GHS分類結果

名称:ジエチル-4-クロルフェニルメルカプトメチルジチオホスフェイト
CAS番号:786-19-6

結果:
物質ID: 1224
分類実施者: GHS関係省庁連絡会議
分類実施年度: 平成18年度
使用マニュアル: GHS分類マニュアル(H18.2.10版)

物理化学的危険性
危険有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起語 危険有害性情報 注意書き 分類根拠・問題点
1 爆発物 分類対象外 - - - - 爆発性に関連する原子団を含んでいない。
2 可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む) 分類対象外 - - - - GHSの定義における液体。
3 エアゾール 分類対象外 - - - - エアゾール製品でない。
4 支燃性/酸化性ガス 分類対象外 - - - - GHSの定義における液体。
5 高圧ガス 分類対象外 - - - - GHSの定義における液体。
6 引火性液体 区分外 - - - - 可燃性(ICSC(J), 1997)であるが、蒸気圧がほとんどなく(ICSC(J), 1997)、PM(13th, 2003)に「80℃まで温度的に安定」との記載があることから、引火性はないと考えられ、区分外とした。
7 可燃性固体 分類対象外 - - - - GHSの定義における液体。
8 自己反応性化学品 分類対象外 - - - - 爆発性に関連する原子団、あるいは自己反応性に関連する原子団を含んでいない。
9 自然発火性液体 区分外 - - - - PM(13th, 2003)に「80℃まで温度的に安定」との記載があり、常温の空気と接触しても自然発火しない。
10 自然発火性固体 分類対象外 - - - - GHSの定義における液体。
11 自己発熱性化学品 分類できない - - - - 液体状の物質に適した試験方法が確立していない。
12 水反応可燃性化学品 区分外 - - - - 水に対して安定。(水溶解度の数値が得られている。)
13 酸化性液体 分類できない - - - - データなし。
14 酸化性固体 分類対象外 - - - - GHSの定義における液体。
15 有機過酸化物 分類対象外 - - - - 分子内に-O-O-構造を含まない有機化合物。
16 金属腐食性物質 分類できない - - - - HSDB(2003)に「腐食性はない」との記載があるが、金属に対するものかどうか明確でなく、データ不足のため分類できない。

健康に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起語 危険有害性情報 注意書き 分類根拠・問題点
1 急性毒性(経口) 区分2 危険 H300: 飲み込むと生命に危険 P301+P310: 飲み込んだ場合:直ちに医師に連絡すること。
P264: 取扱後は...よく洗うこと。
P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。
P321: 特別な処置が必要である(このラベルの...を見よ)。
P330: 口をすすぐこと。
P405: 施錠して保管すること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
ラットにおける経口LD50 = 6.8 mg/kg(RTECS(2003))および20 mg/kg(HSDB(2003))のうち、数値の小さい方を採用し(LD50 = 6.8 mg/kg)、区分2とした。
1 急性毒性(経皮) 区分1 危険 H310: 皮膚に接触すると生命に危険 P302+P350: 皮膚に付着した場合:多量の水と石鹸で優しく洗うこと。
P262: 眼、皮膚、衣類につけないこと。
P264: 取扱後は...よく洗うこと。
P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。
P280: 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。
P310: 直ちに医師に連絡すること。
P322: 特別な処置が必要である(このラベルの...を見よ)。
P361: 汚染された衣類を直ちに全て脱ぐこと。
P363: 汚染された衣類を再使用する場合には洗濯をすること。
P405: 施錠して保管すること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
ラットにおける経皮LD50 = 27 mg/kg(RTECS(2003))、およびウサギにおける経皮LD50 = 1270 mg/kg(RTECS(2003))のうち、数値の小さい方を採用し(LD50 = 27 mg/kg)、区分1とした。
1 急性毒性(吸入:ガス) 分類対象外 - - - - GHSの定義における液体である。
1 急性毒性(吸入:蒸気) 分類できない - - - - データなし。
1 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) 分類できない - - - - データなし。
2 皮膚腐食性/刺激性 分類できない - - - - データなし。
3 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 分類できない - - - - ICSC(J)(1997)に、ヒトの眼に発赤、痛みを生じるとの記述があるものの、短期暴露の影響として刺激性が記載されておらず、データ不足で分類できない。
4 呼吸器感作性 分類できない - - - - データなし。
4 皮膚感作性 分類できない - - - - データなし。
5 生殖細胞変異原性 分類できない - - - - データなし。なお、ヒトリンパ球を用いたin vitro姉妹染色分体交換試験での陽性報告がある(RTECS(2003))。
6 発がん性 分類できない - - - - データなし。
7 生殖毒性 区分2 警告 H361: 生殖能又は胎児への悪影響のおそれの疑い P308+P313: 暴露又は暴露の懸念がある場合:医師の診断/手当てを受けること。
P201: 使用前に取扱説明書を入手すること。
P202: 全ての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。
P281: 指定された個人用保護具を使用すること。
P405: 施錠して保管すること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
ラット3世代混餌投与試験において、出生児体重の低下、死産増加、離乳時までの生存率の低下が見られた(HSDB(2003))ことから、区分2とした。なお、催奇形性は認められていない(HSDB(2003))。
8 特定標的臓器毒性(単回暴露) 区分2(神経系) 警告 H371: 臓器の障害のおそれ(神経系) P309+P311: 暴露したとき、又は気分が悪いとき:医師に連絡すること。
P260: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。
P264: 取扱後は...よく洗うこと。
P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。
P405: 施錠して保管すること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
Priority 2の文書中、「神経系に影響を与え、痙攣、呼吸不全を生じることがある」との記述がある(ICSC(J)(1997))こと、本物質による中毒(嘔吐、吐き気、重症者は昏睡)の報告がある(HSDB(2003))ことから、区分2(神経系)とした。
9 特定標的臓器毒性(反復暴露) 区分1(神経系) 危険 H372: 長期にわたる、又は反復暴露による臓器の障害(神経系) P260: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。
P264: 取扱後は...よく洗うこと。
P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。
P314: 気分が悪いときは、医師の診断/手当てを受けること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
ラット4週間混餌投与(100ppm:約5〜10mg/kg/day)において、振戦、体重増加抑制、コリンエステラーゼ活性の低下がみられ(HSDB(2003))、本用量は区分1のガイダンス値範囲であることから、区分1(神経系)とした。さらに、本物質はコリンエステラーゼ阻害剤であり、影響が蓄積される可能性との記述がある(ICSC(J)(1997), SITTIG(4th, 2002))。
10 吸引性呼吸器有害性 分類できない - - - - データなし。

環境に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起語 危険有害性情報 注意書き 分類根拠・問題点
11 水生環境有害性(急性) 区分1 警告 H400: 水生生物に非常に強い毒性 P273: 環境への放出を避けること。
P391: 漏出物を回収すること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
甲殻類(グラスシュリンプ)の96時間LC50=1.2μg/L(HSDB、2004)から、区分1とした。
11 水生環境有害性(長期間) 区分1 警告 H410: 長期継続的影響によって水生生物に非常に強い毒性 P273: 環境への放出を避けること。
P391: 漏出物を回収すること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
急性毒性が区分1、急速分解性がないと推定され(BIOWIN)、生物蓄積性があると推定される(log Kow=5.33(PHYSPROP Database、2005))ことから、区分1とした。


分類結果の利用に関する注意事項:
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 本分類結果は、分類ガイダンス等のマニュアルで定められている情報源と判定方法に基づくものであり、あくまでもSDSやラベル作成の際の参考として公表しているものです。他の文献や試験結果等を根拠として、本内容と異なる分類結果でSDSやラベルを作成することを妨げるものではありません。

参考情報:
使用マニュアル

解説・用語集(エクセルファイル)

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