GHS分類結果

名称:ケイフッ化水素酸
CAS番号:16961-83-4

結果:
物質ID: 1351
分類実施者: GHS関係省庁連絡会議
分類実施年度: 平成18年度
使用マニュアル: GHS分類マニュアル(H18.2.10版)

物理化学的危険性
危険有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起語 危険有害性情報 注意書き 分類根拠・問題点
1 爆発物 分類対象外 - - - - 爆発性に関連する原子団を含んでいない。
2 可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む) 分類対象外 - - - - GHS分類における液体。
3 エアゾール 分類対象外 - - - - エアゾール製品でない。
4 支燃性/酸化性ガス 分類対象外 - - - - GHS分類における液体。
5 高圧ガス 分類対象外 - - - - GHS分類における液体。
6 引火性液体 区分外 - - - - 不燃性(ICSC(J), 1995)。
7 可燃性固体 分類対象外 - - - - GHS分類における液体。
8 自己反応性化学品 分類対象外 - - - - 爆発性に関連する原子団、あるいは自己反応性に関連する原子団を含んでいない。
9 自然発火性液体 区分外 - - - - 不燃性(ICSC(J), 1995)。
10 自然発火性固体 分類対象外 - - - - GHS分類における液体。
11 自己発熱性化学品 区分外 - - - - 不燃性(ICSC(J), 1995)。
12 水反応可燃性化学品 区分外 - - - - 本物質は水溶液として販売されており、刺激臭のある煙を発するが、引火性/可燃性ガスを発生するという情報はなく、区分外とした。
13 酸化性液体 分類できない - - - - データなし。
14 酸化性固体 分類対象外 - - - - GHS分類における液体。
15 有機過酸化物 分類対象外 - - - - 無機化合物。
16 金属腐食性物質 分類できない - - - - 物質固有の国連番号(1778)によりUNRTDGが8、IIに分類されているが、鋼またはアルミニウムによる試験データがなく、分類できない。 (鋼については"Usually stored in iron containers"(Merck, 13th, 2001)との記述もある。)

健康に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起語 危険有害性情報 注意書き 分類根拠・問題点
1 急性毒性(経口) 区分4 警告 H302: 飲み込むと有害 P301+P312: 飲み込んだ場合:気分が悪いときは医師に連絡すること。
P264: 取扱後は...よく洗うこと。
P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。
P330: 口をすすぐこと。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
ラットに対するLD50値 430 mg/kg(RTECS(2000), HSDB(2004))より区分4とした。
1 急性毒性(経皮) 分類できない - - - - データなし。
1 急性毒性(吸入:ガス) 分類対象外 - - - - GHSの定義における液体。
1 急性毒性(吸入:蒸気) 分類できない - - - - データなし。
1 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) 分類できない - - - - データなし。
2 皮膚腐食性/刺激性 区分1A-1C 危険 H314: 重篤な皮膚の薬傷及び眼の損傷 P301+P330+P331: 飲み込んだ場合:口をすすぐこと。無理に吐かせないこと。
P303+P361+P353: 皮膚(又は髪)に付着した場合:直ちに汚染された衣類を全て脱ぐこと/取り除くこと。皮膚を流水/シャワーで洗うこと。
P305+P351+P338: 眼に入った場合:水で数分間注意深く洗うこと。次にコンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。
P304+P340: 吸入した場合:空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。
P260: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。
P264: 取扱後は...よく洗うこと。
P280: 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。
P310: 直ちに医師に連絡すること。
P321: 特別な処置が必要である(このラベルの...を見よ)。
P363: 汚染された衣類を再使用する場合には洗濯をすること。
P405: 施錠して保管すること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
ヒトに対して「皮膚を腐食する」という記述があり(ICSC(2004), SITTIG(4th, 2002))、EUリスク警句でも「C; R34(Causes burns)」であるため区分1A-1Cとした。 【表示】細区分を行う必要がある場合は、安全性の観点から1Aとした方が望ましい。
3 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 区分1 危険 H318: 重篤な眼の損傷 P305+P351+P338: 眼に入った場合:水で数分間注意深く洗うこと。次にコンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。
P280: 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。
P310: 直ちに医師に連絡すること。
ヒトの眼に対して腐食性を示す記述がある(ICSC(2004), SITTIG(4th, 2002))こと、および、皮膚に対しても腐食性があることから区分1とした。
4 呼吸器感作性 分類できない - - - - データなし。
4 皮膚感作性 分類できない - - - - データなし。
5 生殖細胞変異原性 分類できない - - - - データ不足のため分類できない。
6 発がん性 分類できない - - - - データなし。
7 生殖毒性 分類できない - - - - データなし。
8 特定標的臓器毒性(単回暴露) 区分2(呼吸器系(吸入)、消化器系、中枢神経系) 警告 H371: 臓器の障害のおそれ(呼吸器系{吸入}、消化器系、中枢神経系) P309+P311: 暴露したとき、又は気分が悪いとき:医師に連絡すること。
P260: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。
P264: 取扱後は...よく洗うこと。
P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。
P405: 施錠して保管すること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
Priority 2でのヒトに対する記述(気道に対して腐食性を示す。蒸気の吸入により肺水腫を起こすことがある(ICSC(2004))、肺、鼻、のどに重度の刺激性がある、のどや胃に重度の障害をもたらす(HSDB(2004))、吸入による呼吸困難や嘔吐、吐き気等、および経口での腹部の灼熱感、のどや消化管の痛み、振戦、痙攣(SITTIG(4th, 2002)))、ならびに、タンク車からの漏出事故での皮膚・気道への刺激や頭痛(HSDB(2004))、本物質が過剰混入された水道水を飲んで軽い胃腸炎を起こしたという報告があること(IUCLID(2000))から、区分2(呼吸器系(吸入)、消化器系、中枢神経系)とした。
9 特定標的臓器毒性(反復暴露) 区分2(歯・骨、呼吸器系) 警告 H373: 長期にわたる、又は反復暴露による臓器の障害のおそれ(歯・骨、呼吸器系) P260: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。
P314: 気分が悪いときは、医師の診断/手当てを受けること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
Priority 2でのヒトに対する記述(長期暴露により骨の変化、ならびに粘膜(鼻、のど、気管支)への腐食性影響、肺炎等が起こる(HSDB(2004))、歯・骨に影響を与え、フッ素症を起こすことがある(ICSC(2004))から、区分2(歯・骨、呼吸器系)とした。
10 吸引性呼吸器有害性 分類できない - - - - データなし。

環境に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起語 危険有害性情報 注意書き 分類根拠・問題点
11 水生環境有害性(急性) 分類できない - - - - データ不足のため分類できない。
11 水生環境有害性(長期間) 分類できない - - - - データ不足のため分類できない。


分類結果の利用に関する注意事項:
 政府による分類結果は、GHSに基づくSDSやラベル作成の際に自由に引用および複写を行うことができます。ただし、引用および複写をした上で作成されたSDS・ラベルの内容に対する責任は、SDS・ラベル作成者にあることにご留意ください。
 本分類結果は、分類ガイダンス等のマニュアルで定められている情報源と判定方法に基づくものであり、あくまでもSDSやラベル作成の際の参考として公表しているものです。他の文献や試験結果等を根拠として、本内容と異なる分類結果でSDSやラベルを作成することを妨げるものではありません。

参考情報:
使用マニュアル

解説・用語集(エクセルファイル)

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厚生労働省モデルSDS

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