名称:りん酸トリス(2,3-ジブロモプロピル)
CAS番号:126-72-7
物質ID: | 1009 |
分類実施者: | GHS関係省庁連絡会議 |
分類実施年度: | 平成18年度 |
使用マニュアル: | GHS分類マニュアル(H18.2.10版) |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 爆発物 | 分類対象外 | - | - | - | - | 分子内に爆発性に関連する原子団を含んでいない。 |
2 | 可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む) | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における液体である。 |
3 | エアゾール | 分類対象外 | - | - | - | - | エアゾール製品ではない。 |
4 | 支燃性/酸化性ガス | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における液体である。 |
5 | 高圧ガス | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における液体である。 |
6 | 引火性液体 | 区分外 | - | - | - | - | 引火点>93℃ |
7 | 可燃性固体 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における液体である。 |
8 | 自己反応性化学品 | 分類対象外 | - | - | - | - | 分子内に爆発性ならびに自己反応性に関連する原子団を含んでいない。 |
9 | 自然発火性液体 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
10 | 自然発火性固体 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における液体である。 |
11 | 自己発熱性化学品 | 分類できない | - | - | - | - | 液体状の物質に適した試験方法が確立していない。 |
12 | 水反応可燃性化学品 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
13 | 酸化性液体 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
14 | 酸化性固体 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における液体である。 |
15 | 有機過酸化物 | 分類対象外 | - | - | - | - | 分子内に-O-O-構造を含んでいない。 |
16 | 金属腐食性物質 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
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1 | 急性毒性(経口) | 区分4 | 警告 | H302: 飲み込むと有害 |
P301+P312: 飲み込んだ場合:気分が悪いときは医師に連絡すること。 P264: 取扱後は...よく洗うこと。 P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。 P330: 口をすすぐこと。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
ラットLD50値:5,24g/kg(EHC 173, 1995; IARC 20, 1979)、1,88g/kg、3,12g/kg(いずれもEHC 173, 1995)および810mg/kg(環境省リスク評価第3巻、2004)を用い、計算式を適用した。得られた計算値:1202mg/kgに基づき、区分4とした。 | |
1 | 急性毒性(経皮) | 区分外 | - | - | - | - | ウサギLD50;17.6g/kg(EHC173, 1995)および>8g/kg(EHC173, 1995; IARC 20, 1979)に基づき、区分外とした。 |
1 | 急性毒性(吸入:ガス) | 分類対象外 | - | - | - | - | GHS定義による液体である。 |
1 | 急性毒性(吸入:蒸気) | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
1 | 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
2 | 皮膚腐食性/刺激性 | 区分外 | - | - | - | - | ウサギを用いた皮膚刺激性試験で刺激性はなかった(EHC 173, 1995; IARC 20, 1979; PATTY 4th, 1994)との記述に基づき、区分外とした。 |
3 | 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 | 区分外 | - | - | - | - | ウサギの眼に適用した眼刺激性試験で刺激性はなかった(EHC 173 1995; IARC 20, 1979; PATTY 4th, 1994)との記述に基づき、区分外とした。 |
4 | 呼吸器感作性 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
4 | 皮膚感作性 | 区分外 | - | - | - | - | モルモットを用いたランドシュタイナー法変法(Modified Landsteiner Methods)では、皮膚感作性は認められなかったとの記述(EHC 173, 1995; IARC 20, 1979; PATTY 4th, 1994)、およびヒトでの皮膚感作性を試験した数種の報告から、本物質のヒトに対する皮膚感作性のポテンシャルは低いとの評価(EHC 173, 1995)に基づき、区分外とした。 |
5 | 生殖細胞変異原性 | 区分2 | 警告 | H341: 遺伝性疾患のおそれの疑い |
P308+P313: 暴露又は暴露の懸念がある場合:医師の診断/手当てを受けること。 P201: 使用前に取扱説明書を入手すること。 P202: 全ての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。 P281: 指定された個人用保護具を使用すること。 P405: 施錠して保管すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
生殖細胞を用いたin vivo変異原性試験データはないが、体細胞を用いたin vivo変異原性試験であるラット骨髄細胞を用いた染色体異常試験では陰性、ハムスターおよびマウスを用いた小核試験では、ハムスターで陽性、マウスで弱い陽性を示しており(いずれもEHC 173, 1995; IARC 20, 1979; IARC 71, 1999)、生殖細胞でのin vivo遺伝毒性試験のデータがないことから、区分2とした。 なお、体細胞を用いたin vivo遺伝毒性試験であるDNA損傷性試験およびin vitro変異原性試験では陽性を示す他種の試験データが得られている(EHC 173, 1995; IARC 20,1979; IARC 71, 1999;)。 | |
6 | 発がん性 | 区分1B | 危険 | H350: 発がんのおそれ |
P308+P313: 暴露又は暴露の懸念がある場合:医師の診断/手当てを受けること。 P201: 使用前に取扱説明書を入手すること。 P202: 全ての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。 P281: 指定された個人用保護具を使用すること。 P405: 施錠して保管すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
IARC(IARC 71, 1999)ではグループ2A、日本産業衛生学会(産衛学会勧告、2005)では2A、NTPではRに分類していることから、区分1Bとした。 | |
7 | 生殖毒性 | 区分2 | 警告 | H361: 生殖能又は胎児への悪影響のおそれの疑い |
P308+P313: 暴露又は暴露の懸念がある場合:医師の診断/手当てを受けること。 P201: 使用前に取扱説明書を入手すること。 P202: 全ての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。 P281: 指定された個人用保護具を使用すること。 P405: 施錠して保管すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
雄ラットに反復腹腔内投与(30回/72日間)した試験で精巣、精巣上体、前立腺の重量減少、萎縮、造精能の低下、精細管内胚細胞の減少、精子運動性低下が認められ、雄ウサギに反復経皮投与(1回/週で13週間)した試験でも精巣重量減少、萎縮、造精不全が認められ、雄マウスに5日間腹腔内投与後、35日飼養した動物には異常精子の増加が認められており(いずれもEHC 173, 1995)、雄の生殖器官に対して影響を示した。一方、妊娠ラットの胎児器官形成期に経口投与した試験では、母獣に一般毒性が認められる用量で胎児に骨格変異の増加傾向があったが、催奇形性および胎児の発育異常はなかった(EHC 173, 1995; IARC 70, 1999)との記述に基づき、区分2とした。 | |
8 | 特定標的臓器毒性(単回暴露) | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
9 | 特定標的臓器毒性(反復暴露) | 区分2(腎臓) | 警告 | H373: 長期にわたる、又は反復暴露による臓器の障害のおそれ(腎臓) |
P260: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。 P314: 気分が悪いときは、医師の診断/手当てを受けること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
ラットの90日間反復経口投与試験で、区分2のガイダンス値の用量から腎尿細管上皮細胞の変性、肥厚、異形成などの慢性腎炎が認められた(EHC 173, 1995)との記述から、区分2(腎臓)とした。 | |
10 | 吸引性呼吸器有害性 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
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11 | 水生環境有害性(急性) | 区分2 | - | - | H401: 水生生物に毒性 |
P273: 環境への放出を避けること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
藻類(セネデスムス)の96時間EC50=3100μg/L(環境省リスク評価第3巻、2004)から、区分2とした。 |
11 | 水生環境有害性(長期間) | 区分2 | - | H411: 長期継続的影響によって水生生物に毒性 |
P273: 環境への放出を避けること。 P391: 漏出物を回収すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
急性毒性が区分2、生物蓄積性が低いものの(BCF=4.3(既存化学物質安全性点検データ))、急速分解性がない(BODによる分解度:2%(既存化学物質安全性点検データ))ことから、区分2とした。 |
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