名称:2-クロロニトロベンゼン
CAS番号:88-73-3
物質ID: | 1184 |
分類実施者: | GHS関係省庁連絡会議 |
分類実施年度: | 平成18年度 |
使用マニュアル: | GHS分類マニュアル(H18.2.10版) |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
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1 | 爆発物 | 区分外 | - | - | - | - | 爆発性に関連する原子団N-O(ニトロ基)を含み、ICSC(J)(2002)には粉塵爆発の可能性の記載があるが、物質固有の国連番号(1578)によりUNRTDGが6.1、IIに分類されており、1が付されていないため、区分外とした。 |
2 | 可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む) | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における固体。 |
3 | エアゾール | 分類対象外 | - | - | - | - | エアゾール製品でない。 |
4 | 支燃性/酸化性ガス | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における固体。 |
5 | 高圧ガス | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における固体。 |
6 | 引火性液体 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における固体。 |
7 | 可燃性固体 | 区分外 | - | - | - | - | ICSC(J)(2002)に「可燃性」の記載があるが、物質固有の国連番号(1578)によりUNRTDGが6.1、IIに分類されており、4.1が付されていないため、区分外とした。 |
8 | 自己反応性化学品 | 区分外 | - | - | - | - | 物質固有の国連番号(1578)によりUNRTDGが6.1、IIに分類されており、4.1が付されていないため、区分外とした。 |
9 | 自然発火性液体 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における固体。 |
10 | 自然発火性固体 | 区分外 | - | - | - | - | 発火温度が487℃(ICSC(J), 2002)であり、常温の空気と接触しても自然発火しない。 |
11 | 自己発熱性化学品 | 分類できない | - | - | - | - | 融点が140℃以下の固体状の物質に適した試験方法が確立していない。 |
12 | 水反応可燃性化学品 | 分類対象外 | - | - | - | - | 金属または半金属(B, Si, P, Ge, As, Se, Sn, Sb, Te, Bi, Po, At)を含んでいない。 |
13 | 酸化性液体 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における固体。 |
14 | 酸化性固体 | 分類対象外 | - | - | - | - | 塩素を含んでいるが、炭素以外の元素と化学結合していない有機化合物。ただし、ICSC(J)(2001)には「強力な酸化剤」との記載がある。 |
15 | 有機過酸化物 | 分類対象外 | - | - | - | - | 分子内に-O-O-構造を含まない有機化合物。 |
16 | 金属腐食性物質 | 分類できない | - | - | - | - | 物質固有の国連番号(1578)によりUNRTDGが6.1、IIに分類されており、8が付されていないが、金属腐食性を否定するデータが見つからないため、分類できない。 |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
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1 | 急性毒性(経口) | 区分3 | 危険 | H301: 飲み込むと有毒 |
P301+P310: 飲み込んだ場合:直ちに医師に連絡すること。 P264: 取扱後は...よく洗うこと。 P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。 P321: 特別な処置が必要である(このラベルの...を見よ)。 P330: 口をすすぐこと。 P405: 施錠して保管すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
ラットにおけるLD50(251, 263, 560, 144, 270, 268 mg/kg)(SIDS(2001), DFGOT Vol.4(1992), IARC(1996), RTECS(2003))から、計算により求めたLD50 = 203 mg/kgに基づき区分3とした。 | |
1 | 急性毒性(経皮) | 区分3 | 危険 | H311: 皮膚に接触すると有毒 |
P302+P352: 皮膚に付着した場合:多量の水と石鹸で洗うこと。 P280: 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。 P312: 気分が悪いときは医師に連絡すること。 P322: 特別な処置が必要である(このラベルの...を見よ)。 P361: 汚染された衣類を直ちに全て脱ぐこと。 P363: 汚染された衣類を再使用する場合には洗濯をすること。 P405: 施錠して保管すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
ラットにおけるLD50 = 655 mg/kg(SIDS(2001))(1320 mg/kgとの比較で毒性の強い方)と、ウサギにおけるLD50 = 376 mg/kg(400, 445, 355, 450 mg/kg(SIDS(2001), RTECS(2003))から計算により求めた値)を比較し、より値の小さい方(LD50 = 376 mg/kg)を採用し区分3とした。 | |
1 | 急性毒性(吸入:ガス) | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における固体。 |
1 | 急性毒性(吸入:蒸気) | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
1 | 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) | 区分4 | 警告 | H332: 吸入すると有害 |
P304+P340: 吸入した場合:空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。 P261: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーの吸入を避けること。 P271: 屋外又は換気の良い場所でのみ使用すること。 P312: 気分が悪いときは医師に連絡すること。 |
ラットLC50(4hr)= 495ppm(換算値3.18 mg/L)(SIDS(2001))から区分4とした。なお、本物質の飽和濃度は24ppmであり、吸入試験は粉塵・ミストの状態で行われたと推定される。 | |
2 | 皮膚腐食性/刺激性 | 区分外 | - | - | - | - | ウサギにおける実験で、1つの試験で軽微な刺激性を示したものの、別の2試験では影響は認められず、結論として「皮膚刺激性の証拠なし」としている(SIDS(2001))ことから、区分外とした。 |
3 | 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 | 区分2B | - | 警告 | H320: 眼刺激 |
P305+P351+P338: 眼に入った場合:水で数分間注意深く洗うこと。次にコンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。 P337+P313: 眼の刺激が続く場合:医師の診断/手当てを受けること。 P264: 取扱後は...よく洗うこと。 |
ウサギに対する実験では、眼に軽微な刺激を生じている(SIDS(2001))こと、およびヒトの眼を軽く刺激するとの記述がある(ICSC(J)(2002))ことから、区分2Bとした。 |
4 | 呼吸器感作性 | 分類できない | - | - | - | - | ラットを用いた試験での感作性が報告されてはいるが(SIDS, 2001; DFGOT 4, 1992; CERIハザードデータ集, 1999)、ヒトに対する知見がないため、データ不足で分類できない。 |
4 | 皮膚感作性 | 分類できない | - | - | - | - | モルモットを用いた試験において陽性反応が得られているが、情報不足から最終的に感作性があるとは結論付けられていない(SIDS(2001))ため、データ不足で分類できないとした。 |
5 | 生殖細胞変異原性 | 区分2 | 警告 | H341: 遺伝性疾患のおそれの疑い |
P308+P313: 暴露又は暴露の懸念がある場合:医師の診断/手当てを受けること。 P201: 使用前に取扱説明書を入手すること。 P202: 全ての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。 P281: 指定された個人用保護具を使用すること。 P405: 施錠して保管すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
In vivo変異原性試験結果がなく、腹腔内投与ながらマウスを用いたDNA損傷試験で陽性反応(肝臓、腎臓、脳)が見られ、かつin vitro変異原性試験でAmes試験および染色体異常試験での陽性報告があることから(IARC 65(1996); CERIハザードデータ集(1999); SIDS(2001); DFGOT Vol.4(1992))、技術上の指針の分類フローに基づき区分2とした。 | |
6 | 発がん性 | 区分外 | - | - | - | - | IARCによりGroup 3に分類されている(IARC 65(1996))ため区分外とした。 |
7 | 生殖毒性 | 区分2 | 警告 | H361: 生殖能又は胎児への悪影響のおそれの疑い |
P308+P313: 暴露又は暴露の懸念がある場合:医師の診断/手当てを受けること。 P201: 使用前に取扱説明書を入手すること。 P202: 全ての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。 P281: 指定された個人用保護具を使用すること。 P405: 施錠して保管すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
ラットおよびマウスに対する吸入試験において、親動物に一般毒性が現われる濃度で、雄の精巣重量の低下や精子数の減少が見られる(CERIハザードデータ集(1999); IARC 65(1996); SIDS(2001))ことから区分2とした。 | |
8 | 特定標的臓器毒性(単回暴露) | 区分2(血液) | 警告 | H371: 臓器の障害のおそれ(血液) |
P309+P311: 暴露したとき、又は気分が悪いとき:医師に連絡すること。 P260: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。 P264: 取扱後は...よく洗うこと。 P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。 P405: 施錠して保管すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
Priority 2において、「ヒトの血液に影響を与え、メトヘモグロビンを生成する」との記述がある(ICSC(J)(2002))ことから区分2(血液)とした。 | |
9 | 特定標的臓器毒性(反復暴露) | 区分1(血液、肝臓) | 危険 | H372: 長期にわたる、又は反復暴露による臓器の障害(血液、肝臓) |
P260: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。 P264: 取扱後は...よく洗うこと。 P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。 P314: 気分が悪いときは、医師の診断/手当てを受けること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
Priority 1の文書中、ラットおよびマウスを用いた吸入試験において、区分1へ分類されるガイダンス値より低い濃度で、メトヘモグロビン濃度の増加や、肝細胞壊死などの影響を示す記述がある(CERIハザードデータ集(1999); IARC 65(1996); SIDS(2001))ことから、区分1(血液、肝臓)とした。 | |
10 | 吸引性呼吸器有害性 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
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11 | 水生環境有害性(急性) | 区分1 | 警告 | H400: 水生生物に非常に強い毒性 |
P273: 環境への放出を避けること。 P391: 漏出物を回収すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
魚類(ブルーギル)の96時間LC50=0.55mg/L(CERIハザードデータ集、1999)から、区分1とした。 | |
11 | 水生環境有害性(長期間) | 区分1 | 警告 | H410: 長期継続的影響によって水生生物に非常に強い毒性 |
P273: 環境への放出を避けること。 P391: 漏出物を回収すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
急性毒性が区分1、生物蓄積性が低いものの(BCF=22.3(既存化学物質安全性点検データ))、急速分解性がない(BODによる分解度:0%(既存化学物質安全性点検データ))ことから、区分1とした。 |
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