GHS分類結果

名称:ヒ酸亜鉛
CAS番号:1303-39-5

結果:
物質ID: 1077
分類実施者: GHS関係省庁連絡会議
分類実施年度: 平成18年度
使用マニュアル: GHS分類マニュアル(H18.2.10版)

物理化学的危険性
危険有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起語 危険有害性情報 注意書き 分類根拠・問題点
1 爆発物 分類対象外 - - - - 爆発性に関連する原子団を含んでいない。
2 可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む) 分類対象外 - - - - GHSの定義における固体。
3 エアゾール 分類対象外 - - - - エアゾール製品でない。
4 支燃性/酸化性ガス 分類対象外 - - - - GHSの定義における固体。
5 高圧ガス 分類対象外 - - - - GHSの定義における固体。
6 引火性液体 分類対象外 - - - - GHSの定義における固体。
7 可燃性固体 区分外 - - - - 物質固有(ただし亜ヒ酸亜鉛と共有)の国連番号(1712)によりUNRTDGが6.1、IIに分類されており、可燃性固体を示す4.1が付されていないため、区分外とした。
8 自己反応性化学品 分類対象外 - - - - 爆発性に関連する原子団、あるいは自己反応性に関連する原子団を含んでいない。
9 自然発火性液体 分類対象外 - - - - GHSの定義における固体。
10 自然発火性固体 区分外 - - - - 物質固有(ただし亜ヒ酸亜鉛と共有)の国連番号(1712)によりUNRTDGが6.1、IIに分類されており、自然発火性を示す4.2が付されていないため、区分外とした。
11 自己発熱性化学品 区分外 - - - - 物質固有(ただし亜ヒ酸亜鉛と共有)の国連番号(1712)によりUNRTDGが6.1、IIに分類されており、自己発熱性化学品を示す4.2が付されていないため、区分外とした。
12 水反応可燃性化学品 区分外 - - - - 物質固有(ただし亜ヒ酸亜鉛と共有)の国連番号(1712)によりUNRTDGが6.1、IIに分類されており、水反応可燃性物質を示す4.3が付されていないため、区分外とした。
13 酸化性液体 分類対象外 - - - - GHSの定義における固体。
14 酸化性固体 区分外 - - - - 物質固有(ただし亜ヒ酸亜鉛と共有)の国連番号(1712)によりUNRTDGが6.1、IIに分類されており、酸化性を示す5.1が付されていないため、区分外とした。
15 有機過酸化物 分類対象外 - - - - 無機化合物。
16 金属腐食性物質 分類できない - - - - 固体状の物質に適した試験方法が確立していない。

健康に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起語 危険有害性情報 注意書き 分類根拠・問題点
1 急性毒性(経口) 分類できない - - - - データなし。
1 急性毒性(経皮) 分類できない - - - - データなし。
1 急性毒性(吸入:ガス) 分類対象外 - - - - GHSの定義における固体。
1 急性毒性(吸入:蒸気) 分類できない - - - - データなし。
1 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) 分類できない - - - - データなし。
2 皮膚腐食性/刺激性 分類できない - - - - データなし。
3 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 分類できない - - - - データなし。
4 呼吸器感作性 分類できない - - - - データなし。
4 皮膚感作性 分類できない - - - - 本物質自身のデータはないが、無機ヒ素化合物としてヒトに皮膚感作性を示す可能性があるとしているが確定的な結論ではないこと(ATSDR, 2005; HSG, 1992)、加えて、EHC 224(2001)のヒトにおける記述”無機ヒ素の皮膚感作性の発現はまれである”ことから、データ不足のため分類できないとした。
5 生殖細胞変異原性 分類できない - - - - データなし。なお、DFGではヒ素及び無機ヒ素化合物を生殖細胞変異原性カテゴリー3A(GHS区分1B-2相当)に分類している(MAK/BAT, 2005)
6 発がん性 区分1A 危険 H350: 発がんのおそれ P308+P313: 暴露又は暴露の懸念がある場合:医師の診断/手当てを受けること。
P201: 使用前に取扱説明書を入手すること。
P202: 全ての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。
P281: 指定された個人用保護具を使用すること。
P405: 施錠して保管すること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
IARC Suppl. 7(1987)、ACGIH-TLV(2004)、MAK/BAT(2004)においてヒ素及びヒ素化合物はヒト発がん性物質に分類されているため、区分1Aとした。
7 生殖毒性 区分2 警告 H361: 生殖能又は胎児への悪影響のおそれの疑い P308+P313: 暴露又は暴露の懸念がある場合:医師の診断/手当てを受けること。
P201: 使用前に取扱説明書を入手すること。
P202: 全ての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。
P281: 指定された個人用保護具を使用すること。
P405: 施錠して保管すること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
本物質自身のデータはないが、ACGIH(7th, 2001), ATSDR(draft, 2005), EHC 224(2001), DFGOT Vol.21(2005)において、相反する報告はあるものの、実験動物に対し無機ヒ素化合物による生殖発生毒性の知見が示されていることから、区分2とした。
8 特定標的臓器毒性(単回暴露) 区分1(消化器系、心血管系、神経系、腎臓、肝臓、呼吸器系) 危険 H370: 臓器の障害(消化器系、心血管系、神経系、腎臓、肝臓、呼吸器系) P307+P311: 暴露した場合:医師に連絡すること。
P260: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。
P264: 取扱後は...よく洗うこと。
P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。
P321: 特別な処置が必要である(このラベルの...を見よ)。
P405: 施錠して保管すること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
本物質自身のデータはないが、ヒ素及び無機ヒ素化合物に対するEHC 224(2001)のヒトに関する記述”胃腸器官の症状、心血管系及び神経系機能の障害、骨髄抑制、血液系の変化、腎症”、加えてACGIH(7th, 2001)の肝臓、上部気道及び肺への影響より、区分1(消化器系、心血管系、神経系、腎臓、肝臓、呼吸器系)とした。
9 特定標的臓器毒性(反復暴露) 区分1(消化器系、心血管系、神経系、腎臓、肝臓、血液系、皮膚、呼吸器系) 危険 H372: 長期にわたる、又は反復暴露による臓器の障害(消化器系、心血管系、神経系、腎臓、肝臓、血液系、皮膚、呼吸器系) P260: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。
P264: 取扱後は...よく洗うこと。
P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。
P314: 気分が悪いときは、医師の診断/手当てを受けること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
本物質自身のデータはないが、ヒ素及び無機ヒ素化合物に関するEHC 224(2001)のヒトにおける記述”無機ヒ素の長期経口摂取で、胃腸管障害、神経障害、血液系への影響、心血管系、腎臓、肝臓の異常が見られた。標的臓器は胃腸管、心臓、脳及び腎臓である。皮膚、骨髄及び末梢神経系も影響を受ける”、加えてACGIH(7th, 2001)の上部気道及び肺への影響より、区分1(消化器系、心血管系、神経系、腎臓、肝臓、血液系、皮膚、呼吸器系)とした。
10 吸引性呼吸器有害性 分類できない - - - - データなし。

環境に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起語 危険有害性情報 注意書き 分類根拠・問題点
11 水生環境有害性(急性) 分類できない - - - - データがなく分類できない。
11 水生環境有害性(長期間) 分類できない - - - - データがなく分類できない。


分類結果の利用に関する注意事項:
 政府による分類結果は、GHSに基づくSDSやラベル作成の際に自由に引用および複写を行うことができます。ただし、引用および複写をした上で作成されたSDS・ラベルの内容に対する責任は、SDS・ラベル作成者にあることにご留意ください。
 本分類結果は、分類ガイダンス等のマニュアルで定められている情報源と判定方法に基づくものであり、あくまでもSDSやラベル作成の際の参考として公表しているものです。他の文献や試験結果等を根拠として、本内容と異なる分類結果でSDSやラベルを作成することを妨げるものではありません。

参考情報:
使用マニュアル

解説・用語集(エクセルファイル)

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厚生労働省モデルSDS

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