GHS分類結果

名称:アンチモン酸鉛
CAS番号:13510-89-9

結果:
物質ID: 1118
分類実施者: GHS関係省庁連絡会議
分類実施年度: 平成18年度
使用マニュアル: GHS分類マニュアル(H18.2.10版)

物理化学的危険性
危険有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起語 危険有害性情報 注意書き 分類根拠・問題点
1 爆発物 分類対象外 - - - - 爆発性に関連する原子団を含んでいない。
2 可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む) 分類対象外 - - - - GHSの定義における固体。
3 エアゾール 分類対象外 - - - - エアゾール製品でない。
4 支燃性/酸化性ガス 分類対象外 - - - - GHSの定義における固体。
5 高圧ガス 分類対象外 - - - - GHSの定義における固体。
6 引火性液体 分類対象外 - - - - GHSの定義における固体。
7 可燃性固体 分類できない - - - - 無機アンチモン酸塩で不燃性と考えられるが、データなし。
8 自己反応性化学品 分類対象外 - - - - 爆発性に関連する原子団、あるいは自己反応性に関連する原子団を含んでいない。
9 自然発火性液体 分類対象外 - - - - GHSの定義における固体。
10 自然発火性固体 分類できない - - - - 無機アンチモン酸塩で不燃性(自然発火性なし)と考えられるが、データなし。
11 自己発熱性化学品 分類できない - - - - 無機アンチモン酸塩で不燃性(自己発熱性なし)と考えられるが、データなし。
12 水反応可燃性化学品 区分外 - - - - 水に対して安定。(文献に「水に不溶」との記載がある。)
13 酸化性液体 分類対象外 - - - - GHSの定義における固体。
14 酸化性固体 分類できない - - - - データなし。
15 有機過酸化物 分類対象外 - - - - 無機化合物。
16 金属腐食性物質 分類できない - - - - 固体状の物質に適した試験方法が確立していない。

健康に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起語 危険有害性情報 注意書き 分類根拠・問題点
1 急性毒性(経口) 分類できない - - - - データなし。
1 急性毒性(経皮) 分類できない - - - - データなし。
1 急性毒性(吸入:ガス) 分類対象外 - - - - GHSの定義における固体。
1 急性毒性(吸入:蒸気) 分類できない - - - - データなし。
1 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) 分類できない - - - - データなし。
2 皮膚腐食性/刺激性 分類できない - - - - データなし。
3 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 分類できない - - - - データなし。
4 呼吸器感作性 分類できない - - - - データなし。
4 皮膚感作性 分類できない - - - - データなし。
5 生殖細胞変異原性 区分2 警告 H341: 遺伝性疾患のおそれの疑い P308+P313: 暴露又は暴露の懸念がある場合:医師の診断/手当てを受けること。
P201: 使用前に取扱説明書を入手すること。
P202: 全ての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。
P281: 指定された個人用保護具を使用すること。
P405: 施錠して保管すること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
本物質のデータはないが、ATSDR(draft, 2005)において鉛(無機鉛化合物)がヒトの染色体異常を誘発するとしていること、ならびにMAK/BAT(2005)において無機鉛化合物としても無機アンチモン化合物としても3Aと分類していることから、区分2とした。
6 発がん性 区分1B 危険 H350: 発がんのおそれ P308+P313: 暴露又は暴露の懸念がある場合:医師の診断/手当てを受けること。
P201: 使用前に取扱説明書を入手すること。
P202: 全ての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。
P281: 指定された個人用保護具を使用すること。
P405: 施錠して保管すること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
鉛化合物として、IARC87(2004)は区分1B相当(Group 2A)、NTPRoC(11th, 2005)は区分1B〜2相当(Reasonably anticipated to be human carcinogens)、IRIS(1993)、ACGIH-TLV(2004)、産衛学会勧告(2004)は区分2相当(それぞれB2、A3、2B)であった。また、アンチモン化合物として産衛学会勧告(2004)は区分2相当(2B)であった。安全性を鑑み、IARC87(2004)のGroup 2Aに従い、区分1Bとした。 【注】一部の専門家より、アンチモン酸鉛そのものの知見がないため「分類できない」とすべきとの意見も出された。事業者自らが分類する場合は、この見解も考慮しつつ判断されたい。
7 生殖毒性 区分2 警告 H361: 生殖能又は胎児への悪影響のおそれの疑い P308+P313: 暴露又は暴露の懸念がある場合:医師の診断/手当てを受けること。
P201: 使用前に取扱説明書を入手すること。
P202: 全ての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。
P281: 指定された個人用保護具を使用すること。
P405: 施錠して保管すること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
本物質のデータはないが、Priority 1文書のACGIH-TLV(2004)、ATSDR(draft, 2005)などにおいて、鉛(無機鉛化合物)がヒトに生殖毒性を示すとしていることから、区分2とした。
8 特定標的臓器毒性(単回暴露) 区分3(気道刺激性) 警告 H335: 呼吸器への刺激のおそれ(気道刺激性) P304+P340: 吸入した場合:空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。
P403+P233: 換気の良い場所で保管すること。容器を密閉しておくこと。
P261: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーの吸入を避けること。
P271: 屋外又は換気の良い場所でのみ使用すること。
P312: 気分が悪いときは医師に連絡すること。
P405: 施錠して保管すること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
本物質のデータはないが、Priority 1文書のACGIH-TLV(2004)においてアンチモン化合物として気道刺激性があるとしており、区分3(気道刺激性)とした。
9 特定標的臓器毒性(反復暴露) 区分1(肺、心血管系、中枢神経系、血液、腎臓) 危険 H372: 長期にわたる、又は反復暴露による臓器の障害(肺、心血管系、中枢神経系、血液、腎臓) P260: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。
P264: 取扱後は...よく洗うこと。
P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。
P314: 気分が悪いときは、医師の診断/手当てを受けること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
本物質のデータはないが、Priority 1文書のACGIH-TLV(2004)において、アンチモン化合物として肺、心血管系への影響、無機鉛化合物として中枢神経系、血液、腎臓への影響があるとしており、区分1(肺、心血管系、中枢神経系、血液、腎臓)とした。
10 吸引性呼吸器有害性 分類できない - - - - データなし。

環境に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起語 危険有害性情報 注意書き 分類根拠・問題点
11 水生環境有害性(急性) 分類できない - - - - データがなく分類できない。
11 水生環境有害性(長期間) 分類できない - - - - データがなく分類できない。


分類結果の利用に関する注意事項:
 政府による分類結果は、GHSに基づくSDSやラベル作成の際に自由に引用および複写を行うことができます。ただし、引用および複写をした上で作成されたSDS・ラベルの内容に対する責任は、SDS・ラベル作成者にあることにご留意ください。
 本分類結果は、分類ガイダンス等のマニュアルで定められている情報源と判定方法に基づくものであり、あくまでもSDSやラベル作成の際の参考として公表しているものです。他の文献や試験結果等を根拠として、本内容と異なる分類結果でSDSやラベルを作成することを妨げるものではありません。

参考情報:
使用マニュアル

解説・用語集(エクセルファイル)

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厚生労働省モデルSDS

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