名称:2-methyl-m-phenylene diamine
CAS番号:823-40-5
物質ID: | 13 |
分類実施者: | 経済産業省 |
分類実施年度: | 平成19年度 |
使用マニュアル: | GHS分類マニュアル(H18.2.10 版) |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 爆発物 | - | - | - | - | - | - |
2 | 可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む) | - | - | - | - | - | - |
3 | エアゾール | - | - | - | - | - | - |
4 | 支燃性/酸化性ガス | - | - | - | - | - | - |
5 | 高圧ガス | - | - | - | - | - | - |
6 | 引火性液体 | - | - | - | - | - | - |
7 | 可燃性固体 | - | - | - | - | - | - |
8 | 自己反応性化学品 | - | - | - | - | - | - |
9 | 自然発火性液体 | - | - | - | - | - | - |
10 | 自然発火性固体 | - | - | - | - | - | - |
11 | 自己発熱性化学品 | - | - | - | - | - | - |
12 | 水反応可燃性化学品 | - | - | - | - | - | - |
13 | 酸化性液体 | - | - | - | - | - | - |
14 | 酸化性固体 | - | - | - | - | - | - |
15 | 有機過酸化物 | - | - | - | - | - | - |
16 | 金属腐食性物質 | - | - | - | - | - | - |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 急性毒性(経口) | 分類できない | - | - | - | - | データがなく分類できない。なお、2,5-TDA、2,4-TDAは区分3である。 【注】本物質の構造異性体である2,4-TDA(2,4-トルエンジアミン、ID167, CAS: 95-80-7)、2,5-TDA(パラトルイエンジアミン、ID1324, CAS: 95-70-5)、および、TDA構造異性体の総称であるTDA(トルイレンジアミン、ID1309, CAS: 25376-45-8)の分類結果を参照のこと。本健康有害性については、必要に応じ、これら異性体の分類結果を記載している。 |
1 | 急性毒性(経皮) | 分類できない | - | - | - | - | データがなく分類できない。なお、2,5-TDAは分類できない、2,4-TDAは区分3である。 |
1 | 急性毒性(吸入:ガス) | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義による固体であるため、分類対象外とした。 |
1 | 急性毒性(吸入:蒸気) | 分類できない | - | - | - | - | データがなく分類できない。 |
1 | 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) | 分類できない | - | - | - | - | データがなく分類できない。 |
2 | 皮膚腐食性/刺激性 | 区分2 | 警告 | H315: 皮膚刺激 |
P302+P352: 皮膚に付着した場合:多量の水と石鹸で洗うこと。 P332+P313: 皮膚刺激が生じた場合:医師の診断/手当てを受けること。 P264: 取扱後は...よく洗うこと。 P280: 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。 P321: 特別な処置が必要である(このラベルの...を見よ)。 P362: 汚染された衣類を脱ぎ、再使用する場合には洗濯をすること。 |
本物質の皮膚刺激性試験データはないが、ICSC(2001)には本物質について「皮膚刺激性有」と記載されており、EHC 74(1987)には「ジアミノトルエンは皮膚を刺激する」との記載がある。程度は不明だが刺激性を有すると考えられるため、区分2あるいは区分3と考えられる。安全性の観点から、区分2とする。なお、2,5-TDA、2,4-TDAは区分3である。 | |
3 | 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 | 区分2 | 警告 | H319: 強い眼刺激 |
P305+P351+P338: 眼に入った場合:水で数分間注意深く洗うこと。次にコンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。 P337+P313: 眼の刺激が続く場合:医師の診断/手当てを受けること。 P264: 取扱後は...よく洗うこと。 P280: 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。 |
本物質の眼刺激性試験データはないが、ICSC(2001)には本物質について「眼刺激性有」と記載されており、EHC 74(1987)には「ジアミノトルエンは眼を刺激する」との記載がある。程度は不明だが刺激性を有すると考えられるため、区分2とする。なお、2,5-TDAは区分2A-2B、2,4-TDAは区分2Aである。 | |
4 | 呼吸器感作性 | 分類できない | - | - | - | - | データがなく分類できない。 |
4 | 皮膚感作性 | 分類できない | - | - | - | - | Priority2の情報源であるEU-Annex IでR43であり、同じくPriority2の情報源であるICSC(2001)で「反復または長期の接触により、皮膚が感作されることがある」と記載されている。しかし、具体的な疫学的調査、症例報告、動物実験のデータがないため、分類できないとした。なお、2,5-TDA、2,4-TDA、TDAは区分1である。 |
5 | 生殖細胞変異原性 | 区分外 | - | - | - | - | Priority1、2の情報源に限らず調査したところ、ラット骨髄小核試験で極めて弱い陽性知見(Carcinogenesis,12, 2233-2237, 1991)があるものの、トランスジェニックマウスを用いる突然変異試験での2つの陰性知見(Environ Health Perspect, 104(Suppl 3), 683-686, 1996; Mutat Res, 608,88?96, 2006)ならびにラット肝UDS試験での陰性(Carcinogenesis,12, 2233-2237,1991)に基づき、証拠の重みづけから、区分外とした。 また、2,4-TDAは、先の分類結果では区分外とされているが、上記トランスジェニックマウスを用いる突然変異試験において陽性の結果が得られており、区分2と考えられる。 |
6 | 発がん性 | 区分外 | - | - | - | - | 既存分類はない。一方、EHC 74(1987)には、NCI(1980)によるラットとマウスを用いる103週間経口投与試験が引用されている。EHCには、種ーの統計学的評価に基づき「雌雄のF344ラット、雌雄のB6C3F1マウスに対し2,6-TDAは発がん性を有しないとNCI(1980)では結論付けられている」とあり、NCIのデータの信頼性を評価できる。よって、NCIの結論を採用し、区分外とする。なお、3省GHS分類においては、2,5-TDAは区分外、2,4-TDA、TDAは区分2である。 |
7 | 生殖毒性 | 区分2 | 警告 | H361: 生殖能又は胎児への悪影響のおそれの疑い |
P308+P313: 暴露又は暴露の懸念がある場合:医師の診断/手当てを受けること。 P201: 使用前に取扱説明書を入手すること。 P202: 全ての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。 P281: 指定された個人用保護具を使用すること。 P405: 施錠して保管すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
EHC 74(1987)の記述から、ウサギを用いる経口投与試験において、母動物の体重減少が認められる用量で胚死亡が認められているので、区分2とする。なお、EHC 74(1987)に記載のラットを用いる経口投与試験においては、母動物の体重減少が認められない用量で胎児の不完全な椎骨発現の増加が認められているが、これは骨格変異に相当するので、GHSは区分2に相当すると考えられる。また、母動物の体重減少が認められる用量で、胸骨分節欠損、頭がい骨の不完全な閉鎖がみられている。2,5-TDA、2,4-TDA、TDAはいずれも区分2である。 | |
8 | 特定標的臓器毒性(単回暴露) | 区分2(血液系)、区分3(気道刺激性、麻酔作用) | 警告 |
H336: 眠気又はめまいのおそれ(気道刺激性、麻酔作用) H371: 臓器の障害のおそれ(血液系) H335: 呼吸器への刺激のおそれ(気道刺激性、麻酔作用) |
P304+P340: 吸入した場合:空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。 P309+P311: 暴露したとき、又は気分が悪いとき:医師に連絡すること。 P403+P233: 換気の良い場所で保管すること。容器を密閉しておくこと。 P260: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。 P261: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーの吸入を避けること。 P264: 取扱後は...よく洗うこと。 P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。 P271: 屋外又は換気の良い場所でのみ使用すること。 P312: 気分が悪いときは医師に連絡すること。 P405: 施錠して保管すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
ヒトについては、Priority2の情報源であるICSC(J)(2001)に、吸入暴露による急性症状として「咳、めまい、頭痛、息切れ、錯乱、痙攣、吐き気、意識喪失」との記載があり、短期暴露の影響として「気道を刺激する。血液に影響を与え、メトヘモグロビンを生成することがある。」との記載があることから、気道刺激性および麻酔作用があり、また、血液系が標的臓器と考えられた。 以上より、分類は区分2(血液系)、区分3(気道刺激性、麻酔作用)とした。 | |
9 | 特定標的臓器毒性(反復暴露) | 分類できない | - | - | - | - | データがなく分類できない。なお、2,5-TDAは分類できない、2,4-TDAは区分1(肝臓、腎臓)、区分2(血液系、脾臓、精巣)、TDAは区分1(肝臓)である。 |
10 | 吸引性呼吸器有害性 | 分類できない | - | - | - | - | データがなく分類できない。 |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|
11 | 水生環境有害性(急性) | - | - | - | - | - | - |
11 | 水生環境有害性(長期間) | - | - | - | - | - | - |
政府による分類結果は、GHSに基づくSDSやラベル作成の際に自由に引用および複写を行うことができます。ただし、引用および複写をした上で作成されたSDS・ラベルの内容に対する責任は、SDS・ラベル作成者にあることにご留意ください。 本分類結果は、分類ガイダンス等のマニュアルで定められている情報源と判定方法に基づくものであり、あくまでもSDSやラベル作成の際の参考として公表しているものです。他の文献や試験結果等を根拠として、本内容と異なる分類結果でSDSやラベルを作成することを妨げるものではありません。 |
使用マニュアル |
|
解説・用語集(エクセルファイル) |
|
厚生労働省モデルSDS |
職場のあんぜんサイトへ |