GHS分類結果

名称:硝酸ウラニル(6水塩)
CAS番号:13520-83-7

結果:
物質ID: 1132
分類実施者: GHS関係省庁連絡会議
分類実施年度: 平成18年度
使用マニュアル: GHS分類マニュアル(H18.2.10版)

物理化学的危険性
危険有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起語 危険有害性情報 注意書き 分類根拠・問題点
1 爆発物 分類できない - - - - 爆発性に関連する原子団(N-O)を含んでおり、Merck(13th, 2001)には「激しい衝撃を与えると爆ごうを起こすことがある」との記載があるが、国連番号がなく、分類の目安となる情報も不足しているため、分類できない。
2 可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む) 分類対象外 - - - - GHSの定義における固体。
3 エアゾール 分類対象外 - - - - エアゾール製品でない。
4 支燃性/酸化性ガス 分類対象外 - - - - GHSの定義における固体。
5 高圧ガス 分類対象外 - - - - GHSの定義における固体。
6 引火性液体 分類対象外 - - - - GHSの定義における固体。
7 可燃性固体 区分外 - - - - HSDB(2005)に「不燃性」との記載があり、区分外とした。(ただし酸化性物質と考えられ、可燃性物質との接触は避ける。)
8 自己反応性化学品 区分外 - - - - 爆発性に関連する原子団(N-O)を含んでいるが、自己反応性に関連する原子団は含まず、自己反応性を示す情報も見つからなかったため、区分外とした。
9 自然発火性液体 分類対象外 - - - - GHSの定義における固体。
10 自然発火性固体 区分外 - - - - HSDB(2005)に「不燃性」との記載があり、区分外とした。(ただし酸化性物質と考えられ、可燃性物質との接触は避ける。)
11 自己発熱性化学品 区分外 - - - - HSDB(2005)に「不燃性」との記載があり、区分外とした。
12 水反応可燃性化学品 区分外 - - - - 水に対して安定。(水溶解度の数値が得られている。)
13 酸化性液体 分類対象外 - - - - GHS定義における固体。
14 酸化性固体 分類できない - - - - Sax(11th, 2004)に本物質の無水物は「強力な酸化剤であり、セルロースとの接触は避ける」との記載があり、本物質も酸化性固体であると考えられるが、国連番号がなく、分類の目安となる情報も不足しているため、分類できない。
15 有機過酸化物 分類対象外 - - - - 無機化合物。
16 金属腐食性物質 分類できない - - - - 固体状の物質に適した試験方法が確立していない。なお、HSDB(2005)には「水溶液は酸性で金属を腐食する」との記載がある。

健康に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起語 危険有害性情報 注意書き 分類根拠・問題点
1 急性毒性(経口) 分類できない - - - - データなし。
1 急性毒性(経皮) 分類できない - - - - データなし。
1 急性毒性(吸入:ガス) 分類対象外 - - - - GHSの定義における固体。
1 急性毒性(吸入:蒸気) 分類できない - - - - データなし。
1 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) 分類できない - - - - データなし。
2 皮膚腐食性/刺激性 分類できない - - - - データなし。
3 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 分類できない - - - - データなし。
4 呼吸器感作性 分類できない - - - - データなし。
4 皮膚感作性 分類できない - - - - データなし。
5 生殖細胞変異原性 区分2 警告 H341: 遺伝性疾患のおそれの疑い P308+P313: 暴露又は暴露の懸念がある場合:医師の診断/手当てを受けること。
P201: 使用前に取扱説明書を入手すること。
P202: 全ての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。
P281: 指定された個人用保護具を使用すること。
P405: 施錠して保管すること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
ウラン化合物に職業暴露された作業者の末梢リンパ球において染色体異常が認められることから(PATTY(5th,2001))、分類の指針に従い区分2とした。なお、in vitro変異原性試験(染色体異常試験)における陽性知見がある(RTECS(2000))。
6 発がん性 区分1A 危険 H350: 発がんのおそれ P308+P313: 暴露又は暴露の懸念がある場合:医師の診断/手当てを受けること。
P201: 使用前に取扱説明書を入手すること。
P202: 全ての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。
P281: 指定された個人用保護具を使用すること。
P405: 施錠して保管すること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
ウランおよび、その可溶性ならびに不溶性化合物としてACGIHにおいてA1(ACGIH(7th, 2001))、体内で沈着した放射性核種としてIARCで1(IARC78(2001))に分類されているため、区分1Aとした。
7 生殖毒性 分類できない - - - - データなし。
8 特定標的臓器毒性(単回暴露) 区分1(腎臓) 危険 H370: 臓器の障害(腎臓) P307+P311: 暴露した場合:医師に連絡すること。
P260: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。
P264: 取扱後は...よく洗うこと。
P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。
P321: 特別な処置が必要である(このラベルの...を見よ)。
P405: 施錠して保管すること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
Priority 1において、ウラン化合物のヒトへの暴露により、近位尿細管、集合管の壊死等の腎臓への影響が示されている(ACGIH(7th, 2001))ことから、区分1(腎臓)とした。
9 特定標的臓器毒性(反復暴露) 区分1(腎臓) 危険 H372: 長期にわたる、又は反復暴露による臓器の障害(腎臓) P260: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。
P264: 取扱後は...よく洗うこと。
P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。
P314: 気分が悪いときは、医師の診断/手当てを受けること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
Priority 1において、ウラン化合物の慢性毒性の主要標的臓器は腎臓(主として近位尿細管)であるとの記述がある(ACGIH(7th, 2001))ことから、区分1(腎臓)とした。
10 吸引性呼吸器有害性 分類できない - - - - データなし。

環境に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起語 危険有害性情報 注意書き 分類根拠・問題点
11 水生環境有害性(急性) 分類できない - - - - データがなく分類できない。
11 水生環境有害性(長期間) 分類できない - - - - データがなく分類できない。


分類結果の利用に関する注意事項:
 政府による分類結果は、GHSに基づくSDSやラベル作成の際に自由に引用および複写を行うことができます。ただし、引用および複写をした上で作成されたSDS・ラベルの内容に対する責任は、SDS・ラベル作成者にあることにご留意ください。
 本分類結果は、分類ガイダンス等のマニュアルで定められている情報源と判定方法に基づくものであり、あくまでもSDSやラベル作成の際の参考として公表しているものです。他の文献や試験結果等を根拠として、本内容と異なる分類結果でSDSやラベルを作成することを妨げるものではありません。

参考情報:
使用マニュアル

解説・用語集(エクセルファイル)

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厚生労働省モデルSDS

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