名称:モルホリン
CAS番号:110-91-8
物質ID: | 995 |
分類実施者: | GHS関係省庁連絡会議 |
分類実施年度: | 平成18年度 |
使用マニュアル: | GHS分類マニュアル(H18.2.10版) |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
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1 | 爆発物 | 分類対象外 | - | - | - | - | 分子内に爆発性に関連する原子団を含んでいない。 |
2 | 可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む) | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における液体である。 |
3 | エアゾール | 分類対象外 | - | - | - | - | エアゾール製品ではない。 |
4 | 支燃性/酸化性ガス | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における液体である。 |
5 | 高圧ガス | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における液体である。 |
6 | 引火性液体 | 区分3 | 警告 | H226: 引火性液体及び蒸気 |
P303+P361+P353: 皮膚(又は髪)に付着した場合:直ちに汚染された衣類を全て脱ぐこと/取り除くこと。皮膚を流水/シャワーで洗うこと。 P370+P378: 火災の場合:消火するために...を使用すること。 P403+P235: 換気の良い場所で保管すること。涼しいところに置くこと。 P210: 熱/火花/裸火/高温のもののような着火源から遠ざけること。−禁煙。 P233: 容器を密閉しておくこと。 P240: 容器を接地すること/アースをとること。 P241: 防爆型の電気機器/換気装置/照明機器/...機器を使用すること。 P242: 火花を発生させない工具を使用すること。 P243: 静電気放電に対する予防措置を講ずること。 P280: 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
23℃≦引火点≦60℃ | |
7 | 可燃性固体 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における液体である。 |
8 | 自己反応性化学品 | 分類対象外 | - | - | - | - | 分子内に爆発性ならびに自己反応性に関連する原子団を含んでいない。 |
9 | 自然発火性液体 | 区分外 | - | - | - | - | 発火点が255℃である。(ホンメル(1991)Card No.139) |
10 | 自然発火性固体 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における液体である。 |
11 | 自己発熱性化学品 | 区分外 | - | - | - | - | UNRTDG クラス8 副次危険3に分類されている。 |
12 | 水反応可燃性化学品 | 分類対象外 | - | - | - | - | 分子内に金属または半金属を含んでいない。 |
13 | 酸化性液体 | 分類対象外 | - | - | - | - | 分子内にフッ素または塩素を含んでいない。酸素を含むが、この酸素は炭素、水素以外の元素と化学結合していない。 |
14 | 酸化性固体 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における液体である。 |
15 | 有機過酸化物 | 分類対象外 | - | - | - | - | 分子内に-O-O-構造を含んでいない。 |
16 | 金属腐食性物質 | 分類できない | - | - | - | - | UNRTDGにおいてクラス8に分類されているが、皮膚腐食性との識別が出来ない。また金属を侵すとの情報があるが((HSDB(2006))、規定試験法によるデータなし。 |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
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1 | 急性毒性(経口) | 区分4 | 警告 | H302: 飲み込むと有害 |
P301+P312: 飲み込んだ場合:気分が悪いときは医師に連絡すること。 P264: 取扱後は...よく洗うこと。 P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。 P330: 口をすすぐこと。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
ラットLD50値:1450mg/kg(環境省リスク評価第4巻, 2005), 1050mg/kg(EHC 179, 1996, ACGIH 7th, 2001, PATTY 4th, 1994, IARC 47, 1989), 1600mg/kg(EHC 179, 1996, PATTY 4th, 1994, IARC 47, 1989), 1900mg/kg(EHC 179, 1996), 1420mg/kg(PATTY 4th, 1994), 1610mg/kg(PATTY 4th, 1994)に基づき、計算式を適用して得られたLD50:1287mg/kgから区分4とした。 | |
1 | 急性毒性(経皮) | 区分3 | 危険 | H311: 皮膚に接触すると有毒 |
P302+P352: 皮膚に付着した場合:多量の水と石鹸で洗うこと。 P280: 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。 P312: 気分が悪いときは医師に連絡すること。 P322: 特別な処置が必要である(このラベルの...を見よ)。 P361: 汚染された衣類を直ちに全て脱ぐこと。 P363: 汚染された衣類を再使用する場合には洗濯をすること。 P405: 施錠して保管すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
ウサギLD50値:500ul/kg(換算値:503.5mg/kg、EHC 179, 1996, ACGIH 7th, 2001, IARC 47, 1989, PATTY 4th, 1994), 310-810mg/kg(PATTY 4th, 1994), 1210mg/kg(PATTY 4th, 1994)に基づき、計算式を適用した。得られたLD50は386.4mg/kgであることから、区分3とした。 | |
1 | 急性毒性(吸入:ガス) | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義による液体である。 |
1 | 急性毒性(吸入:蒸気) | 区分3 | 危険 | H331: 吸入すると有毒 |
P304+P340: 吸入した場合:空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。 P403+P233: 換気の良い場所で保管すること。容器を密閉しておくこと。 P261: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーの吸入を避けること。 P271: 屋外又は換気の良い場所でのみ使用すること。 P311: 医師に連絡すること。 P321: 特別な処置が必要である(このラベルの...を見よ)。 P405: 施錠して保管すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
ラット吸入LC50値(4時間):7.8mg/L(換算値:2192ppm)であり(EHC 179, 1996, PATTY 4th, 1994, IARC 47, 1989)、この濃度では蒸気圧からミストをほとんど含まない蒸気と判断でき、ppm濃度基準値に従い、区分3とした。 | |
1 | 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
2 | 皮膚腐食性/刺激性 | 区分1A-1C | 危険 | H314: 重篤な皮膚の薬傷及び眼の損傷 |
P301+P330+P331: 飲み込んだ場合:口をすすぐこと。無理に吐かせないこと。 P303+P361+P353: 皮膚(又は髪)に付着した場合:直ちに汚染された衣類を全て脱ぐこと/取り除くこと。皮膚を流水/シャワーで洗うこと。 P305+P351+P338: 眼に入った場合:水で数分間注意深く洗うこと。次にコンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。 P304+P340: 吸入した場合:空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。 P260: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。 P264: 取扱後は...よく洗うこと。 P280: 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。 P310: 直ちに医師に連絡すること。 P321: 特別な処置が必要である(このラベルの...を見よ)。 P363: 汚染された衣類を再使用する場合には洗濯をすること。 P405: 施錠して保管すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
ヒトの皮膚に対して中等度の刺激性がある(ACGIH 7th, 2001, PATTY 4th, 1994)との記述、皮膚に付くと発赤、痛み、熱傷、水疱をおこすことがあり、腐食性を示す(環境省リスク評価第4巻、2005)との記述がある。一方、ウサギへの皮膚適用により、強度の壊死、薬傷および炎症が認められ、腐食性がある(EHC 179, 1996, PATTY 4th, 1994, IARC 47,1989, ACGIH 7th, 2001)との記述から、区分1A-1Cとした。 | |
3 | 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 | 区分2A | 警告 | H319: 強い眼刺激 |
P305+P351+P338: 眼に入った場合:水で数分間注意深く洗うこと。次にコンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。 P337+P313: 眼の刺激が続く場合:医師の診断/手当てを受けること。 P264: 取扱後は...よく洗うこと。 P280: 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。 |
ウサギの眼に適用すると粘膜の浮腫、角膜混濁、ぶどう腫が認められた(EHC 179, 1996)との記述、1〜40%に希釈した液を点眼すると強度の刺激性が認められた(EHC 179, 1996, IARC 47, 1989, PATTY 4th, 1994)との記述、およびヒトで液体の本物質は眼の角膜に浮腫を起こし(IARC 47, 1989)、強度の刺激性がある(ACGIH 7th, 2001, IARC 47, 1989, PATTY 4th, 1994)との記述から、区分2Aとした。 | |
4 | 呼吸器感作性 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
4 | 皮膚感作性 | 分類できない | - | - | - | - | モルモットを用いた改良ビューラー法による皮膚感作性試験では感作性を示さなかった(EHC 179, 1996, PATTY 4th, 1994)との記述はあるが、明確に皮膚感作性を否定する記述がないことから、データ不足のため分類できないとした。 |
5 | 生殖細胞変異原性 | 区分2 | 警告 | H341: 遺伝性疾患のおそれの疑い |
P308+P313: 暴露又は暴露の懸念がある場合:医師の診断/手当てを受けること。 P201: 使用前に取扱説明書を入手すること。 P202: 全ての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。 P281: 指定された個人用保護具を使用すること。 P405: 施錠して保管すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
ラットを用いた優性致死試験では陰性である(PATTY 4th, 1994)が、ラットおよびモルモットの骨髄細胞を用いた染色体異常試験において陽性であり(EHC 179, 1996)、生殖細胞を用いたin vivo遺伝毒性試験のデータがないことから、区分2とした。 | |
6 | 発がん性 | 区分外 | - | - | - | - | IARC(IARC 71, 1999)ではグループ3、ACGIH(ACGIH 7th, 2001)ではA4に分類されていることから、区分外とした。 |
7 | 生殖毒性 | 分類できない | - | - | - | - | ラットでの104週間の吸入暴露試験では雌雄の生殖器官には影響なかったとの記述、本物質のオレイン酸塩をマウスに96週間飲水投与した試験でも雌雄の生殖器官には影響がなかったとの記述、および本物質のオレイン酸塩を妊娠ラットの胎児器官形成期に経口投与した試験で、母獣に臨床症状が発現する用量でも胎児に影響はなかったとの記述(いずれも環境省リスク評価書第4巻, 2005)はあるが、生殖毒性を明確に否定する記述がないことから、データ不足のため分類できないとした。 |
8 | 特定標的臓器毒性(単回暴露) | 区分1(呼吸器系) | 危険 | H370: 臓器の障害(呼吸器系) |
P307+P311: 暴露した場合:医師に連絡すること。 P260: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。 P264: 取扱後は...よく洗うこと。 P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。 P321: 特別な処置が必要である(このラベルの...を見よ)。 P405: 施錠して保管すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
ラットでの蒸気の吸入暴露試験で呼吸数の増加、肺刺激性が認められた(PATTY 4th, 1994)との記述およびヒトにおいて、吸入すると灼熱感、咳、息苦しさ、息切れが現れ、肺水腫を起こす(環境省リスク評価第4巻(2005))との記述から、区分1(呼吸器系)とした。 | |
9 | 特定標的臓器毒性(反復暴露) | 区分1(呼吸器系) | 危険 | H372: 長期にわたる、又は反復暴露による臓器の障害(呼吸器系) |
P260: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。 P264: 取扱後は...よく洗うこと。 P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。 P314: 気分が悪いときは、医師の診断/手当てを受けること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
ラットでの13週間および104週間の反復吸入暴露試験において、鼻腔などの呼吸器に細胞壊死、びらん、扁平上皮化生の増加などの組織傷害が認められた(環境省リスク評価第4巻, 2005, EHC 179, 1996, ACGIH 7th, 2001, PATTY 4th, 1994, IARC 47, 1989)との記述、およびヒトでの職業的な吸入暴露により気道刺激性がみられる(環境省リスク評価第4巻, 2005, ACGIH 7th, 2001, IARC 47, 1989)との記述から、区分1(呼吸器系)とした。 | |
10 | 吸引性呼吸器有害性 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
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11 | 水生環境有害性(急性) | 区分3 | - | - | H402: 水生生物に有害 |
P273: 環境への放出を避けること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
藻類(セレナストラム)の96時間ErC50=28mg/L(EHC179、1996)から、区分3とした。 |
11 | 水生環境有害性(長期間) | 区分3 | - | - | H412: 長期継続的影響によって水生生物に有害 |
P273: 環境への放出を避けること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
急性毒性が区分3、生物蓄積性が低いものの(BCF=0.65(既存化学物質安全性点検データ))、急速分解性がない(BODによる分解度:0%(既存化学物質安全性点検データ))ことから、区分3とした。 |
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