名称:ナフタレン
CAS番号:91-20-3
物質ID: | 869 |
分類実施者: | GHS関係省庁連絡会議 |
分類実施年度: | 平成18年度 |
使用マニュアル: | GHS分類マニュアル(H18.2.10版) |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
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1 | 爆発物 | 分類対象外 | - | - | - | - | 分子内に爆発性に関連する原子団を含んでいない。 |
2 | 可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む) | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における固体である。 |
3 | エアゾール | 分類対象外 | - | - | - | - | エアゾール製品ではない。 |
4 | 支燃性/酸化性ガス | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における固体である。 |
5 | 高圧ガス | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における固体である。 |
6 | 引火性液体 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における固体である。 |
7 | 可燃性固体 | 区分2 | 警告 | H228: 可燃性固体 |
P370+P378: 火災の場合:消火するために...を使用すること。 P210: 熱/火花/裸火/高温のもののような着火源から遠ざけること。−禁煙。 P240: 容器を接地すること/アースをとること。 P241: 防爆型の電気機器/換気装置/照明機器/...機器を使用すること。 P280: 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。 |
UNRTDG クラス4.1 PGIIIに分類されている。 | |
8 | 自己反応性化学品 | 分類対象外 | - | - | - | - | 分子内に爆発性ならびに自己反応性に関連する原子団を含んでいない。 |
9 | 自然発火性液体 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における固体である。 |
10 | 自然発火性固体 | 区分外 | - | - | - | - | 発火点が526℃である。(NFPA(12th, 1997)p49-93) |
11 | 自己発熱性化学品 | 分類できない | - | - | - | - | 試験温度の140℃において、液体または気体となる物質に適した試験方法が確立していない。 |
12 | 水反応可燃性化学品 | 分類対象外 | - | - | - | - | 分子内に金属または半金属を含んでいない。 |
13 | 酸化性液体 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における固体である。 |
14 | 酸化性固体 | 分類対象外 | - | - | - | - | 分子内に酸素、フッ素または塩素原子を含んでいない。 |
15 | 有機過酸化物 | 分類対象外 | - | - | - | - | 分子内に-O-O-構造を含んでいない。 |
16 | 金属腐食性物質 | 分類できない | - | - | - | - | 試験温度である55℃において、気体状または固体状の物質に適した試験方法が確立していない。 |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
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1 | 急性毒性(経口) | 区分4 | 警告 | H302: 飲み込むと有害 |
P301+P312: 飲み込んだ場合:気分が悪いときは医師に連絡すること。 P264: 取扱後は...よく洗うこと。 P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。 P330: 口をすすぐこと。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
ラットLD50値:約1800mg/kg(ACGIH 7th, 2001)、1780mg/kg(DFGOT vol.11, 1998)、9430mg/kg(DFGOT vol.11, 1998、CERIハザードデータ集, 1997、NTP TR500, 2000)、1110mg/kg(DFGOT vol.11, 1998、EHC 202, 1998、NTP TR500, 2000)、2200mg/kg(DFGOT vol.11, 1998、EHC 202, 1998、ATSDR, 2003)、>2000mg/kg(EU RAR, 2003)、2300mg/kg(EU RAR, 2003)、490mg/kg(CERIハザードデータ集, 1997、EHC 202, 1998)、1250mg/kg(EHC 202, 1998)、1800mg/kg(EHC 202, 1998)、2600mg/kg(ATSDR, 2003)に基づき、計算を適用した。計算値は1157mg/kgであったことから、区分4とした。 | |
1 | 急性毒性(経皮) | 区分外 | - | - | - | - | ラットLD50値:>2500mg/kg(CERIハザードデータ集, 1997、EHC 202, 1998、NTP TR500, 2000)、ウサギLD50値:>2000mg/kg(EU RAR, 2003、CERIハザードデータ集, 1997)、ならびにEU RAR(2003)のラットでは2500mg/kgで死亡が認められなかったとの記述、ATSDR(2003)の2000mg/kgではウサギに死亡が認められなかったとの記述から、区分外とした。 |
1 | 急性毒性(吸入:ガス) | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義による固体である。 |
1 | 急性毒性(吸入:蒸気) | 分類できない | - | - | - | - | CERIハザードデータ集(1997)にラットLC50(1時間)値:>65ppm(4時間換算値0.17mg/L)との記述、NTP TR500(2000)にラットLC50(8時間)値:>0.5mg/L(4時間換算値>0.7mg/L)との記述があるのみで、区分を特定するにはデータ不足であるため、分類できないとした。 |
1 | 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
2 | 皮膚腐食性/刺激性 | 区分3 | - | 警告 | H316: 軽度の皮膚刺激 | P332+P313: 皮膚刺激が生じた場合:医師の診断/手当てを受けること。 | DFGOT(vol.11, 1998)、EU RAR(2003)、EHC 202(1998)およびATSDR(2003)のウサギの皮膚に適用した試験において軽度な刺激性が認められたとの記述から、区分3とした。 |
3 | 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 | 区分2B | - | 警告 | H320: 眼刺激 |
P305+P351+P338: 眼に入った場合:水で数分間注意深く洗うこと。次にコンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。 P337+P313: 眼の刺激が続く場合:医師の診断/手当てを受けること。 P264: 取扱後は...よく洗うこと。 |
EU RAR(2003)およびATSDR(2003)のウサギの眼に適用した試験において7日以内に回復する軽度な刺激性が認められたとの記述から、区分2Bとした。 |
4 | 呼吸器感作性 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
4 | 皮膚感作性 | 区分1 | 警告 | H317: アレルギー性皮膚反応を起こすおそれ |
P302+P352: 皮膚に付着した場合:多量の水と石鹸で洗うこと。 P333+P313: 皮膚刺激又は発疹が生じた場合:医師の診断/手当てを受けること。 P261: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーの吸入を避けること。 P272: 汚染された作業衣は作業場から出さないこと。 P280: 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。 P321: 特別な処置が必要である(このラベルの...を見よ)。 P363: 汚染された衣類を再使用する場合には洗濯をすること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
EU RAR(2003)にモルモットを用いたBuehler testおよびmaximization testにおいて皮膚感作性は認められなかったとの記述があるが、ヒトへの影響としてDFGOT(vol.11, 1998)の皮内試験で皮膚反応が認められた2症例の記述およびナフタレンに対するアレルギーの頻度は0.13%であるとの記述から、区分1とした。 | |
5 | 生殖細胞変異原性 | 区分外 | - | - | - | - | 体細胞を用いるin vivo変異原性試験であるマウス赤血球を用いた小核試験で陰性の結果がある(DFGOT vol.11, 1998、EU RAR, 2003、IARC 82, 2002、IRIS, 1998、ATSDR, 2003)ことから、区分外とした。 |
6 | 発がん性 | 区分2 | 警告 | H351: 発がんのおそれの疑い |
P308+P313: 暴露又は暴露の懸念がある場合:医師の診断/手当てを受けること。 P201: 使用前に取扱説明書を入手すること。 P202: 全ての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。 P281: 指定された個人用保護具を使用すること。 P405: 施錠して保管すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
ACGIHでA4(ACGIH 7th, 2001)、EPA(1998)でCBD(IRIS, 2005)に分類されているが、IARCではグループ2B(IARC 82, 2002)、EUではカテゴリー3(EU-Annex I, 2005)に分類されていることから、最近の評価文書であるIARCに従い、区分2とした。 | |
7 | 生殖毒性 | 区分外 | - | - | - | - | NTP DB(2005)、DFGOT(vol.11, 1998)、EU RAR(2003)、IARC 82(2002)、EHC 202(1998)、IRIS(1998)、ATSDR(2003)およびACGIH(7th, 2001)のマウス、ラットまたはウサギを用いた妊娠中経口投与試験において母動物に一般毒性が認められる用量でも明確な生殖毒性が認められなかったとの記述から、区分外とした。 |
8 | 特定標的臓器毒性(単回暴露) | 区分1(血液)、区分2(眼) |
警告 危険 |
H370: 臓器の障害(血液) H371: 臓器の障害のおそれ(眼) |
P307+P311: 暴露した場合:医師に連絡すること。 P309+P311: 暴露したとき、又は気分が悪いとき:医師に連絡すること。 P260: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。 P264: 取扱後は...よく洗うこと。 P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。 P321: 特別な処置が必要である(このラベルの...を見よ)。 P405: 施錠して保管すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
ACGIH(7th, 2001)、DFGOT(vol.11, 1998)、EU RAR(2003)、IARC 82(2002)、EHC 202(1998)、IRIS(1998)、CERIハザードデータ集(1997)、NTP TR500(2000)、ATSDR(2003)およびACGIH(7th, 2001)のヒトで溶血性貧血が認められたとの記述から、区分1(血液)とした。また、ACGIH(7th, 2001)、DFGOT(vol.11, 1998)およびEHC 202(1998)のウサギを用いた単回経口投与試験において白内障発現が区分2のガイダンス値範囲の用量で認められたとの記述から、区分2(眼)とした。 | |
9 | 特定標的臓器毒性(反復暴露) | 区分1(血液、眼、鼻) | 危険 | H372: 長期にわたる、又は反復暴露による臓器の障害(血液、眼、鼻) |
P260: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。 P264: 取扱後は...よく洗うこと。 P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。 P314: 気分が悪いときは、医師の診断/手当てを受けること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
DFGOT(vol.11, 1998)およびEU RAR(2003)のヒトで低濃度の反復吸入暴露により溶血性貧血が認められたとの記述、ACGIH(7th, 2001)、DFGOT(vol.11, 1998)、EU RAR(2003)、IRIS(1998)、CERIハザードデータ集(1997)、NTP TR500(2000)およびATSDR(2003)の職業暴露例において水晶体の混濁が認められたとの記述、ならびにEU RAR(2003)のラットを用いた吸入暴露試験においてolfactory epitheliumの変化が区分1のガイダンス値範囲で認められたとの記述から、区分1(血液、眼、鼻)とした。 | |
10 | 吸引性呼吸器有害性 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
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11 | 水生環境有害性(急性) | 区分1 | 警告 | H400: 水生生物に非常に強い毒性 |
P273: 環境への放出を避けること。 P391: 漏出物を回収すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
魚類(ニジマス)の96時間LC50=0.11mg/L(CERIハザードデータ集、1997)から、区分1とした。 | |
11 | 水生環境有害性(長期間) | 区分1 | 警告 | H410: 長期継続的影響によって水生生物に非常に強い毒性 |
P273: 環境への放出を避けること。 P391: 漏出物を回収すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
急性毒性が区分1、生物蓄積性が低いものの(BCF=168(既存化学物質安全性点検データ))、急速分解性がない(BODによる分解度:2%(既存化学物質安全性点検データ))ことから、区分1とした。 |
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