GHS分類結果

名称:ベタナフトール
CAS番号:135-19-3

結果:
物質ID: 1349
分類実施者: GHS関係省庁連絡会議
分類実施年度: 平成18年度
使用マニュアル: GHS分類マニュアル(H18.2.10版)

物理化学的危険性
危険有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起語 危険有害性情報 注意書き 分類根拠・問題点
1 爆発物 分類対象外 - - - - 爆発性に関連する原子団を含んでいない。
2 可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む) 分類対象外 - - - - GHSの定義における固体。
3 エアゾール 分類対象外 - - - - エアゾール製品でない。
4 支燃性/酸化性ガス 分類対象外 - - - - GHSの定義における固体。
5 高圧ガス 分類対象外 - - - - GHSの定義における固体。
6 引火性液体 分類対象外 - - - - GHSの定義における固体。
7 可燃性固体 分類できない - - - - 可燃性(ICSC(J), 2005)であるが、試験データがなく分類できない。
8 自己反応性化学品 分類対象外 - - - - 爆発性に関連する原子団、あるいは自己反応性に関連する原子団を含んでいない。
9 自然発火性液体 分類対象外 - - - - GHSの定義における固体。
10 自然発火性固体 区分外 - - - - HSDB(2006)に引火点が153℃(CLOSED CUP)との記載があり、常温の空気と接触しても自然発火性はないと考えられ、区分外とした。
11 自己発熱性化学品 区分外 - - - - 工業原料として広く使用されており(染料、防腐剤など)、自己発熱性はないと考えられ、区分外とした。
12 水反応可燃性化学品 分類対象外 - - - - 金属または半金属(B, Si, P, Ge, As, Se, Sn, Sb, Te, Bi, Po, At)を含んでいない。
13 酸化性液体 分類対象外 - - - - GHSの定義における固体。
14 酸化性固体 分類対象外 - - - - 酸素を含む有機化合物であるが、この酸素が炭素、水素以外の元素と化学結合していない。
15 有機過酸化物 分類対象外 - - - - 分子内に-O-O-構造を含まない有機化合物。
16 金属腐食性物質 分類できない - - - - 固体状の物質に適した試験方法が確立していない。

健康に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起語 危険有害性情報 注意書き 分類根拠・問題点
1 急性毒性(経口) 区分4 警告 H302: 飲み込むと有害 P301+P312: 飲み込んだ場合:気分が悪いときは医師に連絡すること。
P264: 取扱後は...よく洗うこと。
P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。
P330: 口をすすぐこと。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
雌・雄ラットを用いた経口投与試験のLD50値1320mg/kg(SIDS, 2006; IUCLID, 2000)に基づき区分4とした。
1 急性毒性(経皮) 区分外 - - - - ラット及びウサギを用いた経皮投与試験のLD50値>10000mg/kg(SIDS, 2006)から区分外とした。
1 急性毒性(吸入:ガス) 分類対象外 - - - - GHSの定義における固体。
1 急性毒性(吸入:蒸気) 分類できない - - - - データなし。
1 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) 区分4 警告 H332: 吸入すると有害 P304+P340: 吸入した場合:空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。
P261: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーの吸入を避けること。
P271: 屋外又は換気の良い場所でのみ使用すること。
P312: 気分が悪いときは医師に連絡すること。
雌・雄ラットを用いた吸入投与試験のLC50値2.2mg/L/4H(2200mg/m3/4H)(SIDS, 2006; IUCLID, 2000)に基づき区分4とした。
2 皮膚腐食性/刺激性 区分外 - - - - ウサギ眼を刺激しない(SIDS, 2006; IUCLID, 2000)との記述から区分外とした。
3 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 区分2A 警告 H319: 強い眼刺激 P305+P351+P338: 眼に入った場合:水で数分間注意深く洗うこと。次にコンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。
P337+P313: 眼の刺激が続く場合:医師の診断/手当てを受けること。
P264: 取扱後は...よく洗うこと。
P280: 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。
ヒト眼(ICSC(J), 2005)及びウサギ眼(SIDS, 2006; IUCLID, 2000)を重篤に(Serious)に刺激するとの記述から区分2Aとした。
4 呼吸器感作性 分類できない - - - - データなし。
4 皮膚感作性 区分1 警告 H317: アレルギー性皮膚反応を起こすおそれ P302+P352: 皮膚に付着した場合:多量の水と石鹸で洗うこと。
P333+P313: 皮膚刺激又は発疹が生じた場合:医師の診断/手当てを受けること。
P261: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーの吸入を避けること。
P272: 汚染された作業衣は作業場から出さないこと。
P280: 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。
P321: 特別な処置が必要である(このラベルの...を見よ)。
P363: 汚染された衣類を再使用する場合には洗濯をすること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
ヒト皮膚を感作する(SIDS, 2006; IUCLID, 2000; ICSC(J), 2005)及びモルモット皮膚を感作する(SIDS, 2006; IUCLID, 2000)との記述から皮膚感作性は区分1とした。
5 生殖細胞変異原性 区分外 - - - - In vivo変異原性試験(マウス骨髄細胞を用いる小核試験)で陰性(SIDS, 2006)から区分外とした。なお、細菌を用いる復帰突然変異試験(Ames test)でも陰性(SIDS, 2006; IUCLID, 2000)である。
6 発がん性 分類できない - - - - 限定された試験で雌マウス皮膚における発がんプロモーター活性はなかった(SIDS, 2006; IUCLID, 2000)との知見があるのみで、データ不足で分類できない。
7 生殖毒性 区分外 - - - - 雌雄ラットを用いた一世代試験で繁殖毒性及び奇形への影響はない(SIDS, 2006)との記述から区分外とした。
8 特定標的臓器毒性(単回暴露) 区分2(腎臓、血液) 警告 H371: 臓器の障害のおそれ(腎臓、血液) P309+P311: 暴露したとき、又は気分が悪いとき:医師に連絡すること。
P260: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。
P264: 取扱後は...よく洗うこと。
P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。
P405: 施錠して保管すること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
ヒト暴露で腎臓障害、溶血性貧血(HSDB, 2006)、またヒト最小中毒量(0.5mg/m3)の吸入で血尿(RTECS, 2006)との記述から区分2(腎臓、血液)とした。
9 特定標的臓器毒性(反復暴露) 区分1(腎臓)、区分2(血液) 危険
警告
H373: 長期にわたる、又は反復暴露による臓器の障害のおそれ(血液)
H372: 長期にわたる、又は反復暴露による臓器の障害(腎臓)
P260: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。
P264: 取扱後は...よく洗うこと。
P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。
P314: 気分が悪いときは、医師の診断/手当てを受けること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
ヒトにおいて腎機能の変化(SIDS, 2006; ICSC(J), 2005)、血液に影響を与える(ICSC(J), 2005)との記述から区分1(腎臓)、区分2(血液)とした。なお、ICSC(J)(2005)には「眼に影響を与え、水晶体混濁を生じることがある」との記述があるが、古いデータに基づく記述であり、Priority 1文書のSIDS(2006)では眼への影響は述べられていないため、分類には含めなかった。
10 吸引性呼吸器有害性 分類できない - - - - データなし。

環境に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起語 危険有害性情報 注意書き 分類根拠・問題点
11 水生環境有害性(急性) 区分2 - - H401: 水生生物に毒性 P273: 環境への放出を避けること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
甲殻類(ブラウンシュリンプ)の96時間LC50=2500μg/L(AQUIRE、2003)から、区分2とした。
11 水生環境有害性(長期間) 区分外 - - - - 急速分解性があり(BODによる分解度:68.4%(既存化学物質安全性点検データ))、かつ生物蓄積性が低いと推定される(log Kow=2.7(PHYSPROP Database、2005))ことから、区分外とした。


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 本分類結果は、分類ガイダンス等のマニュアルで定められている情報源と判定方法に基づくものであり、あくまでもSDSやラベル作成の際の参考として公表しているものです。他の文献や試験結果等を根拠として、本内容と異なる分類結果でSDSやラベルを作成することを妨げるものではありません。

参考情報:
使用マニュアル

解説・用語集(エクセルファイル)

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厚生労働省モデルSDS

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