GHS分類結果

名称:フラチオカルブ
CAS番号:65907-30-4

結果:
物質ID: 1095
分類実施者: GHS関係省庁連絡会議
分類実施年度: 平成18年度
使用マニュアル: GHS分類マニュアル(H18.2.10版)

物理化学的危険性
危険有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起語 危険有害性情報 注意書き 分類根拠・問題点
1 爆発物 分類対象外 - - - - 分子内に爆発性に関連する原子団を含んでいない。
2 可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む) 分類対象外 - - - - GHSの定義による固体である。
3 エアゾール 分類対象外 - - - - エアゾール製品ではない。
4 支燃性/酸化性ガス 分類対象外 - - - - GHSの定義による固体である。
5 高圧ガス 分類対象外 - - - - GHSの定義による固体である。
6 引火性液体 分類対象外 - - - - GHSの定義による固体である。
7 可燃性固体 分類できない - - - - データなし。
8 自己反応性化学品 分類対象外 - - - - 分子内に爆発性に関連する原子団、あるいは自己反応性に関連する原子団を含んでいない。
9 自然発火性液体 分類対象外 - - - - GHSの定義による固体である。
10 自然発火性固体 分類できない - - - - データなし。
11 自己発熱性化学品 分類できない - - - - 融点140℃以下の固体に適した試験方法が確立していない。(融点42.6-45.7℃)
12 水反応可燃性化学品 分類対象外 - - - - 金属または半金属(B, Si, P, Ge, As, Se, Sn, Sb, Te, Bi, Po, At)を含んでいない。
13 酸化性液体 分類対象外 - - - - GHSの定義による固体である。
14 酸化性固体 分類対象外 - - - - フッ素または塩素を含んでいない有機化合物。酸素を含むが、この酸素は炭素以外の元素と化学結合していない。
15 有機過酸化物 分類対象外 - - - - 分子内に-O-O-構造を有していない有機化合物。
16 金属腐食性物質 分類できない - - - - データなし。(融点42.6-45.7℃)

健康に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起語 危険有害性情報 注意書き 分類根拠・問題点
1 急性毒性(経口) 区分2 危険 H300: 飲み込むと生命に危険 P301+P310: 飲み込んだ場合:直ちに医師に連絡すること。
P264: 取扱後は...よく洗うこと。
P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。
P321: 特別な処置が必要である(このラベルの...を見よ)。
P330: 口をすすぐこと。
P405: 施錠して保管すること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
ラットを用いた3つの経口投与試験の雌雄のLD50値(農薬登録申請資料)のうち、低い方の値から計算で得たLD50=10 mg/kgに基づき、区分2とした。
1 急性毒性(経皮) 区分5 - 警告 H313: 皮膚に接触すると有害のおそれ P312: 気分が悪いときは医師に連絡すること。 ラットを用いた経皮投与試験のLD50=2020 mg/kg(農薬登録申請資料)に基づき、区分5とした。
1 急性毒性(吸入:ガス) 分類対象外 - - - - GHSの定義による固体である。
1 急性毒性(吸入:蒸気) 分類できない - - - - データなし。
1 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) 区分2 危険 H330: 吸入すると生命に危険 P304+P340: 吸入した場合:空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。
P403+P233: 換気の良い場所で保管すること。容器を密閉しておくこと。
P260: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。
P271: 屋外又は換気の良い場所でのみ使用すること。
P284: 呼吸用保護具を着用すること。
P310: 直ちに医師に連絡すること。
P320: 特別な処置が緊急に必要である(このラベルの...を見よ)。
P405: 施錠して保管すること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
ラットを用いた吸入暴露試験のLC50=0.24 mg/LおよびLC50=0.16 mg/L(農薬登録申請資料)のうちの低い方の値、LC50=0.16 mg/Lに基づき区分2とした。
2 皮膚腐食性/刺激性 分類できない - - - - データなし。
3 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 分類できない - - - - データなし。
4 呼吸器感作性 分類できない - - - - データなし。
4 皮膚感作性 区分1 警告 H317: アレルギー性皮膚反応を起こすおそれ P302+P352: 皮膚に付着した場合:多量の水と石鹸で洗うこと。
P333+P313: 皮膚刺激又は発疹が生じた場合:医師の診断/手当てを受けること。
P261: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーの吸入を避けること。
P272: 汚染された作業衣は作業場から出さないこと。
P280: 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。
P321: 特別な処置が必要である(このラベルの...を見よ)。
P363: 汚染された衣類を再使用する場合には洗濯をすること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
モルモットを用いた皮膚感作性試験において陽性結果が得られたとの記載(農薬登録申請資料)に基づき、区分1とした。
5 生殖細胞変異原性 区分外 - - - - ヒト経世代疫学、経世代変異原性試験、生殖細胞in vivo変異原性試験のデータが無く、体細胞in vivo変異原性試験(マウス骨髄細胞を用いた小核試験)で陰性との記載(農薬登録申請資料)に基づき、区分外とした。
6 発がん性 区分外 - - - - ラット及びマウスを用いた発がん性試験において、投与に関連した腫瘍の発生がないとの記載(農薬登録申請資料)に基づき、区分外とした。
7 生殖毒性 区分外 - - - - ラットを用いた2世代繁殖試験並びにラット及びウサギを用いた催奇形性試験において、生殖毒性は認められないとの記載(農薬登録申請資料)に基づき、区分外とした。
8 特定標的臓器毒性(単回暴露) 区分1(全身性、神経系) 危険 H370: 臓器の障害(全身性、神経系) P307+P311: 暴露した場合:医師に連絡すること。
P260: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。
P264: 取扱後は...よく洗うこと。
P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。
P321: 特別な処置が必要である(このラベルの...を見よ)。
P405: 施錠して保管すること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
ラットで区分1のガイダンス値範囲内の投与量(5.9-186.0 mg/kg)で、自発運動量の低下、運動失調、振せん、血涙、瞳孔収縮、眼球突出、あえぎ、流涙、痙れん、多尿、呼吸困難、流涎、首の腫脹、舌に咬創あと、鼻汁の分泌、口からの出血等の症状が見られたとの記載(農薬登録申請資料)がある。また、マウスで区分1のガイダンス値範囲内の投与量(8.0-253.0mg/kg)で、自発運動の低下、運動失調、振せん、流涙、痙攣、多尿、流涎等の症状が見られたとの記載がある(農薬登録申請資料)。これらの情報に基づき、区分1(全身性、神経系)とした。
9 特定標的臓器毒性(反復暴露) 区分1(血液)、区分2(神経系) 警告
危険
H373: 長期にわたる、又は反復暴露による臓器の障害のおそれ(神経系)
H372: 長期にわたる、又は反復暴露による臓器の障害(血液)
P260: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。
P264: 取扱後は...よく洗うこと。
P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。
P314: 気分が悪いときは、医師の診断/手当てを受けること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
ラットで区分1のガイダンス値範囲内の投与量(6.95-8.38 mg/kg)で血漿・赤血球・脳コリンエステラーゼ阻害、貧血傾向がみられ、区分2のガイダンス値範囲内の投与量(36.81 mg/kg)では体重増加抑制、摂餌量低下、血漿・赤血球・脳コリンエステラーゼ阻害、貧血傾向がみられたとの記載(農薬登録申請資料)に基づき、区分1(血液)、区分2(神経系)とした。
10 吸引性呼吸器有害性 分類できない - - - - データなし。

環境に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起語 危険有害性情報 注意書き 分類根拠・問題点
11 水生環境有害性(急性) 区分1 警告 H400: 水生生物に非常に強い毒性 P273: 環境への放出を避けること。
P391: 漏出物を回収すること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
甲殻類(ミジンコ類)の48時間LC50=1.8μg/L(HSDB、2004)から、区分1とした。
11 水生環境有害性(長期間) 区分1 警告 H410: 長期継続的影響によって水生生物に非常に強い毒性 P273: 環境への放出を避けること。
P391: 漏出物を回収すること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
急性毒性が区分1、急速分解性がないと推定され(BIOWIN)、生物蓄積性があると推定される(log Kow=4.7(PHYSPROP Database、2005))ことから、区分1とした。


分類結果の利用に関する注意事項:
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 本分類結果は、分類ガイダンス等のマニュアルで定められている情報源と判定方法に基づくものであり、あくまでもSDSやラベル作成の際の参考として公表しているものです。他の文献や試験結果等を根拠として、本内容と異なる分類結果でSDSやラベルを作成することを妨げるものではありません。

参考情報:
使用マニュアル

解説・用語集(エクセルファイル)

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厚生労働省モデルSDS

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