GHS分類結果

名称:クロルスルホン酸
CAS番号:7790-94-5

結果:
物質ID: 1179
分類実施者: GHS関係省庁連絡会議
分類実施年度: 平成18年度
使用マニュアル: GHS分類マニュアル(H18.2.10版)

物理化学的危険性
危険有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起語 危険有害性情報 注意書き 分類根拠・問題点
1 爆発物 分類対象外 - - - - 爆発性に関連する原子団を含んでいない。
2 可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む) 分類対象外 - - - - GHSの定義における液体。
3 エアゾール 分類対象外 - - - - エアゾール製品でない。
4 支燃性/酸化性ガス 分類対象外 - - - - GHSの定義における液体。
5 高圧ガス 分類対象外 - - - - GHSの定義における液体。
6 引火性液体 区分外 - - - - 不燃性(ICSC(J), 2001)。ただし、本物質は反応性が高く、他の物質と反応して火災や爆発を起こすことがあるので注意する。
7 可燃性固体 分類対象外 - - - - GHSの定義における液体。
8 自己反応性化学品 分類対象外 - - - - 爆発性に関連する原子団、あるいは自己反応性に関連する原子団を含んでいない。
9 自然発火性液体 区分外 - - - - 不燃性(ICSC(J), 2001)。ただし、本物質は反応性が高く、他の物質と反応して火災や爆発を起こすことがあるので注意する。
10 自然発火性固体 分類対象外 - - - - GHSの定義における液体。
11 自己発熱性化学品 区分外 - - - - 不燃性(ICSC(J), 2001)。ただし、本物質は反応性が高く、他の物質と反応して火災や爆発を起こすことがあるので注意する。
12 水反応可燃性化学品 区分外 - - - - 水と激しく反応して塩酸と硫酸を生じるが、いずれも不燃性であり、区分外とした。
13 酸化性液体 区分外 - - - - 物質固有の国連番号(1754)によりUNRTDGが8、Iに分類されており、5.1が付されていないため、区分外とした。ただし、ICSC(J)(2001)およびNFPA(13th, 2002)には「強力な酸化剤」との記載がある。
14 酸化性固体 分類対象外 - - - - GHSの定義における液体。
15 有機過酸化物 分類対象外 - - - - 無機化合物。
16 金属腐食性物質 区分1 警告 H290: 金属腐食のおそれ P234: 他の容器に移し替えないこと。
P390: 物的被害を防止するためにも流出したものを吸収すること。
P406: 耐腐食性/耐腐食性内張りのある...容器に保管すること。
物質固有の国連番号(1754)によりUNRTDGが8、Iに分類されており、NFPA(13th, 2002)に「輸送はガラス瓶で行うこと」との記載があることから、金属腐食性が強いと考えられ、区分1とした。

健康に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起語 危険有害性情報 注意書き 分類根拠・問題点
1 急性毒性(経口) 区分2 危険 H300: 飲み込むと生命に危険 P301+P310: 飲み込んだ場合:直ちに医師に連絡すること。
P264: 取扱後は...よく洗うこと。
P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。
P321: 特別な処置が必要である(このラベルの...を見よ)。
P330: 口をすすぐこと。
P405: 施錠して保管すること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
ラットにおけるLD50 = 50 mg/kg(RTECS(2000))から区分2とした。
1 急性毒性(経皮) 分類できない - - - - データなし。
1 急性毒性(吸入:ガス) 分類対象外 - - - - GHSの定義における液体。
1 急性毒性(吸入:蒸気) 区分1 危険 H330: 吸入すると生命に危険 P304+P340: 吸入した場合:空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。
P403+P233: 換気の良い場所で保管すること。容器を密閉しておくこと。
P260: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。
P271: 屋外又は換気の良い場所でのみ使用すること。
P284: 呼吸用保護具を着用すること。
P310: 直ちに医師に連絡すること。
P320: 特別な処置が緊急に必要である(このラベルの...を見よ)。
P405: 施錠して保管すること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
ラットにおけるLC50(4h)= 4.779 mg/L(=1003ppm, RTECS(2000))、0.0385 mg/L(=8ppm, IUCLID(2000), HSDB(2003))のうち、より毒性の強い値(LC50(4h)= 0.0385 mg/L)から区分1とした。なお、本物質の飽和濃度は1317ppmであり、吸入実験はいずれも蒸気の状態で行われたと推定される。
1 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) 分類できない - - - - データなし。
2 皮膚腐食性/刺激性 区分1A-1C 危険 H314: 重篤な皮膚の薬傷及び眼の損傷 P301+P330+P331: 飲み込んだ場合:口をすすぐこと。無理に吐かせないこと。
P303+P361+P353: 皮膚(又は髪)に付着した場合:直ちに汚染された衣類を全て脱ぐこと/取り除くこと。皮膚を流水/シャワーで洗うこと。
P305+P351+P338: 眼に入った場合:水で数分間注意深く洗うこと。次にコンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。
P304+P340: 吸入した場合:空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。
P260: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。
P264: 取扱後は...よく洗うこと。
P280: 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。
P310: 直ちに医師に連絡すること。
P321: 特別な処置が必要である(このラベルの...を見よ)。
P363: 汚染された衣類を再使用する場合には洗濯をすること。
P405: 施錠して保管すること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
ヒトの皮膚に対して腐食性があるとの記述(HSDB(2003), ICSC(J)(2001), SITTIG(4th, 2002))に加え、EUリスク警句において"C; R35"に分類されていることから区分区分1A-1Cとした。 【表示】細区分を行う必要がある場合は、安全性の観点から区分1Aとするのが望ましい。
3 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 区分1 危険 H318: 重篤な眼の損傷 P305+P351+P338: 眼に入った場合:水で数分間注意深く洗うこと。次にコンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。
P280: 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。
P310: 直ちに医師に連絡すること。
皮膚腐食性物質(区分1)であることに加え、ヒトの眼に対して強い腐食性を示す、不可逆的な眼への損傷を起こすとの記述がある(HSDB(2003), ICSC(J)(2001), SITTIG(4th, 2002))ことから区分1とした。
4 呼吸器感作性 分類できない - - - - データなし。
4 皮膚感作性 分類できない - - - - データなし。
5 生殖細胞変異原性 分類できない - - - - データなし。
6 発がん性 分類できない - - - - データなし。
7 生殖毒性 分類できない - - - - データなし。
8 特定標的臓器毒性(単回暴露) 区分2(吸入:呼吸器系) 警告 H371: 臓器の障害のおそれ(吸入:呼吸器系) P309+P311: 暴露したとき、又は気分が悪いとき:医師に連絡すること。
P260: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。
P264: 取扱後は...よく洗うこと。
P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。
P405: 施錠して保管すること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
Priority 2において、吸入により、ヒトに肺水腫をおこす(ICSC(J)(2001))、また気道への刺激性/腐食性が見られる(SITTIG(4th, 2002),(ICSC(J)(2001))との記述があることから、区分2(吸入:呼吸器系)とした。
9 特定標的臓器毒性(反復暴露) 区分2(呼吸器系) 警告 H373: 長期にわたる、又は反復暴露による臓器の障害のおそれ(呼吸器系) P260: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。
P314: 気分が悪いときは、医師の診断/手当てを受けること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
Priority 2において、反復暴露によりヒトの肺を冒す(ICSC(J)(2001)), 気管支炎をおこす(SITTIG(4th, 2002))との記述があることから、区分2(呼吸器系)とした。なお、歯に影響を与え歯牙酸食を生ずるとされている(ICSC(J)(2001))。
10 吸引性呼吸器有害性 分類できない - - - - データなし。

環境に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起語 危険有害性情報 注意書き 分類根拠・問題点
11 水生環境有害性(急性) 区分3 - - H402: 水生生物に有害 P273: 環境への放出を避けること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
甲殻類(オオミジンコ)の24時間EC50=32mg/L(AQUIRE、2003)から、区分3とした。
11 水生環境有害性(長期間) 区分外 - - - - 加水分解により生成する塩酸および硫酸によるpHの低下が毒性の要因と考えられるが、環境水中では緩衝作用により毒性影響が緩和されるため、区分外とした。


分類結果の利用に関する注意事項:
 政府による分類結果は、GHSに基づくSDSやラベル作成の際に自由に引用および複写を行うことができます。ただし、引用および複写をした上で作成されたSDS・ラベルの内容に対する責任は、SDS・ラベル作成者にあることにご留意ください。
 本分類結果は、分類ガイダンス等のマニュアルで定められている情報源と判定方法に基づくものであり、あくまでもSDSやラベル作成の際の参考として公表しているものです。他の文献や試験結果等を根拠として、本内容と異なる分類結果でSDSやラベルを作成することを妨げるものではありません。

参考情報:
使用マニュアル

解説・用語集(エクセルファイル)

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