名称:硫酸モリブデン酸クロム酸鉛
CAS番号:12656-85-8
物質ID: | 1173 |
分類実施者: | GHS関係省庁連絡会議 |
分類実施年度: | 平成18年度 |
使用マニュアル: | GHS分類マニュアル(H18.2.10版) |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
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1 | 爆発物 | 分類対象外 | - | - | - | - | 爆発性に関連する原子団を含んでいない。 |
2 | 可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む) | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における固体。 |
3 | エアゾール | 分類対象外 | - | - | - | - | エアゾール製品でない。 |
4 | 支燃性/酸化性ガス | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における固体。 |
5 | 高圧ガス | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における固体。 |
6 | 引火性液体 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における固体。 |
7 | 可燃性固体 | 区分外 | - | - | - | - | 不燃性(GESTIS-database on hazardous substance, Accessed in 2006)。 |
8 | 自己反応性化学品 | 分類対象外 | - | - | - | - | 爆発性に関連する原子団、あるいは自己反応性に関連する原子団を含んでいない。 |
9 | 自然発火性液体 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における固体。 |
10 | 自然発火性固体 | 区分外 | - | - | - | - | 不燃性(GESTIS-database on hazardous substance, Accessed in 2006)。 |
11 | 自己発熱性化学品 | 区分外 | - | - | - | - | 不燃性(GESTIS-database on hazardous substance, Accessed in 2006)。 |
12 | 水反応可燃性化学品 | 区分外 | - | - | - | - | 水に対して安定。(水溶解度の数値が得られている。) |
13 | 酸化性液体 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における固体。 |
14 | 酸化性固体 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
15 | 有機過酸化物 | 分類対象外 | - | - | - | - | 無機化合物。 |
16 | 金属腐食性物質 | 分類できない | - | - | - | - | 固体状の物質に適した試験方法が確立していない。 |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
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1 | 急性毒性(経口) | 区分外 | - | - | - | - | ラットLD50 > 5000 mg/kg(IUCLID(2000))であることから、区分外とした。 |
1 | 急性毒性(経皮) | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
1 | 急性毒性(吸入:ガス) | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における固体。 |
1 | 急性毒性(吸入:蒸気) | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
1 | 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
2 | 皮膚腐食性/刺激性 | 分類できない | - | - | - | - | ウサギを使った試験で「刺激性はない」との報告はある(IUCLID(2000))が、詳しい内容が分からず、データが不足しているため分類できないとした。 |
3 | 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 | 分類できない | - | - | - | - | ウサギを使った試験で「刺激性はない」との報告はある(IUCLID(2000))が、詳しい内容が分からず、データが不足しているため分類できないとした。 |
4 | 呼吸器感作性 | 区分1 | 危険 | H334: 吸入するとアレルギー、喘息又は呼吸困難を起こすおそれ |
P304+P341: 吸入した場合:呼吸が困難な場合には、空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。 P342+P311: 呼吸に関する症状が出た場合:医師に連絡すること。 P261: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーの吸入を避けること。 P285: 換気が十分でない場合には、呼吸用保護具を着用すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
本物質自身に関する報告はないが、日本産業衛生学会において、クロム及びクロム化合物を「第2群(人間に対しておそらく感作性があると考えられる物質)」に、日本職業・環境アレルギー学会特設委員会において、クロムを呼吸器感作性がある物質に分類していることから、本物質は呼吸器感作性を有すると考え、区分1とした。 | |
4 | 皮膚感作性 | 区分1 | 警告 | H317: アレルギー性皮膚反応を起こすおそれ |
P302+P352: 皮膚に付着した場合:多量の水と石鹸で洗うこと。 P333+P313: 皮膚刺激又は発疹が生じた場合:医師の診断/手当てを受けること。 P261: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーの吸入を避けること。 P272: 汚染された作業衣は作業場から出さないこと。 P280: 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。 P321: 特別な処置が必要である(このラベルの...を見よ)。 P363: 汚染された衣類を再使用する場合には洗濯をすること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
本物質自身に関する報告はないが、日本産業衛生学会において、クロム及びクロム化合物を「第1群(人間に対して明らかに感作性がある物質)」に分類していることから、本物質は皮膚感作性を有すると考え、区分1とした。 | |
5 | 生殖細胞変異原性 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 なお、本物質は不溶性の六価クロム化合物であるが、多くの高水溶性六価クロム化合物については、in vivoにおける変異原性知見が示されている(NTP RoC(11th, 2005), IARC49(1990), EU-RAR(2005))。二クロム酸カリウム(ID262, CAS: 7778-50-9)を参照のこと。また、無機鉛化合物は、ATSDR(draft, 2005)においてヒトに染色体異常を誘発すると記され、MAK/BAT(2005)において生殖細胞変異原性3A(GHS区分1B-2に相当)に分類されている。 |
6 | 発がん性 | 区分1A | 危険 | H350: 発がんのおそれ |
P308+P313: 暴露又は暴露の懸念がある場合:医師の診断/手当てを受けること。 P201: 使用前に取扱説明書を入手すること。 P202: 全ての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。 P281: 指定された個人用保護具を使用すること。 P405: 施錠して保管すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
六価のクロム化合物として、NTP(2005)でK(Chromium hexavalent(VI)compounds)、IARC(1990)でgroup 1(Chromium(VI))、EPA(1986)でA(Chromium(VI), Inhalation route)と分類されていることから、区分1Aとした。 | |
7 | 生殖毒性 | 区分1A | 危険 | H360: 生殖能又は胎児への悪影響のおそれ |
P308+P313: 暴露又は暴露の懸念がある場合:医師の診断/手当てを受けること。 P201: 使用前に取扱説明書を入手すること。 P202: 全ての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。 P281: 指定された個人用保護具を使用すること。 P405: 施錠して保管すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
本物質のデータはないが、鉛(無機鉛化合物)がヒトに生殖毒性を示すとの記述が見られる(ATSDR(draft, 2005), Chemically Induced Birth Defects(3rd ed, 2000))ことに加え、ACGIHでも生殖毒性(reproductive)の分類がなされ(ACGIH-TLV(2005))ていることから区分1Aとした。なお、六価のクロム化合物の生殖毒性として、二クロム酸カリウム(ID262, CAS: 7778-50-9)も参照のこと。 | |
8 | 特定標的臓器毒性(単回暴露) | 区分1(中枢神経系、血液、腎臓) | 危険 | H370: 臓器の障害(中枢神経系、血液、腎臓) |
P307+P311: 暴露した場合:医師に連絡すること。 P260: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。 P264: 取扱後は...よく洗うこと。 P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。 P321: 特別な処置が必要である(このラベルの...を見よ)。 P405: 施錠して保管すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
本物質のデータはないが、無機鉛化合物の毒性として、ヒトについては「無機鉛の急性影響及び慢性影響はほぼ同様の症状が認められている」(CERIハザードデータ集 2001-9, 2002)こと、ACGIH-TLV(2005)において、無機鉛化合物として中枢神経系、血液、腎臓への影響があるとしてあることから、区分1(中枢神経系、血液、腎臓)とした。なお、六価のクロム化合物の急性毒性として、経口あるいは経皮吸収された場合、嘔吐、下痢、痙攣、出血性腎炎等の記載がある(DFGOT vol.3(1992), DHP(13th, 2002))。また、モリブデンの毒性として、血液への影響(貧血)(PATTY(5th, 2001))、気道刺激性(HSDB(2003))が挙げられている。 | |
9 | 特定標的臓器毒性(反復暴露) | 区分1(中枢神経系、血液、腎臓) | 危険 | H372: 長期にわたる、又は反復暴露による臓器の障害(中枢神経系、血液、腎臓) |
P260: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。 P264: 取扱後は...よく洗うこと。 P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。 P314: 気分が悪いときは、医師の診断/手当てを受けること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
本物質のデータはないが、Priority 1文書のACGIH-TLV(2005)において、無機鉛化合物として中枢神経系、血液、腎臓への影響があるとしており、区分1(中枢神経系、血液、腎臓)とした。なお、六価のクロム化合物の慢性毒性として、腎臓への影響、鼻中隔の穿孔、潰瘍等の記載がある(ACGIH(7th, 2001), IRIS(1998), DHP(13th, 2002))。また、モリブデンの毒性としては血液(貧血)、肺(塵肺)への影響が挙げられている(PATTY(5th, 2001), HSDB(2003))。 | |
10 | 吸引性呼吸器有害性 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
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11 | 水生環境有害性(急性) | 分類できない | - | - | - | - | データ不足のため分類できない。 |
11 | 水生環境有害性(長期間) | 区分4 | - | - | H413: 長期継続的影響によって水生生物に有害のおそれ |
P273: 環境への放出を避けること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
水溶解度までの濃度で急性毒性が報告されていないが、金属化合物であり水中での挙動が不明であるため、区分4とした。 |
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