名称:重クロム酸アンモニウム
CAS番号:7789-09-5
物質ID: | 1254 |
分類実施者: | GHS関係省庁連絡会議 |
分類実施年度: | 平成18年度 |
使用マニュアル: | GHS分類マニュアル(H18.2.10版) |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
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1 | 爆発物 | 分類対象外 | - | - | - | - | 爆発性に関連する原子団を含んでいない。 |
2 | 可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む) | 分類対象外 | - | - | - | - | GHS定義における固体。 |
3 | エアゾール | 分類対象外 | - | - | - | - | エアゾール製品でない。 |
4 | 支燃性/酸化性ガス | 分類対象外 | - | - | - | - | GHS定義における固体。 |
5 | 高圧ガス | 分類対象外 | - | - | - | - | GHS定義における固体。 |
6 | 引火性液体 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHS定義における固体。 |
7 | 可燃性固体 | 区分外 | - | - | - | - | 可燃性だが(ICSC(J)(2005)には「不燃性」の記載あり)、物質固有の国連番号(1439)によりUNRTDGが5.1、IIに分類されており、4.1が付されていないため、区分外とした。 |
8 | 自己反応性化学品 | 分類対象外 | - | - | - | - | 酸化性固体に分類されている。 |
9 | 自然発火性液体 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHS定義における固体。 |
10 | 自然発火性固体 | 区分外 | - | - | - | - | 発火点が190℃(HSDB, 2003)であり、区分外とした。 |
11 | 自己発熱性化学品 | 区分外 | - | - | - | - | 物質固有の国連番号(1439)によりUNRTDGが5.1、IIに分類されており、4.2が付されていないため、区分外とした。 |
12 | 水反応可燃性化学品 | 区分外 | - | - | - | - | 水に対して安定。(水溶解度の数値が得られている。) |
13 | 酸化性液体 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHS定義における固体。 |
14 | 酸化性固体 | 区分2 | 危険 | H272: 火災助長のおそれ:酸化性物質 |
P370+P378: 火災の場合:消火するために...を使用すること。 P210: 熱/火花/裸火/高温のもののような着火源から遠ざけること。−禁煙。 P220: 衣類/.../可燃物から遠ざけること。 P221: 可燃物と混合を回避するために予防策をとること。 P280: 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
物質固有の国連番号(1439)によりUNRTDGが5.1、IIに分類されており、区分2とした。 | |
15 | 有機過酸化物 | 分類対象外 | - | - | - | - | 無機化合物。 |
16 | 金属腐食性物質 | 分類できない | - | - | - | - | 固体状の物質に適した試験方法が確立していない。 |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
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1 | 急性毒性(経口) | 区分2 | 危険 | H300: 飲み込むと生命に危険 |
P301+P310: 飲み込んだ場合:直ちに医師に連絡すること。 P264: 取扱後は...よく洗うこと。 P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。 P321: 特別な処置が必要である(このラベルの...を見よ)。 P330: 口をすすぐこと。 P405: 施錠して保管すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
ラットにおける経口LD50 = 55(雄), 48(雌)mg/kg(EU-RAR(2005))から値の小さい48 mg/kgを採用し、区分2とした。 | |
1 | 急性毒性(経皮) | 区分4 | 警告 | H312: 皮膚に接触すると有害 |
P302+P352: 皮膚に付着した場合:多量の水と石鹸で洗うこと。 P280: 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。 P312: 気分が悪いときは医師に連絡すること。 P322: 特別な処置が必要である(このラベルの...を見よ)。 P363: 汚染された衣類を再使用する場合には洗濯をすること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
ウサギにおける経皮LD50 = 1860 mg/kg(EU-RAR(2005))から、区分4とした。 | |
1 | 急性毒性(吸入:ガス) | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における固体。 |
1 | 急性毒性(吸入:蒸気) | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
1 | 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) | 区分2 | 危険 | H330: 吸入すると生命に危険 |
P304+P340: 吸入した場合:空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。 P403+P233: 換気の良い場所で保管すること。容器を密閉しておくこと。 P260: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。 P271: 屋外又は換気の良い場所でのみ使用すること。 P284: 呼吸用保護具を着用すること。 P310: 直ちに医師に連絡すること。 P320: 特別な処置が緊急に必要である(このラベルの...を見よ)。 P405: 施錠して保管すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
ラット吸入試験(ミスト)におけるLC50(4hr)= 0.2 mg/L(EU-RAR(2005))から、区分2とした。 | |
2 | 皮膚腐食性/刺激性 | 区分1A-1C | 危険 | H314: 重篤な皮膚の薬傷及び眼の損傷 |
P301+P330+P331: 飲み込んだ場合:口をすすぐこと。無理に吐かせないこと。 P303+P361+P353: 皮膚(又は髪)に付着した場合:直ちに汚染された衣類を全て脱ぐこと/取り除くこと。皮膚を流水/シャワーで洗うこと。 P305+P351+P338: 眼に入った場合:水で数分間注意深く洗うこと。次にコンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。 P304+P340: 吸入した場合:空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。 P260: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。 P264: 取扱後は...よく洗うこと。 P280: 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。 P310: 直ちに医師に連絡すること。 P321: 特別な処置が必要である(このラベルの...を見よ)。 P363: 汚染された衣類を再使用する場合には洗濯をすること。 P405: 施錠して保管すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
ヒトの皮膚に対して腐食性を示す(ICSC(J)(2005))、皮膚への接触により深部潰瘍を生じる(SITTIG(4th,2002))との記述があり、EUリスク警句でも「C; R34(熱傷を生じる)」と分類されていることから区分1A-1Cとした。なお、本データからの細区分は困難である。 | |
3 | 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 | 区分1 | 危険 | H318: 重篤な眼の損傷 |
P305+P351+P338: 眼に入った場合:水で数分間注意深く洗うこと。次にコンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。 P280: 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。 P310: 直ちに医師に連絡すること。 |
ヒトの眼に対して腐食性を示す(ICSC(J)(2005))、失明の可能性を伴う重篤な障害を与える(SITTIG(4th, 2002), HSFS(1986))との記述があり、皮膚腐食性でも区分1と分類されていることから、区分1とした。 | |
4 | 呼吸器感作性 | 区分1 | 危険 | H334: 吸入するとアレルギー、喘息又は呼吸困難を起こすおそれ |
P304+P341: 吸入した場合:呼吸が困難な場合には、空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。 P342+P311: 呼吸に関する症状が出た場合:医師に連絡すること。 P261: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーの吸入を避けること。 P285: 換気が十分でない場合には、呼吸用保護具を着用すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
本物質は、ヒトへの反復または長期の吸入により喘息を起こすことがある(ICSC(J)(2005))ことに加え、EUリスク警句では「R42(吸入により感作を引き起こすことがある)」に分類されている。また、日本産業衛生学会では、クロム及びクロム化合物を「第2群(人間に対しておそらく感作性があると考えられる物質)」、日本職業・環境アレルギー学会特設委員会ではクロムを呼吸器感作性がある物質に分類していることから、本物質は呼吸器感作性を有すると考えられ、区分1とした。 | |
4 | 皮膚感作性 | 区分1 | 警告 | H317: アレルギー性皮膚反応を起こすおそれ |
P302+P352: 皮膚に付着した場合:多量の水と石鹸で洗うこと。 P333+P313: 皮膚刺激又は発疹が生じた場合:医師の診断/手当てを受けること。 P261: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーの吸入を避けること。 P272: 汚染された作業衣は作業場から出さないこと。 P280: 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。 P321: 特別な処置が必要である(このラベルの...を見よ)。 P363: 汚染された衣類を再使用する場合には洗濯をすること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
本物質は、ヒトへの反復または長期の接触により、皮膚が感作されることがある(ICSC(J)(2005))ことに加え、本物質への職業暴露による皮膚感作性の報告がある(IUCLID(2000))。またEUリスク警句では「R43(皮膚接触により感作を引き起こすことがある)」に分類されている。さらに、DFGでは六価のクロム化合物を「Sh(皮膚感作の危険性)」、日本産業学会ではクロム及びクロム化合物を「第1群(人間に対して明らかに感作性がある物質)」に分類していることから、本物質は皮膚感作性を有すると考えられ、区分1とした。 | |
5 | 生殖細胞変異原性 | 区分2 | 警告 | H341: 遺伝性疾患のおそれの疑い |
P308+P313: 暴露又は暴露の懸念がある場合:医師の診断/手当てを受けること。 P201: 使用前に取扱説明書を入手すること。 P202: 全ての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。 P281: 指定された個人用保護具を使用すること。 P405: 施錠して保管すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
本物質のデータとしてはin vitro変異原性試験(Ames)における陽性(EHC61(1988), IUCLID(2000))のみであるが、高水溶性六価クロム化合物については、in vivoにおける変異原性知見が示されている(NTP RoC(11th, 2005), IARC49(1990), EU-RAR(2005))ことから、区分2とした。なお、二クロム酸カリウム(ID262, CAS: 7778-50-9、重クロム酸カリウム)は優性致死試験陽性から区分1Bに、重クロム酸ナトリウム(ID260、CAS: 10588-01-9)はin vivo小核試験等の陽性から区分2に分類されている。 | |
6 | 発がん性 | 区分1A | 危険 | H350: 発がんのおそれ |
P308+P313: 暴露又は暴露の懸念がある場合:医師の診断/手当てを受けること。 P201: 使用前に取扱説明書を入手すること。 P202: 全ての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。 P281: 指定された個人用保護具を使用すること。 P405: 施錠して保管すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
六価のクロム化合物として、NTP(2005)でK(Chromium hexavalent(VI)compoundsとして)、IARC(1990)でgroup 1(Chromium(VI)として)、EPA(1986)でA(Chromium(VI), Inhalation routeとして)と分類されていることから、区分1Aとした。 | |
7 | 生殖毒性 | 分類できない | - | - | - | - | ICSC(J)(2005)で、「動物試験では人で生殖・発生毒性を引き起こす可能性があることが示されている」との記述があり、EUリスク警句でも「Repr.Cat.2; R60-61(R60:生殖機能を損なう、R61:胎児に害を及ぼす)」と分類されているが、本物質の生殖毒性を示す具体的なデータがなく、データ不足で分類できないとした。なお、六価のクロム化合物の生殖毒性については、二クロム酸カリウム(ID262, CAS: 7778-50-9、区分1Bに分類)を参照のこと。 |
8 | 特定標的臓器毒性(単回暴露) | 区分1(呼吸器系、腎臓、肝臓) | 危険 | H370: 臓器の障害(呼吸器系、腎臓、肝臓) |
P307+P311: 暴露した場合:医師に連絡すること。 P260: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。 P264: 取扱後は...よく洗うこと。 P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。 P321: 特別な処置が必要である(このラベルの...を見よ)。 P405: 施錠して保管すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
Priority 1の文書中、水溶性六価クロム化合物は肝臓、腎臓、呼吸器に影響を与えるとある(ACGIH-TLV(2005))こと、またPriority 2の文書中、「経口摂取で腐食性を示し、吐き気、嘔吐、腹痛、灼熱感、下痢、ショック/虚脱の症状がある。吸入により、気道に対して腐食性を示し、灼熱感、咽頭痛、咳、喘鳴、息苦しさの症状がある。腎臓、肝臓に対して影響を与え、組織損傷を生じることがある」との記述がある((ICSC(J)(2005), SITTIG(4th, 2002), HSFS(1986))ことから、区分1(呼吸器系、腎臓、肝臓)とした。 | |
9 | 特定標的臓器毒性(反復暴露) | 区分1(呼吸器系、腎臓、肝臓) | 危険 | H372: 長期にわたる、又は反復暴露による臓器の障害(呼吸器系、腎臓、肝臓) |
P260: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。 P264: 取扱後は...よく洗うこと。 P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。 P314: 気分が悪いときは、医師の診断/手当てを受けること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
Proiority 1の文書中水溶性六価クロム化合物は肝臓、腎臓、呼吸器に影響を与えるとあること(ACGIH-TLV(2005))、また、Priority 2の文書中、ヒトの「気道、腎臓に影響を与え、鼻中隔穿孔、腎臓障害を生じることがある」との記述があること(ICSC(J)(2005), SITTIG(4th, 2002), HSFS(1986))から、区分1(呼吸器系、腎臓、肝臓)とした。 | |
10 | 吸引性呼吸器有害性 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
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11 | 水生環境有害性(急性) | 分類できない | - | - | - | - | データ不足のため分類できない。 |
11 | 水生環境有害性(長期間) | 分類できない | - | - | - | - | データ不足のため分類できない。 |
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