GHS分類結果

名称:シュウ酸トリウム
CAS番号:2040-52-0

結果:
物質ID: 1260
分類実施者: GHS関係省庁連絡会議
分類実施年度: 平成18年度
使用マニュアル: GHS分類マニュアル(H18.2.10版)

物理化学的危険性
危険有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起語 危険有害性情報 注意書き 分類根拠・問題点
1 爆発物 分類対象外 - - - - 爆発性に関連する原子団を含んでいない。
2 可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む) 分類対象外 - - - - GHSの定義における固体。
3 エアゾール 分類対象外 - - - - エアゾール製品でない。
4 支燃性/酸化性ガス 分類対象外 - - - - GHSの定義における固体。
5 高圧ガス 分類対象外 - - - - GHSの定義における固体。
6 引火性液体 分類対象外 - - - - GHSの定義における固体。
7 可燃性固体 分類できない - - - - データなし。
8 自己反応性化学品 分類対象外 - - - - 爆発性に関連する原子団、あるいは自己反応性に関連する原子団を含んでいない。
9 自然発火性液体 分類対象外 - - - - GHSの定義における固体。
10 自然発火性固体 分類できない - - - - データなし。
11 自己発熱性化学品 分類できない - - - - データなし。
12 水反応可燃性化学品 区分外 - - - - 水に対して安定。(文献に「水に溶解する」との記載がある。)
13 酸化性液体 分類対象外 - - - - GHSの定義における固体。
14 酸化性固体 分類できない - - - - データなし。
15 有機過酸化物 分類対象外 - - - - 無機化合物。
16 金属腐食性物質 分類できない - - - - 固体状の物質に適した試験方法が確立していない。

健康に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起語 危険有害性情報 注意書き 分類根拠・問題点
1 急性毒性(経口) 分類できない - - - - データなし。
1 急性毒性(経皮) 分類できない - - - - データなし。
1 急性毒性(吸入:ガス) 分類対象外 - - - - GHSの定義における固体。
1 急性毒性(吸入:蒸気) 分類できない - - - - データなし。
1 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) 分類できない - - - - データなし。
2 皮膚腐食性/刺激性 分類できない - - - - SITTIG(4th, 2002)にトリウム化合物は皮膚を刺激するとの記載があるが、本物質のデータはなく、データ不足のため分類できない。なお、しゅう酸(ID No.0595、CAS No.144-62-7)も参照のこと。
3 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 分類できない - - - - SITTIG(4th, 2002)にトリウム化合物は眼を刺激するとの記載があるが、本物質のデータはなく、データ不足のため分類できない。なお、しゅう酸(ID No.0595、CAS No.144-62-7)も参照のこと。
4 呼吸器感作性 分類できない - - - - データなし。
4 皮膚感作性 分類できない - - - - データなし。
5 生殖細胞変異原性 区分2 警告 H341: 遺伝性疾患のおそれの疑い P308+P313: 暴露又は暴露の懸念がある場合:医師の診断/手当てを受けること。
P201: 使用前に取扱説明書を入手すること。
P202: 全ての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。
P281: 指定された個人用保護具を使用すること。
P405: 施錠して保管すること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
本物質のデータはないが、トリウムは放射性物質であり、酸化トリウムの内部被爆によりヒトの染色体異常や遺伝子突然変異が誘発されたとの記載(IARC 78, 2001; HSDB, 2003)、また、トリウムまたはトリウム化合物は遺伝性の遺伝子損傷作用が示唆されるとの記載(ICSC(J), 1990; SITTIG, 4th, 2002)があることから、区分2とした。
6 発がん性 区分1 危険 H350: 発がんのおそれ P308+P313: 暴露又は暴露の懸念がある場合:医師の診断/手当てを受けること。
P201: 使用前に取扱説明書を入手すること。
P202: 全ての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。
P281: 指定された個人用保護具を使用すること。
P405: 施錠して保管すること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
本物質のデータはないが、同じトリウム化合物である酸化トリウムはIARC 78(2001)ではGroup 1、NTP RoC(11th, 2005)ではKに分類されている(いずれも区分1相当)。放射性物質であることを考慮して、本物質も区分1とした。
7 生殖毒性 区分2 警告 H361: 生殖能又は胎児への悪影響のおそれの疑い P308+P313: 暴露又は暴露の懸念がある場合:医師の診断/手当てを受けること。
P201: 使用前に取扱説明書を入手すること。
P202: 全ての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。
P281: 指定された個人用保護具を使用すること。
P405: 施錠して保管すること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
本物質のデータはないが、Priority 2文書のICSC(J)(1990)、SITTIG(4th, 2002)には放射性物質であるトリウムまたはトリウム化合物は先天性異常誘発が示唆されるとの記載があり(PATTY(5th, 2001)にもトリウム含有物の廃棄場付近の住民に先天性異常の発生率が高かったとの報告がある)、区分2とした。
8 特定標的臓器毒性(単回暴露) 区分2(肺、骨髄) 警告 H371: 臓器の障害のおそれ(肺、骨髄) P309+P311: 暴露したとき、又は気分が悪いとき:医師に連絡すること。
P260: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。
P264: 取扱後は...よく洗うこと。
P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。
P405: 施錠して保管すること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
本物質のデータはないが、Priority 2文書のICSC(J)(1990)、SITTIG(4th, 2002)にはトリウムまたはトリウム化合物の短期暴露により肺、骨髄(造血系)に影響を与えるとの記載があり、区分2(肺、骨髄)とした。
9 特定標的臓器毒性(反復暴露) 区分2(肺、肝臓、腎臓、細網内皮系) 警告 H373: 長期にわたる、又は反復暴露による臓器の障害のおそれ(肺、肝臓、腎臓、細網内皮系) P260: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。
P314: 気分が悪いときは、医師の診断/手当てを受けること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
本物質のデータはないが、Priority 2文書のICSC(J)(1990)、SITTIG(4th, 2002)にはトリウムまたはトリウム化合物の反復暴露により肺、肝臓、腎臓、細網内皮系に影響を与えるとの記載があり(反復暴露か明確ではないが、PATTY(5th, 2001)にも同様の記載あり)、区分2(肺、肝臓、腎臓、細網内皮系)とした。
10 吸引性呼吸器有害性 分類できない - - - - データなし。

環境に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起語 危険有害性情報 注意書き 分類根拠・問題点
11 水生環境有害性(急性) 分類できない - - - - データがなく分類できない。
11 水生環境有害性(長期間) 分類できない - - - - データがなく分類できない。


分類結果の利用に関する注意事項:
 政府による分類結果は、GHSに基づくSDSやラベル作成の際に自由に引用および複写を行うことができます。ただし、引用および複写をした上で作成されたSDS・ラベルの内容に対する責任は、SDS・ラベル作成者にあることにご留意ください。
 本分類結果は、分類ガイダンス等のマニュアルで定められている情報源と判定方法に基づくものであり、あくまでもSDSやラベル作成の際の参考として公表しているものです。他の文献や試験結果等を根拠として、本内容と異なる分類結果でSDSやラベルを作成することを妨げるものではありません。

参考情報:
使用マニュアル

解説・用語集(エクセルファイル)

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厚生労働省モデルSDS

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