GHS分類結果

名称:ピラクロストロビン
CAS番号:175013-18-0

結果:
物質ID: 1358
分類実施者: GHS関係省庁連絡会議
分類実施年度: 平成18年度
使用マニュアル: GHS分類マニュアル(H18.2.10版)

物理化学的危険性
危険有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起語 危険有害性情報 注意書き 分類根拠・問題点
1 爆発物 分類できない - - - - 分子内に爆発性に関連する原子団として隣接した窒素原子およびN-O結合を含む。酸素収支の計算値は-175.3で-200より高いが、データがないために分類できない。
2 可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む) 分類対象外 - - - - GHSの定義による固体である。
3 エアゾール 分類対象外 - - - - エアゾール製品ではない。
4 支燃性/酸化性ガス 分類対象外 - - - - GHSの定義による固体である。
5 高圧ガス 分類対象外 - - - - GHSの定義による固体である。
6 引火性液体 分類対象外 - - - - GHSの定義による固体である。
7 可燃性固体 分類できない - - - - データなし。
8 自己反応性化学品 分類できない - - - - 分子内に爆発性に関連する原子団、あるいは自己反応性に関連する原子団として隣接した窒素原子およびN-O結合を含むが、データがないために分類できない。
9 自然発火性液体 分類対象外 - - - - GHSの定義による固体である。
10 自然発火性固体 分類できない - - - - データなし。
11 自己発熱性化学品 分類できない - - - - 融点が140℃以下の固体に適した試験方法が確立していない。(融点63.7ー65.2℃)
12 水反応可燃性化学品 分類対象外 - - - - 金属または半金属(B, Si, P, Ge, As, Se, Sn, Sb, Te, Bi, Po, At)を含んでいない。
13 酸化性液体 分類対象外 - - - - GHSの定義による固体である。
14 酸化性固体 分類できない - - - - データなし。
15 有機過酸化物 分類対象外 - - - - 分子内に-O-O-構造を有していない有機化合物。
16 金属腐食性物質 分類できない - - - - 固体状の物質に適した試験方法が確立していない。(融点63.7-65.2℃)

健康に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起語 危険有害性情報 注意書き 分類根拠・問題点
1 急性毒性(経口) 区分外 - - - - ラットを用いた経口投与試験でLD50 >5000 mg/kg(農薬登録申請資料)に基づき、区分外とした。
1 急性毒性(経皮) 区分外 - - - - ラットを用いた経皮投与試験でLD50 >2000 mg/kgであり、死亡例がない(農薬登録申請資料)ことに基づき、区分外とした。
1 急性毒性(吸入:ガス) 分類対象外 - - - - GHSの定義による固体である。
1 急性毒性(吸入:蒸気) 分類できない - - - - データなし。
1 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) 区分3 危険 H331: 吸入すると有毒 P304+P340: 吸入した場合:空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。
P403+P233: 換気の良い場所で保管すること。容器を密閉しておくこと。
P261: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーの吸入を避けること。
P271: 屋外又は換気の良い場所でのみ使用すること。
P311: 医師に連絡すること。
P321: 特別な処置が必要である(このラベルの...を見よ)。
P405: 施錠して保管すること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
ラットを用いた吸入試験で、吸入可能粒径とするために溶媒に溶かして実施した結果、LC50 = 0.58 mg/Lであった(農薬登録申請資料)ことに基づき、区分3とした。
2 皮膚腐食性/刺激性 区分3 - 警告 H316: 軽度の皮膚刺激 P332+P313: 皮膚刺激が生じた場合:医師の診断/手当てを受けること。 ウサギを用いた皮膚刺激試験の結果、紅斑又は浮腫の評点の平均値は紅斑が1.8、浮腫が0.4であったとの記載(農薬登録申請資料)に基づき、技術指針に従い区分3とした。
3 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 区分外 - - - - ウサギを用いた眼刺激性試験において、適用24〜72時間における角膜・虹彩の平均評点はいずれも0.0で、結膜評点は発赤1.7、同浮腫0.6で、8日には完全に可逆的であるとの記載(農薬登録申請資料)に基づき、技術指針に従い区分外とした。
4 呼吸器感作性 分類できない - - - - データなし。
4 皮膚感作性 区分外 - - - - モルモットを用いた皮膚感作性試験で陰性であるとの記載(農薬登録申請資料)に基づき、区分外とした。
5 生殖細胞変異原性 区分外 - - - - ヒト経世代疫学、経世代変異原性試験、生殖細胞in vivo変異原性試験の結果が無く、体細胞in vivo変異原性試験(マウス赤血球を用いた小核試験)で陰性であったとの記載(農薬登録申請資料)に基づき、区分外とした。
6 発がん性 区分外 - - - - ラットおよびマウスを用いた発がん性試験で、投与に関連した腫瘍の発生がなかったとの記載(農薬登録申請資料)に基づき、区分外とした。
7 生殖毒性 区分外 - - - - ラットを用いた2世代繁殖試験で母動物の体重低下がみられ、これに起因する児動物の出生時体重の低下とその後の発育遅延がみられるが、繁殖能には影響がなかった。児動物に対して出生児の低体重を反映してその後の発育遅延があるが、日時の経過とともに正常に発育することから、授乳に対する、又は授乳を介した影響はないと判断した。ラット/ウサギの催奇形性試験では催奇形性がみられなかった(農薬登録申請資料)。以上の情報に基づき、区分外とした。
8 特定標的臓器毒性(単回暴露) 区分1(神経系) 危険 H370: 臓器の障害(神経系) P307+P311: 暴露した場合:医師に連絡すること。
P260: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。
P264: 取扱後は...よく洗うこと。
P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。
P321: 特別な処置が必要である(このラベルの...を見よ)。
P405: 施錠して保管すること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
ラットで区分1のガイダンス値範囲内の投与量(0.31 mg/L以上)で、眼瞼閉鎖、呼吸逼迫、あえぎ呼吸、呼吸音、鎮静、うずくまり姿勢、呼吸の不整、亢進および間欠性、血様鼻汁、閉眼、無欲、逃避、立毛および被毛の汚れがみられたとの記載(農薬登録申請資料)に基づき、区分1(神経系)とした。
9 特定標的臓器毒性(反復暴露) 区分2(血液系、十二指腸、肝臓) 警告 H373: 長期にわたる、又は反復暴露による臓器の障害のおそれ(血液系、十二指腸、肝臓) P260: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。
P314: 気分が悪いときは、医師の診断/手当てを受けること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
ラット、マウス、イヌに共通した重要な毒性症状は貧血である。ラットにおいて、区分2のガイダンス値範囲内の投与量(34.7 mg/kg以上)で、十二指腸粘膜過形成、肝びまん性脂肪化の減少、肝細胞肥大、脾臓の組織球症、洞拡張の増加、髄外造血亢進が見られたとの記載(農薬登録申請資料)に基づき、区分2(血液系、十二指腸、肝臓)とした。
10 吸引性呼吸器有害性 分類できない - - - - データなし。

環境に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起語 危険有害性情報 注意書き 分類根拠・問題点
11 水生環境有害性(急性) 区分1 警告 H400: 水生生物に非常に強い毒性 P273: 環境への放出を避けること。
P391: 漏出物を回収すること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
魚類(コイ)の96時間LC50=0.019mg/L(農薬登録申請資料、2003)から、区分1とした。
11 水生環境有害性(長期間) 区分1 警告 H410: 長期継続的影響によって水生生物に非常に強い毒性 P273: 環境への放出を避けること。
P391: 漏出物を回収すること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
急性毒性が区分1、生物蓄積性が低いものの(BCF=494(農薬登録申請資料、1999))、急速分解性が不明であることから、区分1とした。


分類結果の利用に関する注意事項:
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 本分類結果は、分類ガイダンス等のマニュアルで定められている情報源と判定方法に基づくものであり、あくまでもSDSやラベル作成の際の参考として公表しているものです。他の文献や試験結果等を根拠として、本内容と異なる分類結果でSDSやラベルを作成することを妨げるものではありません。

参考情報:
使用マニュアル

解説・用語集(エクセルファイル)

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