名称:塩化第一スズ
CAS番号:7772-99-8
物質ID: | 1282 |
分類実施者: | GHS関係省庁連絡会議 |
分類実施年度: | 平成18年度 |
使用マニュアル: | GHS分類マニュアル(H18.2.10版) |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
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1 | 爆発物 | 分類対象外 | - | - | - | - | 爆発性に関連する原子団を含んでいない。 |
2 | 可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む) | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における固体。 |
3 | エアゾール | 分類対象外 | - | - | - | - | エアゾール製品でない。 |
4 | 支燃性/酸化性ガス | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における固体。 |
5 | 高圧ガス | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における固体。 |
6 | 引火性液体 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における固体。 |
7 | 可燃性固体 | 区分外 | - | - | - | - | 不燃性(ICSC(J), 2004)。 |
8 | 自己反応性化学品 | 分類対象外 | - | - | - | - | 爆発性に関連する原子団、あるいは自己反応性に関連する原子団を含んでいない。 |
9 | 自然発火性液体 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における固体。 |
10 | 自然発火性固体 | 区分外 | - | - | - | - | 不燃性(ICSC(J), 2004)。 |
11 | 自己発熱性化学品 | 区分外 | - | - | - | - | 不燃性(ICSC(J), 2004)。 |
12 | 水反応可燃性化学品 | 区分外 | - | - | - | - | 水に対して安定。(水溶解度の数値が得られている。) |
13 | 酸化性液体 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における固体。 |
14 | 酸化性固体 | 区分外 | - | - | - | - | 還元性物質(ICSC(J), 2004; Merck, 13th, 2001)。 |
15 | 有機過酸化物 | 分類対象外 | - | - | - | - | 無機化合物。 |
16 | 金属腐食性物質 | 分類できない | - | - | - | - | 固体状の物質に適した試験方法が確立していない。 |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
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1 | 急性毒性(経口) | 区分5 | - | 警告 | H303: 飲み込むと有害のおそれ | P312: 気分が悪いときは医師に連絡すること。 | ラット経口LD50値2300 mg/kg(JECFA, 2001)に基づき、区分5とした。LD50値 700mg/kgとのデータもあるが、1942年のものと古く最新の評価では採用されておらず、スズとしてLD50値は1.1-1.7 g/kg(塩化第一スズとして1.8-2.7g/kgに相当)と評価している(CICAD 65, 2005)ことから、同データは採用しなかった。 【注】塩化第一スズには無水物と二水和物(CAS No.10025-69-1)があるが、本GHS分類では無水物(CAS No.7772-99-8)として調査を行った。 |
1 | 急性毒性(経皮) | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
1 | 急性毒性(吸入:ガス) | 分類対象外 | - | - | - | - | GHS定義における固体。 |
1 | 急性毒性(吸入:蒸気) | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
1 | 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
2 | 皮膚腐食性/刺激性 | 分類できない | - | - | - | - | ウサギ皮膚への0.5%溶液(DFGOT 14, 2000)あるいは2%溶液(CICAD 65, 20005)の塗布で影響は認められず、また、ヒトパッチテストにおいて、5%および10%溶液は皮膚刺激性を示した(1%では認められず)(DFGOT 14, 2000)との記述があるが、データ不足で分類できない。 |
3 | 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 | 区分2A-2B | 警告 | H319: 強い眼刺激 |
P305+P351+P338: 眼に入った場合:水で数分間注意深く洗うこと。次にコンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。 P337+P313: 眼の刺激が続く場合:医師の診断/手当てを受けること。 P264: 取扱後は...よく洗うこと。 P280: 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。 |
本物質は眼刺激性を示す(ICSC, 2004)、また、無機スズ化合物は眼刺激性を示す(ACGIH-TLV(2006))との記述から、区分2A-2Bとした。なお、細区分は困難である。 | |
4 | 呼吸器感作性 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
4 | 皮膚感作性 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
5 | 生殖細胞変異原性 | 区分外 | - | - | - | - | マウス骨髄小核試験における陰性(CICAD 65, 2005)から、区分外とした。また、in vitro変異原性試験ではAmes試験およびマウスリンフォーマ試験で陰性であったが、染色体異常試験では陽性であった。この陽性は培養液環境の変化に起因した可能性があるとしている(CICAD 65, 2005)。なお、マウス小核試験と並行して実施したマウス骨髄染色体異常試験において弱陽性反応がみられたが(RTECS, 2004)、反応は弱く、明確な用量依存性がなく、CICADの評価では用いられていない。 |
6 | 発がん性 | 区分外 | - | - | - | - | ラットおよびマウスを用いた発がん性試験において明確な陽性所見が得られなかった(CICAD 65, 2005)ことから、区分外とした。なお、当該NTP試験の結果では、雄ラットにおいては甲状腺のC細胞腺腫頻度の上昇がみられequivocalとしてているが、蛍光灯の影響による可能性を示唆している(CICAD 65, 2005)。 |
7 | 生殖毒性 | 区分外 | - | - | - | - | マウスあるいはラットにおいて生殖発生毒性への影響がみられなかった(CICAD 65, 2005)ことから、区分外とした。 |
8 | 特定標的臓器毒性(単回暴露) | 区分3(気道刺激性) | 警告 | H335: 呼吸器への刺激のおそれ(気道刺激性) |
P304+P340: 吸入した場合:空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。 P403+P233: 換気の良い場所で保管すること。容器を密閉しておくこと。 P261: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーの吸入を避けること。 P271: 屋外又は換気の良い場所でのみ使用すること。 P312: 気分が悪いときは医師に連絡すること。 P405: 施錠して保管すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
本物質は気道刺激性を示す(ICSC, 2004)、また、無機スズ化合物は気道刺激性を示す(ACGIH-TLV(2006))としていることから、区分3(気道刺激性)とした。なお、動物における単回投与において、区分2のガイダンス値以内において影響はみられなかった(CICAD 65, 2005)。 | |
9 | 特定標的臓器毒性(反復暴露) | 区分1(肺) | 危険 | H372: 長期にわたる、又は反復暴露による臓器の障害(肺) |
P260: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。 P264: 取扱後は...よく洗うこと。 P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。 P314: 気分が悪いときは、医師の診断/手当てを受けること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
13週間の混餌投与による動物試験において、区分2のガイダンス値以内において影響はみられなかった(CICAD 65, 2005)が、無機スズ化合物として塵肺の恐れがある(ACGIH-TLV(2006))としており、区分1(肺)とした。なお、成書におけるスズ塩の毒性に関する記述の中に「良性の塵肺」という記載がみられる。 | |
10 | 吸引性呼吸器有害性 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
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11 | 水生環境有害性(急性) | 区分1 | 警告 | H400: 水生生物に非常に強い毒性 |
P273: 環境への放出を避けること。 P391: 漏出物を回収すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
藻類(タラシオシラ)の72時間EC50=200μg/L(AQUIRE、2003)から、区分1とした。 | |
11 | 水生環境有害性(長期間) | 区分1 | 警告 | H410: 長期継続的影響によって水生生物に非常に強い毒性 |
P273: 環境への放出を避けること。 P391: 漏出物を回収すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
急性毒性が区分1、金属化合物であり水中での挙動および生物蓄積性が不明であるため、区分1とした。 |
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