GHS分類結果

名称:トリニトロベンゼン
CAS番号:99-35-4

結果:
物質ID: 1380
分類実施者: GHS関係省庁連絡会議
分類実施年度: 平成18年度
使用マニュアル: GHS分類マニュアル(H18.2.10版)

物理化学的危険性
危険有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起語 危険有害性情報 注意書き 分類根拠・問題点
1 爆発物 等級1.1 危険 H201: 爆発物:大量爆発危険性 P370+P380: 火災の場合:区域から退避させること。
P210: 熱/火花/裸火/高温のもののような着火源から遠ざけること。−禁煙。
P230: ...にて湿らせておくこと。
P240: 容器を接地すること/アースをとること。
P250: 粉砕/衝撃/.../摩擦のような取扱いをしないこと。
P280: 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。
P372: 火災の場合に爆発する危険性あり。
P374: 適当な距離から注意して消火すること。
P401: ...に保管すること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
UNRTDG クラス1.1Dに分類されている。
2 可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む) 分類対象外 - - - - GHSの定義による固体。
3 エアゾール 分類対象外 - - - - エアゾール製品ではない。
4 支燃性/酸化性ガス 分類対象外 - - - - GHSの定義による固体。
5 高圧ガス 分類対象外 - - - - GHSの定義による固体。
6 引火性液体 分類対象外 - - - - GHSの定義による固体。
7 可燃性固体 区分外 - - - - UNRTDG クラス1.1Dに分類されている。
8 自己反応性化学品 分類対象外 - - - - 火薬類に分類されている。
9 自然発火性液体 分類対象外 - - - - GHSの定義による固体。
10 自然発火性固体 区分外 - - - - UNRTDG クラス1.1Dに分類されている。
11 自己発熱性化学品 区分外 - - - - UNRTDG クラス1.1Dに分類されている。
12 水反応可燃性化学品 分類対象外 - - - - 分子内に金属または半金属を含んでいない。
13 酸化性液体 分類対象外 - - - - GHSの定義による固体。
14 酸化性固体 区分外 - - - - UNRTDG クラス1.1Dに分類されている。
15 有機過酸化物 分類対象外 - - - - 分子内に-O-O-構造を含んでいない。
16 金属腐食性物質 区分外 - - - - UNRTDG クラス1.1Dに分類されている。

健康に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起語 危険有害性情報 注意書き 分類根拠・問題点
1 急性毒性(経口) 区分3 危険 H301: 飲み込むと有毒 P301+P310: 飲み込んだ場合:直ちに医師に連絡すること。
P264: 取扱後は...よく洗うこと。
P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。
P321: 特別な処置が必要である(このラベルの...を見よ)。
P330: 口をすすぐこと。
P405: 施錠して保管すること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
ラットLD50値:450mg/kgおよび275mg/kg(IRIS, 1997)に基づき、最小値を採用し、区分3とした。
1 急性毒性(経皮) 区分外 - - - - IRIS(1997)のウサギでは2000mg/kg経皮暴露により死亡が認められなかったとの記述から、区分外とした。
1 急性毒性(吸入:ガス) 分類対象外 - - - - GHSの定義による固体。
1 急性毒性(吸入:蒸気) 分類できない - - - - データなし。
1 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) 分類できない - - - - データなし。
2 皮膚腐食性/刺激性 区分外 - - - - IRIS(1997)のウサギを用いた皮膚刺激性試験で刺激性が認められなかったとの記述から、区分外とした。
3 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 区分1 危険 H318: 重篤な眼の損傷 P305+P351+P338: 眼に入った場合:水で数分間注意深く洗うこと。次にコンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。
P280: 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。
P310: 直ちに医師に連絡すること。
IRIS(1997)のウサギを用いた眼刺激性試験で不可逆性の損傷が認められたとの記述から、区分1とした。
4 呼吸器感作性 分類できない - - - - データなし。
4 皮膚感作性 区分1 警告 H317: アレルギー性皮膚反応を起こすおそれ P302+P352: 皮膚に付着した場合:多量の水と石鹸で洗うこと。
P333+P313: 皮膚刺激又は発疹が生じた場合:医師の診断/手当てを受けること。
P261: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーの吸入を避けること。
P272: 汚染された作業衣は作業場から出さないこと。
P280: 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。
P321: 特別な処置が必要である(このラベルの...を見よ)。
P363: 汚染された衣類を再使用する場合には洗濯をすること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
IRIS(1997)のモルモットを用いたBuehler法による皮膚感作性試験で軽度な皮膚感作性が認められた(感作率:85%)との記述から、区分1とした。
5 生殖細胞変異原性 分類できない - - - - in vitro エームズ試験のデータしかないため、分類できない。
6 発がん性 分類できない - - - - データ不足のため分類できない。
7 生殖毒性 分類できない - - - - IRIS(1997)に示されたラットを用いた妊娠中または交配前から授乳期投与試験で、精巣の変性がみられているものの、生殖能や子の発生に対する明確な毒性はみられていない。Priority1の他の出典に有害性を明確に否定する記述がないことから、データ不足のため分類できないとした。
8 特定標的臓器毒性(単回暴露) 分類できない - - - - IRIS(1997)にラット単回経口投与試験でataxiaおよびcatalepsyが認められたとの記述があるが、これらの影響が一時的でないかどうかは不明であり、他に同様のデータがないことから、データ不足のため分類できないとした。
9 特定標的臓器毒性(反復暴露) 区分2(血液、精巣) 警告 H373: 長期にわたる、又は反復暴露による臓器の障害のおそれ(血液、精巣) P260: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。
P314: 気分が悪いときは、医師の診断/手当てを受けること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
IRIS(1997)のラットを用いた経口投与試験で精巣および血液への影響が区分2のガイダンス値範囲で認められたとの記述、ならびにマウスを用いた経口投与試験で精巣への影響が区分2のガイダンス値範囲をやや超える投与量で認められたとの記述から、血液および精巣が標的臓器と考え、区分2とした。
10 吸引性呼吸器有害性 分類できない - - - - データなし。

環境に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起語 危険有害性情報 注意書き 分類根拠・問題点
11 水生環境有害性(急性) 区分1 警告 H400: 水生生物に非常に強い毒性 P273: 環境への放出を避けること。
P391: 漏出物を回収すること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
魚類(アメリカナマズ)の96時間LC50=380μg/L(AQUIRE、2003)から、区分1とした。
11 水生環境有害性(長期間) 区分1 警告 H410: 長期継続的影響によって水生生物に非常に強い毒性 P273: 環境への放出を避けること。
P391: 漏出物を回収すること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
急性毒性が区分1、生物蓄積性が低いと推定されるものの(log Kow=1.18(PHYSPROP Database、2005))、急速分解性がないと推定される(BIOWIN)ことから、区分1とした。


分類結果の利用に関する注意事項:
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 本分類結果は、分類ガイダンス等のマニュアルで定められている情報源と判定方法に基づくものであり、あくまでもSDSやラベル作成の際の参考として公表しているものです。他の文献や試験結果等を根拠として、本内容と異なる分類結果でSDSやラベルを作成することを妨げるものではありません。

参考情報:
使用マニュアル

解説・用語集(エクセルファイル)

厚生労働省モデルSDS

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