GHS分類結果

名称:フェノチアジン
CAS番号:92-84-2

結果:
物質ID: 909
分類実施者: GHS関係省庁連絡会議
分類実施年度: 平成18年度
使用マニュアル: GHS分類マニュアル(H18.2.10版)

物理化学的危険性
危険有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起語 危険有害性情報 注意書き 分類根拠・問題点
1 爆発物 分類対象外 - - - - 分子内に爆発性に関連する原子団を含んでいない。
2 可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む) 分類対象外 - - - - GHSの定義における固体である。
3 エアゾール 分類対象外 - - - - エアゾール製品ではない。
4 支燃性/酸化性ガス 分類対象外 - - - - GHSの定義における固体である。
5 高圧ガス 分類対象外 - - - - GHSの定義における固体である。
6 引火性液体 分類対象外 - - - - GHSの定義における固体である。
7 可燃性固体 分類できない - - - - 「可燃性」との情報があるが、規定試験法によるデータなし。
8 自己反応性化学品 分類対象外 - - - - 分子内に爆発性ならびに自己反応性に関連する原子団を含んでいない。
9 自然発火性液体 分類対象外 - - - - GHSの定義における固体である。
10 自然発火性固体 分類できない - - - - データなし。
11 自己発熱性化学品 分類できない - - - - データなし。
12 水反応可燃性化学品 分類対象外 - - - - 分子内に金属または半金属を含んでいない。
13 酸化性液体 分類対象外 - - - - GHSの定義における固体である。
14 酸化性固体 分類対象外 - - - - 分子内に酸素、フッ素または塩素原子を含んでいない。
15 有機過酸化物 分類対象外 - - - - 分子内に-O-O-構造を含んでいない。
16 金属腐食性物質 分類できない - - - - 試験温度である55℃において、気体状または固体状の物質に適した試験方法が確立していない。

健康に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起語 危険有害性情報 注意書き 分類根拠・問題点
1 急性毒性(経口) 区分5 - 警告 H303: 飲み込むと有害のおそれ P312: 気分が悪いときは医師に連絡すること。 ラットLD50:5000mg/kg(ACGIH(7th,2001))に基づき区分5とした。
1 急性毒性(経皮) 区分外 - - - - ウサギLD0:ca.9400mg/kg(IUCLID(2000))に基づき区分外とした。
1 急性毒性(吸入:ガス) 分類対象外 - - - - GHS定義による固体である。
1 急性毒性(吸入:蒸気) 分類できない - - - - データなし。
1 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) 区分外 - - - - ラットでの200mg/Lの1時間暴露(4時間暴露換算値:50mg/L)で、毒性が発現しなかった(IUCLID, 2000)との記述に基づき、区分外とした。
2 皮膚腐食性/刺激性 区分2 警告 H315: 皮膚刺激 P302+P352: 皮膚に付着した場合:多量の水と石鹸で洗うこと。
P332+P313: 皮膚刺激が生じた場合:医師の診断/手当てを受けること。
P264: 取扱後は...よく洗うこと。
P280: 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。
P321: 特別な処置が必要である(このラベルの...を見よ)。
P362: 汚染された衣類を脱ぎ、再使用する場合には洗濯をすること。
ウサギおよびモルモトを用いた皮膚刺激性試験では、実際上刺激性はないと記述されている(IUCLID, 2000)が、ヒトでは職業暴露により皮膚の発赤、痛みを伴った皮膚刺激性がある(ACGIH, 7th, 2001)、JCSC(J)(1998))との記述から、区分2とした。
3 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 区分2B - 警告 H320: 眼刺激 P305+P351+P338: 眼に入った場合:水で数分間注意深く洗うこと。次にコンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。
P337+P313: 眼の刺激が続く場合:医師の診断/手当てを受けること。
P264: 取扱後は...よく洗うこと。
OECD試験ガイドライン405などによるウサギを用いた眼刺激性試験では刺激性はないと記述されている(IUCLID(2000))が、ICSC(J)、ACGIH(7th, 2001)ではヒトの眼に対して刺激性がある、あるいは角膜炎を起こすとの記述があることから、軽度の眼刺激性があると判断され、区分2Bとした。
4 呼吸器感作性 分類できない - - - - データなし。
4 皮膚感作性 区分1 警告 H317: アレルギー性皮膚反応を起こすおそれ P302+P352: 皮膚に付着した場合:多量の水と石鹸で洗うこと。
P333+P313: 皮膚刺激又は発疹が生じた場合:医師の診断/手当てを受けること。
P261: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーの吸入を避けること。
P272: 汚染された作業衣は作業場から出さないこと。
P280: 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。
P321: 特別な処置が必要である(このラベルの...を見よ)。
P363: 汚染された衣類を再使用する場合には洗濯をすること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
ACGIH(7th, 2001)およびJCSC(J)(1998)に、反復または長期の皮膚接触により、皮膚感作性があり、光過敏症となることがあるとの記述から、区分1とした。
5 生殖細胞変異原性 区分外 - - - - NTP DB(2005)に、in vivoでのラット骨髄細胞を用いた小核試験で陰性であったことから、区分外とした。
6 発がん性 分類できない - - - - データ不足のため分類できない。
7 生殖毒性 分類できない - - - - データ不足のため判断できない。
8 特定標的臓器毒性(単回暴露) 区分1(肝臓、腎臓、血液、神経系、循環器系)、区分3(気道刺激性) 危険
警告
H335: 呼吸器への刺激のおそれ(気道刺激性)
H370: 臓器の障害(肝臓、腎臓、血液、神経系、循環器系)
P304+P340: 吸入した場合:空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。
P307+P311: 暴露した場合:医師に連絡すること。
P403+P233: 換気の良い場所で保管すること。容器を密閉しておくこと。
P260: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。
P261: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーの吸入を避けること。
P264: 取扱後は...よく洗うこと。
P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。
P271: 屋外又は換気の良い場所でのみ使用すること。
P312: 気分が悪いときは医師に連絡すること。
P321: 特別な処置が必要である(このラベルの...を見よ)。
P405: 施錠して保管すること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
ACGIH(7th, 2001)に、急性暴露により肝臓および腎臓の障害、溶血性貧血、腹部痙攣、頻脈を起こすとの記述があり、SITTIG(2002)にも肝障害、溶血性貧血、運動神経への影響、不整脈、腎臓障害があるとの記述があることから、標的臓器は肝臓、腎臓、血液、神経系および循環器系と判断し、いずれも区分1とした。また、ICSC(J)(1998)に気道を刺激するとの記述があり、区分3(気道刺激性)とした。
9 特定標的臓器毒性(反復暴露) 分類できない - - - - HSFS(2001)に、ヒトで肝臓、血液(貧血)、神経系に障害を起こすことがあるとの記述はあるが、具体的な症例報告などは示されておらず、IUCLID(2000)にラットでの反復経口投与では区分2のガイダンス値範囲を超える用量でも毒性は発現しなかったとの記述もあることから、データ不足のため分類できないとした。
10 吸引性呼吸器有害性 分類できない - - - - データなし。

環境に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起語 危険有害性情報 注意書き 分類根拠・問題点
11 水生環境有害性(急性) 分類できない - - - - データ不足のため分類できない。
11 水生環境有害性(長期間) 分類できない - - - - データ不足のため分類できない。


分類結果の利用に関する注意事項:
 政府による分類結果は、GHSに基づくSDSやラベル作成の際に自由に引用および複写を行うことができます。ただし、引用および複写をした上で作成されたSDS・ラベルの内容に対する責任は、SDS・ラベル作成者にあることにご留意ください。
 本分類結果は、分類ガイダンス等のマニュアルで定められている情報源と判定方法に基づくものであり、あくまでもSDSやラベル作成の際の参考として公表しているものです。他の文献や試験結果等を根拠として、本内容と異なる分類結果でSDSやラベルを作成することを妨げるものではありません。

参考情報:
使用マニュアル

解説・用語集(エクセルファイル)

厚生労働省モデルラベル

職場のあんぜんサイトへ

厚生労働省モデルSDS

職場のあんぜんサイトへ


GHS関連情報トップページに戻る