GHS分類結果

名称:2-ジフェニルアセチル-1,3-インダンジオン
CAS番号:82-66-6

結果:
物質ID: 1049
分類実施者: GHS関係省庁連絡会議
分類実施年度: 平成18年度
使用マニュアル: GHS分類マニュアル(H18.2.10版)

物理化学的危険性
危険有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起語 危険有害性情報 注意書き 分類根拠・問題点
1 爆発物 分類対象外 - - - - 爆発性に関連する原子団を含んでいない。
2 可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む) 分類対象外 - - - - GHSの定義における固体である。
3 エアゾール 分類対象外 - - - - エアゾール製品でない。
4 支燃性/酸化性ガス 分類対象外 - - - - GHSの定義における固体である。
5 高圧ガス 分類対象外 - - - - GHSの定義における固体である。
6 引火性液体 分類対象外 - - - - GHSの定義における固体である。
7 可燃性固体 分類できない - - - - データなし。
8 自己反応性化学品 分類対象外 - - - - 爆発性に関連する原子団、あるいは自己反応性に関連する原子団を含んでいない。
9 自然発火性液体 分類対象外 - - - - GHSの定義における固体である。
10 自然発火性固体 区分外 - - - - 用途が農薬(殺鼠剤)であり、常温の空気と接触しても自然発火しない。
11 自己発熱性化学品 分類できない - - - - データなし。
12 水反応可燃性化学品 分類対象外 - - - - 金属または半金属(B, Si, P, Ge, As, Se, Sn, Sb, Te, Bi, Po, At)を含んでいない。
13 酸化性液体 分類対象外 - - - - GHSの定義における固体である。
14 酸化性固体 分類対象外 - - - - 酸素を含むが、炭素以外と化学結合していない。
15 有機過酸化物 分類対象外 - - - - 分子内に-O-O-構造を含まない有機化合物。
16 金属腐食性物質 分類できない - - - - 固体状の物質に適した試験方法が確立していない。

健康に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起語 危険有害性情報 注意書き 分類根拠・問題点
1 急性毒性(経口) 区分1 危険 H300: 飲み込むと生命に危険 P301+P310: 飲み込んだ場合:直ちに医師に連絡すること。
P264: 取扱後は...よく洗うこと。
P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。
P321: 特別な処置が必要である(このラベルの...を見よ)。
P330: 口をすすぐこと。
P405: 施錠して保管すること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
ラットにおけるPriority 1のデータLD50 = 3.0 mg/kg(EHC175(1995))より区分1と分類した。
1 急性毒性(経皮) 区分1 危険 H310: 皮膚に接触すると生命に危険 P302+P350: 皮膚に付着した場合:多量の水と石鹸で優しく洗うこと。
P262: 眼、皮膚、衣類につけないこと。
P264: 取扱後は...よく洗うこと。
P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。
P280: 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。
P310: 直ちに医師に連絡すること。
P322: 特別な処置が必要である(このラベルの...を見よ)。
P361: 汚染された衣類を直ちに全て脱ぐこと。
P363: 汚染された衣類を再使用する場合には洗濯をすること。
P405: 施錠して保管すること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
ラットにおけるLD50 < 200 mg/kg(Pesticide Manual(13th ed, 2003))と、ウサギにおけるLD50 = 3.6 mg/kg(HSDB(2003))から値の小さい方を採用し、区分1と分類した。
1 急性毒性(吸入:ガス) 分類対象外 - - - - GHSの定義における固体であるため。
1 急性毒性(吸入:蒸気) 分類できない - - - - データなし。
1 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) 区分1 危険 H330: 吸入すると生命に危険 P304+P340: 吸入した場合:空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。
P403+P233: 換気の良い場所で保管すること。容器を密閉しておくこと。
P260: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。
P271: 屋外又は換気の良い場所でのみ使用すること。
P284: 呼吸用保護具を着用すること。
P310: 直ちに医師に連絡すること。
P320: 特別な処置が緊急に必要である(このラベルの...を見よ)。
P405: 施錠して保管すること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
本物質の蒸気圧1.37x10^(-5)mPa(25℃)より計算した飽和蒸気圧濃度は1.35x10^(-7)mg/Lであり、吸入試験に用いられた濃度(2 mg/l, 6 ug/l)はいずれも粉塵と考えられる。従って、ラットにおけるLC50値のうち毒性の強い値LC50 < 6 ug/l/4 hr(HSDB(2003))から区分1と分類した。
2 皮膚腐食性/刺激性 区分外 - - - - Priority 1において皮膚への刺激性がないとの記述がある(PM(13th, 2003))ことから区分外とした。
3 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 区分外 - - - - Priority 1において眼への刺激性がないとの記述がある(PM(13th, 2003))ことから区分外とした。
4 呼吸器感作性 分類できない - - - - データなし。
4 皮膚感作性 分類できない - - - - データ不足のため。
5 生殖細胞変異原性 分類できない - - - - データなし。
6 発がん性 分類できない - - - - データなし。
7 生殖毒性 分類できない - - - - データ不足のため。
8 特定標的臓器毒性(単回暴露) 区分2(血液) 警告 H371: 臓器の障害のおそれ(血液) P309+P311: 暴露したとき、又は気分が悪いとき:医師に連絡すること。
P260: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。
P264: 取扱後は...よく洗うこと。
P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。
P405: 施錠して保管すること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
いずれもPriority2において、ヒトに対して血液抗凝固作用に由来する出血(鼻血、血便、斑状出血等)が起こるとの記述がある(SITTIG(4th, 2002), HSFS(1999), HSDB(2003))ため、区分2(血液(抗凝結作用))とした。
9 特定標的臓器毒性(反復暴露) 区分1(血液) 危険 H372: 長期にわたる、又は反復暴露による臓器の障害(血液) P260: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。
P264: 取扱後は...よく洗うこと。
P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。
P314: 気分が悪いときは、医師の診断/手当てを受けること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
Priority 1でのラットに対する実験において、区分1のガイダンス値に相当する量で広範囲にわたる大量の内出血が認められるとの記述がある(EHC175(1995))。また、Priority 2でのウサギに対する経皮での実験においても、区分1のガイダンス値に相当する量で種ーの器官での出血が見られた(HSDB(2003))ことから、区分1(血液)とした。なお、Priority 2において、ヒトの肝臓および腎臓に対して影響を及ぼす可能性があるとの記述がある(SITTIG(4th, 2002))が、他にこの内容を指示する記述がなかったため標的臓器には加えなかった。
10 吸引性呼吸器有害性 分類できない - - - - データなし。

環境に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起語 危険有害性情報 注意書き 分類根拠・問題点
11 水生環境有害性(急性) 区分1 警告 H400: 水生生物に非常に強い毒性 P273: 環境への放出を避けること。
P391: 漏出物を回収すること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
魚類(アメリカナマズ)の96時間LC50=2.09mg/L(EHC175、1995)から、本物質の水溶解度(0.3mg/L(PHYSPROP Database、2005))において当該毒性が発現した可能性が否定できないため、区分1とした。
11 水生環境有害性(長期間) 区分1 警告 H410: 長期継続的影響によって水生生物に非常に強い毒性 P273: 環境への放出を避けること。
P391: 漏出物を回収すること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
急性毒性が区分1、急速分解性がないと推定され(BIOWIN)、生物蓄積性があると推定される(log Kow=4.27(PHYSPROP Database、2005))ことから、区分1とした。


分類結果の利用に関する注意事項:
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 本分類結果は、分類ガイダンス等のマニュアルで定められている情報源と判定方法に基づくものであり、あくまでもSDSやラベル作成の際の参考として公表しているものです。他の文献や試験結果等を根拠として、本内容と異なる分類結果でSDSやラベルを作成することを妨げるものではありません。

参考情報:
使用マニュアル

解説・用語集(エクセルファイル)

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