロセルローズ、イソプロピルアルコール両化合物の区分3(気道刺激性)よりカットオフ値の判断で区分3(気道刺激性)とした。
9 特定標的臓器毒性(反復暴露) 区分1(心血管系)、区分2(肝臓、脾臓) 警告
危険
H372: 長期にわたる、又は反復暴露による臓器の障害(心血管系)
H373: 長期にわたる、又は反復暴露による臓器の障害のおそれ(肝臓、脾臓)
P260: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。
P264: 取扱後は...よく洗うこと。
P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。
P314: 気分が悪いときは、医師の診断/手当てを受けること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
ニトログリセリンの区分1(心血管系)よりカットオフ値の判断で区分1(心血管系)とした。 イソプロピルアルコール区分2(血管、肝臓、脾臓)よりカットオフ値の判断で区分2(肝臓、脾臓)とした(血管は区分1に含まれるため除外した)。
10 吸引性呼吸器有害性 分類できない - - - - イソプロピルアルコール「区分2」の影響が疑われるが、本物質の動粘性率が不明のため、分類できないとした。

環境に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起語 危険有害性情報 注意書き 分類根拠・問題点
11 水生環境有害性(急性) 区分2 - - H401: 水生生物に毒性 P273: 環境への放出を避けること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
ニトログリセリン(CAS:55-63-0)については、魚類(ブルーギル)の96時間LC50=1.38mg/L(CERIハザードデータ集、2002)から区分2、ニトロセルローズ(CAS:9004-70-0)については、藻類(セレナストラム)の96時間EC50=579000μg/L(AQUIRE, 2003)から区分外、イソプロピルアルコール(CAS:67-63-0)については、魚類(ヒメダカ)の96時間LC50>100mg/L(環境省生態影響試験、1997)から、区分外であった。本物質の組成はニトログリセリン60%、ニトロセルローズ23%、イソプロピルアルコール17%であることから、区分2と判断した。
11 水生環境有害性(長期間) 区分2 - H411: 長期継続的影響によって水生生物に毒性 P273: 環境への放出を避けること。
P391: 漏出物を回収すること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
ニトログリセリン(CAS:55-63-0)については、急性毒性が区分2、生物蓄積性が低いと推定されるものの(log Kow=1.62(PHYSPROP Database、2005)、急速分解性がないと推定される(BIOWIN)ことから、区分2、ニトロセルローズ(CAS:9004-70-0)については、難水溶性でなく(水溶解度=1.00×10^6mg/L(PHYSPROP Database、2005))、急性毒性が低いことから、区分外、イソプロピルアルコール(CAS:67-63-0)については、難水溶性でなく(水溶解度=1.00×10^6mg/L(PHYSPROP Database、2005))、急性毒性が低いことから、区分外であった。本物質の組成はニトログリセリン60%、ニトロセルローズ23%、イソプロピルアルコール17%であることから、区分2と判断した。


分類結果の利用に関する注意事項:
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 本分類結果は、分類ガイダンス等のマニュアルで定められている情報源と判定方法に基づくものであり、あくまでもSDSやラベル作成の際の参考として公表しているものです。他の文献や試験結果等を根拠として、本内容と異なる分類結果でSDSやラベルを作成することを妨げるものではありません。

参考情報:
使用マニュアル

解説・用語集(エクセルファイル)


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