GHS分類結果(過年度実施分類結果の再分類)

名称:メタクリロニトリル
CAS番号:126-98-7

結果:
物質ID: 205
分類実施者: 経済産業省
分類実施年度: 平成19年度
使用マニュアル: GHS分類マニュアル(H18.2.10 版)

物理化学的危険性
危険有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起語 危険有害性情報 注意書き 分類根拠・問題点
1 爆発物 - - - - - -
2 可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む) - - - - - -
3 エアゾール - - - - - -
4 支燃性/酸化性ガス - - - - - -
5 高圧ガス - - - - - -
6 引火性液体 - - - - - -
7 可燃性固体 - - - - - -
8 自己反応性化学品 - - - - - -
9 自然発火性液体 - - - - - -
10 自然発火性固体 - - - - - -
11 自己発熱性化学品 - - - - - -
12 水反応可燃性化学品 - - - - - -
13 酸化性液体 - - - - - -
14 酸化性固体 - - - - - -
15 有機過酸化物 - - - - - -
16 金属腐食性物質 - - - - - -

健康に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起語 危険有害性情報 注意書き 分類根拠・問題点
1 急性毒性(経口) - - - - - -
1 急性毒性(経皮) - - - - - -
1 急性毒性(吸入:ガス) - - - - - -
1 急性毒性(吸入:蒸気) - - - - - -
1 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) - - - - - -
2 皮膚腐食性/刺激性 - - - - - -
3 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 - - - - - -
4 呼吸器感作性 - - - - - -
4 皮膚感作性 - - - - - -
5 生殖細胞変異原性 - - - - - -
6 発がん性 - - - - - -
7 生殖毒性 区分2 警告 H361: 生殖能又は胎児への悪影響のおそれの疑い P308+P313: 暴露又は暴露の懸念がある場合:医師の診断/手当てを受けること。
P201: 使用前に取扱説明書を入手すること。
P202: 全ての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。
P281: 指定された個人用保護具を使用すること。
P405: 施錠して保管すること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
3省GHS分類根拠となった二世代繁殖試験で、F1世代の雄の精子数の有意な減少やメスの性周期の遅延について、元文献を精査した結果、認められた生殖毒性影響はいずれも軽度である。従って、ヒトに対する影響がありとして、「区分1」に分類するよりも「区分2」に分類するほうが適切である。
8 特定標的臓器毒性(単回暴露) - - - - - -
9 特定標的臓器毒性(反復暴露) 区分1(中枢神経系)、区分2(血液系、鼻腔(嗅上皮)、肝臓) 危険
警告
H372: 長期にわたる、又は反復暴露による臓器の障害(中枢神経系)
H373: 長期にわたる、又は反復暴露による臓器の障害のおそれ(血液系、鼻腔(嗅上皮)、肝臓)
P260: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。
P264: 取扱後は...よく洗うこと。
P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。
P314: 気分が悪いときは、医師の診断/手当てを受けること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
パブリックコメントでは、認められた神経毒性は急性毒性であり、慢性毒性ではないと指摘している。しかし、Pozzaniらの文献(1968)に記載のイヌの90日間経口投与毒性試験では、「区分1」のガイダンス値範囲内(13.5 ppm群)で、強直性痙攣、速脈、多呼吸、後肢の制御不能が、暴露後すぐには認められず、暴露39日目以降に認められている。よって、当試験の中枢神経症状は反復暴露による影響であると言える。 また、パブリックコメントでは、神経毒性以外の毒性に関しては分類基準に当てはまる影響はない、と指摘している。しかし、厚労省報告(2005)に記載のラットの反復経口投与毒性試験では、「区分2」のガイダンス値範囲内(30 mg/kg群)で、溶血性貧血に関連する影響が有意に認められている。また、NTP TOX 47(2000)に記載のラットの13週間経口投与毒性試験では、「区分2」のガイダンス値範囲内(60 mg/kg/day 以上の群)で、嗅上皮の化生、壊死の発生率の有意な増加が認められている。また、NTP TR 497(2001)に記載のラットの2年間経口投与毒性試験では、「区分2」のガイダンス値範囲内(30 mg/kg /day群)で、鼻の嗅上皮の萎縮及び化生の発生率の増加、肝臓における細胞質空胞化の増加が認められている。よって、「区分2(血液系、鼻腔(嗅上皮)、肝臓)」とするのが妥当である。なお、3省GHS分類では、「嗅上皮の組織学的変化」が認められたことを根拠に感覚器を標的臓器としているが、鼻腔(嗅上皮)に変更するのが好ましいと考える。 以上から、GHS分類を「区分1(血液、中枢神経系、感覚器)」から「区分1(中枢神経系)、区分2(血液系、鼻腔(嗅上皮)、肝臓)」に変更する。
10 吸引性呼吸器有害性 - - - - - -

環境に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起語 危険有害性情報 注意書き 分類根拠・問題点
11 水生環境有害性(急性) - - - - - -
11 水生環境有害性(長期間) - - - - - -


分類結果の利用に関する注意事項:
 政府による分類結果は、GHSに基づくSDSやラベル作成の際に自由に引用および複写を行うことができます。ただし、引用および複写をした上で作成されたSDS・ラベルの内容に対する責任は、SDS・ラベル作成者にあることにご留意ください。
 本分類結果は、分類ガイダンス等のマニュアルで定められている情報源と判定方法に基づくものであり、あくまでもSDSやラベル作成の際の参考として公表しているものです。他の文献や試験結果等を根拠として、本内容と異なる分類結果でSDSやラベルを作成することを妨げるものではありません。

参考情報:
使用マニュアル

解説・用語集(エクセルファイル)

厚生労働省モデルSDS

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